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Oracle Database プラットフォーム・ガイド
10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(64-bit)on Intel Itanium

B25021-03
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4 Windowsでのインストール後の構成タスク

この章では、セキュリティを高めるために実行できる構成タスクおよびOracle interMediaとその他のOracleオプションを使用する前に実行する必要のあるその他の構成タスクについて説明します。適宜、構成タスクについて記述されている他のマニュアルを参照先として記載しています。

この章の項目は次のとおりです。

Windowsファイアウォール

サポートされるオペレーティング・システムのすべての環境では、デフォルトでWindowsファイアウォールにより、着信接続に対してすべてのTCPネットワーク・ポートを事実上ブロックできます。そのため、TCPポート上で着信接続をリスニングするOracle製品はすべて、これらのどの接続要求も受信せず、これらの接続を行っているクライアントはエラーを報告します。

インストールするOracle製品やその使用方法によって異なりますが、これらのオペレーティング・システムで製品を正しく動作させるために、Windowsファイアウォールのインストール後構成がいくつか必要になる場合があります。

次の項目について説明します。

ファイアウォール例外が必要なOracle実行可能ファイル

表4-1は、WindowsのTCPポートでリスニングするOracle Database 10gリリース1(10.1)以上の実行可能ファイルのリストです。これらが使用中で、リモート・クライアント・コンピュータからの接続を受け入れている場合は、正しく動作するようWindowsファイアウォールの例外リストに追加することをお薦めします。特に指定のないかぎり、これらは、ORACLE_HOME¥binにあります。

表4-1にリストされているRMIレジストリ・アプリケーションおよびデーモン実行可能ファイルは、リモート・クローラを起動するためにOracle Ultra Searchで使用されます。Ultra Searchのリモート・クローラ機能を使用する場合や、Windowsファイアウォールを有効にしたコンピュータでリモート・クローラを実行している場合は、これらのアプリケーションとファイルをWindowsファイアウォールの例外リストに追加する必要があります。


注意

複数のOracleホームを使用している場合は、同じ実行可能ファイルに複数のファイアウォール例外(実行可能ファイルのロード元のホームごとに1つ)が必要になる場合があります。  


関連資料

Windowsファイアウォールの例外を要求するRAC実行可能ファイルの詳細は、Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照 

表4-1    Windowsファイアウォール例外が必要なOracle実行可能ファイル 
ファイル名  実行プログラム名 

oracle.exe 

Oracle Database 

tnslsnr.exe 

Oracle TNSリスナー 

emagent.exe 

Oracle Database Control 

ORACLE_HOME¥jdk¥bin¥java.exe 

Java仮想マシン 

ORACLE_HOME¥apache¥apache¥apache.exe  

Apache Web Server 

ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmn.exe 

Oracle Process Manager 

ORACLE_HOME¥jdk¥bin¥rmiregistry.exe 

RMIレジストリ・アプリケーション 

ORACLE_HOME¥jdk¥bin¥rmid.exe 

RMIデーモン実行可能ファイル 

dgmgrl.exe 

Data Guard Manager 

omtsreco.exe 

Oracle Services for Microsoft Transaction Server 

tg4sybs.exe 

Oracle Transparent Gateway for SYBASE 

tg4tera.exe 

Oracle Transparent Gateway for Teradata 

tg4msql.exe 

Oracle Transparent Gateway for Microsoft SQL Server 

tg4drsrv.exe 

Oracle Transparent Gateway for DRDA 

pg4arv.exe 

Oracle Procedural Gateway for APPC 

pg4t4ic.exe 

Oracle Procedural Gateway for APPC 

pg4mqs.exe 

Oracle Procedural Gateway for Websphere MQ 

pg4mqc.exe 

Oracle Procedural Gateway for Websphere MQ 

hdodbc.exe 

汎用接続性 

extproc.exe 

外部プロシージャ 

oidldapd.exe 

Oracle Internet Directory LDAPサーバー 

Windowsファイアウォールの構成

Windowsファイアウォールのインストール後構成は、次のすべての条件を満たす場合に実行できます。

ファイアウォール内の特定の静的TCPポートを開くか、特定の実行可能ファイルの例外を作成することによって、Windowsファイアウォールを構成できます。これにより、選択した任意のポートで接続要求を受信できるようになります。ファイアウォールを構成するには、「コントロール パネル」「Windowsファイアウォール」「例外」を選択するか、コマンドラインでnetsh firewall add...と入力します。

