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Oracle Database インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2)for Solaris Operating System(x86-64)

B28447-01
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4 インストール後の作業

この章では、ソフトウェアのインストール後にインストール後の作業を完了する方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

「インストール後の必須作業」で説明する作業は、必ず実行してください。どのインストール・タイプの場合も、「インストール後の推奨作業」で説明する作業を実行することをお薦めします。

「インストール後の製品固有の必須作業」で説明する製品のいずれかをインストールしており、使用する予定の場合は、製品固有の項で説明する作業を実行する必要があります。


注意:

この章では、基本構成についてのみ説明します。構成およびチューニングの詳細は、『Oracle Database管理者リファレンスfor UNIX Systems』および製品固有の管理およびチューニング・ガイドを参照してください。 


インストール後の必須作業

インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行する必要があります。

パッチのダウンロードとインストール

OracleMetaLinkのWebサイトで、インストールに必要なパッチを確認します。

必要なパッチをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. Webブラウザを使用して、OracleMetaLinkのWebサイトにアクセスします。

    https://metalink.oracle.com
    
    
  2. OracleMetaLinkにログインします。


    注意:

    OracleMetaLinkに登録していない場合は、「Register for MetaLink!」 をクリックし、表示される指示に従って登録してください。 


  3. OracleMetaLinkのメイン・ページで「Patches」 をクリックします。

  4. 「Simple Search」を選択します。

  5. 次の情報を指定して「Go」をクリックします。

    • 「Search By」フィールドで「Product」または「Family」を選択し、次にRDBMSサーバーを指定します。

    • 「Release」フィールドで現行のリリース番号を指定します。

    • 「Patch Type」フィールドで「Patchset/Minipack」を指定します。

    • 「Platform or Language」でプラットフォームを選択します。

Oracle製品の構成

多くのOracle製品およびオプションは、使用を開始する前に構成する必要があります。個々のOracle製品またはオプションを使用する前に、製品のドキュメント・ライブラリに格納されている適切なマニュアルを参照してください。

インストール後の推奨作業

インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行することをお薦めします。

root.shスクリプトのバックアップ作成

インストールの完了後に、root.shスクリプトのバックアップを作成することをお薦めします。他の製品を同じOracleホーム・ディレクトリにインストールすると、Oracle Universal Installerによりインストール中に既存のroot.shスクリプトの内容が更新されます。オリジナルのroot.shスクリプトに含まれていた情報が必要な場合は、バックアップのroot.shファイルからリカバリできます。

新規またはアップグレードしたデータベースの構成

データベースを新規作成またはアップグレードした後は、utlrp.sqlスクリプトを実行することをお薦めします。このスクリプトは、パッケージ、プロシージャおよび型も含めて、無効な状態となっている可能性があるすべてのPL/SQLモジュールを再コンパイルします。このスクリプトはオプションの手順ですが、インストール時に(後日ではなく)実行することをお薦めします。

utlrp.sqlスクリプトを実行する手順は、次のとおりです。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

  2. oraenvまたはcoraenvスクリプトを使用して、utlrp.sqlスクリプトを実行するデータベースの環境を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ . /usr/local/bin/oraenv
      
      
    • Cシェルの場合

      % source /usr/local/bin/coraenv
      
      

    プロンプトに対して、データベースのSIDを指定します。

  3. 次のように、SQL*Plusを起動します。

    $ sqlplus "/ AS SYSDBA"
    
    
  4. 必要な場合は、データベースを起動します。

    SQL> STARTUP
    
    
  5. utlrp.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @?/rdbms/admin/utlrp.sql
    
    

ユーザー・アカウントの設定

ユーザー・アカウントの追加設定の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンスfor UNIX Systems』を参照してください。

NLS_LANG環境変数の設定

NLS_LANGは、Oracleソフトウェアのロケール動作を指定する環境変数です。この変数では、クライアント・アプリケーションとデータベース・サーバーに使用する言語と地域を設定します。また、クライアント用のキャラクタ・セットも設定します。これは、SQL*Plusなど、Oracleクライアント・プログラムにより入力または表示されるデータのキャラクタ・セットです。

関連項目:

NLS_LANG環境変数の詳細は、付録F「Oracle Databaseグローバリゼーション・サポートの構成」を参照してください。 

クライアントの静的ライブラリの生成

クライアントの静的ライブラリ(libclntst10.a)は、インストール時に生成されません。クライアントの静的ライブラリにアプリケーションをリンクする場合は、次の手順に従って最初に静的ライブラリを生成する必要があります。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

