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Oracle Database インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2)for Solaris Operating System(x86-64)

B28447-01
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1 インストールの概要

この章では、Oracle Databaseの実行可能な各インストール・タイプと、ソフトウェアをインストールする前の考慮事項について説明します。 この章の内容は、次のとおりです。

Oracle Databaseのインストールの概要

Oracle Databaseのインストール・プロセスは、次のフェーズで構成されます。

  1. リリース・ノートの参照: インストールを開始する前に、Oracle Database 10gリリース2(10.2)のリリース・ノートを参照してください。リリース・ノートは、プラットフォーム固有のマニュアルとともに使用可能です。リリース・ノートの最新バージョンは、次のURLのOracle Technology Networkから入手できます。

    http://www.oracle.com/technology/documentation
    
    
  2. インストールの計画: この章では、インストールできるOracle製品と、インストール開始前に考慮が必要な問題について説明します。

    また、付録Hも参照してください。サイトでOracleアプリケーションを使用する場合や、複数のOracle Databaseクライアント接続を必要とする場合に、Oracle Databaseをインストールする方法など、Oracle Databaseコンポーネントのインストールに関してよくある質問が記載されています。

  3. インストール前の作業の完了: 第2章では、製品をインストールする前に完了しておく必要のある、インストール前の作業について説明します。

  4. ソフトウェアのインストール: 次の各章および付録を参照しながら、Oracle Databaseをインストールします。

    • 第3章では、Oracle Universal Installerを使用してOracle Databaseと自動ストレージ管理をインストールする方法について説明します。

    • 付録Aでは、非対話型(サイレント)モードによるインストールの実行について説明します。この方法は、Oracle Databaseの複数インストールを実行する必要がある場合に使用できます。

    • 付録Bでは、Oracleホームのクローニングについて説明します。

    • 付録Fでは、グローバリゼーション・サポート情報について説明します。

    • 付録Gでは、インストール時に問題が発生した場合のトラブルシューティングについて説明します。

    • 第6章では、Oracle Databaseを削除する方法について説明します。

  5. インストール後の作業の完了: 第4章では、推奨および必須のインストール後の作業について説明します。

  6. Oracle Databaseの使用開始: 第5章では、インストールされたOracle Databaseの内容の確認方法、各種ツールの起動方法および各種ファイルの検索方法について説明します。また、付録Cにはネットワーク接続ストレージ・デバイスについて記載されています。この種のデバイスを使用してOracleデータベース・ファイルとOracleソフトウェアを格納できます。付録Dでは、最小限のメンテナンスでOracleインストールの信頼性を保証する一連のガイドラインであるOptimal Flexible Architectureについて説明します。付録EではOracle Databaseのポート番号を管理する方法について説明します。

Oracle Databaseのインストール方法

Oracle Databaseをインストールする際には、次のように異なるインストール方法を選択できます。

対話型インストール方法

対話型の方法を使用してOracle Databaseをインストールする場合、Oracle Universal Installerで表示される一連の画面で、Oracle Databaseソフトウェアのインストールおよびデータベースの作成(オプション)に必要な情報をすべて指定できます。

「使用可能な製品コンポーネント」インストール画面では、ほとんどのユーザーにとってOracle Databaseのインストールに必要なコンポーネントが自動的に選択されます。また、デフォルトでは選択されないが組み込むことのできるコンポーネントも複数表示されます。使用可能なコンポーネントをリストで検索するには、「詳細」を選択して「インストール・タイプ」画面で「カスタム」を選択します。

レスポンス・ファイルを使用する自動インストール方法

レスポンス・ファイルを作成し、Oracle Universal Installerの起動時にこのファイルを指定することで、Oracle Databaseインストールの一部またはすべてを自動化できます。これらの自動インストール方法は、類似した構成のシステムに複数のインストールを実行する必要がある場合、またはソフトウェアをインストールするシステムにX Window Systemソフトウェアがインストールされていない場合に便利です。

レスポンス・ファイルを使用すると、必要な情報をすべて指定したかどうかによって、Oracle Universal Installerを次のモードで実行できます。

これらのモードと、レスポンス・ファイルを使用したインストールの実行方法の詳細は、付録Aを参照してください。

Oracle Databaseのインストール・タイプ


注意:

Oracle Clientは別にインストールされます。Oracle Databaseインストール時にOracle Database Clientをインストールすることはできません。 


