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Oracle Database インストレーション・ガイド
10g リリース2(10.2) for Linux on POWER

B25806-01
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2 インストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要のある作業について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

rootとしてのシステムへのログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとして複数の作業を完了しておく必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のどちらか一方を実行します。


注意

サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、X端末、またはXサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする必要があります。

サイレント・モードのインストールの詳細は、付録Aを参照してください。 


ハードウェア要件の確認

システムは、次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 物理RAMのサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # grep MemTotal /proc/meminfo
    
    

    物理RAMのサイズが必要なサイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済スワップ領域のサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # grep SwapTotal /proc/meminfo
    
    

    追加のスワップ領域を構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. 使用可能なRAMおよびスワップ領域を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # free
    


    注意

    値を確定する前に、使用可能なRAMおよびスワップ領域に複数の値を使用してみることをお薦めします。これは、使用可能なRAMおよびスワップ領域は、コンピュータでのユーザー操作に応じて絶えず変化するためです。 


  4. /tmpディレクトリで使用可能なディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    
    

    /tmpディレクトリで使用可能な空きディスク領域が400 MB未満の場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに(後述)、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に問い合せてください。

  5. システム上の空きディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    
    

    次の表に、各インストール・タイプのソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域の概算を示します。

    インストール・タイプ  ソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域(GB) 

    Enterprise Edition 

    2.5 

    Standard Edition 

    2.3 

    カスタム(最大) 


  6. システム・アーキテクチャがソフトウェアを実行できるかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # grep "model name" /proc/cpuinfo
    


    注意

    このコマンドを実行すると、プロセッサのタイプが表示されます。プロセッサのアーキテクチャが、インストールするOracleソフトウェアのリリースと一致していることを確認してください。予期された出力が表示されなければ、このシステムにはソフトウェアをインストールできません。 


ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、システムに次のソフトウェアがインストールされているかどうかを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、表の後に説明します。


注意

Oracle Universal Installerは、システムをチェックして、リストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。 



項目  要件 

オペレーティング・
システム 

次のいずれかのオペレーティング・システム・バージョン:

  • Red Hat Linux 4.0(Update 1以上)

  • SUSE Linux Enterprise Server 9.0(SP2以上)

 

カーネル・バージョン 

システムでは、次のカーネルのバージョン(またはそれ以上のバージョン)を実行する必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 4.0の場合

2.6.9-11.EL

SUSE Linux Enterprise Server 9の場合

2.6.5-7.191-pseries64 

パッケージ 

次のパッケージ(またはこれより新しいバージョン)をインストールする必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 4.0の場合

Gmake-3.80-5
gcc-3.4.3-22.1
gcc-ppc32-3.4.3-22.1
gcc-c++-3.4.3-22.1
gcc-c++-ppc32-3.4.3-22.1
glibc-2.3.4-2.9
glibc-2.3.4-29 (64-Bit)
libgcc-3.4.3-9.EL4
libgcc-3.4.3-9.EL4.ppc64.rp
libstdc++-3.4.3-9.EL4
libstdc++-devel-3.4.3-9.EL4
libaio-0.3.103-3
libaio-0.3.103-3 (64-Bit)
libaio-devel-0.3.103-3 (64-Bit)
compat-libstdc++-33-3.2.3-47.3
binutils-2.15.92.0.2-13

SUSE Linux Enterprise Server 9の場合

gcc-3.3.3-43.34
gcc-64bit-9-200505240008
gcc-c++-3.3.3-43.34
glibc-2.3.3-98.47
glibc-64bit-9-200506062240
libgcc-3.3.3-43.34
libgcc (64-bit) 9-200505240008
libstdc++-3.3.3-43.34
libstdc++-devel-3.3.3-43.34
libaio-0.3.102-1.2
libaio-64bit-9-200502241152
libaio-devel-0.3.102-1.2
libaio-devel-0.3.102-1.2 (64-bit)
Gmake-3.80-184.1
binutils-2.15.90.0.1.1-32.10
binutils-64bit-9-200505240008
 

Oracle Messaging Gateway 

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Streams Advanced Queuing(AQ)と次のソフトウェアとの統合をサポートしています。

IBM WebSphere MQ V5.3、クライアントおよびサーバー

MQSeriesClient
MQSeriesServer
MQSeriesRuntime
 

C/C++ランタイム環境 

次のリンクから、IBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux Runtime Environment Componentをライセンス要件なしで無償でダウンロードします。

http://www-1.ibm.com/support/docview.wss?rs=2030&context=SSJT9L&context=SSENT9&context=SSEP5D&dc=D400&dc=D410&dc=D420&dc=D430&q1=Run-time+Environment+Component&uid=swg24007906&loc=en_US&cs=utf-8&lang=en

このリンクから、XL Optimization Librariesコンポーネントをダウンロードしてインストールする必要もあります。 

PL/SQLネイティブ・
コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) 

該当のディストリビューションに対して示されていたバージョンのGNU CおよびC++コンパイラは、これらの製品で使用できるようにサポートされています。

注意: IBM XL C/C++コンパイラ・バージョン7.0以上もサポートされています。

Oracleユーザー・アプリケーションにIBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux on POWERコンパイラを使用する場合、V7.0.1以上のバージョンである必要があります。 ダウンロード情報およびアップデートについては、次のリンクを参照してください。

http://www-306.ibm.com/software/awdtools/xlcpp/features/linux/

IBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux on POWERコンパイラがインストールされている場合は、IBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux Runtime Environment Componentが自動的にインストールされます。 

Pro*COBOL 

次の製品は、Pro*COBOLでの使用が動作保証されています。

  • Microfocus Server Express 4.0 SP 2(SLES 9の場合)

 

Pro*FORTRAN 

XL Fortran Advanced Edition V9.1.1 for Linux(またはそれ以上) 

Oracle JDBC/OCI
ドライバ 

次のオプションのJDKバージョンはOracle JDBC/OCIドライバで使用できますが、インストールは必須ではありません。

  • IBM Java 1.4.2 64-bit(SR1a)以上

  • IBM Java 1.4.2 32-bit(SR1a)以上

  • IBM Java 1.3.1 32-bit(SR8)以上(SLES 9の場合のみ)

注意: デフォルトでは、IBM Java 1.4.2 32-bitはこのリリースとともにインストールされます。  

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/issue
    


    注意

    サポートされているのは、前述の表に示したディストリビューションおよびバージョンのみです。他のバージョンのLinuxには、このソフトウェアをインストールしないでください。 


  2. 必要なカーネルがインストールされているかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    
    

    Red Hat Enterprise Linux 4.0システムでこのコマンドを実行した場合に表示される出力の例を次に示します。

    2.6.9-11.EL
    
    

    この例の出力には、システム上のカーネル・バージョン(2.6.9)およびエラータ・レベル(11.EL)が表示されています。

    カーネル・バージョンがこの項ですでに指定した要件を満たしていない場合、カーネル・アップデートの取得およびインストールの詳細について、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

  3. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを判別するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージがインストールされていない場合は、Linuxディストリビューションのメディアからインストールするか、または必要なパッケージのバージョンをLinuxのベンダーのWebサイトからダウンロードしてください。

  4. WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を確認します。

    http://www.ibm.com/software/integration/mqfamily/support/summary/lin.html
    

ネットワーク設定の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続され、Oracle Databaseインストールを格納するためのローカル記憶域があり、ディスプレイ・モニターとCD-ROMまたはDVDドライブを備えています。

この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Databaseをインストールする方法について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

名前解決の構成

名前解決が設定されていない場合は、Oracle Universal Installerを実行するとエラーが発生することがあります。このエラーを回避するには、インストール前に、ホスト名が/etc/hostsファイルを介してのみ解決されることを確認する必要があります。

