Oracle Database 管理者リファレンス 10g リリース2(10.2) for UNIX Systems B19278-06 |
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この付録では、SolarisシステムでOracle Databaseを管理する方法について説明します。
Solarisシステム上のOracle Databaseでは、Oracleプロセス間で仮想メモリー・リソースを共有するため、共有メモリー・セグメントとして緊密共有メモリー(ISM)が使用されます。ISMを使用すると、共有メモリー・セグメント全体の物理メモリーが自動的にロックされます。
Solaris 8およびSolaris 9システムでは、ページング可能なDynamic ISM(DISM)を使用できます。DISMを使用すると、Oracle Databaseはセグメントを共有するプロセス間で仮想メモリー・リソースを共有でき、同時にメモリーのページングも可能になります。このため、オペレーティング・システムでは、共有メモリー・セグメント全体で使用される物理メモリーをロックする必要がありません。
Oracle Databaseでは、次の基準に基づいて、ISMまたはDISMが自動的に選択されます。
SGA_MAX_SIZE
初期化パラメータの値が、結合されたすべてのSGAコンポーネントに必要なサイズよりも大きい場合に、DISMが使用されます。したがって、Oracle Databaseでは、使用される物理メモリー量のみがロックされます。
SGA_MAX_SIZE
パラメータの値が、結合されたすべてのSGAコンポーネントに必要なサイズ以下の場合に、ISMが使用されます。
Oracle Databaseでは、ISMまたはDISMのいずれを使用するかに関係なく、インスタンスの起動後に、常に動的にサイズ変更できるコンポーネント(バッファ・キャッシュなど)、共有プールおよびラージ・プール間でメモリーを交換できます。Oracle Databaseでは、動的SGAコンポーネントからメモリーを解放し、それを別のコンポーネントに割り当てることができます。
DISMの使用時は、共有メモリー・セグメントがメモリー内で暗黙的にロックされないため、Oracle Databaseは起動時に使用している共有メモリーを明示的にロックします。動的なSGA操作によって共有メモリーが追加されると、Oracle Databaseは使用中のメモリーを明示的にロックします。動的なSGA操作によって共有メモリーが解放されると、Oracle Databaseは解放されたメモリーに対するロックを明示的に解除します。その結果、解放されたメモリーが他のアプリケーションで使用できるようになります。
Oracle Databaseは、oradism
ユーティリティを使用して共有メモリーのロックとロック解除を実行します。oradism
ユーティリティは、インストール時に自動的に設定されます。したがって、動的SGAを使用するための設定作業は不要です。