この項では、Oracle Data Provider for .NET 10gリリース2(10.2.0.2)の新機能を説明し、追加情報の参照先を示します。現行リリースへ移行するユーザーに役立つ、以前のリリースからの新機能の情報も提供します。
次の項では、Oracle Data Provider for .NETの新機能を説明します。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.2.0.2には次の機能があります。
Microsoft ADO.NET 2.0のサポート
プロバイダ・ファクトリ・クラスおよび基本クラス
プロバイダ汎用APIにより、複数データ・ソースにアクセスするデータ・アクセス・コードを簡単にします。
接続文字列ビルダー
接続文字列の作成を、より少ないエラーで、より管理しやすくします。
データ・ソース列挙子
アプリケーションが接続可能なOracleデータ・ソースのコレクションを、アプリケーションで包括的に取得できるようにします。
スキーマ検出のサポート
アプリケーション開発者が、表、列およびストアド・プロシージャなどのデータベース・スキーマ情報を検索し戻すことができます。
System.Transactionsサポート
ODP.NETは、System.Transactions
ネームスペース・モデルを使用して暗黙および明示的トランザクションをサポートします。
バッチ処理サポート
OracleDataAdapter.Update
メソッドが呼び出されたときにバッチ処理を可能にします。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.2には次の機能があります。
サーバー側機能
Oracle Data Provider for .NETのサーバー側機能は、.NETストアド・プロシージャからのデータ・アクセスを提供します。このようなプロシージャは、Windows用Oracleデータベースの新機能である、Oracle Database Extensions for .NETで使用できます。
クライアント識別子のサポート
Oracle Data Provider for .NETでは、OracleConnection.ClientId
プロパティを公開して、Oracle Virtual Private Database(VPD)およびアプリケーション・コンテキストのサポートを提供します。クライアント識別子により、開発者がVPDをより簡単に設定できるようになります。
Real Application Clusters(RAC)に対する接続プールの最適化
Oracle Data Provider for .NETは、ロード・バランシング・アドバイザおよびサービス・ゴールに基づいてRACインスタンス間の作業要求のバランスを調整することにより、RACデータベースの接続プーリングを最適化します。さらに、ODP.NET接続プールを有効にすることで、RACサービス、インスタンスまたはノードの停止により切断された接続に関連付けられているリソースを事前に解放できます。
Database Change Notificationサポート
Oracle Data Provider for .NETは、Database Change Notificationをサポートする通知フレームワークを提供します。これにより、アプリケーションは問合せ結果セットに変更がある場合、またはデータベースの状態に変化がある場合に、通知を受け取ることができます。
接続プーリング管理
Oracle Data Provider for .NETの接続プール管理では、ODP.NETアプリケーションを制御するために明示的な接続プール制御が提供されています。 アプリケーションは、ある接続プールまたはすべての接続プール内の接続を消去できます。
Oracle Database 10gリリース2(10.2)以降でのLOBのパフォーマンスおよび機能の向上
IN
およびIN
/OUT
REF
CURSOR
オブジェクトのサポート
この機能により、アプリケーションは、PL/SQLプロシージャまたはファンクションからREF
CURSOR
を取り出して、別のストアド・プロシージャまたはファンクションに渡すことができます。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.1.0.3には次の機能があります。
この機能により、各セッションの文キャッシュを提供し、管理できます。開発者は、どの文が、いくつキャッシュされるかを制御できます。これは、パフォーマンスおよびスケーラビリティを向上させます。
.NET Framework 1.1の拡張
これらの拡張により、Microsoft .NET Framework 1.1で導入された新しいADO.NET機能が公開されます。
コマンド・キャンセルのサポート
次の2つの新機能は、コマンドのキャンセルと関係しています。CommandTimeout
機能により、実行後、指定した時間が経過したとき、コマンドの実行をキャンセルできます。一方、Cancel
メソッドでは、アプリケーションを明示的にコールして、コマンドの実行を終了できます。
DeriveParameters
メソッド
このメソッドにより、データベースにパラメータ情報を問い合せることで、ストアド・プロシージャまたはファンクションを表すOracleCommand
に対するパラメータ・コレクションを移入できます。
LOB検索の拡張
選択リストに主キーROWID
または一意のキーがない場合でも、LOB列データ全体を検索できます。この拡張は、CLOB
およびBLOB
に対するInitialLOBFetchSize
プロパティ値を「-1
」に設定することで可能になります。
LONG
検索の拡張
選択リストに主キーROWID
または一意のキーがない場合でも、LONG
列データ全体を検索できます。この拡張は、InitialLONGFetchSize
プロパティ値を「-1
」に設定することで可能になります。
Oracle Data Provider for .NETリリース10.1には次の機能があります。
ODP.NETはグリッド対応であり、開発者は使用しているアプリケーション・コードを変更せずにOracle Database Gridサポートの利点を受けられます。
データベース内でのBINARY_FLOAT
およびBINARY_DOUBLE
データ型のサポート
ODP.NETは、新しいネイティブなデータベースの型、BINARY_FLOAT
およびBINARY_DOUBLE
をサポートしています。
ODP.NETは、複数のOracleホームにインストールできます。
複数のホームを使用可能にするには、いくつかのODP.NETファイルにバージョン番号を含めること、およびHOME
ID
の使用が必須です。
データベースでのスキーマ・ベースのXMLType
のサポート
ODP.NETは、ネイティブなスキーマ・ベースXMLType
をサポートしています。
Oracle Technology Network(OTN)上でリリースされた、Oracle Data Provider for .NETリリース9.2.0.4には、次の機能が含まれています。
ODP.NETでのXMLサポート
XMLサポートにより、現在ODP.NETでは次の機能が実行できます。
XMLデータをそのままの形で、ネイティブなOracleデータベース型であるXMLType
として、データベースに格納します。
Oracle DatabaseインスタンスからMicrosoft .NET環境へ、XMLデータとしてリレーショナル・データおよびオブジェクト・リレーショナル・データにアクセスし、Microsoft .NETフレームワークを使用してXMLを処理します。
XMLデータを使用してデータベースに変更を保存します。
PL/SQL連想配列バインドのサポート
ODP.NETは、PL/SQL連想配列(従来のPL/SQL索引付き表)バインドをサポートしています。
アプリケーションは、OracleParameter
プロパティを使用し、OracleParameter
をPL/SQL連想配列としてPL/SQLストアド・プロシージャにバインドできます。
OracleCommand
およびOracleDataReader
オブジェクト上でのInitialLOBFetchSize
プロパティのサポート