ホスト名が/etc/hostsファイルを介してのみ解決されることを確認する手順は、次のとおりです。

  1. /etc/hostsファイルが名前解決に使用されることを確認します。そのためには、次のようにnsswitch.confファイル内のhostsファイル・エントリを確認します。

    # cat /etc/nsswitch.conf | grep hosts
    
    

    このコマンドの出力には、ファイルのエントリが含まれています。

  2. 次のようにhostnameコマンドを使用して、ホスト名が設定されていることを確認します。

    # hostname
    
    

    このコマンドの出力は、次のようになります。

    myhost.mycomputer.com
    
    
  3. 次のようにdomainnameコマンドを使用して、ドメイン名が動的に設定されていないことを確認します。

    # domainname
    
    

    このコマンドでは結果が戻されません。

  4. 次のコマンドを使用して、hostsファイルに完全修飾ホスト名が含まれていることを確認します。

    # cat /etc/hosts | grep `eval hostname`
    
    

    このコマンドの出力には、完全修飾ホスト名とlocalhostのエントリが含まれています。

    次に例を示します。

    192.168.100.16    myhost.us.mycompany.com   myhost
    127.0.0.1         localhost                 localhost.localdomain
    
    

    hostsファイルに完全修飾ホスト名が含まれていない場合は、ファイルを開き、必要な変更を行います。

DHCPコンピュータへのインストール

Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)は、ネットワーク上で動的なIPアドレスを割り当てます。動的アドレッシングにより、コンピュータはネットワークに接続するたびに異なるIPアドレスを使用できます。コンピュータを接続したままでIPアドレスを変更できる場合もあります。DHCPシステムでは、静的IPアドレッシングと動的IPアドレッシングを混在させることができます。

DHCP設定時に、ソフトウェアによりIPアドレスが追跡され、ネットワーク管理が簡素化されます。これにより、新規コンピュータに一意のIPアドレスを手動で割り当てなくても、ネットワークに追加できます。

マルチホーム・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseをマルチホーム・コンピュータにインストールできます。マルチホーム・コンピュータは複数のIPアドレスに関連付けられています。通常は、そのためにコンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されています。各IPアドレスはホスト名に関連付けられています。また、ホスト名の別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。ORACLE_HOSTNAMEが設定されておらず、インストール先コンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されている場合、Oracle Universal Installerでは/etc/hostsファイルの最初のエントリを使用してホスト名が判別されます。

クライアントは、このホスト名を使用するか、このホスト名の別名を使用して、コンピュータにアクセスできる必要があります。これを確認するには、短縮名(ホスト名のみ)および完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。両方のテストに成功する必要があります。

ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定

ORACLE_HOSTNAME環境変数を設定する手順は、次のとおりです。

たとえば、完全修飾ホスト名がsomehost.us.acme.comの場合は、次のいずれかのコマンドを入力します。

Bourne、BashまたはKornシェルの場合

$ ORACLE_HOSTNAME=somehost.us.acme.com
$ export ORACLE_HOSTNAME

Cシェルの場合

% setenv ORACLE_HOSTNAME somehost.us.acme.com

複数の別名を持つコンピュータへのインストール

複数の別名を持つコンピュータは、ネーミング・サービスに1つのIPと複数の別名で登録されます。ネーミング・サービスでは、これらの別名のいずれかが同じコンピュータに解決されます。この種のコンピュータにOracle Databaseをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数を、ホスト名を使用するコンピュータに設定してください。

非ネットワーク・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、そのコンピュータをOracle Databaseのインストール後にネットワークに接続する予定の場合は、データベースのインストール先コンピュータでpingコマンドを使用して、コンピュータ自体に接続できるかどうかを確認します。この手順は、最初にホスト名のみ、次に完全修飾名を使用して実行します。この名前は/etc/hostsファイルで指定されている必要があります。


注意

コンピュータ自体でpingコマンドを実行すると、そのコンピュータのIPアドレスが戻されます。 


pingコマンドに失敗した場合は、ネットワーク管理者に問い合せてください。

インストール後のコンピュータのネットワーク接続

インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上の他のインスタンスで作業できます。コンピュータでは、接続先ネットワークに応じて静的IPまたはDHCPを使用できます。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムへOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、複数のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

Oracle Databaseをインストールする場合は、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

すべてのインストールに、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェアのインストールに、同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、個別にインストールする場合は、異なるOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成するように選択できます。インストールごとに異なるグループを使用すると、各グループのメンバーは、システム上のすべてのデータベースではなく、関連するデータベース上でのみDBA権限を持つことになります。

関連項目:

OSDBAグループとOSOPERグループおよびSYSDBA権限とSYSOPER権限の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 


注意

ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Service(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、またはオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。  


必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。

Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。ここでは、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要な場合に作成する方法について説明します。

Oracleインベントリ・グループの有無の判別

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名とOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# more /etc/oraInst.loc

このコマンドの出力にグループ名oinstallが表示された場合、このグループはすでに存在します。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名(oinstall)を示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

OSDBAグループの作成

次の場合には、OSDBAグループを作成する必要があります。

OSDBAグループが存在しない場合、または新規OSDBAグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にはdbaを使用してください。

# /usr/sbin/groupadd dba

OSOPERグループの作成(オプション)

OSOPERグループを作成するのは、一連の限られたデータベース管理権限(SYSOPERオペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを識別する必要がある場合のみです。ほとんどのインストールの場合は、OSDBAグループのみを作成すれば十分です。OSOPERグループを使用する必要があれば、次の場合に作成してください。

新規のOSOPERグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にはoperを使用してください。

# /usr/sbin/groupadd oper

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合には、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの判別

Oracleソフトウェア所有者ユーザーoracleが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

このユーザーが存在する場合は、そのユーザーを使用するか別のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、ユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであり、かつ適切なOSDBAグループおよびOSOPERグループのメンバーであることを確認してください。詳細は、以降の該当する項を参照してください。


注意

既存のユーザーを使用または変更する場合は、必要に応じて事前にシステム管理者に問い合せてください。 


Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新規Oracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、oracleという名前のユーザーがすでに存在する場合を除き、このユーザー名を使用してください。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -gオプションでは、oinstallなどのプライマリ・グループを指定します。これは、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    • -Gオプションでは、セカンダリ・グループを指定します。OSDBAグループおよび必要な場合はOSOPERグループを指定する必要があります。たとえば、dbaまたはdba,operなどを指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

操作を続けるには、「ユーザーnobodyの有無の確認」に進んでください。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーが存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合、あるいは適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合は、次のようなコマンドを入力して変更します。-gオプションでプライマリ・グループ、-Gオプションでセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

ユーザーnobodyの有無の確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順でシステム上にnobodyユーザーが存在することを確認します。

  1. このユーザーが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # id nobody
    
    

    このコマンドでnobodyユーザーに関する情報が表示される場合、そのユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合は、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd -g nobody nobody
    

カーネル・パラメータの構成


注意

次の項に示すパラメータ値およびシェル制限値は、あくまでも推奨値です。本番データベース・システムでは、これらの値をチューニングして、システムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 


次の表で、各カーネル・パラメータが表に示す推奨値以上の値に設定されていることを確認してください。表の後に、値を確認および設定する手順について説明します。

パラメータ    ファイル 

semmsl

semmns

semopm

semmni 

250

32000

100

128 

/proc/sys/kernel/sem 

shmall 

2097152 

/proc/sys/kernel/shmall 

shmmax 

物理メモリーのサイズの1/2
(バイト数) 

