Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド 10g リリース2(10.2) for HP Tru64 UNIX B31763-02 |
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この章では、HP Tru64にOracle Clusterwareをインストールする手順について説明します。Oracle Database 10g Real Application Clustersをインストールする場合、このフェーズは2つあるインストール・フェーズの1つとなります。この章の内容は次のとおりです。
次のコマンド構文を使用して、クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を起動し、Oracle Clusterwareをインストールするためのシステム要件を検証します。
/mountpoint/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node_list
前述の構文例のmountpoint
変数はインストール・メディアのマウント・ポイント、node_list
変数はクラスタ内のノード名(カンマで区切る)です。
たとえば、クラスタが、マウント・ポイント/dev/dvdrom/と、node1
、node2
およびnode3
で構成されている場合は、次のコマンドを入力します。
/dev/dvdrom/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node1,node2,node3
CVUによるOracle Clusterwareのインストール前のステージ検証では、次の項目が検証されます。
Oracle Clusterwareをインストールするための要件をシステムが満たしていないことがCVUのレポートに示された場合は、この項の説明に従ってレポートに示されている問題を解決し、CVUコマンドを再実行します。
「ユーザーのユーザー等価チェックが失敗しました。」
原因: すべてのノード間でユーザー等価関係の設定に失敗しました。必要なユーザーが作成されていないか、またはセキュア・シェル(SSH)構成が適切に完了していないことが原因である可能性があります。
処置: CVUによって、ユーザー等価関係の設定に失敗したノードのリストが表示されます。失敗したノードと示されている各ノードに対して、ユーザー構成およびSSH2構成が正常に完了していることをoracle
ユーザー構成で確認してください。
su - oracle
コマンドを使用し、date
コマンド引数を指定したssh
コマンドを次の構文を使用してローカル・ノードで実行し、ユーザー等価関係を手動で確認してください。
ssh2 node_name date
このコマンドによって、node_name
に指定した値で指定されたリモート・ノードのタイムスタンプが出力されます。デフォルトの場所(/usr/bin
ディレクトリ)にssh2
がある場合は、ssh2
を使用してユーザー等価関係を構成します。ユーザー等価関係は、rsh
を使用しても確認できます。
SSH2を使用してホスト・ノードに接続してからCVUを実行しないと、ユーザー等価関係エラーが示されます。SSHを使用してdateコマンドを入力した際に次のメッセージが表示された場合、この問題はユーザー等価関係エラーが原因である可能性があります。
The authenticity of host 'node1 (140.87.152.153)' can't be established. RSA key fingerprint is 7z:ez:e7:f6:f4:f2:4f:8f:9z:79:85:62:20:90:92:z9. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
「yes」と入力してCVUを再び実行し、ユーザー等価関係エラーが解決されたかどうか確認します。
ssh
がデフォルト(/usr/bin
)以外の場所にある場合は、CVUによって、ユーザー等価関係の検証に失敗したことがレポートされます。このエラーを回避するには、$CV_HOME/cv/admin
ディレクトリに移動し、テキスト・エディタでcvu_config
ファイルを開き、ORACLE_SRVM_REMOTESHELL
キーを追加または更新してシステム上のssh2パスの位置を指定します。次に例を示します。
# Locations for ssh2 and scp2 commands ORACLE_SRVM_REMOTESHELL=/usr/local/bin/ssh2 ORACLE_SRVM_REMOTECOPY=/usr/local/bin/scp2
cvu_config
ファイルを変更する場合は、次の規則に注意します。
パス設定の変更後、再度CVUを実行します。また、ssh2がデフォルト以外の場所にある場合は、リモート・シェルおよびリモート・コピー・コマンドに別の場所を指定するために引数を追加してOUIを起動する必要があります。これらの引数の使用方法の詳細を表示するには、runInstaller -help
を入力してください。
注意:
ユーザーまたはOUIが
エラーを回避するには、 X11転送に関するメッセージが表示された場合は、第2章の「クラスタ・メンバー・ノードでのSSH2認証の構成」を実行して問題を解決します。 次のようなエラーが出力される場合もあります。 stty: standard input: Invalid argument
これらのエラーは、システム上の隠しファイル( |
「ノードからのノード到達可能性チェックが失敗しました。」または「ノード接続性チェックが失敗しました。」
原因: クラスタ内に、TCP/IPプロトコルを使用したパブリックまたはプライベート・インターコネクトで到達できない1つ以上のノードがあります。
処置: /usr/sbin/ping
address
コマンドを使用して、各ノードのアドレスを確認してください。到達できないアドレスを発見した場合は、パブリックおよびプライベート・アドレスのリストを確認して、それらを正しく構成してください。サードパーティ・ベンダーのクラスタウェアを使用している場合は、そのベンダーのドキュメントを参照してください。パブリック・ネットワーク・インタフェースおよびプライベート・ネットワーク・インタフェースのインタフェース名は、クラスタ内の各ノードで同じである必要があります。
「ユーザーの存在チェックが失敗しました。」または「ユーザーとグループの関係チェックが失敗しました」
原因: インストールに必要なユーザーおよびグループの管理権限が付与されていないか、または正しくありません。
処置: 各ノードでid
コマンドを使用して、oracle
ユーザーが正しいグループ・メンバーシップで作成されていることを確認してください。必要なグループを作成していてることを確認し、影響のあるノードでユーザー・アカウントを作成または変更して、必要なグループ・メンバーシップを設定してください。
