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Oracle Database Clientインストレーション・ガイド
10g リリース2(10.2) for Linux x86-64

B25532-01
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4 インストール後の作業

この章では、ソフトウェアのインストール後にインストール後の作業を完了する方法について説明します。 この章の内容は、次のとおりです。

「インストール後の必須作業」で説明する作業は、必ず実行してください。どのインストール・タイプの場合も、「インストール後の推奨作業」で説明する作業を実行することをお薦めします。

「インストール後の製品固有の必須作業」で説明する製品のいずれかをインストールしており、使用する予定の場合は、製品固有の項で説明する作業を実行する必要があります。


注意

この章では、基本構成についてのみ説明します。 より詳細な構成およびチューニングの詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス』および製品固有の管理およびチューニング・ガイドを参照してください。 


インストール後の必須作業

インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行する必要があります。

パッチのダウンロードとインストール

OracleMetalinkのWebサイトで、インストールに必要なパッチを確認します。


注意

パッチをダウンロードしてもInstant Clientを更新できません。 Instant Clientを更新するには、「Instant Clientの更新」の手順を実行してください。 


必要なパッチをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. Webブラウザを使用して、OracleMetalinkのWebサイトにアクセスします。

    http://metalink.oracle.com
    
    
  2. OracleMetalinkにログインします。


    注意

    OracleMetalinkに登録していない場合は、「Register for MetaLink!」をクリックし、表示される指示に従って登録してください。 


  3. OracleMetalinkのメイン・ページで「Patches」をクリックします。

  4. 「Simple Search」を選択します。

  5. 次の情報を指定して「実行」をクリックします。

    • 「Search By」フィールドで、「Product」または「Family」を選択して「RDBMS Server」を指定します。

    • 「リリース」フィールドで現行のリリース番号を指定します。

    • 「Patch Type」フィールドで「Patchset/Minipack」を指定します。

    • 「Platform or Language」フィールドでプラットフォームを選択します。

Oracle Enterprise Manager Java Consoleの実行

Oracle Enterprise ManagerのDatabase ControlまたはGrid Controlを使用して、Oracle Database 10gデータベースを管理するのみでなく、Oracle Enterprise ManagerのJava Consoleを使用して、このリリースまたは以前のリリースのデータベースを管理できます。Java Consoleは、「管理者」インストール・タイプを選択するとインストールされます。


注意

可能な場合は、Java ConsoleではなくGrid ControlまたはDatabase Controlを使用することをお薦めします。 


Java Consoleを起動する手順は、次のとおりです。

  1. ORACLE_HOME環境変数を設定し、Oracle ClientをインストールしたOracleホーム・ディレクトリを指定します。

  2. システムの共有ライブラリ・パス環境変数LD_LIBRARY_PATHを、次の値に設定します。

    $ORACLE_HOME/lib32:$ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH

  3. 次のコマンドを入力してJava Consoleを起動します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/oemapp console
    

    関連項目:

    Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログインの詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』の第5章にあるOracle Enterprise Manager Database Controlへのログインに関する項を参照してください。 

Oracle Enterprise Managerリポジトリのユーザーに対する追加権限の提供

Oracle Enterprise Manager Java Consoleを使用してデータベースを管理している場合、リポジトリを作成してそのユーザーに次の権限を付与します。