/proc/sys/kernel/shmmax 

shmmni 

4096 

/proc/sys/kernel/shmmni 

file-max 

65536 

/proc/sys/fs/file-max 

ip_local_port_range 

最小: 1024

最大: 65000 

/proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range 

rmem_default 

1048576 

/proc/sys/net/core/rmem_default 

rmem_max 

1048576 

/proc/sys/net/core/rmem_max 

wmem_default 

262144 

/proc/sys/net/core/wmem_default 

wmem_max 

262144 

/proc/sys/net/core/wmem_max 


注意

いずれかのパラメータの現行の値がこの表に示す値より大きい場合、そのパラメータの値は変更しないでください。 


前述のカーネル・パラメータに指定されている現行の値を表示し、必要に応じて変更する手順は、次のとおりです。

  1. 次の表に示すコマンドを入力して、カーネル・パラメータの現行の値を表示します。


    注意

    現行の値をメモして、変更を必要とする値を識別してください。 


    パラメータ  コマンド 

    semmsl、semmns、semopmおよびsemmni 

    # /sbin/sysctl -a | grep sem

    指定した順にセマフォ・パラメータの値が表示されます。 

    shmall、shmmaxおよびshmmni 

    # /sbin/sysctl -a | grep shm

    共有メモリー・セグメント・サイズの詳細が表示されます。 

    file-max 

    # /sbin/sysctl -a | grep file-max

    最大ファイル・ハンドル数が表示されます。 

    ip_local_port_range 

    # /sbin/sysctl -a | grep ip_local_port_range

    ポート番号の範囲が表示されます。 

    rmem_default 

    # /sbin/sysctl -a | grep rmem_default 

    rmem_max 

    # /sbin/sysctl -a | grep rmem_max 

    wmem_default 

    # /sbin/sysctl -a | grep wmem_default 

    wmem_max 

    # /sbin/sysctl -a | grep wmem_max 


  2. カーネル・パラメータの値が推奨値と異なる場合は、次の手順を実行します。

    テキスト・エディタを使用して/etc/sysctl.confファイルを作成または編集し、次のような行を追加または編集します。


    注意

    変更を必要とするカーネル・パラメータ値の行のみを含めてください。セマフォ・パラメータ(kernel.sem)の場合は、4つの値をすべて指定する必要があります。ただし、現行の値のいずれかが推奨値より大きい場合は、大きい方の値を指定してください。  


    kernel.shmall = 2097152
    kernel.shmmax = 2147483648
    kernel.shmmni = 4096
    kernel.sem = 250 32000 100 128
    fs.file-max = 65536
    net.ipv4.ip_local_port_range = 1024 65000
    net.core.rmem_default = 1048576
    net.core.rmem_max = 1048576
    net.core.wmem_default = 262144
    net.core.wmem_max = 262144
    
    

    /etc/sysctl.confファイルに指定した値は、システムの再起動時にも保持されます。

    SUSEシステムの場合にのみ、次のコマンドを入力してシステムの再起動時に/etc/sysctl.confファイルが確実に読み取られるようにします。

    # /sbin/chkconfig boot.sysctl on
    
oracleユーザーに対するシェル制限の設定

Linuxシステム上でソフトウェアのパフォーマンスを改善するためには、oracleユーザーの次のシェル制限値を大きくする必要があります。

シェル制限  limits.confにある項目  強い制限 

最大オープン・ファイル記述子数 

nofile 

65536 

シングル・ユーザーが使用可能な最大プロセス数 

nproc 

16384 

シェル制限値を大きくする手順は、次のとおりです。

  1. /etc/security/limits.confファイルに次の各行を追加します。

    oracle              soft    nproc   2047
    oracle              hard    nproc   16384
    oracle              soft    nofile  1024
    oracle              hard    nofile  65536
    
    
  2. 存在しない場合は、/etc/pam.d/loginファイルに次の1行を追加するか、またはこの行を編集します。

    session    required     /lib/security/pam_limits.so
    
    
  3. oracleユーザーのデフォルト・シェルに応じて、デフォルトのシェル起動ファイルを次のように変更します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合は、/etc/profileファイル(またはSUSEシステムの/etc/profile.localファイル)に次の各行を追加します。

      if [ $USER = "oracle" ]; then
              if [ $SHELL = "/bin/ksh" ]; then
                    ulimit -p 16384
                    ulimit -n 65536
              else
                    ulimit -u 16384 -n 65536
              fi
      fi
      
      
    • Cシェル(cshまたはtcsh)の場合は、/etc/csh.loginファイル(または、SUSEシステムの/etc/csh.login.localファイル)に次の各行を追加します。

      if ( $USER == "oracle" ) then
              limit maxproc 16384
              limit descriptors 65536
      endif
      
      

操作を続けるには、「必須ソフトウェア・ディレクトリの識別」に進んでください。

必須ソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェアについて、次のディレクトリを識別または作成する必要があります。

Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Microsoft Windowsシステム上でOracleソフトウェアに使用されるC:¥Oracleディレクトリに似ています。Linuxシステム上では、Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインに、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用するという推奨事項があります。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

各項目の意味は次のとおりです。

複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用する方法と、インストールごとに個別のOracleベース・ディレクトリを作成する方法があります。様々なオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合は、各ユーザーが個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、Oracleベース・ディレクトリがすべて同じシステムに存在します。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要に応じたOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のものを使用するかに関係なく、ORACLE_BASE環境変数を設定して、このディレクトリへのフル・パスを指定する必要があります。

Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システムにインストールされた全ソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システムにインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。システムにOracleソフトウェアを初めてインストールするときは、Oracle Universal Installerからこのディレクトリへのパス指定を求めるプロンプトが表示されます。次のパスを選択することをお薦めします。

oracle_base/oraInventory

指定したディレクトリが作成され、そこに適切な所有者、グループおよびアクセス権が設定されます。Oracleインベントリ・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意

このディレクトリは、すべてのOracleソフトウェアのインストールで使用されます。必ず定期的にバックアップを作成してください。

すべてのOracleソフトウェアをシステムから完全に削除する場合を除き、このディレクトリを削除しないでください。 


Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。様々なOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスと識別名の指定を求めるプロンプトが表示されます。Oracleホーム・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリとして指定する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリについては、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base/product/10.2.0/db_1

指定したディレクトリ・パスがOracleベース・ディレクトリの下に作成されます。また、適切な所有者、グループおよびアクセス権も設定されます。Oracleホーム・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。

Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要な場合は作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。

既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリのパスが、OFAガイドラインに準拠していない場合があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常はOracleベース・ディレクトリを次の手順で識別できます。

このインストールに既存のOracleベース・ディレクトリを使用するように決定する前に、次の条件を満たしているかどうかを確認します。

決定した方法に応じて、次のどちらかを参照してください。

Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、次に示すように、十分な空きディスク領域を持つ適切なファイル・システムを識別する必要があります。

要件  空きディスク領域 

Oracleベース・ディレクトリにソフトウェア・ファイルのみを格納する場合 

3GBまで。プラットフォームによって異なります。 

Oracleベース・ディレクトリにソフトウェア・ファイルとデータベース・ファイルの両方を格納する場合
(本番データベースの場合は推奨外) 

4GBまで。プラットフォームによって異なります。 

適切なファイル・システムを識別する手順は、次のとおりです。

  1. df -kコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判断します。

  2. 表示される出力から、適切な空き領域のあるファイル・システムを識別します。

    ローカル・ファイル・システム、クラスタ・ファイル・システム、または認定されているNASデバイス上のNFSファイル・システムを識別できます。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のような各コマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    
    

    たとえば、識別したマウント・ポイントが/u01で、oracleがOracleソフトウェア所有者のユーザー名の場合、推奨されるOracleベース・ディレクトリ・パスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
    
  2. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、作成したOracleベース・ディレクトリを指定するようにORACLE_BASE環境変数を設定します。

Oracleデータベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択

次の表に、Oracle DatabaseファイルおよびOracle Databaseリカバリ・ファイルを格納するにあたり、サポートされる記憶域オプションを示します。Oracle Databaseファイルには、データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルおよびパスワード・ファイルが含まれます。

