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Oracle Database Vault インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2)for Linux on POWER

B40131-02
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B レスポンス・ファイルの使用方法

この付録では、レスポンス・ファイルを使用してOracle Database Vaultをインストールする方法について説明します。内容は次のとおりです。

レスポンス・ファイルの機能

Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定すると、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成を自動化できます。Oracle Universal Installerでは、レスポンス・ファイルに含まれる値を使用して、一部またはすべてのOracle Universal Installerプロンプトに応答します。

通常、Oracle Universal Installerは対話型モードで実行されます。つまり、ユーザーはグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)画面で情報の入力を求められます。レスポンス・ファイルを使用して情報を指定する場合、サイレント・モードを使用してOracle Universal Installerをコマンド・プロンプトで実行します。

サイレント・モードのインストールでは、Oracle Universal Installerには画面が表示されません。かわりに、起動するときに使用したターミナルに進捗情報が表示されます。

サイレント・モードのインストールの設定は、レスポンス・ファイルにリストされた変数の値を入力して定義します。たとえば、Oracleホームを指定するには、次の例のようにORACLE_HOME変数に適切な値を指定します。

ORACLE_HOME = "/home/Oracle/OraDBHome1"

レスポンス・ファイルの変数の設定を指定する別の方法は、Oracle Universal Installerの実行中にコマンドライン引数として渡すことです。次に例を示します。

$ /directory_path/runInstaller -silent "ORACLE_HOME=/home/Oracle/OraDBHome1" ...

このコマンドで、directory_pathはDVDのdatabaseディレクトリのパスまたはハード・ドライブのDisk1ディレクトリのパスを表します。

この方法は、レスポンス・ファイルにパスワードなどの機密情報を指定しないようにする場合に特に便利です。次に例を示します。

$ /directory_path/runInstaller -silent "s_ownerPasswd=binks342" ...

変数とその設定は必ず二重引用符(")で囲んでください。

関連項目:

レスポンス・ファイルの形式の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。 

レスポンス・ファイルの一般的な使用手順

Oracle Universal Installerをサイレント・モードで使用してOracle製品をインストールおよび構成する一般的な手順は次のとおりです。


注意:

Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行する前に、システムで必要なインストール前のタスクをすべて実行する必要があります。 


  1. /etcディレクトリにoraInst.locファイルがあることを確認します。

  2. レスポンス・ファイルを準備します。

  3. サイレント・モードでOracle Universal Installerを実行します。

レスポンス・ファイルを使用したDatabase Vaultのインストール

レスポンス・ファイルを使用してDatabase Vaultをインストールするには、次の手順を使用します。


注意:

デフォルトでは、oraInst.locファイルは必ず/etcディレクトリにあります。これは、Oracle Database Vaultが既存のOracle Databaseインストール環境にインストールされるためです。 


  1. レスポンス・ファイルの準備

  2. レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

レスポンス・ファイルの準備

Oracle Database Vaultには、レスポンス・ファイルのテンプレート(dv.rsp)が含まれています。このテンプレートを編集してインストールをカスタマイズできます。このレスポンス・ファイルは、サイレント・モードのインストールで使用できます。

dv.rspファイルは、インストール・メディアのresponseディレクトリにあります。レスポンス・ファイルをコピーおよび変更するには、次の手順を使用します。

  1. responseディレクトリからシステムの任意のディレクトリにレスポンス・ファイルをコピーします。

    $ cp /directory_path/response/dv.rsp local_directory
    
    

    この例で、directory_pathはインストール・メディアのdatabaseディレクトリのパスを表します。local_directoryはディスクのディレクトリを表します。

  2. レスポンス・ファイルをテキスト・エディタで開きます。

    $ vi local_directory/dv.rsp
    
    

    レスポンス・ファイルには、Oracle Universal Installerに必要な情報を格納する変数が含まれています。このファイルにある変数の値を設定する必要があります。たとえば、Oracleホームの場所やDatabase Vault所有者の名前など、Oracle Universal Installerに必要な情報の値を指定する必要があります。

    レスポンス・ファイルは2つの部分から構成されています。変数は、最初の部分でのみ編集する必要があります。ファイルの2番目の部分には、事前設定された変数が含まれています。この変数は編集しないでください。この説明は、レスポンス・ファイルにも記載されています。

