この付録では、Optimal Flexible Architecture標準について説明します。この標準は、メンテナンスが容易で、適切に編成されたOracleインストールを保証するために作成された構成の一連のガイドラインです。内容は次のとおりです。
インストール・メディアのすべてのOracleコンポーネントは、Optimal Flexible Architectureに準拠しています。つまり、Oracle Universal Installerでは、Oracle DatabaseコンポーネントをOptimal Flexible Architectureガイドラインに従ったディレクトリの位置に配置します。
Optimal Flexible Architectureの使用は要件ではありませんが、データベースのサイズが大きくなると思われる場合や、複数のデータベースを使用する予定がある場合は、使用することをお薦めします。
この項では、Optimal Flexible Architecture標準で推奨されるネーミング方法について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
次の各項では、マウント・ポイントの規則について説明します。
ストライプ化もミラー化もされていないファイル・システムに格納されたデータベースについてOptimal Flexible Architecture推奨事項を完全に実装するには、3つ以上のファイル・システムをそれぞれ個別の物理デバイスに配置することが必要です。
すべてのファイル・システムのマウント・ポイント名には構文/pmを使用します。pはリテラル、mは各マウント・ポイントを区別するために使用する一意の固定長キー(通常は2桁の番号)です。たとえば、/u01と/u02、/disk01と/disk02となります。
次の各項では、Optimal Flexible Architecture標準に準拠したディレクトリのネーミング規則について説明します。
Oracleベース・ディレクトリはトップレベル・ディレクトリで、様々なOracleソフトウェア製品のインストールに使用できます。複数の製品をインストールする場合でも、同じOracleベース・ディレクトリを使用できます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。
Oracleベース・ディレクトリ名には、構文/pm/s/uを使用します。表D-1に、この構文で使用されている変数を示します。
表D-1 Oracleベース・ディレクトリのネーミング構文
| 変数 | 説明 |
|---|---|
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マウント・ポイント名 |
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標準ディレクトリ名 |
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ディレクトリの所有者名(Oracle Universal Installerを実行中のユーザー) |
たとえば、/u01/app/oracleはoracleユーザーにより作成されたOracleベース・ディレクトリで、/u01/app/applmgrはapplmgrユーザーにより作成されたOracleベース・ディレクトリです。
Oracleベース・ディレクトリをUNIXファイル・システムと同じレベルに配置すると、様々なマウント・ポイントにあるOracleベース・ディレクトリの集合を1つのパターン一致文字列/*/app/*を使用して参照できるという利点があります。
各ディスク・ドライブに1つのアプリケーションからのデータベース・ファイルがあり、I/Oボトルネックを防止できる十分な数のドライブが各データベースにある場合は、マウント・ポイントのネーミングに構文/h/q/dを使用します。表D-2に、この構文で使用されている変数を示します。
表D-2 大規模データベースのマウント・ポイントのネーミング構文
| 変数 | 説明 |
|---|---|
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Oracleベース・ディレクトリ |
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初期化パラメータ |
たとえば、testデータベース専用に2つのドライブを割り当てるには、マウント・ポイント名として/u01/oradata/testおよび/u02/oradata/testを指定します。
明示的なパス名は、パスワード・ファイル/etc/passwdおよびOracle oratabファイルなど、パスの格納用に特別に設計されたファイル内でのみ参照します。グループ・メンバーシップは、/etc/groupファイル内でのみ参照します。
複数のバージョンのOracleソフトウェアを同時に実行するというOptimal Flexible Architectureの要件を満たすように、パターン/pm/h/u/product/v/type_[n]と一致するディレクトリにそのソフトウェアをインストールします。
表D-3に、この構文で使用されている変数を示します。
表D-3 Oracleホーム・ディレクトリのネーミング構文
| 変数 | 説明 |
|---|---|
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マウント・ポイント名 |
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標準ディレクトリ名 |
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ディレクトリの所有者名 |
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ソフトウェアのバージョン |
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データベース( |
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オプションのカウンタ。これを使用すると、同じOracleベース・ディレクトリに同じ製品を複数回インストールできます。 |
次に例を示します。
/u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1は、このシステムに初めてインストールされるOracle DatabaseのOracleホーム・ディレクトリを示しています。
インストール後にORACLE_HOME環境変数を設定して、Oracleホーム・ディレクトリを指定します。
管理データの編成を容易にするために、データベース固有の管理ファイルは、パターン/h/admin/d/a/と一致するサブディレクトリに格納することをお薦めします。hはOracleベース・ディレクトリ、dはデータベース名、aは特定のタイプのデータベース管理ファイルのサブディレクトリです。表D-4に、データベース管理ファイルのサブディレクトリを示します。
表D-4 デースベース管理ファイルのサブディレクトリ
| サブディレクトリ | 説明 |
|---|---|
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非定型SQLスクリプト |
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アーカイブREDOログ・ファイル |
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監査ファイル( |
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データベース作成に使用されたスクリプト |
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データベース・エクスポート・ファイル |
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データベースのステータスおよび履歴が記録されるファイル |
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インスタンス・パラメータ・ファイル |
たとえば、/u01/app/oracle/admin/orcl/adhoc/はデータベース名orclに関連付けられているadhocサブディレクトリです。
Oracle Database 11gでは、bdump、cdump、udumpの各ディレクトリのかわりに自動診断リポジトリ(ADR)ディレクトリを使用できます。ADR診断データは、/h/diag/rdbms/d/i/ディレクトリに格納されます。
各パラメータの意味は次のとおりです。
hはOracleベース
dはデータベース名
iはインスタンス名
このディレクトリには、trace、alert、incidentというサブディレクトリがあります。
表D-5 診断トレースの場所
| 診断データ | 10gでの場所 | 11gでの場所 |
|---|---|---|
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フォアグラウンド・プロセス・トレース |
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{ADR_HOME}/trace/ |
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バックグラウンド・プロセス・トレース |