Oracle Database 10gのインストール時には、次のインストール・タイプから1つ選択できます。


注意:

Oracle Databaseの各Editionで使用できる機能の詳細、およびライセンスの情報は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。 


データベース構成オプション

インストール時に、インストールの一環としてOracleデータベースを作成するかどうかを選択できます。Oracleデータベースの作成を選択すると、Oracle Universal Installerは、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してOracleデータベースを作成します。様々な異なるアプリケーション用に設計されている事前構成済データベース型のうちの1つを作成するか、事前構成済データベース型のうちの1つを修正するか、または自分の要件に適したカスタマイズ・データベースを作成するか選択できます。

この項の内容は、次のとおりです。

事前構成済データベース型

Oracleでは、インストール時に作成したりカスタマイズできる次の事前構成済データベース型を提供しています。

これらの事前定義済データベース型の詳細は、Oracle Universal Installerまたはデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントのオンライン・ヘルプを参照してください。

データベースの作成に影響するインストールの選択

Oracle Universal Installerは、インストール時の選択により、次の2通りのモードでデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントを実行します。

インストール後のデータベースの作成

インストール時にデータベースを作成しないように選択した場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してソフトウェアのインストール後にデータベースを作成できます。 データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してインストール後にデータベースを作成する方法の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

使用可能なインストール・オプション

このリリースのOracle Databaseにはオプションが用意されており、インストール時に選択してデータベース管理作業を簡素化できます。次のオプションが含まれます。

次の各項では、これらのオプションについて説明します。

データベース記憶域オプション

インストール時にデータベースを作成するように選択した場合は、データベース・ファイルについて次の3つの記憶域オプションから1つ指定できます。

ファイル・システム

ファイル・システム・オプションを選択すると、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントにより、コンピュータにマウントされているファイル・システムのディレクトリにデータベース・ファイルが作成されます。オペレーティング・システムまたはOracleソフトウェアで使用されるファイル・システムとは異なるファイル・システムを選択することをお薦めします。次のいずれかのファイル・システムを選択できます。

「カスタム」インストール・タイプまたは「詳細」データベース作成オプションを選択すると、新規データベースでOracle Managed Filesの機能を使用するように選択できます。この機能を使用する場合は、データベース・ファイルを作成または削除するときに、ファイル名ではなくデータベース・オブジェクト名のみを指定する必要があります。

関連項目:

Oracle Managed Filesの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

自動ストレージ管理

自動ストレージ管理は、Oracle Databaseファイル向けの高パフォーマンスの記憶域管理ソリューションです。データベースの作成やレイアウトおよびディスク領域の管理など、動的なデータベース環境の管理作業を簡素化します。

自動ストレージ管理は、単一データベース・インストール環境、複数データベース・インストール環境およびOracle Real Application Clusters(RAC)環境で使用できます。また、Oracle Database 10gリリース1(10.1.0.3以上)で作成されたデータベースでも使用できます。ただし、Oracle Database 10gリリース1(10.1)の自動ストレージ管理はOracle Database 10gリリース2(10.2)のデータベースで使用できます。サイトに複数のシングル・インスタンス・データベースがある場合は、Oracle Clusterwareを使用して、複数のデータベースを1つのクラスタ化された記憶域プールに連結し、そのプールを自動ストレージ管理で管理できます。自動ストレージ管理では、REDOログ、制御ファイル、Data Pumpエクスポート・ファイルなど、すべてのデータベース・ファイルの記憶域が管理されます。ただし、Oracle Databaseの実行可能バイナリ・ファイルは管理されません。

高レベルで自動ストレージ管理を実装するには、ストライプ化とミラー化を考慮してパーティション化されたディスクをOracle Databaseに割り当てる必要があります。ディスク領域は自動ストレージ管理により管理されます。これにより、論理ボリューム・マネージャ(LVM)のような従来のディスク管理ツール、ファイル・システムおよび両者の管理に必要な多数のコマンドが不要になります。自動ストレージ管理とデータベース・インスタンスとの同期化は、Oracle Cluster Synchronization Services(CSS)により処理されます。