あるいは、フォアグラウンド・アプリケーションがポートでリスニングを試みている場合、Windowsによって通知され、この実行可能ファイルの例外を作成するかどうかを尋ねられます。実行することを選択した場合、前述の「コントロール パネル」またはコマンドラインで実行可能ファイルの例外を作成した場合と同じ結果になります。

Windowsファイアウォールの例外のトラブルシューティング

表4-1にリストされている実行可能ファイルに対する例外を許可した後で、接続が確立できなかった場合は、次の手順を実行して、インストールのトラブルシューティングを行ってください。

  1. Oracleの構成ファイル(*.confファイルなど)、Windowsレジストリ内のOracleキー、ORACLE_HOME¥network¥admin内のネットワーク構成ファイルを調べます。

  2. 特に、PROGRAM=句のORACLE_HOME¥network¥admin¥listener.oraにリストされているすべての実行可能ファイルに注意してください。実行可能ファイルには、TNSリスナーを介して接続するので、それぞれの実行可能ファイルにWindowsファイアウォールの例外が付与されている必要があります。

  3. Oracleトレース・ファイル、ログ・ファイル、その他の診断情報ソースで、失敗した接続に関する詳細を調べます。データベース・クライアント・コンピュータ上のログ・ファイルとトレース・ファイルには、失敗した接続に関する有用なエラー・コードまたはトラブルシューティング情報が含まれている可能性があります。サーバー上のWindowsファイアウォールのログ・ファイルにも有用な情報が含まれている場合があります。

  4. 前述のトラブルシューティングの手順で、構成に関する問題を解決できなかった場合は、診断と問題解決のために、netsh firewall show state verbose=enableコマンドの出力をオラクル社カスタマ・サポート・センターにお送りください。

    関連資料

    • Windowsファイアウォールのトラブルシューティングの詳細は、http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=a7628646-131d-4617-bf68-f0532d8db131&displaylang=enを参照

    • Windowsファイアウォール構成の詳細は、http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;875357を参照

     

デフォルト・アカウントのパスワードのリセット

Oracle Databaseのインストールでは、多数のデフォルト・アカウントもインストールされます。インストールが正常に終了した場合、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントにより、ほとんどのデフォルトのデータベース・アカウントがロックされ、無効になります。インストール後、即時にすべてのユーザー・パスワードを変更することをお薦めします。

関連資料

デフォルトのデータベース・アカウントおよびパスワードの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照 

NTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限

認可されたデータベース管理者(DBA)のみが完全な制御権を持つように、Oracle Databaseファイル、ディレクトリおよびレジストリの設定を構成することをお薦めします。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してデータベースを作成した場合、またはOracleデータベース・アップグレード・アシスタントを使用してデータベースをアップグレードした場合は、それ以上の処理は不要です。

この項では、Oracle Universal Installer、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントおよびOracleデータベース・アップグレード・アシスタントで自動的に設定される権限と、これらの権限を手動で設定する手順について説明します。

次の項目について説明します。

ファイル権限

Oracle9iリリース2(9.2)からは、Oracle Databaseソフトウェアのインストールまたはアップグレード時に、Oracle Universal Installer、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントおよびデータベース・アップグレード・アシスタントによりファイル権限が設定されます。

次の項目について説明します。

Oracle Universal Installerによって設定されるファイル権限

Oracle Databaseのインストール時に、デフォルトでは、Oracle Universal InstallerによりソフトウェアがORACLE_BASE¥ORACLE_HOMEにインストールされます。Oracle Universal Installerにより、このディレクトリ、およびこのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリに対して次のアクセス権が設定されます。

