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Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1)for HP-UX
E05976-04
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1 概要: Oracle Clusterwareのインストール

次に、インストールの構成要件およびコマンドの概要を示します。ここでは、インストール・プロセスの概要を示します。

Oracle Clusterwareのインストール・プロセスの概要だけでなく、システムに自動ストレージ管理(ASM)およびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)をインストールするための構成情報についても説明します。

1.1 システム要件の確認

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「ハードウェア要件の確認」

使用可能なメモリーを確認するには、次のコマンドを入力します。

grep "Physical:" /var/adm/syslog/syslog.log
/usr/sbin/swapinfo -a

Itaniumプロセッサ・システムでは、次のコマンドを使用できます。

# /usr/contrib/bin/machinfo  │ grep -i Memory

RAMの最小要件は1GB、スワップ領域の最小要件も1GBです。RAMが2GB以下のシステムでは、スワップ領域をRAMの2倍に設定することをお薦めします。RAMが2GBから8GBの間のシステムでは、RAMと同じサイズのスワップ領域を使用します。RAMが8GBより多いシステムでは、RAMのサイズの75%のスワップ領域を使用します。

bdf

このコマンドでは、システムで使用可能な領域を確認します。Oracle Clusterwareファイルに対して標準の冗長性(2つのOracle Cluster Registry(OCR)パーティションおよび3つの投票ディスク・パーティション)を使用する場合は、Oracle Clusterwareファイル用に用意されている個々の物理ディスク上で1GB以上のディスク領域が使用可能である必要があります。Oracle Clusterwareファイルの各パーティションのサイズは256MBである必要があります。

Oracle Clusterwareホームには650MBのディスク領域が必要です。

bdf /tmp

/tmpに400MB以上のディスク領域があることを確認してください。この領域を確保できない場合は、パーティション・サイズを大きくするか、または/tmp内の不要なファイルを削除します。

1.2 ネットワーク要件の確認

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「ネットワーク要件の確認」

次に、ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)または各クラスタ・ノードの/etc/hostsファイルに構成する必要があるアドレス要件を示します。

ネットワーク管理者からIPアドレスを取得したら、NICに対してパブリックIPアドレスおよびプライベートIPアドレスをsystem-config-networkユーティリティを使用して割り当てるか、またはifconfigを使用してそれらを手動で構成することができます。VIPアドレスは割り当てないでください。

すべてのIPアドレスをpingします。pingコマンドに対して、パブリックIPアドレスおよびプライベートIPアドレスの応答があります。VIPアドレスは応答しません。

1.3 オペレーティング・システム・パッケージの確認

詳細は、第2章にある「ソフトウェア要件の特定」の表を参照してください。

1.4 カーネル・パラメータの設定

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「カーネル・パラメータの構成」

次のコマンドを使用して、システム管理マネージャ(SAM)を起動します。

# /usr/sbin/sam

カーネルの値が、表2-3に示す値以上であることを確認します。

1.5 グループおよびユーザーの構成

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「Oracle Clusterwareをインストールするためのグループおよびユーザーの概要」

Oracle Databaseホームの作成方法については、第3章の次の項を参照してください。

「標準構成のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成」

「役割に応じたカスタム・グループおよびユーザーの作成」

例として、oracleという名前のOracleインストール所有者がいるとします。Oracle Clusterware用にOracleインストール所有者グループ(oinstall)を作成する必要があります。Oracle Databaseをインストールする場合は、OSDBAグループ(dba)を作成する必要があります。正確なグループ構成とユーザー構成を確認するために、id oracleコマンドを使用します。

/usr/sbin/groupadd oinstall
/usr/sbin/groupadd dba
/usr/sbin/useradd -m -g oinstall -G dba oracle
id oracle

oracleアカウントにパスワードを設定します。

passwd oracle

1.6 ディレクトリの作成

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリの作成要件」

Oracle Databaseホームの作成方法については、第3章の次の項を参照してください。

「Oracleベース・ディレクトリのパスの理解」

「Oracleベース・ディレクトリのパスの作成」

Oracle Clusterwareのみをインストールする場合は、Oracle Universal Installer(OUI)でOracle ClusterwareおよびOracle Central Inventory(oraInventory)のディレクトリを自動的に作成できます。ただし、rootとして、Oracle Optimal Flexible Architecture(OFA)に準拠したパスを作成する必要があります。これによって、OUIがインストール中にそのディレクトリを選択できるようになります。OUIがパスをOracleソフトウェア・パスとして認識するには、u0[1-9]/appという形式にする必要があります。