すべてのインストールについて、Oracle Databaseファイルに使用する記憶域オプションを選択する必要があります。また、インストール時に自動バックアップを有効にする場合は、リカバリ・ファイル(フラッシュ・リカバリ領域)に使用する記憶域オプションを選択する必要があります。各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。


重要

データベース・ファイルは、ファイル・システム、自動ストレージ管理およびRAWデバイスでサポートされます。リカバリ・ファイルは、ファイル・システムと自動ストレージ管理でのみサポートされます。 


記憶域オプション 

サポートされるファイル・タイプ 

データベース  リカバリ 

ファイル・システム 

Yes 

Yes 

自動ストレージ管理 

Yes 

Yes 

RAWデバイス 

Yes 

No 

各ファイル・タイプに使用する記憶域オプションを選択する場合は、次のガイドラインに従ってください。

インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次の各項を参照してください。

Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成

この項の内容は、次のとおりです。

Oracle Databaseファイルのファイル・システムへの格納に関するガイドライン

ファイル・システムにOracle Databaseファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定できます。

Oracleリカバリ・ファイルのファイル・システムへの格納に関するガイドライン


注意

インストール時に自動バックアップを有効にする場合のみ、リカバリ・ファイルの場所を選択する必要があります。 


ファイル・システムにOracleリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定できます。

必要なディレクトリの作成


注意

この手順を実行する必要があるのは、個別のファイル・システム上でOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルをOracleベース・ディレクトリに格納する場合のみです。 


個別のファイル・システム上でOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリをOracleベース・ディレクトリに作成する手順は、次のとおりです。

  1. df -kコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判別します。

  2. 表示される内容から、使用するファイル・システムを識別します。

    ファイル・タイプ  ファイル・システム要件 

    データベース・
    ファイル 

    次のいずれかを選択します。

    • 1.2GB以上の空きディスク領域を持つ単一のファイル・システム

    • 合計で1.2GB以上の空きディスク領域を持つ2つ以上のファイル・システム

     

    リカバリ・ファイル 

    2.4 GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。 

    複数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、タイプごとのディスク領域要件を加算して、合計ディスク領域要件を判別します。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

  4. 次のような各コマンドを入力して、各マウント・ポイント・ディレクトリに推奨のサブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    • データベース・ファイルのディレクトリ

      # mkdir /mount_point/oradata
      # chown oracle:oinstall /mount_point/oradata
      # chmod 775 /mount_point/oradata
      
      
    • リカバリ・ファイル・ディレクトリ(フラッシュ・リカバリ領域)

      # mkdir /mount_point/flash_recovery_area
      # chown oracle:oinstall /mount_point/flash_recovery_area
      # chmod 775 /mount_point/flash_recovery_area
      
      
  5. 記憶域に自動ストレージ管理またはRAWデバイスも使用する場合は、次のいずれかの項を参照してください。

自動ストレージ管理インストールのためのディスク・グループの準備

この項では、自動ストレージ管理で使用できるようにディスクを構成する方法について説明します。ディスクを構成する前に、必要なディスク数および空きディスク領域の量を判別する必要があります。次の項では、要件の識別方法および各プラットフォームにおけるディスクの構成方法を説明します。

自動ストレージ管理の一般的な構成手順

自動ストレージ管理を構成する一般的な手順は、次のとおりです。

  1. サイトのストレージ要件を識別します。

  2. 必要に応じて、既存の自動ストレージ管理ディスク・グループを使用します。

  3. 新規の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成する場合は、DASまたはSANディスク用のパーティションを作成します。

  4. 次のいずれかの方法で自動ストレージ管理構成を完了します。

    • 対話モードでOracle Databaseをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、インストール中に自動ストレージ管理用ディスクの構成情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    • 非対話モードでOracle Databaseをインストールする場合は、インストールを実行する前にディスクを手動で構成する必要があります。

手順1: 自動ストレージ管理の記憶要件の識別

自動ストレージ管理を使用して記憶要件を識別するには、必要なデバイス数および空きディスク領域の量を判別する必要があります。このタスクを完了する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル、あるいはその両方に自動ストレージ管理を使用するかどうかを判断します。


    注意

    同じ記憶域メカニズムをデータファイルとリカバリ・ファイルに使用する必要はありません。一方のファイル・タイプにファイル・システムを使用し、もう一方のファイル・タイプに自動ストレージ管理を使用できます。データファイルとリカバリ・ファイルの両方に自動ストレージ管理を使用する場合は、データファイル用とリカバリ・ファイル用に個別の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成してください。 


    インストール時に自動バックアップを有効にする場合、フラッシュ・リカバリ領域に自動ストレージ管理ディスク・グループを指定して、リカバリ・ファイルの記憶域メカニズムとして自動ストレージ管理を選択できます。インストール時のデータベース作成の選択方法により、次のオプションを指定できます。

    • 対話モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法(たとえば、「詳細」データベース構成オプション)を選択すると、データベース・ファイルとリカバリ・ファイルに同じ自動ストレージ管理ディスク・グループを使用するかどうかを判断できます。あるいは、各ファイル・タイプに対して異なるディスク・グループをそれぞれ選択できます。可能であれば、データファイル用とリカバリ・ファイル用に個別の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成する必要があります。

      Oracle Database Configuration Assistantを使用してインストール後にデータベースを作成する場合は、同じ選択ができます。

    • 非対話モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール・タイプを選択する場合は、データファイルとリカバリ・ファイルに同一の自動ストレージ管理ディスク・グループを使用する必要があります。

  2. 作成する自動ストレージ管理ディスク・グループごとに、使用する自動ストレージ管理の冗長性レベルを選択します。

    自動ストレージ管理ディスク・グループに冗長性レベルを選択すると、ディスク・グループにおける自動ストレージ管理によるファイルのミラー化方法および必要なディスク数とディスク領域の量を、次のように判別できます。

    • 外部冗長性

      外部冗長性ディスク・グループには、少なくとも1つのディスク・デバイスが必要です。外部冗長性ディスク・グループの有効なディスク領域は、その全デバイス内のディスク領域の合計です。

      このオプションを選択すると、自動ストレージ管理では、ディスク・グループの内容はミラー化されません。この冗長性レベルは、次のいずれかの場合に選択します。

      • RAIDデバイスなど、それ自体がデータ保護を提供するデバイスがディスク・グループに含まれる場合。

      • 適切なバックアップ方法がある開発環境など、データベースの使用方法が割込みなしのデータ・アクセスを必要としない場合。

    • 標準冗長性

      標準冗長性ディスク・グループでは、パフォーマンスおよび信頼性を改善するために、自動ストレージ管理により、データファイルには2方向ミラー化、制御ファイルには3方向ミラー化がデフォルトで使用されます。あるいは、2方向ミラー化を使用するか、ミラー化を使用しないこともできます。2方向ミラー化を使用する場合、標準冗長性ディスク・グループには、2つ以上の障害グループ(または2つ以上のディスク・デバイス)が必要です。標準冗長性ディスク・グループの有効なディスク領域は、その全デバイス内のディスク領域の合計の1/2です。

      Oracleでは、ほとんどのインストールに標準冗長性ディスク・グループの使用をお薦めします。

    • 高冗長性

      ディスク・グループの内容は、デフォルトで3方向でミラー化されます。高冗長性ディスク・グループを作成するには、3つ以上の障害グループ(3つ以上のデバイス)を指定する必要があります。

      高冗長性ディスク・グループでは最高水準のデータ保護が提供されますが、この冗長性レベルの使用を決定する前に追加する記憶域デバイスの高コストを考慮する必要があります。

  3. データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルに必要なディスク領域の合計量を判別します。