データベース・コンフィギュレーション・アシスタントによって設定されるファイル権限

データベースの構成時に、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントによりファイルおよびディレクトリが次のデフォルトの場所にインストールされます。database_nameは、データベース名またはSIDです。

データベース・コンフィギュレーション・アシスタントにより、これらのディレクトリ、およびこれらのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリに対して次のアクセス権が設定されます。

データベース・アップグレード・アシスタントによって設定されるファイル権限

旧バージョンのデータベースがOracle Database 10gリリース1(10.1)以上にアップグレードされるときに、データベース・アップグレード・アシスタントにより、ソフトウェアが次のディレクトリにインストールされます。database_nameは、データベース名またはSIDです。

データベース・アップグレード・アシスタントにより、これらのディレクトリ、およびこれらのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリに対して次のアクセス権が設定されます。

Oracle Database 10gリリース1(10.1)からは、データベース・アップグレード・アシスタントでもEnterprise Managerを構成できます。Enterprise Managerの構成時に「日次バックアップ有効化」オプションを選択した場合、データベース・アップグレード・アシスタントではフラッシュ・リカバリ領域を求める別の画面が表示されます。データベース・アップグレード・アシスタントでは、どのファイル・システムの場所が指定されている場合でも、ディレクトリ構造が存在しない場合は、その作成を試行します。同じファイル権限のセットがこの場所に挿入されます。フラッシュ・リカバリ領域のDBUAで示されるデフォルトの場所は次のとおりです。

NTFSファイル・システムのセキュリティの設定

認可されたユーザーのみが完全なファイル・システムの権限を持つようにするには、次のようにします。

  1. Windowsエクスプローラに移動します。

  2. 各ディレクトリまたはファイルに次のアクセス権を設定します。

    ディレクトリ  グループおよびアクセス権 

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME 

    • Administrators: Full Control

    • System: Full Control

    • Authenticated Users: Read、ExecuteおよびList Contents

     

    ORACLE_BASE¥admin¥database_name 

    • Administrators: Full Control

    • System: Full Control

     

    ORACLE_BASE¥oradata¥database_name 

    • Administrators: Full Control

    • System: Full Control

     

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥
    spfile
    SID.ora 

    • Administrators: Full Control

    • System: Full Control

     


    注意

    Oracle Databaseでは、WindowsのLocalSystemの組込みセキュリティ・アカウントが使用されます。したがって、ファイル権限は、Oracle Databaseを実行するローカル・コンピュータのSystemアカウントに付与する必要があります。 


    関連資料

    NTFSファイル・システムおよびレジストリの設定の変更方法の詳細は、オペレーティング・システムのオンライン・ヘルプを参照 

Windowsレジストリのセキュリティの設定

Windowsレジストリの¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLEで、Oracle Database DBAまたはシステム管理者以外のユーザーから書込み権限を削除することをお薦めします。

書込み権限を削除するには、次のようにします。

  1. レジストリ エディタを開きます。

  2. ¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLEに移動します。

  3. 「セキュリティ」メイン・メニューで「アクセス許可」を選択します。

    レジストリ・キーのアクセス許可ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. Oracle Database DBAまたはシステム管理者以外のユーザーから書込み権限を削除します。SYSTEMアカウントはOracle Databaseの実行に使用するアカウントであるため、このアカウントにはFull Controlが必要です。

  5. Oracleアプリケーションを実行する必要のあるユーザー・アカウントに読取り権限があることを確認します。

  6. 「OK」を選択します。

  7. レジストリ エディタを終了します。

Windowsでのスケジューラの外部ジョブ・サポートの構成

このリリースには、エンタープライズ・スケジューリング機能を提供するための新しいデータベース・スケジューラが組み込まれています。ユーザーにより実行される外部ジョブは、OracleJobSchedulerサービスを使用して開始されます。このサービスはデフォルトでは使用不可になります。外部ジョブ機能を使用するには、管理者が、このサービスを実行するユーザー・アカウントのユーザー名とパスワードを設定し、サービスを使用可能にする必要があります。

