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Oracle Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1) for HP-UX
E05980-02
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5 Oracle Databaseの開始

この章では、デフォルトの事前構成済データベースについてのOracleデータベース・アカウント、パスワード、ファイルの場所などの情報を提供します。内容は次のとおりです。

5.1 インストール済Oracle Databaseの内容とディレクトリ位置の確認

Oracle Universal Installerを使用して、インストールしたOracle Databaseの内容とディレクトリの位置を確認できます。これを行うには、次の手順を実行します。

  1. 「Oracle Universal Installerの実行」の手順に従って、Oracle Universal Installerを起動します。

  2. 「ようこそ」画面で「インストールされた製品」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを表示します。

  3. インストールした内容を確認するには、リストからOracle Database製品を選択します。

  4. インストールした製品の詳細情報を見るには、「詳細」をクリックします。

  5. 「閉じる」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを閉じます。

  6. Oracle Universal Installerを終了するには、「取消」をクリックして、「はい」をクリックして確認します。

5.2 Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン

インストール時にOracle Enterprise Manager Database Controlを構成した場合は、それをデータベースの管理に使用できます。また、Oracle Enterprise Manager Grid Controlを使用してデータベースを管理することもできます。Database Controlの表示方法は次のとおりです。

  1. Webブラウザを使用して、次のDatabase ControlのURLにアクセスします。

    https://host:port/em

    各項目の意味は次のとおりです。

    • hostは、Oracle Databaseをインストールしたコンピュータ名です。

    • portは、インストール時にDatabase Control用に予約されたポート番号です。

    使用する正しいポート番号がわからない場合は、$ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルの次の行を確認してください。

    Enterprise Manager Console HTTP Port (db_name) = 1158
    

    インストール時には、5500から5519までのうち、空いている最初のポートを予約します。たとえば、ホストmgmt42にOracle Databaseをインストールし、Database Controlがポート1158を使用していた場合は、次のURLを使用します。

    https://mgmt42:1158/em
    

    Oracle Enterprise ManagerにDatabase Controlのログイン・ページが表示されます。

  2. ユーザー名SYSTEMを使用してデータベースにログインし、SYSDBAとして接続します。Enterprise ManagerにDatabaseホーム・ページが表示されます。

    インストール時にSYSTEMアカウントに対して指定したパスワードを使用してください。


注意:

SYSTEMアカウントまたはSYSMANアカウントを使用してもDatabase Controlにログインできます。また、他のデータベース・ユーザーにログイン権限を付与することもできます。

Database Controlのログイン権限の理解

SYSMANユーザー・アカウントを使用してOracle Enterprise Manager Database Controlにログインする場合、Oracle Enterprise Managerスーパーユーザーとしてログインします。SYSMANアカウントには権限が自動的に付与されます。この権限は、Database Controlで提供されているすべての管理機能へのアクセスに必要です。

Database Controlへのログインには、SYSおよびSYSTEMアカウントを使用することもできます。また、次のとおりログイン権限を他のデータベース・ユーザーに付与することもできます。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:

    Database Controlへのログインの詳細は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン」を参照してください。

  2. Database Controlホーム・ページの最上部にある「設定」をクリックします。

  3. 左ナビゲーション・バーの「管理者」をクリックします。

  4. 「作成」をクリックしてEnterprise Managerユーザーを作成します。

  5. 「名前」フィールドに既存のデータベース・ユーザー名を入力するか、検索アイコンをクリックしてポップアップ・ウィンドウからユーザーを選択します。

  6. このユーザー用のパスワードを入力して「確認」をクリックします。

  7. プロパティ・ページで、「終了」をクリックします。

Enterprise Managerにより指定したユーザーにログイン権限が割り当てられ、このユーザーが「管理者の設定」ページのEnterprise Managerユーザー・リストに組み込まれます。