  2. ORACLE_HOME環境変数を設定して、Oracle Databaseのインストールに使用したOracleホーム・ディレクトリを指定します。次に例を示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1 
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1
      
      
  3. 次のコマンドを入力します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/genclntst
    

インストール後の製品固有の必須作業

ここでは、該当する製品をインストールして使用する場合に実行する必要のある、プラットフォーム固有のインストール後の作業について説明します。

Oracle Net Servicesの構成

システムに以前のリリースのOracleソフトウェアがインストールされている場合は、Oracle Netのtnsnames.oraおよびlistener.ora構成ファイルの情報を、以前のリリースから新しいリリースの対応するファイルにコピーできます。


注意:

tnsnames.oraおよびlistener.oraファイルのデフォルト位置は、$ORACLE_HOME/network/admin/ディレクトリです。 ただし、これらのファイルには中央の位置を使用することもできます(/var/opt/oracleなど)。 


listener.oraファイルの変更

以前のリリースのOracle Databaseからアップグレードする場合は、以前のリリースではなく現行リリースのOracle Netリスナーを使用することをお薦めします。

現行リリースのリスナーを使用するには、静的なサービス情報を、以前のリリースのlistener.oraファイルから新しいリリースで使用するファイルのバージョンにコピーする必要があります。

リリース8.0.3より前のデータベース・インスタンスについては、listener.oraファイルに静的サービス情報を追加します。リリース8.0.3以降のOracle Databaseは、静的サービス情報を必要としません。

tnsnames.oraファイルの変更

中央のtnsnames.oraファイルを使用していない場合は、Oracle Netのサービス名と接続記述子を、以前のリリースのtnsnames.oraファイルから新しいリリースで使用するファイルのバージョンにコピーします。

必要な場合は、追加のデータベース・インスタンスの接続情報を新しいファイルに追加することもできます。

Oracle Label Securityの構成

Oracle Label Securityをインストールした場合は、使用する前にデータベース内で構成する必要があります。Oracle Label Securityを構成するには、Oracle Internet Directoryの統合を使用する方法と使用しない方法があります。Oracle Internet Directoryの統合を使用せずにOracle Label Securityを構成した場合、後でOracle Internet Directoryを使用するように構成することはできません。


注意:

Oracle Internet Directoryの統合を使用してOracle Label Securityを構成するには、環境にOracle Internet Directoryをインストールし、ディレクトリにOracleデータベースを登録する必要があります。 


関連項目:

Oracle Internet Directoryで使用可能なOracle Label Securityの詳細は、『Oracle Label Security管理者ガイド』を参照してください。 

Oracle JVMおよびOracle interMediaにネイティブにコンパイルされたJavaライブラリのインストール

Oracle JVMまたはOracle interMediaの使用を計画している場合、OracleではOracle Database 10g Companion CDからそれらの製品により使用されるネイティブにコンパイルされたJavaライブラリ(NCOMP)のインストールをお薦めします。これらのライブラリでは、プラットフォーム上の製品のパフォーマンスを改善するよう要求されます。

Companion CDから製品をインストールする方法については、「Companion CDからのOracle Database 10g製品のインストール」を参照してください。

Oracle Textが提供するナレッジ・ベースのインストール

Oracle Textのナレッジ・ベースは、テーマの索引付け、ABOUT問合せ、およびドキュメント・サービスでのテーマの抽出ツリー階層に使用される概念の階層ツリーです。Oracle Textの機能のいずれかの使用を計画する場合、提供する2つのナレッジ・ベース(英語とフランス語)をOracle Database 10g Companion CDからインストールできます。


注意:

提供されるナレッジ・ベースは、要件に応じて拡張できます。あるいは、英語とフランス語以外の言語で自分自身のナレッジ・ベースを作成できます。  


関連項目:

ナレッジ・ベースの作成および拡張の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。

Companion CDから製品をインストールする方法については、「Companion CDからのOracle Database 10g製品のインストール」を参照してください。 

Oracle Messaging Gatewayの構成

Oracle Messaging Gatewayの構成については、『Oracle Streamsアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』のメッセージ・ゲートウェイに関する項を参照してください。このマニュアルに記載されている指示に従う場合、listener.oratnsnames.oraおよびmgw.oraファイルの構成手順の詳細は、本項を参照してください。