権限の低いユーザーに対して外部ジョブの実行を制限することにより、認可されていないデータベース・ユーザーがオペレーティング・システム・レベルの権限を得ることが防止されますが、実行できるジョブの種類も制限されます。高いレベルのオペレーティング・システム権限を必要とするジョブは、このメカニズムでは実行できません。

WindowsでのOracle interMedia

Oracle interMediaのパフォーマンス関連のコンポーネントは、現在Companion CDにパッケージされています。Companion CDがなくてもinterMediaは正常に機能しますが、画像処理のパフォーマンスを許容範囲内にするには、Companion CDから次のコンポーネントをインストールする必要があります。

Oracle interMediaには、次のコンポーネントが含まれます。

Client

Oracle interMedia Clientは、Oracle Database interMedia Audio、ImageおよびVideoのJavaインタフェースを提供します。このインタフェースにより、ローカル(クライアント側)・アプリケーションを使用して、ネットワークからアクセス可能な(サーバー側)データベースに格納されているマルチメディア・データを操作または変更できます。Javaライブラリを使用するには、Oracle interMediaライブラリを含むように環境変数CLASSPATHを設定します。

Clientには、Microsoft Visual C++を使用して開発された単純なinterMedia Imageサンプル(SimpImg.exe)も用意されています。SimpImg.exeは、Oracle Database内でinterMedia Imageを使用し、イメージを検索および更新します。

Audio

Oracle interMedia Audioは、Oracle Database内の様々なファイル形式のオーディオ・データを管理します。一般に使用されているオーディオ・ファイル形式の会話、歌、その他の音声などいろいろな種類のオーディオ・データがサポートされています。このため、他のアプリケーション固有のオブジェクト・リレーショナル・データにオーディオ・データを組み込むことができます。

Video

Oracle interMedia Videoは、様々なビデオ・ファイル形式のビデオ・データを管理します。このため、他のアプリケーション固有のオブジェクト・リレーショナル・データにビデオ・データを組み込むことができます。

Image

Oracle interMedia Imageには、オブジェクト・データ型(ODT)を介してイメージの格納、検索および形式変換を行う機能があります。また、バイナリ・ラージ・オブジェクト(BLOB)を使用したイメージの格納、および外部ファイル(BFILE)におかれるイメージ・データの参照もサポートします。

さらに、Oracle interMedia Imageには、Oracle Databaseからイメージを抽出する方法を説明するサンプル・デモが付属しています。

Locator

Oracle interMedia Locatorを使用すると、Oracle Databaseでロケータ・アプリケーションと近似検索にオンライン・インターネット・ベースのジオコーディング機能が利用できるようになります。

旧リリースからのOracle interMediaのアップグレード

旧リリースから現在のリリースにOracleをアップグレードする場合、Oracle interMediaは検出されると自動的にアップグレードされます。なんらかの理由でinterMediaを手動でアップグレードする場合は、次のようにします。

  1. データベースをアップグレードします。

  2. SQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  3. Oracle DatabaseにアカウントSYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  4. スクリプトimdbma.sqlを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥im¥admin¥imdbma.sql
    
    
  5. スクリプトでNOT_INSTALLEDと表示された場合は、旧リリースのOracle interMediaがコンピュータにインストールされていません。Oracle interMediaをアップグレードするのではなくインストールする必要があります。

  6. スクリプトでINSTALLEDと表示された場合は、最新リリースのOracle interMediaがコンピュータにすでにインストールされています。

  7. スクリプトでu0nnnnn0.sqlと表示された場合は、Oracle interMediaリリースnnnnnがインストールされています。たとえば、u0800060.sqlは、Oracle Image Cartridgeリリース8.0.6.0.0が現在インストールされていることを意味します。

  8. Oracle interMedia共通ファイルをアップグレードします。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥admin¥u0nnnnn0.sql
    
    
  9. Oracle interMediaをアップグレードします。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥im¥admin¥u0nnnnn0.sql
    
    
  10. アップグレードを検証します。

    SQL> CONNECT / AS ORDSYS
    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥im¥admin¥imchk.sql
    