次に例を示します。

mkdir –p  /u01/app
chown –R oracle:oinstall /u01/app

1.7 Oracleインストール所有者のシェル制限の構成

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「ソフトウェア所有者ユーザー環境の構成」

1.8 SSHの構成

詳細は、第2章の次の項を参照してください。

「すべてのクラスタ・ノードでのSSHまたはRCPの構成」

SSHを構成するには、次のタスクを実行します。

1.8.1 システムに既存のSSH構成の確認

次のコマンドを入力して、SSHが実行されているかどうかを確認します。

$ ps -ef │grep sshd

SSHが実行されている場合、このコマンドの結果は1つ以上のプロセスID番号になります。インストールに使用するソフトウェア所有者(crsoracle)のホーム・ディレクトリで、コマンドls -alを使用して、.sshディレクトリを所有し、そのディレクトリへの書込みが可能であるのはそのユーザーのみであることを確認します。

1.8.2 クラスタ・メンバー・ノードでのSSHの構成

各ノードで、次のタスクを実行します。インストールに使用するOracleソフトウェアのインストール所有者ごとにSSHを構成する必要があります。

  • 各ノードで.sshを作成し、RSA鍵またはDSA鍵のいずれかを作成します。

  • すべての鍵を共通のauthorized_keysファイルに追加します。

1.8.3 クラスタ・メンバー・ノードでのSSHユーザー等価関係の有効化

すべての鍵が含まれているauthorized_keysファイルをクラスタ内の各ノードにコピーしたら、ノードでSSHを起動し、SSH鍵をメモリーにロードします。インストールでこの端末セッションを使用するか、またはインストールの実行元の端末セッションのメモリーにSSH鍵をリロードする必要があることに注意してください。

1.9 記憶域の作成

次に、ディスク・デバイスにOCRパーティションおよび投票ディスク・パーティションを作成する手順、およびASMディスクを作成する手順の概要を示します。

詳細は、第4章の次の項を参照してください。

「サポートされる共有ファイル・システムでのOracle Clusterwareファイル用の記憶域の構成」

「RAWデバイスでのOracle Clusterwareファイル用の記憶域の構成」

1.9.1 ASMファイル、OCRディスクおよび投票ディスク用のディスク・パーティションの作成

必要に応じて、パーティションを作成します。OCRおよび投票ディスクの場合、新規インストールでは280MBのパーティションを作成し、アップグレードでは既存のパーティション・サイズを使用します。


注意:

ASMを記憶域に使用する1つ以上のデータベース・インスタンスを実行する各サーバーには、ASMインスタンスがあります。Oracle RAC環境では、各ノードに1つのASMインスタンスがあり、ASMインスタンスがpeer-to-peerで相互に通信します。

ノード上のデータベース・インスタンスの数に関係なく、各ノードに許可されるASMインスタンスは1つのみです。

既存のインストールからアップグレードする場合は、ご使用のプラットフォーム用のアップグレード手順で特に記述がないかぎり、ASMインスタンスを停止してからインストールを開始してください。


次に、HP Serviceguardを使用せずに、ASM、OCRまたは投票ディスク・パーティションを作成する手順の概要を示します。

Oracle Clusterwareファイル用またはデータベース・ファイル用(あるいはその両方)に共有RAWディスク・デバイスを構成するには、次の手順を実行します。

  1. データベース・ファイル記憶域にRAWディスク・デバイスを使用する場合は、作成するデータベースの名前を選択します。

    指定する名前の先頭は文字である必要があり、4文字以下にする必要があります。たとえば、orclなどです。

  2. 必要なディスク・デバイスを確認または構成します。

    ディスク・デバイスは、すべてのクラスタ・ノードで共有されている必要があります。

  3. すべてのノードで次のコマンドを入力し、ディスクが使用可能であることを確認します。

    # /usr/sbin/ioscan -fun -C disk
    

    このコマンドの出力結果は、次のようになります。

    Class  I  H/W Path    Driver S/W State   H/W Type     Description
    ==========================================================================
    disk    0  0/0/1/0.6.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE       HP   DVD-ROM 6x/32x
                           /dev/dsk/c0t6d0   /dev/rdsk/c0t6d0
    disk    1  0/0/1/1.2.0 sdisk  CLAIMED     DEVICE      SEAGATE ST39103LC
                           /dev/dsk/c1t2d0   /dev/rdsk/c1t2d0
    