    次の表を使用して、インストールに必要な最小ディスク数と最小ディスク領域を判別します。

    冗長性レベル  最小ディスク数  データファイル  リカバリ・ファイル  両方のファイル・タイプ 

    外部 

    1.15GB 

    2.3GB 

    3.45GB 

    標準 

    2.3GB 

    4.6GB 

    6.9GB 

    高 

    3.45GB 

    6.9GB 

    10.35GB 

    ASMインスタンスがシステム上ですでに実行中である場合、これらの領域要件を満たすように既存のディスク・グループを使用できます。必要に応じて、インストール時にディスクを既存のディスク・グループに追加できます。

    次の手順では、既存のディスク・グループの識別方法およびディスク・グループに含まれる空きディスク領域の判別方法を説明します。

  4. オプションで、自動ストレージ管理ディスク・グループ・デバイスに対する障害グループを識別します。


    注意

    この操作は、対話モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法を使用する場合にのみ実行する必要があります。たとえば、「カスタム」インストール・タイプまたは「詳細」データベース構成オプションを選択する場合です。他のインストール・タイプでは、障害グループは指定できません。 


    標準冗長性ディスク・グループまたは高冗長性ディスク・グループを使用する場合、ディスク・デバイスのセットをカスタム障害グループに関連付けることにより、データベースをハードウェア障害からさらに保護できます。デフォルトでは、各デバイスはそれぞれの障害グループを導出します。ただし、標準冗長性ディスク・グループの2つのディスク・デバイスが同じSCSIコントローラに接続されている場合、コントローラに障害が発生するとディスク・グループは使用できなくなります。この例のコントローラは、シングル・ポイント障害です。

    このような障害を防ぐために、2つのSCSIコントローラ(それぞれが2つのディスクを持つ)を使用し、各コントローラに接続するディスクに対して障害グループを定義できます。この構成では、ディスク・グループによる1つのSCSIコントローラの障害の許容が可能になります。


    注意

    カスタム障害グループを定義する場合、標準冗長性ディスク・グループに対して2つ以上の障害グループ、および高冗長性ディスク・グループに対して3つ以上の障害グループを指定する必要があります。 


  5. システムに最適なディスク・グループが存在しないことが確実な場合、適切なディスク・デバイスをインストールまたは識別して新しいディスク・グループに追加します。適切なディスク・デバイスを識別する場合は、次のガイドラインを適用します。

手順2: 既存の自動ストレージ管理ディスク・グループの使用


注意

これはオプションの手順です。 


既存の自動ストレージ管理ディスク・グループにデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのいずれかを格納する場合は、選択するインストール方法に応じて次を選択します。

既存の自動ストレージ管理ディスク・グループが存在するかどうか、またはディスク・グループ内に十分なディスク領域があるかどうかを判断するには、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlを使用できます。あるいは、次の手順を使用できます。

  1. oratabファイルの内容を表示して、ASMインスタンスがシステム上に構成されているかどうかを判別します。

    # more /etc/oratab
    
    

    ASMインスタンスがシステム上に構成されると、次の行に類似した行がoratabファイルに含まれます。

    +ASM:oracle_home_path:N
    
    

    この例では、+ASMはASMインスタンスのシステム識別子(SID)であり、oracle_home_pathはインストールされているOracleホーム・ディレクトリです。表記規則では、ASMインスタンスのSIDは、プラス記号で始まります。

  2. シェル・ウィンドウを開き、ORACLE_SIDおよびORACLE_HOME環境変数を一時的に設定して、使用するASMインスタンスに適切な値を指定します。

    たとえば、自動ストレージ管理のSIDがOraDB10g+ASMで、ORACLE_BASEディレクトリのasmサブディレクトリにある場合は、次のコマンドを入力して必須設定を作成します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_SID=OraDB10g+ASM
      $ export ORACLE_SID
      $ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/10.1.0/asm
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_SID OraDB10g+ASM
      % setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/10.1.0/asm
      
      
  3. 必要に応じて、SQL*PlusでSYSDBA権限を使用してSYSユーザーとしてASMインスタンスに接続し、インスタンスを開始します。

    # $ORACLE_HOME/bin/sqlplus "SYS/SYS_password as SYSDBA"
    SQL> STARTUP
    
    
  4. 次のコマンドを入力して、既存のディスク・グループ、そのディスク・グループの冗長性レベルおよび各グループの空きディスク領域を表示します。

    SQL> SELECT NAME,TYPE,TOTAL_MB,FREE_MB FROM V$ASM_DISKGROUP;
    
    
  5. この出力から、ディスク・グループと適切な冗長性レベルを識別し、含まれる空き領域を書き留めます。

  6. 必要に応じて、ディスク・デバイスを追加してインストールまたは識別し、前述の項で記述した記憶要件を満たします。


    注意

    既存のディスク・グループにデバイスを追加する場合、そのディスク・グループにある既存のデバイスと同じサイズおよび同じパフォーマンス特性を持つデバイスを使用するようお薦めします。 


手順3: 自動ストレージ管理に使用するDASまたはSANディスク・パーティションの作成

自動ストレージ管理にDASまたはSANディスクを使用するには、そのディスクにパーティション表が必要です。ディスクごとに、全体を含むパーティションを1つのみ作成することをお薦めします。


注意

パーティション化されていれば、任意の物理ディスクを自動ストレージ管理に使用できます。 


手順4: 自動ストレージ管理に使用するディスクの構成

Oracleが提供する自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを使用して、自動ストレージ管理で使用するディスク・デバイスの構成および管理を簡素化できます。自動ストレージ管理用に構成されているディスクを、候補ディスクと呼びます。

Linux上でデータベース記憶域に自動ストレージ管理を使用する場合は、自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバおよび関連ユーティリティをインストールし、これらを使用して自動ストレージ管理ディスク・グループに組み込むデバイスを構成することをお薦めします。自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを使用しない場合は、使用する各ディスク・デバイスをRAWデバイスにバインドする必要があります。次の項では、それぞれの方法を使用したディスクの構成方法を説明します。

自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを使用した自動ストレージ管理用ディスクの構成

自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを使用して自動ストレージ管理デバイスを構成するには、次のタスクを完了します。

自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ・ソフトウェアのインストールおよび構成

自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ・ソフトウェアをインストールおよび構成する手順は、次のとおりです。

  1. 次のコマンドを入力して、システムのカーネル・バージョンとアーキテクチャを判別します。

    # uname -rm
    
    
  2. 必要に応じて、Oracle Technology NetworkのWebサイトから必要な自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ・パッケージをダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technology/tech/linux/asmlib/index.html
    


    注意

    一部のカーネル・バージョンの自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ・パッケージは、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase/RPMS/asmlibディレクトリに収録されています。ただし、Oracle Technology NetworkのWebサイトで最新のパッケージの有無を確認することをお薦めします。 


    次の3つのパッケージをインストールする必要があります。versionは自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバのバージョン、archはシステム・アーキテクチャ、kernelは使用しているカーネルのバージョンです。

    oracleasm-support-version.arch.rpm
    oracleasm-kernel-version.arch.rpm
    oracleasmlib-version.arch.rpm
    
    
  3. ユーザーをrootに切り替えます。

    $ su -
    
    
  4. 次のようなコマンドを入力してパッケージをインストールします。

    # rpm -Uvh oracleasm-support-version.arch.rpm \
               oracleasm-kernel-version.arch.rpm \
               oracleasmlib-version.arch.rpm
    
    

    たとえば、x86システム上でRed Hat Enterprise Linux AS 3.0エンタープライズ・カーネルを使用する場合は、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -Uvh oracleasm-support-1.0.0-1.i386.rpm \
               oracleasm-2.4.9-e-enterprise-1.0.0-1.i686.rpm \
               oracleasmlib-1.0.0-1.i386.rpm
    
    
  5. 次のようなコマンドを入力して、このインストールに使用するOracleソフトウェア所有者ユーザーのUID(通常はoracle)とOSDBAグループのGID(通常はdba)を判別します。