    

Oracle interMedia Audio、Video、ImageおよびLocatorの構成

Enterprise Editionをインストールした場合は、インストールの終了時にデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントが自動的に起動します。「カスタマイズ」以外のデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントのインストール・タイプを選択した場合は、interMediaの手動構成は不要です。この項に示されているタスクは、すべて自動的に実行されます。

「カスタマイズ」インストールを選択した場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントにより、Oracle interMediaの構成手順が順に示されます。

データベースを手動で作成および構成している場合、Oracle interMedia Audio、Video、ImageおよびLocatorを構成するには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  2. Oracle DatabaseにアカウントSYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  3. データベースを起動します(必要な場合)。

    SQL> STARTUP
    
    
  4. スクリプトordinst.sqlを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥admin¥ordinst.sql
    
    
  5. スクリプトiminst.sqlを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥im¥admin¥iminst.sql
    
    
  6. SQL*Plusを終了します。

    SQL> EXIT
    
    


    注意

    Oracle8ilistener.oraファイルおよびtnsnames.oraファイルをOracle Databaseネットワーク・ディレクトリに手動でコピーする場合は、外部ルーチン・コールが動作し、interMediaが正しく機能するよう、サーバー上のネットワーク構成ファイルtnsnames.oraおよびlistener.oraを変更する必要があります。『Oracle Database Net Services管理者ガイド』の手順に従ってください。 


Oracle interMediaデモの構成

Oracle interMedia Audio、VideoおよびImageのデモを構成するには、表4-2に示す場所にあるreadme.txtファイルの指示に従います。

表4-2    interMediaデモの指示 
デモ  ファイルの場所 

Audio 

ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥aud¥demo 

Video 

ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥vid¥demo 

Image 

ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥img¥demo 


注意

これらのreadme.txtファイルには、UNIXの改行が含まれています。単純にダブルクリックした場合は、デフォルトでメモ帳に開きますが、メモ帳はUNIXの改行を認識しません。かわりにwrite.exeまたはedit.comを使用してください。 


ディレクトリ¥img¥demoには、demo_ordimg.mkも含まれます。このファイルは、Microsoft Cコンパイラ用のinterMedia Imageデモを作成するMAKEFILEです。ただし、デモをビルドして実行する前に、使用中の環境に合せてこのファイルを修正する必要があります。

Oracle interMedia Locatorデモを構成するには、次のディレクトリに移動します。

ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥md¥demo¥geocoder

Oracle Databaseにロードできるサンプル・データは、nh_cs.sqlにあります。Locator機能の使用方法を示す例は、geohttp.sqlおよびgeolocate.sqlにあります。Locatorを使用して作成されるデータ索引の例は、geoindex.sqlにあります。

WindowsでのOracle Textの構成

Oracle Textを使用すると、ほとんどのOracleインタフェースからSQLおよびPL/SQLを介してテキスト問合せを実行できます。Oracle TextをOracle Databaseサーバーとともにインストールすることによって、SQL*PlusやPro*C/C++などのクライアント・ツールでOracle Database内のテキストを取り出し、処理することができます。

Oracle Textでは、Oracle Databaseの従来のデータ型と組み合せてテキスト・データが管理されます。テキストが挿入、更新または削除されたときは、Oracle Textによってその変更が自動的に管理されます。

Oracle Textのインストール後のタスクは、状況により異なります。

CD-ROMからOracle Textをインストールし、Oracle Textの旧リリース(interMedia Textと呼ばれていたもの)がすでにインストールされている場合は、『Oracle Textアプリケーション開発者ガイド』を参照してください。

データベースをアップグレードする場合は、外部プロシージャ用にOracle Netの構成が必要な場合があります。これを行わないと、Oracle Textが動作しないことがあります。アップグレードの場合を除いて、Oracle NetはデフォルトでOracle Textとともに動作するよう正しく構成されます。『Oracle Textアプリケーション開発者ガイド』および『Oracle Textリファレンス』を参照してください。