自動ストレージ管理インストールのコンポーネントは、次のとおりです。

ASMディスク・グループ

ディスク・グループとは、自動ストレージ管理により1つのユニットとして管理されるディスク・デバイスの集合です。各ディスク・デバイスには、個別の物理ディスク、RAIDストレージ・アレイや論理ボリュームなどの複数のディスク・デバイス、または物理ディスク上のパーティションを使用できます。ただし、ほとんどの場合、ディスク・グループは1つ以上の個別物理ディスクで構成されます。自動ストレージ管理でディスク・グループ内のI/Oと記憶域のバランスを効率的に調整できるように、ディスク・グループ内のすべてのデバイスの記憶容量とパフォーマンスは完全に同じでなくとも、類似していることを確認する必要があります。

ASMディスク・グループ・テンプレートを使用すると、ディスク・グループ内の個別ファイル・タイプの冗長性およびストライプ化属性を設定できます。ディスク・グループの作成時に、自動ストレージ管理ではそのディスク・グループ用に一連のデフォルト・テンプレートが作成されます。デフォルトのテンプレート設定は、ディスク・グループのタイプに応じて異なります。たとえば、標準冗長性ディスク・グループの制御ファイルのデフォルト・テンプレートでは、3方向ミラー化が設定されます。他のすべてのファイルのテンプレートは2方向でミラー化されます。高冗長性ディスク・グループの場合、デフォルトのミラー化は変更できません。つまり、高冗長性ディスク・グループでは、すべてのファイルが常に3方向でミラー化されます。デフォルトのテンプレートは、サイトのニーズにあわせて変更できます。詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

自動ストレージ管理はディスク・グループのデバイスすべてにデータを均等に分散させて、パフォーマンスと使用率を最適化します。データベースを停止せずに、ディスク・グループにディスク・デバイスを追加または削除できます。ディスクを追加または削除すると、自動ストレージ管理によりディスク・グループ内の各ファイルのバランスが再調整されます。複数のディスク・グループを作成し、通常のファイル格納アクティビティに加えて、バックアップおよびリカバリ操作のような特定のタスクを処理できます。

ディスク・グループにデバイスを追加するときに、そのデバイスの障害グループを指定できます。障害グループにより、同じコントローラに接続されているデバイスなど、共通の障害特性を持つディスク・デバイスが識別されます。コントローラに障害が発生すると、そこに接続されているデバイスがすべて使用不可能になります。デフォルトでは、各デバイスはそれぞれの障害グループにも属しています。自動ストレージ管理では、指定の障害グループを使用してデータをディスク・グループ内のデバイス間に分散し、コンポーネント障害によるデータ消失の危険性を最小限に抑えることができます。

ASMインスタンス

ASMインスタンスにより、ASMディスク・グループが管理されます。このインスタンスは、自動ストレージ管理を使用するデータベース・インスタンスを開始する前に、実行する必要があります。データベース記憶域メカニズムとして自動ストレージ管理を選択すると、このインスタンスが必要に応じて作成され、開始されます。シングル・インスタンスOracle Databaseインストールの場合、必要な自動ストレージ管理インスタンスはシステム上のデータベース・インスタンス数に関係なく1つのみです。単一クラスタ内のどのノードにあるASMインスタンスでも、ディスク・グループ・タイプの任意の組合せを処理できます。

自動ストレージ管理の一般的なインストール手順

自動ストレージ管理をインストールするには、Oracle Universal Installerを使用します。このマニュアルでは、自動ストレージ管理をインストールするための次の一般手順について説明します。

  1. サイトのディスク要件を判断し、必要な場合は自動ストレージ管理に使用する1つ以上のディスク・パーティションを作成します。

    サイトのディスク要件を判断する方法のガイドラインは、「自動ストレージ管理インストールのためのディスク・グループの準備」を参照してください。

  2. Oracle Universal Installerを実行し、自動ストレージ管理インスタンスをインストールして作成し、自動ストレージ管理ディスク・グループを作成します。

    自動ストレージ管理のインストール先に関するガイドラインとインストールにおけるその他の考慮事項については、「手順1: 自動ストレージ管理のインストールに関する考慮事項の確認」を参照してください。自動ストレージ管理インスタンスおよびディスク・グループの作成方法は、「手順2: 自動ストレージ管理インスタンスおよびディスク・グループの作成」を参照してください。