外部プロシージャ用のlistener.oraファイルの変更

外部プロシージャ用に/$ORACLE_HOME/network/admin/listener.oraファイルを変更する手順は、次のとおりです。

  1. listener.oraファイルのバックアップを作成します。

  2. 外部プロシージャ用のデフォルトのIPCプロトコル・アドレスが次のように設定されていることを確認します。

    (ADDRESS = (PROTOCOL=IPC)(KEY=EXTPROC))
    
    
  3. listener.oraファイル内でリスナーのSID_LISTパラメータに次のような各行を追加して、mgwextprocと呼ばれるサービスに関する静的サービス情報を追加します。

      (SID_DESC =
        (SID_NAME = mgwextproc)
        (ENVS = EXTPROC_DLLS=/oracle_home/lib/libmgwagent.so,
    LD_LIBRARY_PATH=/oracle_home/jdk/jre/lib/i386:/oracle_home/lib)
        (ORACLE_HOME = oracle_home)
        (PROGRAM = extproc32)
      )
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • ENVSパラメータは、共有ライブラリ・パス環境変数およびその他の必要な環境変数を定義します。

      共有ライブラリ・パス環境変数の設定では、WebSphere MQやTIBCO Rendezvousなど、Oracle以外のメッセージ・システムに必要な追加ライブラリ・パスも追加してください。

    • oracle_homeは、Oracleホーム・ディレクトリのパスです。

    • extproc32は、外部プロシージャ・エージェントの実行可能ファイルです。

      次の例に、listener.oraファイルのサンプルを示します。

      SID_LIST_LISTENER =
        (SID_LIST =
          (SID_DESC =
            (SID_NAME = PLSExtProc)
            (ORACLE_HOME = /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1)
            (PROGRAM = extproc)
          )
          (SID_DESC =
            (SID_NAME = mgwextproc)
      (ENVS =  EXTPROC_DLLS=/oracle_home/lib/libmgwagent.so,
               LD_LIBRARY_PATH =/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/jdk/jre/
      lib/i386:/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/lib)
             (ORACLE_HOME = /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1)
             (PROGRAM = extproc32)
          )
      )
      

外部プロシージャのためのtnsnames.oraファイルの変更

外部プロシージャ用に$ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraファイルを変更する手順は、次のとおりです。

  1. tnsnames.oraファイルのバックアップを作成します。

  2. tnsnames.oraファイル内で、次のようにネット・サービス名MGW_AGENTを指定して接続記述子を追加します。

    MGW_AGENT = 
    (DESCRIPTION= 
       (ADDRESS_LIST= (ADDRESS= (PROTOCOL=IPC)(KEY=EXTPROC))) 
       (CONNECT_DATA= (SID=mgwextproc) (PRESENTATION=RO)))
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • KEYパラメータに指定する値は、listener.oraファイル内のIPCプロトコル・アドレス内でそのパラメータに指定した値と一致する必要があります。

    • SIDパラメータの値は、listener.oraファイル内のサービス名と一致する必要があります。このサービス名は、前項でOracle Messaging Gatewayの外部プロシージャ・エージェントに指定した名前(mgwextproc)です。

mgw.ora初期化ファイルの設定

外部プロシージャ用に$ORACLE_HOME/mgw/admin/mgw.oraファイルを変更するには、CLASSPATH環境変数を設定して、次の表にあるクラス、およびOracle以外のメッセージ・システム(WebSphere MQまたはTIBCO Rendezvousクラスなど)にアクセスするOracle Messaging Gatewayに必要なすべての追加クラスを含めます。

クラス  パス 

Oracle Messaging Gateway 

ORACLE_HOME/mgw/classes/mgw.jar 

JRE国際化 

ORACLE_HOME/jdk/JRE/lib/i18n.jar 

JREランタイム 

ORACLE_HOME/jdk/JRE/lib/rt.jar 

Oracle JDBC 

ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc14.jar 

Oracle国際化 

ORACLE_HOME/jdbc/lib/orai18n.jar 

SQLJ 

ORACLE_HOME/oc4j/sqlj/lib/translator.jar

ORACLE_HOME/sqlj/lib/runtime12.tar 

JMSインタフェース 

ORACLE_HOME/rdbms/jlib/jmscommon.jar 

Oracle JMS実装 

ORACLE_HOME/rdbms/jlib/aqapil3.jar 

Java Transaction API 

ORACLE_HOME/jlib/jta.jar 


注意:

mgw.oraファイルの各行は、すべて1024文字未満にする必要があります。 


Oracleプリコンパイラの構成

この項では、Oracleプリコンパイラに関するインストール後の作業について説明します。


注意:

プリコンパイラ構成ファイルは、すべて$ORACLE_HOME/precomp/adminディレクトリにあります。 


Pro*C/C++の構成

PATH環境変数の設定に、Cコンパイラの実行可能ファイルを含むディレクトリが指定されていることを確認します。

表4-1に、コンパイラのデフォルト・ディレクトリおよびパス設定確認コマンドを示します。

表 4-1     C/C++コンパイラのディレクトリ
コンパイラ  パス  コマンド 

/opt/SUNWspro10/bin/cc 

$ which cc 

C++ 

/opt/SUNWspro10/bin/CC 

$ which CC 


注意:

whichコマンドを実行する前に、PATH環境変数を次の値に設定します。

  • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

    $export PATH=/opt/SUNWspro10/bin:$PATH
    
    
  • Cシェルの場合

    %setenv PATH /opt/SUNWspro10/bin:$PATH
    
 

64ビットOracle JDBC/OCI Driver for JDK 1.4の構成

64ビットOracle JDBC/OCI Driver for JDK 1.4を構成するには、プラットフォームの共有ライブラリ・パス環境変数で指定されている値に$ORACLE_HOME/libディレクトリを含めます。次のコマンドを使用して、LD_LIBRARY_PATH_64変数に必須パスを設定する必要があります。

$ LD_LIBRARY_PATH_64=$ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH_64

プライマリ・コンパイラとしてのGCCの構成

サポートされているプライマリ・コンパイラが使用できない場合は、GCCをプライマリ・コンパイラとして構成できます。これにより、共有ライブラリに常駐するネイティブ・コードにコンパイルして、パッケージなどのPL/SQLモジュールのパフォーマンスを高速化できます。この方法では、モジュールをCコードに変換し、Cコンパイラでコンパイルしてから、Oracleプロセスにリンクします。すべてのOracleモジュールのコンパイルに1つのコンパイラを使用する必要があることに注意してください。一部のモジュールをプライマリ・コンパイラでコンパイルし、他のモジュールを別のコンパイラでコンパイルすることはできません。

オペレーティング・システムでサポートされているプライマリ・コンパイラとGNU Compiler Collection(GCC)の両方が使用可能な場合は、サポートされているプライマリ・コンパイラを使用します。ただし、サポートされているプライマリ・コンパイラが使用できない場合は、GCCを使用してください。

GCCをプライマリ・コンパイラとして構成する手順は、次のとおりです。

  1. テキスト・エディタでspnc_commands構成ファイルを開きます。デフォルト・インストールでは、spnc_commandsファイルは$ORACLE_HOME/plsqlディレクトリにあります。

  2. 次のテキスト行を検索してコメント化します。

    # /opt/SUNWspro10/bin/cc %(src) -xO1 -xarch=amd64 -Kpic 
    -I$(ORACLE_HOME)/plsql/include -I$(ORACLE_HOME)/plsql/public -s -G -o %(so)
    
    
  3. GCCに関する次の行を検索してコメント解除します。

    # /usr/sfw/bin/gcc %(src) -c -O1 -m64 -fPIC -I$(ORACLE_HOME)/plsql/include 
    -I$(ORACLE_HOME)/plsql/public -o %(obj); /usr/ccs/bin/ld -G -s %(obj) -o %(so)
    
    
  4. spnc_commands構成ファイルを保存して閉じます。

    関連項目:

    PL/SQLのネイティブ・コンパイルとspnc_commands構成ファイルの詳細は、『Oracle Database PL/SQLユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。 

Companion CDからのOracle Database 10g製品のインストール

Oracle Database 10g Companion CDには、インストール可能な製品が追加されています。これらの製品は、使用するOracle Databaseの製品または機能に応じてインストールしてください。次の製品または機能の使用を予定している場合は、Companion CDからOracle Database 10g製品をインストールする必要があります。

Companion CDからソフトウェアをインストールする方法については、『Oracle Database Companion CDクイック・インストレーション・ガイドfor Solaris Operating System(x86-64)』を参照してください。


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