    # id oracle
    
    
  6. 次のコマンドを入力し、configureオプションを指定してoracleasm初期化スクリプトを実行します。

    # /etc/init.d/oracleasm configure
    
    
  7. スクリプトで表示されるプロンプトに対して次の情報を入力します。

    プロンプト  提示する応答 

    Default UID to own the driver interface: 

    Oracleソフトウェア所有者ユーザーのUID(oracle)を指定します。 

    Default GID to own the driver interface: 

    OSDBAグループのGID(dba)を指定します。 

    Start Oracle Automatic Storage Management Library driver on start (y/n): 

    yを入力して、システムの起動時にOracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバを起動します。 

自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ使用のためのディスク・デバイスの構成

自動ストレージ管理ディスク・グループで使用するディスク・デバイスを構成する手順は、次のとおりです。

  1. 自動ストレージ管理ディスク・グループでIDE、SCSIまたはRAIDデバイスを使用する場合の手順は、次のとおりです。

    1. 必要に応じて、ディスク・グループに使用するディスク・デバイスをインストールまたは構成し、システムを再起動します。

    2. 使用するディスクのデバイス名を識別するには、次のコマンドを入力します。

      # /sbin/fdisk -l
      
      

      ディスクのタイプによっては、次のようにデバイス名が異なる場合があります。

      ディスク・タイプ  デバイス名の書式  説明 

      IDEディスク 

      /dev/hdxn
       

      この例で、xはIDEディスクの識別名で、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/hdaは最初のIDEバス上の最初のディスクを表します。 

      SCSIディスク 

      /dev/sdxn
       

      この例で、xはSCSIディスクの識別名で、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/sdaは最初のSCSIバス上の最初のディスクを表します。  

      RAIDディスク 

      /dev/rd/cxdypz
      /dev/ida/cxdypz
       

      RAIDコントローラによっては、RAIDデバイスのデバイス名が異なる場合があります。この例では、xはコントローラの識別番号、yはディスクの識別番号、zはパーティションの識別番号です。たとえば、/dev/ida/c0d1は最初のコントローラの第2の論理ドライブです。 

      デバイスをディスク・グループに含めるには、ドライブ全体のデバイス名を指定する方法と、パーティションのデバイス名を指定する方法があります。


      注意

      使用する各ディスク上で、ディスク全体のパーティションを1つ作成することをお薦めします。 


    3. fdiskまたはpartedを使用して、使用するディスク・デバイス上でディスク全体のパーティションを1つ作成します。

  2. 次のようなコマンドを入力して、ディスクを自動ストレージ管理ディスクとしてマークします。

    # /etc/init.d/oracleasm createdisk DISK1 /dev/sdb1
    
    

    この例では、DISK1はディスクに割り当てる必要のある名前です。


    注意

    指定するディスク名には、大文字、数字およびアンダースコアを使用できます。ディスク名の先頭は大文字にする必要があります。

    マルチ・パスのディスク・ドライバを自動ストレージ管理で使用している場合、ディスクに適切な論理デバイス名が指定されていることを確認します。 



    注意

    自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを使用してインストール時にデータベースを作成するには、デフォルトのディスク検出文字列をORCL:*に変更する必要があります。これらのディスクは、ディスク文字列がORCL:*に設定されている場合、または空("")になっている場合に検出されます。 


自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバおよびディスクの管理

自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバおよびディスクを管理するには、次のように様々なオプションを指定してoracleasm初期化スクリプトを使用します。

オプション  説明 
configure
 

configureオプションを使用して、必要に応じて自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを再構成できます。

# /etc/init.d/oracleasm configure

 
enable
disable
 

disableおよびenableオプションを使用して、システム起動時の自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバの動作を変更できます。enableオプションを使用すると、システムの起動時に自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバがロードされます。

# /etc/init.d/oracleasm enable

 
start
stop
restart
 

startstopおよびrestartオプションを使用すると、システムを再起動せずに自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバをロードまたはアンロードできます。

# /etc/init.d/oracleasm restart

 
createdisk
 

creatediskオプションを使用すると、自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバとともに使用するディスク・デバイスをマークし、それに名前を付けることができます。

# /etc/init.d/oracleasm createdisk DISKNAME devicename

 
deletedisk
 

deletediskオプションを使用すると、名前の付いたディスク・デバイスのマークを削除できます。

# /etc/init.d/oracleasm deletedisk DISKNAME

注意: このコマンドを使用して、自動ストレージ管理ディスク・グループが使用中のディスクからマークを削除しないでください。
マークを削除する前に、ディスクを自動ストレージ管理ディスク・グループから削除する必要があります。 

querydisk
 

querydiskオプションを使用すると、ディスク・デバイスまたはディスク名が自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバにより使用されているかどうか判別できます。

# /etc/init.d/oracleasm querydisk {DISKNAME | devicename}

 
listdisks
 

listdisksオプションを使用すると、マークされた自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ・ディスクのディスク名をリストできます。

# /etc/init.d/oracleasm listdisks

 
scandisks
 

scandisksオプションを使用すると、クラスタ・ノードを有効にして他のノードで自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバ・ディスクとしてマークされている共有ディスクを識別できます。

# /etc/init.d/oracleasm scandisks

 

RAWデバイスを使用した自動ストレージ管理用ディスクの構成


注意

パフォーマンスを改善して管理を容易にするために、自動ストレージ管理ディスクの構成にはRAWデバイスではなく自動ストレージ管理ライブラリ・ドライバを使用することをお薦めします。 


RAWデバイスを使用して自動ストレージ管理用ディスクを構成する手順は、次のとおりです。

  1. 自動ストレージ管理ディスク・グループでIDE、SCSIまたはRAIDデバイスを使用する場合の手順は、次のとおりです。

    1. 必要に応じて、ディスク・グループに使用するディスク・デバイスをインストールまたは構成し、システムを再起動します。

    2. 使用するディスクのデバイス名を識別するには、次のコマンドを入力します。

      # /sbin/fdisk -l
      
      

      ディスクのタイプによっては、次のようにデバイス名が異なる場合があります。

      ディスク・タイプ  デバイス名の書式  説明 

      IDEディスク 

      /dev/hdxn
       

      この例で、xはIDEディスクの識別名で、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/hdaは最初のIDEバス上の最初のディスクを表します。 

      SCSIディスク 

      /dev/sdxn
       

      この例で、xはSCSIディスクの識別名で、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/sdaは最初のSCSIバス上の最初のディスクを表します。  

      RAIDディスク 

      /dev/rd/cxdypz
      /dev/ida/cxdypz
       

      RAIDコントローラによっては、RAIDデバイスのデバイス名が異なる場合があります。この例では、xはコントローラの識別番号、yはディスクの識別番号、zはパーティションの識別番号です。たとえば、/dev/ida/c0d1は最初のコントローラの第2の論理ドライブです。 

      デバイスをディスク・グループに含めるには、ドライブ全体のデバイス名を指定する方法と、パーティションのデバイス名を指定する方法があります。


      注意

      使用する各ディスク上で、ディスク全体のパーティションを1つ作成することをお薦めします。 


    3. fdiskまたはpartedを使用して、使用するディスク・デバイス上でディスク全体のパーティションを1つ作成します。

  2. Red Hatシステムの場合は、次の手順に従ってディスク・デバイスをRAWデバイスにバインドします。

    すでに他のデバイスにバインドされているRAWデバイスを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/bin/raw -qa
    
    
    1. RAWデバイス名の書式は/dev/raw/rawnで、nは識別番号です。

      ディスク・グループに含めるデバイスごとに、未使用のRAWデバイス名を識別します。

    2. テキスト・エディタで/etc/sysconfig/rawdevicesファイルを開き、ディスク・グループに含めるデバイスごとに次のような1行を追加します。

      /dev/raw/raw1 /dev/sdb1
      


      注意

      マルチ・パスのディスク・ドライバを自動ストレージ管理で使用している場合、ディスクに適切な論理デバイス名が指定されていることを確認します。 


      ディスク・デバイスごとに、使用しないRAWデバイスを指定します。

    3. rawdevicesファイルに指定したRAWデバイスごとに、次のようなコマンドを入力して、デバイス・ファイルの所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