    このコマンドによって、システムに取り付けられている各ディスクの情報が表示されます。これには、キャラクタRAWデバイス名(/dev/rdsk/cxtydz)も含まれます。

  4. ioscanコマンドを実行しても、使用するデバイスのデバイス名情報が表示されない場合は、次のコマンドを入力して、すべての新しいデバイス用に特別なデバイス・ファイルをインストールします。

    # /usr/sbin/insf -e
    
  5. 使用するディスクごとに、任意のノードで次のコマンドを入力して、そのディスクがLVMボリューム・グループにまだ属していないことを確認します。

    # /sbin/pvdisplay /dev/dsk/cxtydz
    

    このコマンドによってボリューム・グループの情報が表示された場合、そのディスクはボリューム・グループにすでに属しています。選択するディスクは、LVMボリューム・グループに属していてはいけません。


    注意:

    別のボリューム管理ソフトウェアを使用する場合(VERITAS Volume Managerなど)、ディスクが使用されていないことを確認する方法について、該当するマニュアルを参照してください。

  6. ioscanコマンドによって、いずれかのノードで同じデバイスに異なるデバイス名が表示される場合は、次の手順を実行します。

    1. ディレクトリを/dev/rdskディレクトリに変更します。

    2. 次のコマンドを入力して、RAWディスク・デバイス名とそれに関連付けられたメジャーおよびマイナー番号を表示します。

      # ls -la
      

      このコマンドの出力結果は、ディスク・デバイスごとに次のようになります。

      crw-r--r--   1 bin        sys        188 0x032000 Nov  4  2003 c3t2d0
      

      この例では、188はデバイスのメジャー番号で、0x32000はデバイスのマイナー番号です。

    3. 既存のデバイス・ファイルと同じメジャーおよびマイナー番号を指定して次のコマンドを入力し、使用するディスク用に新しいデバイス・ファイルを作成します。


      注意:

      前述の表に示した代替デバイス・ファイル名を使用することをお薦めします。

      # mknod ora_ocr_raw_256m c 188 0x032000
      
    4. 各ノードで前述の手順を繰り返します。各ノードでは、新しいデバイス・ファイルに正しいメジャーおよびマイナー番号を指定します。

  7. 各ノードで次のコマンドを入力し、使用する各ディスク・デバイスのキャラクタRAWデバイス・ファイルの所有者、グループおよび権限を変更します。


    注意:

    自動ストレージ管理でマルチパス・ディスク・ドライバを使用している場合は、そのディスクの正しい論理デバイス名に対してのみ権限を設定してください。

    デバイスの代替デバイス・ファイルを作成した場合は、そのデバイス・ファイルに権限を設定します。


    • OCRの場合:

      # chown root:oinstall /dev/rdsk/cxtydz
      # chmod 640 /dev/rdsk/cxtydz
      
    • Oracle Clusterware投票ディスクまたはデータベース・ファイルの場合:

      # chown oracle:dba /dev/rdsk/cxtydz
      # chmod 660 /dev/rdsk/cxtydz
      
  8. データベース・ファイルにRAWディスク・デバイスを使用する場合は、次の手順を実行して、Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルを作成します。


    注意:

    データベース・ファイルにRAWデバイスを使用している場合にのみ、この手順を実行する必要があります。Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルを使用すると、Database Configuration Assistantによって各データベース・ファイルの適切なRAWディスク・デバイスを特定できます。Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルには、Oracle Clusterwareファイル用のRAWデバイスは指定しません。

    1. 環境変数ORACLE_BASEに、以前に選択または作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェル:

        $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle ; export ORACLE_BASE
        
      • Cシェル:

        % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
        
    2. Oracleベース・ディレクトリにデータベース・ファイルのサブディレクトリを作成し、そのサブディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限を設定します。

      # mkdir -p $ORACLE_BASE/oradata/dbname
      # chown -R oracle:oinstall $ORACLE_BASE/oradata
      # chmod -R 775 $ORACLE_BASE/oradata
      

      この例では、dbnameは、以前選択したデータベースの名前です。

    3. ディレクトリを$ORACLE_BASE/oradata/dbnameディレクトリに変更します。

    4. 任意のテキスト・エディタを使用して、各データベース・ファイルに関連付けられるディスク・デバイス・ファイル名を示す、次のようなテキスト・ファイルを作成します。

      このファイルには、dbname_raw.confのようなファイル名を使用することをお薦めします。


      注意:

      次に示すのは、2インスタンスのRACクラスタに対するマッピング・ファイルの例です。一部のデバイスでは、代替ディスク・デバイス・ファイル名が使用されます。指定したデバイス・ファイル名は、すべてのノードで同じディスク・デバイスを示す必要があります。

      system=/dev/rdsk/c2t1d1
      sysaux=/dev/rdsk/c2t1d2
      example=/dev/rdsk/c2t1d3
      users=/dev/rdsk/c2t1d4
      temp=/dev/rdsk/c2t1d5
      undotbs1=/dev/rdsk/c2t1d6
      undotbs2=/dev/rdsk/c2t1d7
      redo1_1=/dev/rdsk/c2t1d8
      redo1_2=/dev/rdsk/c2t1d9
      redo2_1=/dev/rdsk/c2t1d10
      redo2_2=/dev/rdsk/c2t1d11
      control1=/dev/rdsk/c2t1d12
      control2=/dev/rdsk/c2t1d13
      spfile=/dev/rdsk/dbname_spfile_raw_5m
      pwdfile=/dev/rdsk/dbname_pwdfile_raw_5m
      

      この例では、dbnameは、データベースの名前です。

      次のガイドラインに従って、ファイルを作成および編集します。

      • ファイルの各行は、次の形式である必要があります。

        database_object_identifier=device_file_name
        

        前述の表に示した代替デバイス・ファイル名には、このマッピング・ファイルに使用する必要があるデータベース・オブジェクト識別子が含まれます。たとえば、次の代替ディスク・デバイス・ファイル名では、redo1_1がデータベース・オブジェクト識別子です。

        rac_redo1_1_raw_120m
        
      • RACデータベースの場合、ファイルは、各インスタンスに対して1つの自動UNDO表領域データ・ファイル(undotbsn)と2つのREDOログ・ファイル(redon_1redon_2)を指定する必要があります。

      • 2つ以上の制御ファイル(control1control2)を指定します。

      • 自動UNDO管理のかわりに手動UNDO管理を使用するには、自動UNDO管理表領域のかわりに単一のRBS表領域データ・ファイル(rbs)を指定します。

    5. ファイルを保存して、指定したファイル名を書き留めます。

    6. この章の後半でoracleユーザーの環境を構成する際に、このファイルへのフル・パスが指定されるように環境変数DBCA_RAW_CONFIGを設定します。

  9. Oracle Clusterwareをインストールする際に、OCRおよびOracle Clusterware投票ディスクのパスを求められたら、適切なデバイス・ファイルへのパスを入力する必要があります。次に例を示します。

    /dev/rdsk/cxtydz
    

1.10 CVUを使用したOracle Clusterware要件の検証

詳細は、第6章の次の項を参照してください。

「CVUを使用したOracle Clusterware要件の検証」

インストール所有者ユーザー(oracleまたはcrs)としてログインし、次のコマンド構文でクラスタ検証ユーティリティ(CVU)を起動して、Oracle Clusterwareをインストールするためのシステム要件を検証します。次の構文例のmountpoint変数はインストール・メディアのマウント・ポイント、node_list変数はクラスタ内のノード名(カンマで区切る)です。

/mountpoint/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node_list

1.11 Oracle Clusterwareソフトウェアのインストール

詳細は、第6章の次の項を参照してください。

「OUIを使用してOracle Clusterwareをインストールするための準備」

「OUIを使用したOracle Clusterwareのインストール」

  1. SSH鍵がOracle Universal Installer(OUI)の実行元の端末セッションのメモリーにロードされていることを確認します。

  2. インストール・メディアに移動し、OUIを起動します。次に例を示します。

    $ cd /Disk1
    ./runInstaller
    
  3. Oracle Clusterwareのインストールを選択し、構成情報を指示どおりに入力します。

1.12 Oracle RACおよびASMのためのシステムの準備

詳細は、第5章の次の項を参照してください。

「自動ストレージ管理用のディスクの構成」

Oracle ClusterwareとともにOracle RACをインストールする場合は、データベース・ファイルの管理にASMを使用することをお薦めします。

1.12.1 ASMディスク・パーティションのマーキング

ディスク・パーティションをASMディスクの候補としてOUI側で認識させるには、rootとしてログインし、ASM用に作成したディスク・パーティションに対して、次のコマンド構文を使用してマーキングする必要があります。ASM_DISK_NAMEはASMディスク・グループの名前、device_nameはそのディスク・グループに割り当てるディスク・サービスの名前です。

/etc/init.d/oracleasm create disk ASM_DISK_NAME device_name