5.3 自動ストレージ管理の管理

この項では、自動ストレージ管理のインストールについての情報を提供します。この項の内容は、次のとおりです。

5.3.1 自動ストレージ管理の起動および停止

自動ストレージ管理を起動および停止するには、Oracle Databaseの管理者リファレンスを参照してください。

5.3.2 自動ストレージ管理ユーティリティ

自動ストレージ管理の管理には、次のツールを使用できます。

  • asmcmd: このコマンドライン・ツールを使用すると、自動ストレージ管理ディスク・グループのファイルおよびディレクトリを管理できます。

  • Oracle Enterprise Manager Grid Control: Oracle Enterprise Managerがインストールされている場合は、Grid Controlを使用して自動ストレージ管理機能を管理できます。たとえば、自動ストレージ管理への既存のデータベースの移行、自動ストレージ管理インスタンスのステータス・チェック、自動ストレージ管理ディスク・グループのパフォーマンス・チェック、自動ストレージ管理ディスク・グループの作成または削除などを実行できます。

  • Oracle Enterprise Manager Database Control: このユーティリティは、Grid Controlと同様の機能を実行できます。

  • SQL*Plus: 自動ストレージ管理固有のコマンドを実行できます。自動ストレージ管理インスタンスに接続するには、Oracleデータベース・インスタンスへの接続時と同じ方法を使用します。


関連項目:


5.4 SQL*Plusを使用したOracle Databaseへのアクセス

SQLおよびPL/SQLコマンドを実行してOracle Databaseにアクセスするには、SQL*Plusを使用できます。このツールを使用すると、同じデータベース管理操作を実行できるだけでなく、データベースに対して直接、データの問合せ、挿入、更新、または削除を行うことができます。

次のコマンドを使用して、SQL*Plusを開始し、SYSユーザーとしてログインしてSYSDBAとして接続します。

$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password

たとえば、Systempwd1というパスワードを使用して、SYSTEMとしてログインするには、次のように入力します。

$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYSTEM
Enter password: Systempwd1

SYSとしてログインする場合、SYSDBAとして接続する必要があります。

$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password

関連項目:

  • 『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』

  • 『SQL*Plusクイック・リファレンス』


5.5 SQL Developerを使用したOracle Databaseへのアクセス

SQLおよびPL/SQLコマンドを実行して、Oracle Databaseにアクセスするには、SQL Developerを使用できます。すべてのSQLおよびPL/SQLコマンドは、SQLワークシートからOracle Databaseへ直接渡される際にサポートされます。

SQL Developer用のJDKパスの設定

次の環境変数を設定し、確実に正しいJDKが選択されるようにします。

Sun Java SDKリリース1.5がインストールされている環境でSQL Developerを開始するには、次のコマンドを使用します。

接続が完了すると、「Connection Navigator」を使用してデータベース・オブジェクトの表示、作成、変更を行うことができ、SQLワークシートを使用して、任意のSQLまたはPL/SQLコマンドを発行できます(「Tools」メニューから、「SQL Worksheet」を選択)。

SQL*Plusコマンドは、データベースに渡される前に、SQLワークシートで解析する必要があります。SQLワークシートは現在、様々なSQL*Plusコマンドをサポートしています。SQLワークシートでサポートされていないSQL*Plusコマンドは無視され、Oracle Databaseに送信されません。


関連項目:

『Oracle Database SQL Developerユーザーズ・ガイド』のSQLワークシートでサポートされるSQL*Plus文およびされないSQL*Plus文に関する項を参照してください。


5.6 アカウントとパスワードの確認

Database Configuration Assistant(DBCA)によって作成されたすべてのデータベースには、SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMPデータベース・アカウントが含まれています。また、他の複数の管理アカウントも用意されています。これらのアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。表5-1では、これらのアカウントとそのユーザー名およびバスワードを示します。


関連項目:

パスワードのロック解除とリセットの詳細は、「ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット」を参照してください。


注意:

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、データベース・アカウントの完全なリストを表示します。

表5-1 データベース・アカウント

ユーザー名 説明 関連項目

ANONYMOUS

HTTPによるOracle XML DBへのアクセスを許可。

なし

BI

Oracleサンプル・スキーマに含まれるBusiness Intelligenceスキーマを所有するアカウント。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


CTXSYS

Oracle Textアカウント。

『Oracle Textリファレンス』


DBSNMP

Oracle Enterprise Managerの管理エージェント・コンポーネントによりデータベースの監視および管理に使用されるアカウント。このアカウントが作成されるのは、Database Controlを使用するようにデータベースを構成している場合のみです。

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』


DIP

Directory Integration Platform(DIP)でOracle Internet Directoryでの変更をデータベース内のアプリケーションと同期化するために使用されるアカウント。

なし

EXFSYS

Expression Filterスキーマを所有するアカウント。

なし

FLOWS_030000

Application Expressスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。

『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』


FLOWS_FILES

Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。

『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』


APEX_PUBLIC_USER

Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するApplication Express構成向けに使用される、最も権限の少ないアカウント。

『Oracle Database Application Expressユーザーズ・ガイド』


HR

Oracleサンプル・スキーマに含まれるHuman Resourcesスキーマを所有するアカウント。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


IX

Oracleサンプル・スキーマに含まれるInformation Transportスキーマを所有するアカウント。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


LBACSYS

Oracle Label Securityの管理者アカウント。

『Oracle Label Security管理者ガイド』


MDDATA

Oracle SpatialでGeocoderおよびルーター・データの格納に使用されるスキーマ。

『Oracle Spatial開発者ガイド』


MDSYS

Oracle SpatialおよびOracle Multimedia Locatorの管理者アカウント。

『Oracle Spatial開発者ガイド』


MGMT_VIEW

Oracle Enterprise Manager Database Controlで使用されるアカウント。

なし

OE

Oracleサンプル・スキーマに含まれるOrder Entryスキーマを所有するアカウント。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


ORDPLUGINS

Oracle Multimediaユーザー。オラクル社が提供するプラグインとサード・パーティのプラグインは、このスキーマにインストールされます。

『Oracle Multimediaリファレンス』


ORDSYS

Oracle Multimedia管理者アカウント。

『Oracle Multimediaリファレンス』


OUTLN

プラン・スタビリティをサポートするアカウント。プラン・スタビリティは、同じSQL文の同じ実行計画の保守を可能にします。OUTLNは、格納されたアウトラインに関連付けられたメタデータを集中的に管理する権限として機能します。

『Oracle Database概要』


ORACLE_OCM

このアカウントには、Oracle Configuration Managerで使用される構成収集向けのインスツルメーションが含まれます。

『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』


OWBSYS

Oracle Warehouse Builderでデフォルトのリポジトリとして使用されるアカウント。Oracle Databaseのインストール後、Warehouse Builderリポジトリ・アシスタントを起動する前に、このアカウントのロックを解除する必要があります。

『Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド』


PM

Oracleサンプル・スキーマに含まれるProduct Mediaスキーマを所有するアカウント。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


SCOTT

Oracleサンプル・プログラムおよび例で使用されるアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』


SH

Oracleサンプル・スキーマに含まれるSales Historyスキーマを所有するアカウント。このアカウントを使用できるのは、Enterprise Editionのインストール時にサンプル・スキーマをロードした場合のみです。

『Oracle Database管理者ガイド』


SI_INFORMTN_SCHEMA

SQL/MM Still Image Standardの情報ビューを格納するアカウント。

『Oracle Multimediaリファレンス』


SYS

データベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』


SYSMAN

Oracle Enterprise Managerのデータベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。このアカウントが作成されるのは、Database Controlを使用するようにデータベースを構成する場合のみです。

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』


SYSTEM

データベース管理タスクの実行に使用される別のアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』


WMSYS

Oracle Workspace Manager用のメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。

