この章では、Oracle Database Extensions for .NETのインストール、システム要件およびファイル位置について説明します。
この章は次のトピックで構成されています。
Oracle Database Extensions for .NETの要件は、次のとおりです。
Microsoft .NET Framework 1.xまたは2.0。
Windows 2003、Windows 2000またはWindows XP。
Oracle Database 10gリリース2(10.2)以上。
.NETストアド・プロシージャの開発およびデプロイには、Oracle Client 10gリリース2(10.2)以上が必須です。
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET。
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NETは、Oracle Database 10gリリース2(10.2)とは別途にリリースされています。Oracle .NET Developer CenterまたはOTNから入手できます。
.NETストアド・プロシージャまたはファンクションの要件は、次のとおりです。
パブリック静的メソッドとして宣言されること。
コンストラクタまたはデストラクタではないこと。
Oracle固有のデータベース型と互換性のあるパラメータ型を使用すること。
OraClr10.dll
は、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME
\bin
ディレクトリにインストールされます。readme.txt
ファイルは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME
\ODE
ディレクトリにインストールされます。
開発者がデプロイした.NETアセンブリは、Oracle Deployment Wizard for .NETによりORACLE_BASE
\
ORACLE_HOME
\
bin\CLR
ディレクトリ(またはそのサブディレクトリ)にコピーされます。
Oracle Database Extensions for .NETは、Oracle Universal Installerを使用してOracle Databaseカスタム・インストールの一部としてインストールされます。Oracle Universal Installerの「ようこそ」画面で「拡張インストール」を選択し、「インストール・タイプの選択」画面で「カスタム」を選択する必要があります。「使用可能な製品コンポーネント」リストが表示された時点で、Enterprise Editionオプションに移動してOracle Database Extensions for .NETを選択します。
Oracle Database Extensions for .NETの構成にはデータベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用します。
Oracle Database Extensions for .NETインストールの一部として、Windowsサービスがインストールされます。このサービスはOraClrAgnt
という名前で、「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択するとOracle
OracleHomeName
ClrAgnt
としてアクセスできます。OracleHomeName
は、Oracleホームを表します。
このサービスは、extproc
エージェントの起動、構成および停止に使用されます。
このサービスを使用して構成できるパラメータについては、表2-1「OraClrAgntサービス・パラメータ」を参照してください。
これらのパラメータ値は、「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択し、右クリック・メニューで「プロパティ」を選択すると、「開始パラメータ」の一部として指定できます。この場合、パラメータ値は保存されず、サービスを後で再起動する場合は値を再指定する必要があります。
パラメータ値を保存するには、サービス・レジストリ・エントリを変更し、次のようにパラメータ値をOraClrAgnt.exe
のコマンドライン・パラメータとして指定します。
ORACLE_BASE\ORACLE_HOME
\bin\oraclragnt.exe agent_sid=CLRExtProc max_task_threads=5
これにより、最大タスク・スレッド数が5
に設定されますが、max_dispatchers
、tcp_dispatchers
およびmax_sessions
などの他のオプション・パラメータはデフォルト値に設定されます。
サービスを起動または停止できない場合は、「イベント ビューア」の「アプリケーション ログ」にエラー・メッセージが記録され、イベント・ソース名としてサービス名が表示されます。
表2-1に、このサービスを使用して構成できるパラメータを示します。
表2-1 OraClrAgntサービスのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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リスナーがリスニングしているアドレス。これはオプションのパラメータです。指定しない場合は、デフォルト値に設定されます。 |
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エージェントが |
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注意: デフォルトでは、このサービスは「ローカル システム アカウント」で作成され、実行されます。ただし、「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択し、ログオン・ユーザー・アカウントで作業するように変更できます。 |
Oracle Database Extensions for .NETには、Oracle Database Extensions for .NETのすべてのアクティビティをトレース・ファイルに記録できるデバッグ・トレース・サポートが用意されており、 様々なレベルのトレースが使用できます。
以降に示すレジストリ設定を、次の場所に構成する必要があります。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\KEY_
HOMENAME
\ODE
(HOMENAME
は適切なOracleホーム)
TraceFileName
は、トレース情報の記録に使用されるファイル名を指定します。 TraceOption
が0
に設定されている場合は、その名前がそのまま使用されます。 TraceOption
が1
に設定されている場合は、指定されたファイル名にThread IDが付加されます。
TraceFileName
に有効な値は、任意のパス名およびファイル名です。
TraceLevel
は、Oracle Database Extensions for .NETにおけるトレースのレベルを指定します。
TraceLevel
に有効な値は、次のとおりです。
0
= なし
1
= 開始および終了情報
TraceOption
は、トレース情報を単一のファイルに記録するか、スレッド別に複数のファイルに記録するかを指定します。 単一のトレース・ファイルが指定された場合、TraceFileName
に指定されたファイル名が使用されます。 複数トレース・ファイルのオプションが要求された場合、指定されたファイルにThread IDが付加されて各スレッドに対するトレース・ファイルが作成されます。
TraceOption
に有効な値は、次のとおりです。
0
= 単一トレース・ファイル
1
= 複数トレース・ファイル
注意: ODP.NET固有の問題のトラブルシューティングには、Oracle Data Provider for .NETのトレーシング・メカニズムを使用できます。