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{ADR_HOME}/trace/ |
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アラート・ログ・データ |
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{ADR_HOME}/alert/ |
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コア・ダンプ |
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{ADR_HOME}/incident/In/ |
|
インシデント・ダンプ |
プロセスによって |
{ADR_HOME}/incident/In/ |
次の表に、データベース・ファイル用の推奨ネーミング規則を示します。
| ファイル・タイプ | ファイル・ネーミング規則 |
|---|---|
| 制御ファイル | /h/q/d/control.ctl |
| REDOログ・ファイル | /h/q/d/redon.log |
| データファイル | /h/q/d/tn.dbf |
次の表に、この構文を示します。
| 変数 | 説明 |
|---|---|
h |
Oracleベース・ディレクトリ |
q |
Oracleデータを他のすべてのファイルと区別する文字列(通常はoradata) |
d |
DB_NAME初期化パラメータの値(通常はシングル・インスタンス・データベースのインスタンスSIDと同じ) |
t |
Oracle表領域名 |
n |
2桁の文字列 |
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注意: パス/h/q/dには、データベースdに関連付けられている制御ファイル、REDOログ・ファイル、またはデータファイル以外のファイルを格納しないでください。 |
この規則を使用すると、/u01/app/oracle/oradata/sab/system01.dbfファイルが属しているデータベースを容易に判別できます。
持続期間、I/O要求需要、およびバックアップ頻度の異なるセグメントのグループを、異なる表領域間で分離します。
表D-6に、Database Configuration AssistantによりOracleデータベースごとに作成される特殊な表領域を示します。データベースを手動で作成する場合は、必要な表領域も作成する必要があります。これらの表領域は、アプリケーション・セグメントに必要な表領域とは別個に追加されるものです。
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関連項目: データベースの手動作成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
| 表領域 | 必須 | 説明 |
|---|---|---|
|
EXAMPLE |
No |
サンプル・スキーマの格納に使用するEXAMPLE表領域 |
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SYSAUX |
Yes |
SYSTEM表領域の補助表領域 |
|
SYSTEM |
Yes |
データ・ディクショナリ・セグメント |
|
TEMP |
Yes |
一時セグメント |
|
UNDOTBS1 |
Yes |
OracleがUNDO情報の格納に使用 |
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USERS |
No |
その他のユーザー・セグメント |
これらの特殊な表領域を作成すると、データ・ディクショナリ・セグメントは削除されることがなく、削除できる他のセグメントはSYSTEM表領域への格納が許可されないため効率的です。
表D-7に、ファイル・クラスの識別に使用する構文を示します。
表D-7 ファイル・クラスを識別するためのディレクトリ構造の構文
| ディレクリト構造の構文 | 説明 |
|---|---|
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ユーザー・データ・ディレクトリ |
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ユーザーのホーム・ディレクトリ |
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ユーザーのアプリケーション・ソフトウェア・ディレクトリ |
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Oracleアプリケーション・ソフトウェアのサブツリー |
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Oracleソフトウェアのサブツリー |
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リリース11g製品のOracleソフトウェアのサブツリー |
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Oracle Database 11gのOracleホーム・ディレクトリ |
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Oracle Clusterware 11gのOracleホーム・ディレクトリ |
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Oracleデータ・ディレクトリ |
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表D-8に、2つのOracleホーム・ディレクトリと2つのデータベースを持つOptimal Flexible Architecture準拠のインストールのサンプルの、階層的ファイル・マッピングを示します。データベース・ファイルは、/u02、/u03、/u04の3つのマウント・ポイント間に分散しています。
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注意: より優れた冗長性とスループットを得るためにASMを使用することをお薦めします。 |
表D-8 Optimal Flexible Architectureインストールの階層的ファイル・マッピング
| ディレクトリ | 説明 |
|---|---|
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ルート・ディレクトリ |
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ユーザー・データのマウント・ポイント1 |
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アプリケーション・ソフトウェア用のサブツリー |
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Oracleベース・ディレクトリ |
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デースベース管理ファイル用のサブツリー |
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サポート・ログ・ファイル用のサブツリー |
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db_name1データベースの |
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|
db_name2データベースの |
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オンライン・ドキュメント |
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リカバリ・ファイル用のサブツリー |
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|
db_name1データベース用のリカバリ・ファイル |
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|
db_name2データベース用のリカバリ・ファイル |
|
|
Oracleデータ・ディレクトリ |
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配布ファイル |
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Oracle Database 11g用のOracleホーム・ディレクトリ |
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Oracle Clusterware11gのOracleホーム・ディレクトリ |
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ユーザーkjf用のOracleベース・ディレクトリ |
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ユーザーedm用のOracleベース・ディレクトリ |