    変数には、必須のものとオプションのものがあります。正常にインストールするためには、必須の変数に値を指定する必要があります。各変数についてはレスポンス・ファイルで説明されています。レスポンス・ファイルには例も記載されています。

    レスポンス・ファイルからの次の抜粋は、Oracleホームの変数の設定に関連する説明を示しています。

    #-----------------------------------------------------------------------------
    --
    #Name       : ORACLE_HOME
    #Datatype   : String
    #Description: Complete path of the existing 10.2.0.4.0 database Oracle
    #             Home into which Oracle Database Vault will be installed.
    #
    #Requirement: 1) Must have Oracle Database Enterprise Edition release 
    #                10.2.0.4.0 installed.
    #             2) Must have Oracle Enterprise Manager Console DB version
    #                10.2.0.4.0 installed. 
    #             3) Cannot contain an Automatic Storage Management(ASM) instance.
    #             4) Cannot contain Oracle Database Vault.
    #
    #Example: ORACLE_HOME = "C:\OHOME1"
    #-----------------------------------------------------------------------------
    --
    ORACLE_HOME=<Value Required>
    
    

    シャープ記号(#)で始まる行はコメントのエントリです。オプションの変数を省略する場合、行の先頭にシャープ記号(#)を追加してコメント化します。ORACLE_HOMEなどの必須の変数を含む行はコメント化できません。

    パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイルではなくコマンドラインで指定できます。この方法は、「レスポンス・ファイルの機能」で説明されています。

    関連項目:

    レスポンス・ファイルの作成の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。 

  3. ファイルの説明に従って編集します。ファイルを保存して閉じます。


    注意:

    レスポンス・ファイルを適切に構成しないと、Oracle Universal Installerは失敗します。サイレント・モードのインストールが失敗した場合のトラブルシューティングは、「サイレント・モードのインストールのトラブルシューティング」を参照してください。 


  4. ファイルのアクセス権を700に変更します。

    $ chmod 700 /local_dir/response_file.rsp
    


    注意:

    Oracle Database Vaultインストールに対して完全に指定されたレスポンス・ファイルには、データベース管理アカウントのパスワードが含まれます。Oracleソフトウェアの所有者ユーザーのみがレスポンス・ファイルを表示または変更できるようにするか、インストールの完了後にファイルを削除することを検討してください。 


レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

ここまでの手順で、作成したレスポンス・ファイルを指定してOracle Universal Installerをコマンドラインで実行し、インストールを実行する準備ができました。Oracle Universal Installerの実行可能ファイルrunInstallerにはいつかのオプションが用意されています。オプションの完全なセットに関するヘルプ情報は、-helpオプションを指定してrunInstallerを実行します。次に例を示します。

$ directory_path/runInstaller -help

レスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行するには、次のようにします。

  1. 第2章「オプションとしてのOracle Database Vaultのインストール」にリストされているインストール前のタスクを実行します。

    関連項目:

    インストール前の要件のチェックリストは、Oracle Database Vaultのリリース・ノートのよくある質問に関する項を参照してください。 

  2. Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常oracle)としてログインします。

  3. Oracle Universal Installerをサイレント・モードで起動するには、次のようなコマンドを入力します。


    注意:

    レスポンス・ファイルには相対パスを指定しないでください。相対パスを指定すると、Oracle Universal Installerは失敗します。 


    $ /directory_path/runInstaller -silent -responseFile responsefilename
    
    

    この例の詳細は次のとおりです。

サイレント・モードのインストールのトラブルシューティング

サイレント・モードのインストールの成否を判定するには、次のログ・ファイルを参照してください。

/oraInventory_location/logs/silentInstalldate_time.log

oraInventory_location/etc/oraInst.locファイルで確認できます。oraInst.locファイルのinventory_locパラメータは、oraInventoryディレクトリの場所を指定します。

次の場合、サイレント・インストールは失敗します。

Oracle Universal Installerまたはコンフィギュレーション・アシスタントは、実行時にレスポンス・ファイルを検証します。検証が失敗した場合、サイレント・モードのインストールまたは構成プロセスが終了します。Oracle Universal Installerでは、パラメータの値のコンテキスト、書式またはタイプが、ファイルに値が指定されていない場合と同様に不適切であると判断されます。


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