『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』


WKPROXY

Ultra Searchのプロキシ・ユーザー。

『Oracle Ultra Search管理者ガイド』


WK_TEST

デフォルトのUltra Searchインスタンス・スキーマ。

『Oracle Ultra Search管理者ガイド』


WKSYS

Ultra Searchのシステム・ディクショナリとPL/SQLパッケージの格納に使用されるアカウント。

『Oracle Ultra Search管理者ガイド』


XDB

Oracle XML DBのデータおよびメタデータの格納に使用されるアカウント。

『Oracle XML DB開発者ガイド』


DVSYS

このアカウントには、関連する2つの権限があります。Database Vault所有者権限は、Database Vault権限および構成を管理します。Database Vaultアカウント・マネージャは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。

注意: Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。Oracle Database Vault Configuration Assistantを使用すると、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。必要な手順は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』の付録Cを参照してください。

『Oracle Database Vault管理者ガイド』



5.7 ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット

SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSMPを除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に事前定義済データベースを作成しても、必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次のいずれかの方法を使用して解除する必要があります。


注意:

Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成している場合は、データベース作成後、Database Configuration Assistantを終了する前に「パスワード管理」をクリックしてアカウントのロックを解除できます。

5.7.1 Database Controlを使用したアカウントのロック解除およびパスワードのリセット

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用したロック解除およびユーザー・アカウント・パスワードのリセットの手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:

    Database Controlへのログインの詳細は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「セキュリティ」セクションで「ユーザー」をクリックします。

    すべてのデータベース・アカウントを含む表が表示されます。「アカウント・ステータス」列は、そのアカウントがロックされているかどうかと、パスワードが期限切れかどうかを示します。

  4. 変更するユーザー・アカウントを選択して「編集」をクリックします。

  5. 「ユーザー」プロパティ・シートの「一般」ページを使用して、選択したアカウントをロック解除し、必要に応じてパスワードを変更します。


関連項目:

Database Controlの使用に関する詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。

5.7.2 SQL*Plusを使用したアカウントのロック解除およびパスワードのリセット

SQL*Plusを使用してロックを解除しユーザー・アカウント・パスワードをリセットする手順は、次のとおりです。

  1. SQL*Plusを起動し、SYSユーザーとしてデータベースにログインし、SYSDBAとして接続します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus
    SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
    Enter password: SYS_password
    
  2. 次のコマンドを入力します。accountはロックを解除するユーザー・アカウント、passwordは新規パスワードです。

    SQL> PASSWORD account UNLOCK;
    Changing password for account
    New password: password
    Retype new password: password
    

    注意:

    アカウントのロックを解除してもパスワードをリセットしなかった場合、パスワードは期限切れのままとなります。そのユーザーとして最初に接続する際にパスワードを変更する必要があります。

    HTTPを介したデータへの無認証アクセスを許可するには、ANONYMOUSアカウントのロックを解除します。



    関連項目:

    次の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
    • インストール後のパスワードのロック解除および変更

    • Oracleのセキュリティ手順

    • セキュリティの最良事例


5.7.3 ユーザー・パスワードのロック解除および変更

SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMPを除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に初期データベースを作成した場合、Oracle Database Configuration Assistantには、データベース情報が示された「パスワード管理」ボタン付きの画面が表示されます。「パスワード管理」ボタンを使用して、使用するユーザー名についてのみロックを解除します。

パスワードを指定する前に、次のガイドラインを参照してください。

  • パスワードの長さは8〜30文字であること。

  • パスワードにはASCIIキャラクタ・セットの文字を使用すること。

  • パスワードの1文字目には数字を使用しないこと。

  • パスワードとユーザー名を同じにしないこと。

  • パスワードにはOracleの予約語を使用しないこと。

  • SYSアカウントのパスワードにはchange_on_installを使用しないこと。

  • SYSTEMアカウントのパスワードにはmanagerを使用しないこと。

  • SYSMANアカウントのパスワードにはsysmanを使用しないこと。

  • DBSNMPアカウントのパスワードにはdbsnmpを使用しないこと。

  • すべてのアカウントに同じパスワードを使用するように選択した場合は、change_on_installmanagersysmanまたはdbsnmpをパスワードとして使用しないこと。