      # chown oracle:dba /dev/raw/rawn
      # chmod 660 /dev/raw/rawn
      
      
    4. ディスク・デバイスをRAWデバイスにバインドするには、次のコマンドを入力します。

      # /sbin/service rawdevices restart
      
      

      システムの再起動時に、rawdevicesファイルにリストされているデバイスが自動的にバインドされます。

  3. SUSEシステムの場合は、次の手順に従って各ノード上でディスク・デバイスをRAWデバイスにバインドします。


    注意

    ノードの構成が異なる場合、一部のノードではディスク・デバイス名が異なる可能性があります。次の手順で、各ノードで適切なディスク・デバイス名を指定していることを確認してください。 


    1. すでに他のデバイスにバインドされているRAWデバイスを判別するには、各ノード上で次のコマンドを入力します。

      # /usr/sbin/raw -qa
      
      

      RAWデバイス名の書式は/dev/raw/rawnで、nは識別番号です。

      ディスク・グループに含めるデバイスごとに、すべてのノード上で未使用のRAWデバイス名を識別します。

    2. テキスト・エディタで/etc/rawファイルを開き、ディスク・グループに含めるデバイスごとに次のような1行を追加します。

      raw1:sdb1
      


      注意

      マルチ・パスのディスク・ドライバを自動ストレージ管理で使用している場合、ディスクに適切な論理デバイス名が指定されていることを確認します。 


      ディスク・デバイスごとに、使用しないRAWデバイスを指定します。

    3. /etc/rawファイルに指定したRAWデバイスごとに、次のようなコマンドを入力して、デバイス・ファイルの所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

      # chown oracle:dba /dev/raw/rawn
      # chmod 660 /dev/raw/rawn
      
      
    4. ディスク・デバイスをRAWデバイスにバインドするには、次のコマンドを入力します。

      # /etc/init.d/raw start
      
      
    5. RAWデバイスがシステムの再起動時にバインドされるかどうか確認するには、次のコマンドを入力します。

      # /sbin/chkconfig raw on
      
      

記憶域にRAWデバイスも使用する場合は、「RAWパーティションまたはRAW論理ボリュームの構成」を参照してください。

それ以外の場合は、次の項を参照してください。

RAWパーティションまたはRAW論理ボリュームの構成

次の各項では、RAWパーティションまたはRAW論理ボリュームの構成方法について説明します。

RAW論理ボリュームの使用

次の各項では、Oracle Databaseファイル記憶域用のRAWパーティションを作成する手順について説明します。サポートされるすべてのLinuxディストリビューションで、データベース・ファイル記憶域用のRAWパーティションを使用できます。

あるいは、Red Hat Enterprise LinuxおよびSUSE Linux Enterprise Serverでは、論理ボリューム・マネージャ(LVM)を使用して、必要なサイズの論理ボリュームを作成し、RAWパーティションのかわりに使用できます。LVMは、RAWデバイス上にOracle Databaseファイルを格納する際に使用すると便利です。 たとえば、LVMでは複数のディスクにまたがる論理ボリュームを作成できます。

RAWパーティションのかわりに論理ボリュームを使用する場合の手順は、次のとおりです。

関連項目:

手順1および2の完了方法の詳細は、オペレーティング・システムのマニュアルまたはlvmのmanページを参照してください。 

  1. Oracle Databaseファイル用に個別ボリューム・グループを作成します。

    ボリューム・グループには、oracle_vgまたはdbname_vgなどの名前を使用できます。

  2. 表2-1に示すサイズを指定して、必要な数の論理ボリュームを作成します。

    論理ボリュームの作成時には、次のようなネーミング規則に従います。

    dbname_objectname_raw_sizem
    
    

    たとえば、salesデータベースにあるSYSTEM表領域(500 MB)の論理ボリュームには、次のような名前を指定できます。

    sales_system_raw_500m
    
    
  3. 「RAWデバイスへのパーティションのバインド」の説明に従い、パーティション・デバイス名のかわりに論理ボリューム・デバイス名を使用して、論理ボリュームをRAWデバイスにバインドします。

  4. 「Oracle Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルの作成」の説明に従って、RAWデバイス・マッピング・ファイルを作成します。

必要なRAWパーティションの識別

表2-1 に、データベース・ファイルについて構成する必要があるRAWパーティションの数およびサイズを示します。


注意

データベースの作成中に、RAWキャラクタ・デバイスとブロック・デバイスの両方をRAWボリュームとして使用できます。ブロック・デバイスをサポートしているため、最大RAWデバイス数のカーネル・レベル制限は削除されます。これにより、要件が満たされるように追加のRAWボリュームを構成できます。 


表 2-1    Linux上のデータベース・ファイルに必要なRAWパーティション 
  パーティション・サイズ(MB)  用途 

500 

SYSTEM表領域 

500 

SYSAUX表領域 

500 

UNDOTBS1表領域 

250 

TEMP表領域 

160 

EXAMPLE表領域 

120 

USERS表領域 

120 

3つのオンラインREDOログ・ファイル 

110 

制御ファイル1および3 

サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE) 

パスワード・ファイル 


注意

自動ではなく手動のUNDO管理を使用する場合は、UNDOTBS1 RAWデバイスのかわりに、サイズが500MB以上のRBS表領域RAWデバイスを1つ作成します。 


IDE、SCSIまたはRAIDデバイスにおける必要なRAWパーティションの作成

RAWデバイスにSCSIまたはRAIDデバイスを使用する場合の手順は、次のとおりです。

  1. 必要に応じて、RAWパーティションに使用するディスク・デバイスをインストールまたは構成し、システムを再起動します。


    注意

    1つのデバイス上で作成できるパーティションの数は制限されているため、必要なRAWパーティションを複数のデバイス上に作成する必要が生じる場合があります。 


  2. 使用するディスクのデバイス名を識別するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/fdisk -l
    
    

    ディスクのタイプによっては、次のようにデバイス名が異なる場合があります。

    ディスク・タイプ  デバイス名の書式  説明 

    IDEディスク 

    /dev/hdxn
     

    この例で、xはIDEディスクの識別名で、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/hdaは最初のIDEバス上の最初のディスクを表します。 

    SCSIディスク 

    /dev/sdxn
     

    この例で、xはSCSIディスクの識別名で、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/sdaは最初のSCSIバス上の最初のディスクを表します。  

    RAIDディスク 

    /dev/rd/cxdypz
    /dev/ida/cxdypz
     

    RAIDコントローラによっては、RAIDデバイスのデバイス名が異なる場合があります。この例では、xはコントローラの識別番号、yはディスクの識別番号、zはパーティションの識別番号です。たとえば、/dev/ida/c0d1は最初のコントローラの第2の論理ドライブです。 

    必要なRAWパーティションは、新規に追加したデバイス上、またはパーティション化されていない空き領域を含むパーティション化デバイス上で作成できます。パーティション化されていない空き領域を含むデバイスを識別するには、既存のパーティションの開始シリンダ番号と終了シリンダ番号を調べて、そのデバイスに未使用のシリンダが含まれているかどうかを判別します。

  3. デバイス上でRAWパーティションを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /sbin/fdisk devicename
    
    

    パーティションの作成時には、次のガイドラインに従ってください。

    • pコマンドを使用して、デバイスのパーティション表をリスト表示します。

    • nコマンドを使用してパーティションを作成します。

    • このデバイス上で必要なパーティションを作成した後、wコマンドを使用して修正後のパーティション表をデバイスに書き込みます。

    • パーティション作成の詳細は、fdiskのmanページを参照してください。

RAWデバイスへのパーティションのバインド

必要なパーティションを作成した後、そのパーティションをRAWデバイスにバインドする必要があります。ただし、最初に、他のデバイスにバインドされているRAWデバイスを判別してください。この作業の手順は、使用中のLinuxディストリビューションに応じて異なります。