    自動ストレージ管理インスタンスおよび関連ディスク・グループの作成後は、新規に作成するデータベースでファイル記憶域管理に自動ストレージ管理を使用できます。自動ストレージ管理のインストール前に作成したデータベースがある場合は、Oracle Enterprise Managerの「データベースの移行ウィザード」を使用して自動ストレージ管理に移行できます。このウィザードは、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlで使用可能です。あるいは、Oracle Database Recovery Manager(RMAN)を使用して移行を実行することもできます。

  3. 自動ストレージ管理を使用するデータベースを作成します。

    「手順3: 自動ストレージ管理とともに使用するOracle Databaseのインストール」 では、自動ストレージ管理に使用するデータベースの作成方法について説明します。

  4. 自動ストレージ管理インストールをテストします。

    自動ストレージ管理のインストールに成功したかどうかを確認できる単純なテストについては、「手順3: 自動ストレージ管理とともに使用するOracle Databaseのインストール」を参照してください。自動ストレージ管理の起動およびアクセス方法と、管理に使用できるOracle Databaseツールについては、「自動ストレージ管理の管理」を参照してください。

    関連項目:

    • 「Oracle Cluster Synchronization Services」

    • プラットフォーム以外の観点による自動ストレージ管理の概要は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

    • このリリースの自動ストレージ管理の新機能については、『Oracle Database新機能』を参照してください。

    • 自動ストレージ管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

    • 自動ストレージ管理に関する追加情報は、次のURLでOracle Technology NetworkのWebサイトにアクセスしてください。

      http://www.oracle.com/technology/products/database/asm

     

RAWデバイス

RAWデバイスは、ファイル・システムでフォーマットされていないディスク・パーティションまたは論理ボリュームです。データベース・ファイル記憶域にRAWデバイスを使用すると、Oracleはオペレーティング・システムのファイル・システム・レイヤーを迂回して、データをパーティションまたはボリュームに直接書き込みます。このため、RAWデバイスを使用するとパフォーマンスを改善できる場合があります。ただし、RAWデバイスの作成と管理には困難な場合があり、最新のファイル・システムに使用してもパフォーマンスはわずかしか改善されないため、RAWデバイスよりも自動ストレージ管理またはファイル・システム記憶域を選択することをお薦めします。

データベース管理オプション

データベース管理を容易にするために、OracleではOracle Enterprise Managerと呼ばれるWebベースの管理ツールが提供されています。Oracle Enterprise Managerは、次の2通りの方法により配置できます。

この項の内容は、次のとおりです。

事前構成済データベースの管理オプション

インストール時に事前構成済データベースの作成を選択する場合、データベースの管理に使用するOracle Enterprise Managerインタフェースを選択する必要があります。次のオプションを使用できます。

カスタム・データベースの管理オプション

「詳細」データベース構成オプションを選択した場合、またはカスタム・インストール時にデータベースの作成を選択した場合は、Oracle Universal Installerにより、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントが対話型モードで実行されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントの画面を使用して、データベースの管理に使用するOracle Enterprise Managerインタフェースを指定できます。あるいは、Enterprise Managerによりデータベースを構成しないように選択することもできます。


注意:

インストール時にEnterprise Managerを使用するようにデータベースを構成することをお薦めします。ただし、インストール時にEnterprise Managerを使用しないようにデータベースを構成した場合、インストール後にデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用して、Enterprise Managerを使用するようにデータベースを構成できます。 


Oracle Enterprise Manager Database Controlの機能

Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、Oracleデータベースを監視、管理および保守できるWebベースのユーザー・インタフェースが提供されます。これを使用して、すべてのデータベース管理タスクを実行できます。また、データベースに関する情報の確定にも使用できます。

さらに、Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、セキュリティ・アラートの自動通知が行われ、ソフトウェア用のパッチをダウンロードおよび適用する機能が提供されます。

データベース・バックアップおよびリカバリ・オプション

インストール時にOracle Enterprise Manager Database Controlを使用するように選択した場合は、オプションでオラクル社推奨のデフォルト・バックアップ方法を使用する自動データベース・バックアップを有効にできます。


注意:

インストール時に自動バックアップを有効にする必要はありません。Oracle Enterprise Manager Database ControlまたはGrid Controlを使用して、ソフトウェアをインストールしてデータベースを作成した後に自動バックアップを構成できます。  