CREATE CLUSTER
CREATE DATABASE LINK
CREATE SEQUENCE
ALTER SESSION
CREATE SYNONYM
CREATE TABLE
CREATE VIEW


注意

Oracle Enterprise Manager Java Consoleは、Oracle Database Clientインストール・メディア上にあります。 


リポジトリを作成して権限を付与するには、次の手順を実行します。

  1. スタンドアロンのJava Consoleを起動します。

  2. ナビゲーション・ツリー内のデータベース・ツリーをダブルクリックして、NORMALロールを持ったユーザーとしてデータベースに接続します。

  3. 「オブジェクト」メニューから「作成」を選択します。

    「作成」ウィンドウが表示されます。

  4. 「作成」ウィンドウ内のデータベース・ノードを展開し、「ユーザー」を選択します。 続いて「作成」をクリックします。

    「ユーザーの作成」プロパティ・シートが表示されます。

  5. 「一般」ページで、ユーザーの名前とパスワードを入力し、デフォルト表領域としてOEM_REPOSITORY、一時表領域としてTEMPを選択します。

  6. 「ロール」ページで、リポジトリ・ユーザーにCONNECTおよびSELECT_CATALOG_ROLE権限を付与します。

  7. 「システム権限」ページで、リポジトリ・ユーザーに次の権限を付与します。

    CREATE TRIGGER
    CREATE PROCEDURE
    EXECUTE ANY PROCEDURE
    CREATE TYPE
    EXECUTE ANY TYPE
    SELECT ANY TABLE
    CREATE CLUSTER
    CREATE DATABASE LINK
    CREATE SEQUENCE
    ALTER SESSION
    CREATE SYNONYM
    CREATE TABLE
    CREATE VIEW
    
    
  8. 「割当て制限」ページで、OEM_REPOSITORYおよびTEMPに「無制限」を指定します。

  9. 「ユーザーの作成」プロパティ・シートで、「作成」をクリックします。

Instant Clientの更新

Instant Clientを更新する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology/index.html)からInstant Clientをダウンロードします。

  2. ファイルを既存のディレクトリに格納する場合は、そのディレクトリが空であることを確認します。

    ファイルを別のディレクトリに格納(および以前のファイルを削除)する場合、必ずPATH環境変数の設定を更新して新しい格納場所を反映させてください。


    注意:

    Instant ClientまたはInstant Client Lightを使用する上での制限事項は、ここでopatchユーティリティを使用してパッチのアップグレードを実行できないことです。これは、Instant Clientをインストールしても、パッチのアップグレード・プロセスの実行に必要となるインベントリが作成されないためです。また、インベントリが存在しない場合、パッチの試行が不可能になる前に中間パッチ・レポートがインストールされ、競合が検出されることを意味します。  


Instant Clientでの接続

「InstantClient」インストール・タイプをインストールした場合は、動的にリンクされるクライアント・アプリケーションからデータベースに接続できるように、ユーザーの環境を次の手順で構成できます。

  1. プラットフォームに対して適切な共有ライブラリ・パス環境変数を設定して、Instant Clientライブラリを含むディレクトリを指定します。「InstantClient」インストール・タイプの場合、このディレクトリはインストール時に指定したOracleホーム・ディレクトリです。次に例を示します。

    /u01/app/oracle/product/10.2.0/client_1
    
    

    必須の環境変数はLD_LIBRARY_PATHです。

  2. 次のいずれかの方法で、クライアント・アプリケーションのデータベース接続情報を指定します。

    • 次の形式でSQL接続URL文字列を指定します。

      //host:port/service_name
      
      
    • TNS_ADMIN環境変数を設定し、tnsnames.oraファイルの名前と位置を指定します。

    • TNS_ADMIN環境変数を設定して、TWO_TASK環境変数を設定し、tnsnames.oraファイルからサービス名を指定します。

インストール後の推奨作業

インストールの完了後は、次のセクションで説明する各作業を実行することをお薦めします。

Instant Client Lightの構成

Instant Clientをインストールすると、Instant ClientライブラリがORACLE_HOMEディレクトリにインストールされ、Instant Client Light固有のライブラリがORACLE_HOME/lightディレクトリにインストールされます。Instant Client Lightを構成するには、ORACLE_HOME/libociei.soファイルをORACLE_HOME/light/libociicus.soファイルに置き換える必要があります。

ライブラリ・ファイルを置き換えた後、Instant Client共有ライブラリ・ファイルの場所を指すようにLD_LIBRARY_PATH環境変数を設定する必要があります。次に例を示します。

$ORACLE_HOME

root.shスクリプトのバックアップの作成

インストールの完了後に、root.shスクリプトのバックアップを作成することをお薦めします。他の製品を同じOracleホーム・ディレクトリにインストールすると、Oracle Universal Installerにより、インストール中に既存のroot.shスクリプトの内容が更新されます。オリジナルのroot.shスクリプトに含まれていた情報が必要な場合は、バックアップのroot.shファイルからリカバリできます。

