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Oracle® Database Vaultリリース・ノート
10gリリース 2(10.2.0.5)for Microsoft Windows x64
E06261-02
 

 

Oracle Database Vault

リリース・ノート

10gリリース2(10.2.0.5) for Microsoft Windows x64

E06261-02(原本部品番号:B32489-05)

2010年12月

このリリース・ノートでは、Oracle Database Vault 10gリリース2(10.2.0.5)の使用時に発生する可能性のある問題について説明します。Oracle Database Vaultのインストールについては、『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』で詳細に説明されています。

このドキュメントは、リリース後に更新される場合があります。このドキュメントの更新の確認、および他のOracleドキュメントを参照するには、Oracle Technology Network(OTN)Webサイトのドキュメント・セクションを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/

このドキュメントの内容は、次のとおりです。

1 インストールの問題および推奨事項

この項では、インストールに関する既知の問題について説明します。また、使用可能な回避策も示します。

1.1 Database Vault Administrator Webアプリケーションの開始の失敗

Oracle Bug#9587181

Oracle Database Vault 10.2.0.4から10.2.0.5へのアップグレード後は、Database Vault Administrator(DVA)リンクが動作しません。

Oracle Bug#5617850

DVCAが、DEPLOY_DVAステップ中に、Database Vault Administratorアプリケーションのデプロイに失敗します。DVCAにより次のエラーが表示されます。

Error executing task 
DEPLOY_DVA:java.io.FileNotFoundException: 
D:\ORACLE\PRODUCT\10.2.0\DB_1\oc4j\j2ee\OC4J_DBConsole_wptgjqa07_ORCL\config\server.xml (Specified PATH not found)

Oracle Bug#9587181とOracle Bug#5617850の両方に対して次の回避手順を使用できます。

  1. ORACLE_HOMEORACLE_SIDおよびPATH環境変数を設定します。

  2. Enterprise Manager Database Controlプロセスを停止します。次のコマンドを使用します。

    C:\> ORACLE_HOME\bin\emctl stop dbconsole
    
  3. ORACLE_HOME\oc4j\j2ee\OC4J_DBConsole_hostname_SID\config\server.xmlファイルを編集します。</application-server>とある最後の行の直前に次の行を入力します。

    <application name="dva" path="ORACLE_HOME\dv\jlib\dva_webapp.ear" auto-start="true" />
    

    ここで、ORACLE_HOMEをOracleホーム・ディレクトリのパスで置換する必要があります。

    例:

    <application name="dva" path="C:\oracle\product\10.2.0\db1\dv\jlib\dva_webapp.ear" auto-start="true" />
    
  4. ORACLE_HOME\oc4j\j2ee\OC4J_DBConsole_hostname_SID\config\http-web-site.xmlファイルを編集します。</web-site>とある最後の行の直前に次の行を入力します。

    <web-app application="dva" name="dva_webapp" root="/dva" />
    
  5. Enterprise Manager Database Controlプロセスを起動します。次のコマンドを使用します。

    C:\> ORACLE_HOME\bin\emctl start dbconsole
    

1.2 Data Guard環境でOracle Database Vaultをインストールできない

Oracle Bug#5577503

Database Vaultインストーラが、既存のフィジカル・スタンバイ・データベースでDatabase Vaultのインストールに失敗します。

次の手順を使用して、新しいフィジカル・スタンバイ・データベースを作成できます。

  1. プライマリ・データベースにDatabase Vaultをインストールします。

  2. プライマリ・データベースのホット・バックアップを使用して、フィジカル・スタンバイ・データベースを作成します。このバックアップにOracleホームを含める必要があります。

  3. プライマリ・データベースとフィジカル・スタンバイ・データベース間の通信を設定します。REDOログにより変更がプライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに転送されます。


参照:

フィジカル・スタンバイ・データベースの作成の詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

1.3 Enterprise Managerが自動的に起動しない

Oracle Bug#5623404

Database Vaultのインストール後、Enterprise Managerが自動的に起動しません。

回避策は、次のコマンドを使用してプロセスを手動で再起動することです。

C:\> ORACLE_HOME\bin\emctl stop dbconsole
C:\> ORACLE_HOME\bin\emctl start dbconsole

1.4 Database Vaultのインストール後にデータベース・インスタンスとリスナーが自動的に起動しない

Oracle Bug#6630191

Database Vaultをインストールした後に、リモート・ノード上のデータベース・インスタンスとリスナーが自動的に起動しません。これらは手動で起動する必要があります。