  • パスワードには、アルファベット、数字、および特殊文字をそれぞれ1文字以上使用すること。

  • パスワードには、welcomeaccountdatabaseuserなど、単純なワードやありふれたワードを使用しないこと。

  • パスワードには、同じ文字を連続して繰り返し使用しないこと。


関連項目:

アカウントおよびパスワードの詳細は、「アカウントとパスワードの確認」を参照してください。

5.8 データベースの識別

Oracle Database 11gソフトウェアで、データベースをグローバル・データベース名により識別します。グローバル・データベース名は、データベース名とデータベース・ドメインで構成されます。通常、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じですが、異なる場合もあります。グローバル・データベース名では、あるデータベースが同じネットワーク内の他のデータベースと一意に区別されます。グローバル・データベース名は、インストール時にデータベースを作成するとき、またはDatabase Configuration Assistantを使用するときに指定します。次に例を示します。

sales.us.oracle.com

各項目の意味は次のとおりです。

DB_NAMEパラメータとDB_DOMAIN名パラメータを組み合せて、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMESパラメータに割り当てるグローバル・データベース名の値を作成します。

システム識別子(SID)は、特定のデータベース・インスタンスを識別します。SIDにより、あるインスタンスが同じコンピュータ上の他のインスタンスから一意に区別されます。各データベース・インスタンスには一意のSIDとデータベース名が必要です。ほとんどの場合は、SIDとグローバル・データベース名のデータベース名部分は同じです。

5.9 サーバー・パラメータ・ファイルの検索

デフォルトでは、事前定義済データベースはspfilesid.oraという名前のサーバー・パラメータ・ファイルを使用します。このファイルは$ORACLE_HOME/dbsディレクトリに格納されます。ただし、データベースの自動ストレージ管理を選択した場合、Database Configuration Assistantは一般的にサーバー・パラメータ・ファイルにも同じ記憶域メカニズムを使用します。

サーバー・パラメータ・ファイルが$ORACLE_HOME/dbsディレクトリにない場合、データベースでは初期化パラメータ・ファイルのSPFILEパラメータを使用して検索します。デフォルト初期化パラメータ・ファイルは $ORACLE_HOME/dbs/initsid.oraです。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用すると、サーバー・パラメータ・ファイルの場所とすべての初期化パラメータのリストを表示できます。この操作の手順は次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:

    Database Controlへのログインの詳細は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「データベース構成」セクションで、「初期化パラメータ」をクリックします。

    各初期化パラメータの現行の値を示す表が表示されます。

  4. 「SPFile」タブを選択します。

    サーバー・パラメータ・ファイルに指定されている各初期化パラメータの値を示す表が表示されます。この表の上に、サーバー・パラメータ・ファイルの場所が表示されます。

5.10 表領域、データファイル、REDOログ・ファイルおよび制御ファイルの確認

次の項では、表領域、データファイル、REDOログ・ファイル、および制御ファイルの情報について説明します。

5.10.1 表領域およびデータファイルの識別

Oracleデータベースは、表領域と呼ばれる小さい論理領域に分割されています。各表領域は、1つ以上の物理データファイルに対応しています。データファイルには、表や索引など、論理データベース構造の内容が含まれています。各データファイルを関連付けられる表領域およびデータベースは1つのみです。


注意:

SYSAUX表領域およびSYSTEM表領域は、すべてのOracle Database 11gのデータベースに存在している必要があります。

表5-2は、デフォルトの事前定義済データベースが提供する表領域を示しています。

表5-2 表領域およびデータファイル

表領域 データファイル 説明

EXAMPLE

EXAMPLE01.DBF

サンプル・スキーマを組み込んだ場合は、それが格納されます。

SYSAUX

SYSAUX01.DBF

SYSTEM表領域の補助表領域として機能します。これまでSYSTEM表領域を使用していた一部の製品およびオプションでは、SYSAUX表領域が使用されるようになり、SYSTEM表領域の負荷が低減します。