この項の内容は、次のとおりです。

自動バックアップの有効化

自動バックアップを有効にすると、Oracle Enterprise Managerでは、フラッシュ・リカバリ領域と呼ばれるディスク上の記憶域にすべてのデータベース・ファイルをバックアップするOracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、日常的なバックアップ・ジョブがスケジュールされます。バックアップ・ジョブの初回実行時には、データベースの全体バックアップが作成されます。その後のバックアップ・ジョブでは、増分バックアップが実行され、先行する24時間のあらゆる時点におけるデータベースの状態までそのデータベースをリカバリできます。

自動バックアップ・ジョブをインストール時に有効にするには、次の情報を指定する必要があります。

バックアップ・ジョブのデフォルト設定

インストール時に事前構成済データベースの1つを選択した後に自動バックアップを有効にすると、自動バックアップは次のデフォルト設定で構成されます。

インストール時またはインストール後のいずれかの時点で、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用して自動バックアップを有効にすると、様々なバックアップ・ジョブの開始時間および様々なフラッシュ・リカバリ領域のディスク割当て制限を指定できます。

自動バックアップおよびリカバリに関する詳細情報

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用した自動バックアップの構成やカスタマイズ、またはバックアップしたデータベースのリカバリに関する詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

バックアップ計画の定義とOracleデータベースのバックアップおよびリカバリの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』または『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・アドバンスト・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

電子メール通知オプション

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用するようにインストール時に選択した場合は、特定のイベントが発生した場合に電子メールを送信するようにEnterprise Managerを構成できます。これらのイベントには、ディスク領域のクリティカル制限(しきい値)への到達、またはデータベースの予期しない停止などの状態変化を含めることができます。

電子メール通知を使用可能にするように選択した場合は、次の情報を指定する必要があります。

Enterprise Manager Database Controlを使用すると、データベースの作成後に電子メール通知を設定、変更またはカスタマイズできます。

インストールの考慮事項

この項では、この製品のインストール方法を決定する前に考慮する必要のある情報について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

ハードウェアおよびソフトウェアの認定

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新バージョンが認定されている場合があるため、認定済ハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システム・バージョンの最新リストは、OracleMetaLink Webサイトで認定済マトリクスを確認してください。OracleMetaLinkのWebサイトは、次のURLで参照できます。

https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社とサポート・サービス契約をしていない場合は、次のWebサイトから同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html

複数のOracleホーム

この製品は、複数のOracleホームをサポートしています。つまり、このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。

Oracleがインストールされているシステムへのソフトウェアのインストール

この製品は、新規のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Databaseのあるリリースから別のリリースのOracleホーム・ディレクトリには、製品をインストールできません。たとえば、既存のOracle9iのOracleホーム・ディレクトリにはリリース10.2のソフトウェアをインストールできません。このリリースを以前のOracleリリースのソフトウェアを含むOracleホーム・ディレクトリにインストールしようとすると、インストールに失敗します。

このリリースは同じシステムに複数回インストールできますが、別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする場合にかぎります。

Oracle Cluster Synchronization Services

Oracle Database 10gをシステムに初めてインストールする場合は、インストールによって、単一ノードのOracle Cluster Synchronization Services(CSS)デーモンが構成および起動されます。CSSデーモンは、自動ストレージ管理インスタンスと、データベース・ファイルの記憶域に関して自動ストレージ管理インスタンスに依存するデータベース・インスタンスとの間の同期をとるために必要です。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerではOracle Cluster Synchronization Servicesは構成されません。これらのサービスがOracle Universal Installerにより構成されるのは、記憶域オプションまたはリカバリ・オプションとして自動ストレージ管理を選択した場合のみです。CSSデーモンは、自動ストレージ管理インスタンスまたはデータベース・インスタンスが開始される前に実行されている必要があるため、システムのブート時に自動的に起動するように構成されます。

Oracle Real Application Clustersのインストールの場合、CSSデーモンは、Oracle Clusterwareとともに別のOracleホーム・ディレクトリ(Clusterwareホーム・ディレクトリとも呼ばれます)にインストールされます。単一ノードのインストールの場合、CSSデーモンはOracle Databaseと同じOracleホームにインストールされ、実行されます。

Oracle Databaseと同じOracleホームからOracle Cluster Synchronization Servicesをインストールした場合、Oracle Database 10gソフトウェアをシステムから削除するときには注意が必要です。Oracle Database 10gが格納されているOracleホーム・ディレクトリを削除する前に、CSSデーモン構成を削除するか、または必要に応じて別のOracleホーム・ディレクトリから実行されるようにCSSデーモンを再構成する必要があります。