Microsoft Wordなどの書式設定された文書に索引を付ける場合は、ドキュメント・セットに索引を付ける前に、INSOフィルタを使用するように環境を設定する必要があります。INSOフィルタを使用するように環境を設定する方法の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。


注意

INSOフィルタは、Windows Server 2003 Datacenter Edition for 64-bit Itanium 2 Systemsではサポートされていません。 


最後に、CD-ROMからOracle Textをインストールし、旧リリースのOracle Textがインストールされていない場合に、次のいずれかの条件に該当すれば、Oracle DatabaseはOracle Textとともに使用できるようにすでに構成されています。

前述のいずれにも該当しない場合は、次のいずれかを実行してOracle Textとともに使用できるようにOracle Databaseを構成する必要があります。

データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用したOracle Textの構成

データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用して、データベースの作成時にOracle Textとともに使用できるようにOracle Databaseを構成するには、プロンプトが表示された際に、構成するオプションとして「Oracle Text」を選択します。

後でデータベースを構成するには、次のようにします。

  1. データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを起動します。

    「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME」「Configuration and Migration Tools」「Database Configuration Assistant」を選択します。

  2. 「データベース内のデータベース・オプションの構成」を選択します。

  3. プロンプトが表示されたら、変更するデータベースを選択します。

  4. プロンプトが表示されたら、構成するオプションとして「Oracle Text」を選択します。

コマンドライン・ツールを使用したOracle Textの構成

Oracle Textとともに使用できるようにOracle Databaseを手動で構成する作業では、Oracle Textのデータ・ディクショナリ表の表領域を作成してから、ユーザー名ctxsysおよびOracle Textのデータ・ディクショナリ表を作成します。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  2. Oracle DatabaseにアカウントSYSDBAで接続します。

    SQL: CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  3. Oracle Textのデータ・ディクショナリ表の表領域を作成します。

    SQL> CREATE TABLESPACE tablespace_name DATAFILE 'ORACLE_BASE¥oradata¥db_name¥
    drsys01.dbf' SIZE 80m;
  4. SYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT USERNAME/PASSWORD AS SYSDBA
    
    
  5. スクリプトdr0csys.sqlを実行して、ユーザー名ctxsysを作成します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ctx¥admin¥dr0csys.sql 
    password default_tablespace_name temporary_tablespace_name;

    それぞれの意味は次のとおりです。

    • passwordは、ユーザー名ctxsysに対して使用するパスワードです。

    • default_tablespace_nameは、Oracle Textのデータ・ディクショナリ表のデフォルトの表領域です。デフォルトの表領域を、手順3のtablespace_nameの値に設定します。

    • temporary_tablespace_nameは、Oracle Textのデータ・ディクショナリ表の一時表領域です。一時表領域を、手順3のtablespace_nameの値に設定します。

  6. ctxsysで接続します。

    SQL> CONNECT ctxsys/password
    
    
  7. 次のようにスクリプトdr0inst.sqlを実行して、Oracle Textのデータ・ディクショナリ表を作成し、移入します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin¥dr0inst.sql;
    
    
  8. 次のように言語固有のデフォルト・スクリプトを実行します。xxは言語コード(たとえば、us)です。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ctx¥admin¥defaults¥drdefxx.sql;
    
    
  9. SQL*Plusを終了します。

    SQL> EXIT
    

WindowsでのOracle Spatialの構成

Oracle Spatialを使用すると、ユーザーは、より簡単かつ直感的に空間データの格納、取出しおよび操作を行うことができます。

空間データには、たとえば道路地図があります。道路地図は、点、線および多角形によって、都市、道路および県などの行政上の境界が表現されている、2次元のオブジェクトです。道路地図は、地理情報を表します。都市、道路および行政上の境界の位置は、オブジェクトの相対的位置と相対的距離が保たれた状態で、2次元の画面または紙に投影されます。

Enterprise EditionでOracle Spatialをインストールする場合、手動構成は不要です。Oracle Spatialの構成タスクは、すべて自動的に実行されます。