これは予想される動作です。DVCAユーティリティによりローカル・ノードが構成され、そのローカル・ノードでデータベース・インスタンスとリスナーが起動されます。各リモート・ノードでこれらのプロセスを手動で起動する必要があります。

1.5 クローニングしたDatabase Vaultホームに無効なオブジェクトが含まれる

Oracle Bug#6658315およびOracle Bug#6729227

クローニングしたDatabase Vaultインスタンスに無効なオブジェクトがあります。カスタム・データベースに対してDatabase Vaultをインストールする場合も、無効なオブジェクトが見つかります。

クローニングしたDatabase Vaultインスタンスを作成するには、次の手順を使用します。

  1. 最初のOracleホームにOracle Database Vault 10gリリース2(10.2.0.5)をインストールします。

  2. 2つ目のOracleホームを作成するために、最初のインスタンスをクローニングします。

  3. Net Configuration Assistant(NetCA)とDatabase Configuration Assistant(DBCA)を実行して、クローニングしたインスタンスのリスナーおよびデータベースを構成します。

  4. DBCAを再実行して、クローニングしたインスタンスのOracle Label Security(OLS)を構成します。

  5. 次のようにDatabase Vaultコンフィギュレーション・アシスタント(DVCA)を実行します。

    C:\> ORACLE_HOME\bin\dvca -action option -oh oracle_home
    -jdbc_str jdbc_connection_string -sys_passwd SYS_password -owner_account
    DV_owner_account_name -owner_passwd DV_owner_account_password 
    -acctmgr_account DV_account_manager_account_name -acctmgr_passwd
    DV_account_manager_password -logfile .\dvca.log -nodecrypt
    

次のSQL文は、クローニングしたDatabase Vaultインスタンスに無効なオブジェクトが含まれていることを示しています。

SQL> select count(*) from all_objects where status = 'INVALID';
 
  COUNT(*)
----------
        45 

回避策は、utlrp.sqlスクリプトを実行することです。このスクリプトは、パッケージ、プロシージャ、タイプなど、無効な状態にあるすべてのPL/SQLモジュールを再コンパイルします。次のコマンドを使用して、utlrp.sqlスクリプトを実行します。

sqlplus SYS "AS SYSDBA"
Enter password:
SQL> @?\rdbms\admin\utlrp.sql

1.6 Database Vaultインストール後に作成されるエラー・ログ

Oracle Bug#6692032

Enterprise Managerが構成されているOracleデータベースに対してDatabase Vaultをインストールした後に、次のエラーを含むエラー・ファイルが生成されます。

load(error):java.sql.SQLException: ORA-12541: TNS:no listener

このエラーは無視しても問題ありません。

1.7 Oracle Real Application Clustersノードのクローニング時に必要な追加手順

クローニングしたOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)ノードを作成した後、およびクローニングしたノードでDVCA(dvca -action option)を手動で実行する前に、クローニングしたノードのORACLE_HOME\bin\dvca.batファイルに正しいORACLE_HOMEおよびORACLE_SID変数を設定する必要があります。


参照:

dvca -action optionコマンドの実行の詳細は、『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』を参照してください。

dvcaコマンドでlockoutオプションを使用する場合、SYSDBA接続を正常にロックアウトするには、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\KEY_ORACLE_HOME_NAMEの下のMicrosoft Windowsのレジストリに、次の値を追加する必要があります。

表1 追加するレジストリ値

名前 タイプ データ

ORA_SID_PWFILE

次に例を示します。

ORA_ORCL_PWFILE

REG_SZ

Path_to_the_password_file

次に例を示します。

C:\ORACLE\PRODUCT\10.2.0\DB_1\dbs\orapwORCL



注意:

  • Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースの場合は、instance_numberと結合したSIDであるinstance_nameSIDを置換します。

  • Oracle RACデータベースの場合、すべてのクラスタ・ノードにレジストリ値を追加する必要があります。


1.8 リモート・ノードのレジストリ・エントリが正しくない

Oracle Bug#5663098

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベース用のDatabase Vaultをインストールする場合は、リモート・ノードでOracle Database Vaultセキュリティを構成する前に、リモート・ノードで次のレジストリ・エントリを修正する必要があります。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\KEY_ORACLE_HOME_NAME\ORA_instance_name_PWFILE