Instant ClientまたはInstant Client LightのOracle Databaseへの接続

Instant Client(Instant Client Lightを含む)をOracle Databaseに接続する前に、LD_LIBRARY_PATH環境変数により、Instant Clientライブラリが格納されたディレクトリが指定されていることを確認してください。このディレクトリは、インストール時に指定したORACLE_HOMEディレクトリです。

たとえば、Instant ClientまたはInstant Client Light(Instant Client Lightを構成した場合)の共有ライブラリは、次のディレクトリに格納されています。

/u01/app/oracle/product/10.2.0/client_1

LD_LIBRARY_PATH環境変数をチェックした後、次のいずれかの方法を使用して、クライアント・アプリケーションに関するOracle Database接続情報を指定できます。

簡易接続ネーミング・メソッドを使用した接続の指定

Instant Clientのtnsnames設定を構成することなく、クライアント・アプリケーションから直接Oracle Databaseに対する接続アドレスを指定できます。この方法は、tnsnames.oraファイルを作成および管理する必要がないという点で便利です。ただし、アプリケーション・ユーザーは、アプリケーションにログインするときにホスト名およびポート番号を指定する必要があります。

たとえば、クライアント・マシン上でSQL*Plusを実行しており、ホスト名がshobeen、ポート番号が1521のサーバーに置かれたsales_usデータベースに接続するとします。SQL*Plusをコマンドラインから起動する場合、次のようにログインできます。

Enter user-name: system@admin@//shobeen:1521/sales_us

同様に、アプリケーション・コードでOracle Call Interfaceネット・ネーミング・メソッドを使用して、Instant ClientとOracle Databaseの接続を作成できます。たとえば、OCIServerAttach()コール内の次の形式により、接続情報を指定します。

tnsnames.oraファイルの構成による接続の指定

デフォルトでは、Instant Clientをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、サンプルのtnsnames.oraファイルも、通常このファイルの作成に使用されるOracle Netコンフィギュレーション・アシスタント・ユーティリティも含められません。ただし、ユーザーが実際のホスト名およびポート番号を指定しなくてもすむようにするには、tnsnames.oraファイルを使用してクライアントとOracle Databaseの接続を設定することを考慮します。

別のOracleインストールからこのファイルをコピーして変更することによって、tnsnames.oraファイルを手動で作成するか、またはOracle Netコンフィギュレーション・アシスタントを使用して、このファイルを自動的に作成および管理できます。

Oracle Netコンフィギュレーション・アシスタントをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Universal Installerを実行します。

  2. 「カスタム」インストール・タイプを選択します。

  3. 「使用可能な製品コンポーネント」リストで、Oracle Network Utilitiesを選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「サマリー」画面で「インストール」をクリックしてから、「終了」および「はい」をクリックしてOracle Universal Installerを終了します。

各クライアント・コンピュータ上で、次のいずれかの設定を構成します。

空の接続文字列およびLOCAL環境変数を使用した接続の指定

接続文字列を空の接続文字列("")に設定してから、LOCAL環境変数を次のいずれかの値に設定できます。

この方法により、アプリケーションは、アプリケーション・コード自体が空の接続文字列を使用する場合に、接続文字列を内部的に指定できます。空の接続文字列のメリットは、アプリケーション自体がtnsnames.oraエントリを指定する必要がないという点です。かわりに、ユーザーがアプリケーションを起動した場合、データベースの場所は、スクリプトまたは環境、つまりLOCAL環境変数をどこに設定したかによって決定されます。空の文字列を使用するデメリットは、アプリケーションがデータベースに接続するためにこの追加情報を構成する必要があるという点です。

ユーザー・アカウントの設定

ユーザー・アカウントの追加設定の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス』を参照してください。

NLS_LANG環境変数の設定

NLS_LANGは、Oracleソフトウェアのロケール動作を指定する環境変数です。この変数により、クライアント・アプリケーションおよびデータベース・サーバーで使用される言語および地域が設定されます。 また、クライアントのキャラクタ・セットも設定されます。これは、SQL*PlusなどのOracleクライアント・プログラムにより入力または表示されるデータのキャラクタ・セットです。