関連項目:

Oracle CSSデーモンの削除または再構成の詳細は、「Oracle Cluster Synchronization Servicesの再構成」を参照してください。 


注意:

単一システムに複数のOracle Database 10gをインストールし、データベース・ファイルの記憶域に自動ストレージ管理を使用する場合は、CSSデーモンと自動ストレージ管理インスタンスを同じOracleホーム・ディレクトリから実行し、データベース・インスタンスには別のOracleホーム・ディレクトリを使用することをお薦めします。 


ネットワーク接続ストレージまたはNFSファイル・システムの使用

Oracle Database 10gでは、ディスクへの書込みが正常に完了したことを確認できることが必要です。NASデバイス上のファイル・システムを含め、NFSファイル・システムは、ディスクへの書込みが正常に完了したことを保証できないことがあります。この場合、データファイルが破損する可能性があります。ストレージ・ベンダーおよびストレージ・デバイスがOracle Storage Compatibility Programリストに記載されていない場合は、NFSマウント・ファイル・システムにファイルを格納しないことをお薦めします。このリストは、次のWebサイトから入手できます。

http://www.oracle.com/technology/deploy/availability/htdocs/oscp.html

ストレージ・デバイスがサポートされている場合は、Oracleソフトウェア・ファイルまたはOracleデータベース・ファイル、あるいはその両方の格納に使用できます。

関連項目:

Oracleソフトウェアまたはデータベース・ファイルにNFSおよびNASデバイスを使用する場合のガイドラインは、付録Cを参照してください。 

アップグレード時の問題点

以前のリリースのOracle DatabaseからOracle Database 10gリリース2(10.2)へのアップグレードについては、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。ここでは、既存のデータベースをアップグレードする前に検討する必要のある、プラットフォーム固有のその他のアップグレード情報について説明します。

AL24UTFFSSキャラクタ・セット


注意:

この項の内容は、9iリリース1(9.0.1)以降のOracle Databaseのアップグレードには適用されません。 


AL24UTFFSSキャラクタ・セットを使用する既存のデータベースをアップグレードするには、データベース・キャラクタ・セットをUTF8にアップグレードする必要があります。既存のデータベース・キャラクタ・セットをアップグレードする前にCharacter Set Scanner(csscan)ユーティリティを使用してデータを分析することをお薦めします。

Character Set Scannerユーティリティでは、データベース内のすべての文字データがチェックされ、キャラクタ・セットのエンコーディングを変更した場合の効果と問題点がテストされます。Character Set Scannerユーティリティを実行する前に、$ORACLE_HOME/libディレクトリを含めるように、プラットフォームの共有ライブラリ・パス環境変数を設定します。設定する必要のある共有ライブラリ・パス環境変数は、LD_LIBRARY_PATHです。


注意:

AL32UTF8は、XMLTypeデータに適したOracle Databaseキャラクタ・セットです。これは、有効なXML文字をすべてサポートするIANA登録済の標準UTF-8エンコーディングと同等です。

Oracle Databaseのデータベース・キャラクタ・セットUTF8(ハイフンなし)をデータベース・キャラクタ・セットAL32UTF8またはキャラクタ・エンコーディングUTF-8と混同しないでください。データベース・キャラクタ・セットUTF8はAL32UTF8で置き換えられています。XMLデータにはUTF8を使用しないでください。UTF8でサポートされるのはUnicodeバージョン3.1以下のみで、有効なXML文字がすべてサポートされるわけではありません。AL32UTF8には、このような制限はありません。

XMLデータにデータベース・キャラクタ・セットUTF8を使用すると、致命的なエラーが発生したりセキュリティに悪影響を及ぼす可能性があります。データベース・キャラクタ・セットでサポートされていない文字がinput-document要素名に表示される場合は、置換文字(通常は「?」)で置き換えられます。このため、解析が終了して例外が発生します。 


Oracle Database10g リリース2(10.2)で廃止になったコンポーネント

Oracle Database 10gリリース1(10.1)に付属していた次のOracle Database 10g リリース2(10.2)コンポーネントは、Oracle Database 10g リリース2(10.2)のインストールでは使用できません。


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