Oracle Transparent Gateway for Microsoft SQL Server管理者ガイド 10gリリース2(10.2)for Microsoft Windows(32-bit) B25367-01 |
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この章では、複数の異なるデータベース・システムを運用する際に直面する問題について説明します。Oracle Transparent Gateway for Microsoft SQL Serverの基礎となるテクノロジの異機種間サービスについても簡単に説明します。
一般的なゲートウェイ・テクノロジ、異機種間サービス、Generic Connectivity、およびOracle Transparent Gatewayの状況への適応方法を十分に理解するには、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を先に読まれることをお薦めします。
この章の内容は次のとおりです。
異機種間データ・アクセスは、多くの企業に影響する問題です。多くの企業では、複数の異なるデータベース・システムを運用しています。これらの各システムにはデータが保存され、そのデータに対して実行される一連のアプリケーションが存在します。このデータを1つのデータベース・システムに統合することは、多くの場合困難です。あるデータベースに対して実行される多くのアプリケーションには、別のデータベースに対して実行される同等のアプリケーションがないことが主な原因です。1つの統合データベース・システムへの移行が実現可能になるまで、各種の異機種間データベース・システムを相互運用する必要があります。
Oracle Transparent Gatewayは、Oracle以外のシステム内に存在するデータにOracle環境から透過的にアクセスするための機能を提供します。この透過性により、アプリケーション開発者がアプリケーションをカスタマイズしてOracle以外の他のシステムのデータにアクセスできるようにする必要はなくなるため、開発の労力は減り、アプリケーションの移動性は高まります。OracleとMicrosoft SQL Serverの両方に対して一貫したOracleインタフェースを使用し、アプリケーションを開発できます。
ゲートウェイ・テクノロジは2つのコンポーネントで構成されています。1つは、Oracle以外のシステムに接続するための一般的なテクノロジを有するコンポーネントで、すべてのOracle以外のシステムに共通し、異機種間サービスと呼ばれています。もう1つは、ゲートウェイの接続先となるOracle以外のシステムに固有のコンポーネントです。異機種間サービスをTransparent Gatewayエージェントとともに使用すると、Oracle以外のシステムにOracle環境から透過的にアクセスできます。
異機種間サービスは、Oracle以外のシステムに接続するための一般的なテクノロジを提供します。データベースの統合コンポーネントとして、異機種間サービスは、強力なSQL分析機能や分散最適化機能などのデータベースの機能を利用できます。
異機種間サービスでは、Oracle SQLエンジンを拡張して、Oracle以外のリモート・システムのSQLおよびプロシージャ機能と、必要なデータ・ディクショナリ情報の取得に必要なマッピングを認識します。異機種間サービスにより、Oracle SQLをOracle以外のシステムの適切な言語に変換する機能と、Oracle以外のシステムのメタデータをローカル書式で表すデータ・ディクショナリ変換の2種類の変換が提供されます。変換が使用できない状況では、異機種間サービスのパススルー機能を使用してOracle以外のシステムにシステム固有のSQLを発行できます。
また、異機種間サービスは、OracleとOracle以外のリモート・システムの間のトランザクションの調整を行います。たとえば、本来2フェーズ・コミットをサポートしないOracle以外のシステムにも2フェーズ・コミット・プロトコルを提供し、分散トランザクションの整合性を確保します。
関連資料: 異機種間サービスの詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。 |
ゲートウェイには、SQLマッピング、データ型変換、およびOracle以外のリモート・システムとのインタフェースなど、様々な機能があります。ゲートウェイは、異機種間サービスと対話することにより、OracleとOracle以外のシステムを透過的に接続します。
ゲートウェイは、Microsoft SQL Serverを実行しているのと同じマシンにインストールする必要はありません。ゲートウェイは、SQL Serverクライアントは使用しませんが、SQL Server用のMS-ODBCドライバを使用します。このドライバはWindowsに標準で付属しています。