クライアント静的ライブラリの生成

クライアント静的ライブラリ(libclntst10.a)は、インストール時には生成されません。アプリケーションをクライアント静的ライブラリにリンクする場合は、最初に次の手順で生成する必要があります。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

  2. ORACLE_HOME環境変数を設定して、Oracle Clientのインストールに使用したOracleホーム・ディレクトリを指定します。次に例を示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/10.2.0/client_1 
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/10.2.0/client_1
      
      
  3. 次のコマンドを入力します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/genclntst
    

インストール後の製品固有の必須作業

ここでは、該当する製品をインストールして使用する場合に実行する必要のある、プラットフォーム固有のインストール後の作業について説明します。

Oracle Net Servicesの構成

このシステムに以前のリリースのOracleソフトウェアがインストールされている場合、以前のリリースのOracle Net tnsnames.ora構成ファイルの情報を、対応する新しいリリースのファイルにコピーできます。


注意

tnsnames.oraファイルのデフォルト位置は、$ORACLE_HOME/network/admin/ディレクトリです。ただし、このファイル用に集中的な場所を使用することもできます。たとえば、/etcなどです。 


必要な場合は、追加データベース・インスタンスの接続情報を新規ファイルに追加することもできます。

Oracleプリコンパイラの構成

この項では、インストール後のOracleプリコンパイラに関する作業について説明します。


注意

プリコンパイラ構成ファイルは、すべて$ORACLE_HOME/precomp/adminディレクトリにあります。 


Pro*C/C++の構成

PATH環境変数の設定に、Cコンパイラの実行可能ファイルを含むディレクトリが指定されていることを確認します。

表4-1に、デフォルト・ディレクトリおよび該当するコンパイラのパス設定確認コマンドを示します。

表 4-1    C/C++コンパイラのディレクトリ 
パス  コマンド 

/usr/bin 

$ which gcc 

/opt/intel_cce_80/bin/icc 

$ which icc 

Pro*FORTRANの構成

PATH環境変数の設定に、FORTRANコンパイラの実行可能ファイルを含むディレクトリが指定されていることを確認します。パス設定を確認するには、which xlfコマンドを使用します。FORTRAN実行可能ファイルのパスは/usr/binです。

OCCIの構成

Red Hat Enterprise Linux 3では、2セットのOracle C++ Call Interface(OCCI)ライブラリがこのリリースとともにインストールされます。1セットはリリース2.96のGNU C++コンパイラ、残りの1セットはリリース3.2のGNU C++で使用します。ライブラリは次の位置にインストールされます。

ライブラリはすべてのLinuxディストリビューションでインストールされますが、一部のディストリビューションではサポートされません。次の表に、各ディストリビューションでサポートされるGNU C++バージョンを示します。

Linuxディストリビューション  サポートされるGNU C++バージョン 

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3 

2.96および3.2 

SUSE Linux Enterprise Server 9 

3.3.3〜43のみ 

ディストリビューションの該当するライブラリへの必要なシンボリック・リンクを$ORACLE_HOME/libディレクトリに作成するには、ライブラリへのシンボリック・リンクを作成するか、またはライブラリのバックアップを作成した後にライブラリを上書きする必要があります。たとえば、$ORACLE_HOME/lib/libocci10.aおよび$ORACLE_HOME/lib/libocci10.so.10.1を削除した後に、次のコマンドを使用してライブラリへのシンボリック・リンクを作成できます。

$ ln -s  $ORACLE_HOME/lib/libocci10_296.a $ORACLE_HOME/lib/libocci10.a
$ ln -s  $ORACLE_HOME/lib/libocci10_296.so.10.1 $ORACLE_HOME/lib/libocci10.so.10.1


注意

$ORACLE_HOME/bin/genoccishを実行した場合、デフォルトでlibocci.so.10.1ライブラリが再生成されます。 gcc 2.96 OCCIライブラリへのシンボリック・リンクをデフォルト名に変更したり作成していない場合に、gcc2.96 OCCI共有オブジェクトを再生成するには、$ORACLE_HOME/bin/genoccishを実行する前に、BUILD_CCC296環境変数を1に設定する必要があります。これにより、libocci10_296.so.10.1ライブラリが再生成されます。 



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