Oracle Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルの作成

Oracle Database Configuration Assistantでデータベース・ファイルごとに適切なRAWデバイスを識別できるように、次のようにRAWデバイス・マッピング・ファイルを作成する必要があります。

  1. ORACLE_BASE環境変数を設定し、以前に識別または作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle ; export ORACLE_BASE
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      
      
  2. Oracleベース・ディレクトリの下にデータベース・ファイル・サブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p $ORACLE_BASE/oradata/dbname
    # chown -R oracle:oinstall $ORACLE_BASE/oradata
    # chmod -R 775 $ORACLE_BASE/oradata
    
    

    この例で、dbnameは前に選択したデータベース名です。

  3. $ORACLE_BASE/oradata/dbnameディレクトリに移動します。

  4. テキスト・エディタでdbname_raw.confファイルを編集し、次のようなファイルを作成します。

    system=/dev/raw/raw1
    sysaux=/dev/raw/raw2
    example=/dev/raw/raw3
    users=/dev/raw/raw4
    temp=/dev/raw/raw5
    undotbs1=/dev/raw/raw6
    redo1_1=/dev/raw/raw8
    redo1_2=/dev/raw/raw9
    control1=/dev/raw/raw12
    control2=/dev/raw/raw13
    spfile=/dev/raw/raw14
    pwdfile=/dev/raw/raw15
    
    

    このファイルの作成または編集時には、次のガイドラインに従ってください。

    • ファイルの各行には次の書式を使用する必要があります。

      database_object_identifier=raw_device_path
      
      
    • このファイルでは自動UNDO表領域データファイルを1つ(undotbs1)と、REDOログ・ファイルを2つ以上(redo1_1redo1_2)指定する必要があります。

    • 制御ファイルを2つ以上(control1control2)指定します。

    • 自動UNDO管理のかわりに手動UNDO管理を使用するには、自動UNDO管理表領域データファイルのかわりにRBS表領域データファイル(rbs)を1つ指定します。

  5. ファイルを保存し、指定したファイル名をメモします。

  6. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定して、このファイルへのフルパスを指定します。

作業を進めるには、「既存のOracleプロセスの停止」の項を参照してください。

既存のOracleプロセスの停止


注意:

Oracle Database 10g製品を既存のOracleホームに追加でインストールするには、Oracleホームで実行中のすべての処理を停止します。Oracle Universal Installerを有効にして特定の実行可能ファイルおよびライブラリを再リンクするには、このタスクを完了する必要があります。 


インストール時にデータベースの作成を選択する場合、ほとんどのインストール・タイプではTCP/IPポート1521とIPCキー値EXTPROCを使用してデフォルトのOracle Net Listenerが構成および開始されます。しかし、既存のOracle Net Listenerプロセスが同じポートまたはキー値を使用している場合には、Oracle Universal Installerは新しいリスナーを構成するのみで開始はできません。新しいリスナー・プロセスがインストール時に確実に開始されるようにするには、Oracle Universal Installerを開始する前にすべての既存のリスナーをシャットダウンする必要があります。

既存のリスナー・プロセスが実行しているかどうかを判別し、必要に応じてシャットダウンする手順は、次のとおりです。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

    # su - oracle
    
    
  2. 次のコマンドを入力して、リスナー・プロセスが実行中かどうかを判別し、その名前とそのプロセスがインストールされているOracleホーム・ディレクトリを識別します。

    $ ps -ef | grep tnslsnr
    

    このコマンドを実行すると、システム上で実行しているOracle Net Listenerに関する情報が表示されます。

    ... oracle_home1/bin/tnslsnr LISTENER -inherit
    
    

    この例では、oracle_home1はリスナーがインストールされているOracleホーム・ディレクトリで、LISTENERはリスナー名です。


    注意

    Oracle Net Listenerが実行されていない場合は、「oracleユーザーの環境の構成」の項を参照して作業を続行してください。 


  3. ORACLE_HOME環境変数を設定し、リスナーに対する適切なOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=oracle_home1
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cまたはtcshシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home1
      
      
  4. 次のコマンドを入力して、リスナーが使用しているTCP/IPポート番号およびIPCキー値を識別します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl status listenername
    


    注意

    リスナーがデフォルト名LISTENERを使用している場合、このコマンドでリスナー名を指定する必要はありません。 


  5. 次のようなコマンドを入力して、リスナー・プロセスを停止します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop listenername
    
    
  6. この手順を繰り返して、このシステム上で実行しているリスナーを停止します。

oracleユーザーの環境の構成

Oracle Universal Installerは、oracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次の設定が必要です。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. X端末(xterm)などの新規ターミナル・セッションを開始します。

  2. 次のコマンドを入力し、このシステム上でX Windowアプリケーションを表示できることを確認します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.us.acme.com
    
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
    
  5. oracleユーザーのデフォルト・シェルを判別するには、次のコマンドを入力します。

    $ echo $SHELL
    
    
  6. テキスト・エディタでoracleユーザーのシェル起動ファイルを開きます。


    注意

    Red Hat Linuxでは、.bash_profileは、Bashシェルのユーザー起動ファイルです。 


    • Bourneシェル(sh)、Bashシェル(bash)またはKornシェル(ksh)の場合

      $ vi .bash_profile
      
      
    • Cシェル(cshまたはtcsh)の場合

      % vi .login
      
      
  7. 次の行を入力または編集して、デフォルトのファイル・モード作成マスクに値022を指定します。

    umask 022
    
    
  8. ファイル内でORACLE_SID、ORACLE_HOMEまたはORACLE_BASE環境変数が設定されている場合は、ファイルから該当する行を削除します。

  9. ファイルを保存してエディタを終了します。

  10. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合

      $ . ./.bash_profile
      
      
    • BourneまたはKornシェルの場合

      $ . ./.profile
      
      
    • Cシェルの場合

      % source ./.login
      
      
  11. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、次のコマンドを入力し、Xアプリケーションをローカル・システム上に表示するように指示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DISPLAY=local_host:0.0 ; export DISPLAY
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      
      

    この例では、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  12. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400 MB未満であることが判明した場合は、400 MB以上の空き領域を持つファイル・システムを識別し、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定して、このファイル・システム上の一時ディレクトリを指定します。

    1. df -kコマンドを使用して、十分な空き領域がある適切なファイル・システムを識別します。

    2. 必要な場合は、次のようなコマンドを入力して、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ su - root
      # mkdir /mount_point/tmp
      # chmod a+wr /mount_point/tmp
      # exit
      
      
    3. 次のコマンドを入力して、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

        $ TEMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TEMP TMPDIR
        
        
      • Cシェルの場合

        % setenv TEMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
        
  13. 次のようなコマンドを入力して、ORACLE_BASEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
      $ ORACLE_SID=sales
      $ export ORACLE_BASE ORACLE_SID
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      % setenv ORACLE_SID sales
      
      

    これらの例で、/u01/app/oracleは前に作成または識別したOracleベース・ディレクトリ、salesはデータベースの名前(通常は5文字以内)です。

  14. データベース記憶域にRAWデバイスを使用する場合、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定し、RAWデバイス・マッピング・ファイルへのフルパスを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DBCA_RAW_CONFIG=$ORACLE_BASE/oradata/dbname/dbname_raw.conf
      $ export DBCA_RAW_CONFIG
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DBCA_RAW_CONFIG=$ORACLE_BASE/oradata/dbname/dbname_raw.conf
      
      
  15. 次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

  16. 環境が適切に設定されたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ umask
    $ env | more
    
    

    umaskコマンドで値22022または0022が表示され、この項で設定した環境変数が正しい値になっていることを確認します。


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