リモート・ノード・レジストリのinstance_nameは、ローカル・ノードのデータベース・インスタンス名でなく、リモート・ノードのデータベース・インスタンス名である必要があります。

このキーの値は、リモート・ノードのパスワード・ファイルへの絶対パスを指定してください。次に例を示します。

C:\ORACLE\PRODUCT\10.2.0\DB_1\dbs\orapwORCL2

1.9 DVCAの実行時に発生するiSQL*Plusエラー

Oracle Bug#6743410

Windows Vista上の既存のDatabase Vaultホームに新規データベースを追加した後に、action -optionスイッチでDatabase Vaultコンフィギュレーション・アシスタント(DVCA)を実行した際、iSQL*Plusサービス関連のエラーが発生します。

このエラー・メッセージは無視できます。あるいは、iSQL*Plus関連のWindowsサービス(OracleOracleHomeNameiSQL*Plus)を、dvcaコマンドを実行する前にオフにします。

1.10 Database Vaultのアップグレード後にDVCAログ・ファイルにエラーが表示される

Oracle Bug#6742694

Oracle Database Vault 10gリリース2(10.2.0.4)からOracle Database Vault 10gリリース2(10.2.0.5)にアップグレードした場合、Database Vaultコンフィギュレーション・アシスタント(DVCA)を実行してDatabase Vaultを再構成する必要があります。DVCAログ・ファイルに次のエラーが表示される場合があります。

Executing task ACCOUNT_CREATE_OWNER
01/10/08 06:37:06 Error executing task
ACCOUNT_CREATE_OWNER:java.sql.SQLException: ORA-01920: user name 'MACSYS'
conflicts with another user or role name
01/10/08 06:37:06 Executing task GRANT_CONNECT_OWNER
*******
01/10/08 06:37:06 Executing task ACCOUNT_CREATE_MANAGER
01/10/08 06:37:06 Error executing task
ACCOUNT_CREATE_MANAGER:java.sql.SQLException: ORA-01920: user name 'MACAUTH'
conflicts with another user or role name
01/10/08 06:37:06 Executing task GRANT_CONNECT_MANAGER

これらのエラーは無視しても問題ありません。

1.11 スワップ領域の前提条件テストに失敗する

Oracle Bug#7506215

Database Vaultインストーラのスワップ領域要件テストは、十分なスワップ領域が使用可能な場合でも失敗することがあります。

インストールに必要なスワップ領域は16GBを超えてはなりません。必要なスワップ領域が16GB超として表示されている場合は、この警告を無視しても問題ありません。

1.12 Database Vaultのアップグレード時にcatmac.sqlでエラーが発生する

Oracle Bug#9888841

『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』には、以前のバージョンのOracle Database VaultをOracle Database Vault 10.2.0.5にアップグレードする手順が記載されています。アップグレード手順の1つでは、ユーザーがcatmac.sqlスクリプトを実行する必要があります。『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』では、エラーを探すためにこのスクリプトの出力をファイルにスプールすることが推奨されています。

スプールした出力ファイルには、次のエラーが含まれることがあります。

ORA-01920: user name 'DVSYS' conflicts with another user or role name
ORA-01920: user name 'DVF' conflicts with another user or role name
SP2-0310: unable to open file catmaca.sql
ORA-01952: system privileges not granted to 'DBA'
ORA-00955: name is already used by an existing object
ORA-02260: table can have only one primary key

これらのエラー・メッセージは無視しても問題ありません。

1.13 Database Vaultインストール中のDVCAエラー

Oracle Bug#10033496

Database Vaultインストール・プロセスのDVSYSのロック・フェーズ中に「ORA-01031: 権限不足エラー」が生成されることがあります。これは、共有プール・サイズが小さいことが原因の場合があります。

回避策は、共有プール・サイズをより大きな値に増やすことです。共有プール・サイズを設定するには、次のSQL文を使用します。

ALTER SYSTEM SET SHARED_POOL_SIZE=VALUE;