Enterprise EditionまたはStandard Editionの「カスタム」インストールでOracle SpatialとOracle Databaseの両方をインストールする場合は、インストールの終了時にデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントが自動的に起動します。「カスタム」インストールを選択し、「新規データベースの作成」を選択した場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントにより、Oracle Spatialを自動的に構成するかどうかが確認されます。

Enterprise Editionとは別のインストールでOracle Spatialをインストールする場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを起動し、「データベース内のデータベース・オプションの構成」を選択するか、Oracle Spatialを手動で構成する必要があります。

Oracle Spatialを手動で構成するには、次のようにします。

  1. コマンド・プロンプトからSQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  2. Oracle DatabaseにアカウントSYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  3. データベースを起動します(必要な場合)。

    SQL> STARTUP
    
    
  4. スクリプトordinst.sqlを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ord¥admin¥ordinst.sql
    
    
  5. データベースにユーザーSYSTEMで接続します。

    SQL> CONNECT SYSTEM/password
    
    
  6. スクリプトmdinst.sqlを実行します。

    SQL> @ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥md¥admin¥mdinst.sql
    
    
  7. SQL*Plusを終了します。

    SQL> EXIT
    


    注意

    スクリプトmdinst.sqlには、変数%MD_SYS_PASSWORD%が含まれており、この変数はOracle Universal Installerによってインストール時にインスタンス化されます。したがって、ユーザーmdsysのパスワードを変更した場合は、手動インストールの際に、そのパスワードでスクリプトmdinst.sqlを更新することも忘れないでください。  


WindowsでのAdvanced Replicationの構成

Oracle Databaseは、レプリケーション・パッケージおよびプロシージャを、別々の手動プロセスではなく、自動的にインストールします。Advanced Replicationには様々な構成や使用方法があります。

この項では、Oracle DatabaseにAdvanced Replicationを手動で構成する方法について説明します。この機能を使用するように構成されていなかったOracle DatabaseにAdvanced Replicationを追加する場合にのみ、示されている手順に従ってください。

関連資料

Advanced Replicationの詳細、およびマスター・サイトとマテリアライズド・ビュー・サイトの定義は、『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション』を参照 

Advanced Replicationを構成する手順は次のとおりです。

表領域およびロールバック・セグメントの要件のチェック

表4-3に、Advanced Replicationの推奨される表領域およびロールバック・セグメントの要件を示します。

表4-3    Advanced Replicationの表領域およびロールバック・セグメントの要件 
表領域/ロールバック・セグメント  最小空き領域 

SYSTEM1 

20MB 

UNDO TABLESPACE 

10MB 

RBS 

5MB 

TEMP 

10MB 

USERS 

特定の要件なし 

1 レプリケーション・トリガーおよびプロシージャがここに格納されます。

初期化パラメータの追加および変更

Advanced Replicationを使用する場合は、特定のパラメータ値を初期化パラメータ・ファイルに追加し、それ以外のパラメータ値を推奨値に設定する必要があります。表4-4に、マスター・サイトおよびマテリアライズド・ビュー・サイトのパラメータ名と値を示します。

表4-4    Advanced Replicationの初期化パラメータ 
パラメータ名  推奨値  サイト 

JAVA_POOL_SIZE 

50MB 

マスター 

DISTRIBUTED_LOCK_TIMEOUT 

300秒 

マスター 

GLOBAL_NAMES 

TRUE 

マスター 

OPEN_LINKS 

マスター 

PROCESSES 

現在の設定値に9を加えた値 

マスター 

JOB_QUEUE-PROCESSES 

21 

マスター 

JOB_QUEUE_PROCESSES 

マテリアライズド・ビュー 

1 n-wayサイト数に依存します。

データ・ディクショナリ表の監視

Advanced Replicationを使用して非常に多くのレプリケート・オブジェクトを設定する場合は、SQLSELECTコマンドを使用して次のデータ・ディクショナリ表を監視する必要があります。

必要に応じて、記憶域パラメータを増加させ、多くのレプリケート・オブジェクトの記憶要件を満たすようにします。


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