Oracle Clusterwareをインストールする前に、次のチェックリストを使用して、インストール中に必要なすべての情報が揃っていること、およびOracle Clusterwareをインストールする前に実行しておく必要があるすべての作業が完了していることを確認します。作業を完了するたびにその作業のチェック・ボックスを選択し、インストール中に使用できるように必要な情報を書き込みます。
この項では、Oracle Universal Installer(OUI)を使用してOracle Clusterwareをインストールする方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
クラスタにOracle Clusterwareをインストールするには、次の手順を実行します。インストール中に、求められている操作に対して疑問がある場合は、OUIページの「ヘルプ」ボタンをクリックします。
clusterware
からrunInstaller
コマンドを実行します。OUIの「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。
root.sh
を実行すると、OUIによってOracle Notification Serverコンフィギュレーション・アシスタント、Oracleプライベート・インターコネクト・コンフィギュレーション・アシスタントおよびクラスタ検証ユーティリティが起動されます。これらのプログラムはユーザーの介入なしに起動されます。
Oracle Clusterwareのインストールが正常に完了したことが検証されると、Oracle Clusterwareのインストールは完了です。
Oracle Database 10g およびRACをインストールする場合は、第5章「Oracle Database 10g およびOracle Real Application Clustersのインストール」に進みます。Oracle Clusterwareを単独で使用する場合は、シングル・インスタンスのOracleデータベースのインストール・ガイドを参照してください。
Oracle Clusterwareのインストール中、「クラスタ構成の指定」ページで、クラスタ構成情報を手動で指定するか、クラスタ構成ファイルを使用するかを選択できます。クラスタ構成ファイルはテキスト・ファイルで、OUIを起動する前に作成できます。このファイルによって、クラスタの構成に必要なクラスタ名およびノード名の情報がOUIに提供されます。
テスト・クラスタへのインストールを繰り返し実行する場合、または多数のノードでインストールを実行する場合は、クラスタ構成ファイルの使用をお薦めします。
クラスタ構成ファイルを作成するには、次の手順を実行します。
Disk1/response
ディレクトリに移動します。
crs.rsp
を開き、CLUSTER_CONFIGURATION_FILE
のセクションを検索します。
Oracle Clusterwareのインストールでコンポーネントの問題があることがCVUのレポートに示された場合は、この項の説明に従ってレポートに示されている問題を解決し、CVUコマンドを再実行します。
「次のノードでCSSがローカル専用の非クラスタ構成で稼働している可能性があります」
原因: OCRの構成エラーです。エラー・メッセージには、このエラーが検出されたノードが示されます。
このエラーが発生するのは、指定した各ノードで、OCR構成ファイルocr.loc
の内容が取得できない場合か、または構成キーlocal_only
がエラー・メッセージに示されたノードの構成ファイルでTRUE
に設定されいてる場合のいずれかです。
処置: Oracle Clusterwareがノードにインストールされていることを確認してください。OCR構成が不適切な場合は正しく構成してください。また、CVUコマンドの入力時に、ノード名を正しく入力したことを確認してください。
「OCR整合性詳細を次のノードから取得できません」
原因: エラー・メッセージに示されているノードでocrcheck
ツールを正常に実行できません。
処置: ocrcheckツールが示すエラーがクラスタ内の一部のノードのみに対する場合は、OCRがその一連のノードで構成されていません。ocrcheckツールが示すOCR整合性チェックがすべてのノードで失敗している場合は、OCR記憶域領域が破損しています。この問題を解決するためのocrconfig -repairの使用方法については、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
OCRを構成する場合は、ocrconfig -repair
(『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照)を使用するか、または手動で行います。
手動でOCRを構成する場合は、oracle
ユーザーとして、次のコマンドをCRSホームのbinディレクトリから入力します。
$ ./ocrcheck
OCR記憶域領域が破損しているかどうかをテストするには、次の作業を実行します。
「OCRバージョンがノード間で矛盾しています。」
原因: OCRバージョンがすべてのクラスタ・メンバー・ノードで一致していません。すべてのノードが同じクラスタに属していないか、ノードが同じOCRを指していないか、またはOCR構成ファイルが1つ以上のノードで無効な構成に手動で変更されているかのいずれかです。
処置: 次の確認を行ってください。
ocrcheck
ユーティリティ(/crs/home/bin/ocrcheck
)を使用して、各ノードのOCRの場所を検出します。次のコマンドのいずれかを使用してocrcheck
を起動します。rootユーザーの場合は、次のとおりです。
# ocrcheck
oracle
ユーザーまたはOSDBAグループ権限を持つユーザーの場合は、ユーザーのホーム・ディレクトリから実行します。
$ /crs/home/bin/ocrcheck
ocrconfig -repair ocrmirror device_name
ocrconfig -repair
コマンドによって、コマンドを実行したノードのOCR構成のみが変更されます。
「次のノードに不正なOCRバージョンが見つかりました: {1}」
原因: 指定したノードのOCRバージョンがOracle Database 10g リリース2(10.2)で必要なバージョンと一致していません。
処置: 前述(「OCRバージョンがノード間で矛盾しています。」)のエラー・メッセージの説明と同じ手順を実行してください。
「OCR整合性は無効です。」
原因: OCRのデータの整合性が無効です。これはOCR記憶域が破損していることを示しています。
処置: 前述(「OCR整合性詳細を次のノードから取得できません」)のエラー・メッセージの説明と同じ手順を実行してください。
「OCR IDがノード間で矛盾しています。」
原因: 1つ以上のノードが異なる場所のOCRを示しています。
処置: 前述(「OCRバージョンがノード間で矛盾しています。」)のエラー・メッセージの説明と同じ手順を実行してください。
Oracle Clusterwareのインストール後、Oracle Clusterwareが機能するには、次のプロセスが環境内で実行されている必要があります。
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