2 使用上の問題および推奨事項

この項では、Database Vaultで発生する使用上の問題を説明します。また、これらの問題に対する回避策も示します。

2.1 DV_OWNER、DV_ADMINまたはDV_SECANALYSTロールを持つアカウントは、ALTER USERコマンドを使用できない

Oracle Bug#5161953

DV_OWNERDV_ADMINまたはDV_SECANALYSTロールを持つアカウントは、次のコマンドを実行できません。

ALTER USER user QUOTA UNLIMITED ON tablespace

回避策は、アカウントからロールを取り消し(REVOKE)、ALTER USERコマンドを実行して、アカウントにロールを付与(GRANT)しなおすことです。アカウントが、インストール中に作成されたDV_OWNERアカウントではない場合、この回避策は有効です。インストール中に作成されたDV_OWNERアカウントの場合、次の手順を実行する必要があります。

  1. ALTER USERコマンドのDatabase Vaultコマンド・ルールを無効にします。

  2. ALTER USERコマンドを実行します。

  3. ALTER USERコマンドのDatabase Vaultコマンド・ルールを再度有効にします。

2.2 DVCAを使用して言語を追加するとエラー・メッセージが表示される

Oracle Bug#9851682

Database Vault Configuration(DVCA)ユーティリティの-languagesオプションを使用して言語サポートを追加すると、制約違反またはユーザー作成エラーが発生することがあります。

たとえば、次のコマンドを使用するとエラーが発生することがあります。

C:\> dvca -action option -oh ORACLE_HOME -hostname HOST_NAME 
-owner_account OWNER_ACC -acctmgr_account ACCTMGR_ACC -sys_passwd SYS_PASSWD 
-jdbc_str jdbc:oracle:oci:@SID -nodecrypt 
-languages {"en,de,es,fr,it"}

次のようなエラーが表示されることがあります。

Executing task LOAD_NLS_FILES

java.sql.SQLException: ORA-00001: unique constraint
(DVSYS.FACTOR_TYPE_T$_UK1) violated
:Fattori basati sull'organizzazione,10,i,Organizzazione

Error executing task ACCOUNT_CREATE_OWNER:java.sql.SQLException: ORA-01920:
user name 'MACSYS' conflicts with another user or role name
Error during post-installation processing. java.sql.SQLException: ORA-01920:
user name 'MACSYS' conflicts with another user or role name
Error during post-installation processing. java.sql.SQLException:
ORA-01920: user name 'MACSYS' conflicts with another user or role name

これらのエラーは無視しても問題ありません。

2.3 データ・ディクショナリ・レルムによるCREATE SESSION権限の制御

CREATE SESSION権限を付与するには、次のようにします。

  1. データ・ディクショナリ・レルムを一時的に無効にします。

  2. SYSTEMユーザーとしてログインします。

  3. CREATE SESSION権限を付与します。

  4. データ・ディクショナリ・レルムを有効にします。

3 インストールに関するよくある質問

この項では、Database Vaultのインストールについてよくある質問をいくつか説明します。Oracle Database Vaultのインストールについては、『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』で詳細に説明されています。

インストーラが既存のOracle Database Enterprise Edition 10gリリース2(10.2.0.5)インスタンスを検出しない。何をする必要があるか

インストーラがデータベース・インスタンス情報を検出できるようにするには、次のことを確認する必要があります。

複数のデータベースを持つOracleホームにOracle Database Vaultをインストールした。Oracleホームの他のデータベースをどのように保護するか

他のデータベース上でDatabase Vaultコンフィギュレーション・アシスタント(DVCA)を手動で実行する必要があります。詳細な手順については、『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』の付録Cを参照してください。

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベース・インスタンスにOracle Database Vaultをインストールした。クラスタの他のノードをどのように保護するか

他のOracle RACノード上でDVCAを手動で実行する必要があります。詳細な手順については、『Oracle Database Vaultインストレーション・ガイド』を参照してください。

4 その他の注意事項

この項では、Oracle Database Vaultのドキュメントに記載されていない様々な注意事項を説明します。

4.1 スナップショットおよびマテリアライズド・ビュー

下位互換性のために、キーワードSNAPSHOTMATERIALIZED VIEWのかわりとしてサポートされています。

4.2 JOB_QUEUE_PROCESSES初期化パラメータ

JOB_QUEUE_PROCESSES初期化パラメータは、ジョブの実行用に作成できる最大プロセス数を指定します。1インスタンス当たりのジョブ・キュー・プロセス数を指定します。

このパラメータはゼロ以外の値にする必要があります。JOB_QUEUE_PROCESSESのデフォルト値は10です。

5 ドキュメントのアクセシビリティについて

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