SYSTEM

SYSTEM01.DBF

Oracle Databaseに必要な表、ビューおよびストアド・プロシージャの定義を含むデータ・ディクショナリが格納されます。この領域の情報は自動的に保守されます。

TEMP

TEMP01.DBF

SQL文の処理中に作成された一時表および索引が格納されます。構成メンバーGROUP BYORDER BY、またはDISTINCTなど、多くのソートが必要なSQL文を実行する場合は、この表領域の拡張が必要になる可能性があります。

UNDOTBS

UNDOTBS01.DBF

UNDO情報が格納されます。UNDO表領域には、データベースに対する変更をロールバックまたはUNDOするために使用されるトランザクション履歴を保持する、1つ以上のUNDOセグメントが含まれています。

すべての初期データベースは、自動UNDO管理モードで実行するように構成されます。

USERS

USERS01.DBF

データベース・ユーザーにより作成されたデータベース・オブジェクトが格納されます。



関連項目:

表領域およびデータファイルの詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、データベースと関連する表領域で使用されるデータファイルのリストを表示する手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:

    Database Controlへのログインの詳細は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「データファイル」をクリックします。

    各データファイルと関連する表領域を示す表が表示されます。


    関連項目:

    表領域の表示、変更および作成にDatabase Controlを使用する方法の詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。

5.10.2 REDOログ・ファイルの位置

事前定義済データベースは3つのREDOログ・ファイルを使用します。REDOログ・ファイルには、データベース・バッファ・キャッシュ内のデータに対する変更がすべて記録されます。インスタンスに障害が発生すると、Oracle Database 11gではREDOログ・ファイルを使用して、メモリー内で変更のあったデータがリカバリされます。

Oracle DatabaseはREDOログ・ファイルを循環して使用します。たとえば、オンラインREDOログが3つのファイルから構成される場合、Oracle Databaseは最初のファイルの後、2つ目のファイル、3つ目のファイルの順に書込みをします。次の循環では、1つ目のファイルの後、2つ目以降のファイルを再使用して書込みをします。


関連項目:

REDOログ・ファイルの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、事前定義済データベースのREDOログ・ファイルを表示または変更する手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:

    Database Controlへのログインの詳細は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「REDOログ・グループ」をクリックします。

    データベースが使用するREDOログ・グループを示す表が表示されます。

  4. 特定のグループに関連付けられたREDOログ・ファイルの名前と位置を表示するには、そのグループを選択して「ビュー」をクリックします。


関連項目:

REDOログ・ファイルの表示、変更および作成にDatabase Controlを使用する方法の詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。

5.10.3 制御ファイルの位置

事前定義済データベースは3つの制御ファイルを使用します。データベースごとに3つ以上の制御ファイルを保持し、CONTROL_FILES初期化パラメータを各制御ファイルが示されるように設定することをお薦めします。

制御ファイルは、管理ファイルの一種です。Oracle Database 11gでは、データベースを起動して実行するために制御ファイルが必要です。制御ファイルは、データベースの物理構造を定義します。たとえば、制御ファイルは、データベース名と、データベースのデータファイルおよびREDOログ・ファイルの名前と場所を定義します。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、事前定義済データベースの制御ファイルの情報を表示する手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:

    Database Controlへのログインの詳細は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「制御ファイル」をクリックします。

    データベースが使用する制御ファイルを示す表が表示されます。


    関連項目:

    Database Controlを使用して、制御ファイルの情報を表示し、そのバックアップを作成して追跡する方法の詳細は、Database Controlウィンドウの「ヘルプ」をクリックしてください。

    CONTROL_FILES初期化パラメータ値の設定の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。