この章では、Oracle Database Client製品をインストールする前に完了しておく必要のある次の作業について説明します。
表2-1に、Windows(32-bit)でのOracle Database Clientの必須ハードウェア・コンポーネントを示します。
表2-2に、Windows x64でのOracle Database Clientの必須ハードウェア・コンポーネントを示します。
表2-1 Windows(32-bit)のハードウェア要件
要件 | 最小値 |
---|---|
物理メモリー(RAM) |
256MB以上、512MB推奨 (Windows Vistaでは、512MB以上) |
仮想メモリー |
RAM容量の2倍 |
ハードディスク領域 |
合計は、160〜700MB。詳細は、表2-3を参照。 |
プロセッサ |
550MHz(最小) (Windows Vistaでは800MHz以上) |
ビデオ・アダプタ |
256色 |
表2-2 Windows x64のハードウェア要件
要件 | 最小値 |
---|---|
物理メモリー(RAM) |
512MB以上、1GB推奨 |
仮想メモリー |
RAM容量の2倍 |
ハードディスク領域 |
合計は、280〜855MB。詳細は、表2-3を参照。 |
プロセッサ |
AMD64、またはIntel Extended memory(EM64T) |
ビデオ・アダプタ |
256色 |
この項では、NT File System(NTFS)を使用するWindowsプラットフォームのシステム要件を示します。Oracleコンポーネントは、NTFSにインストールすることをお薦めします。NTFSでは、Oracleホームに格納されたデータベース・ファイル、トレース・ファイル、インシデント・データなどに対する高いセキュリティが確保されます。
この項で示すNTFSのシステム要件は、Oracle Universal Installerのサマリー・ウィンドウで報告されるハードディスクの値より正確です。サマリー・ウィンドウには、データベースの作成に必要な領域、またはハード・ドライブ上で展開される圧縮ファイルのサイズの値は表示されません。
Oracle Database Clientコンポーネントのハードディスク要件には、オペレーティング・システムがインストールされているパーティションへのJava Runtime Environment(JRE)およびOracle Universal Installerのインストールに必要な領域が含まれます。十分な領域が検出されないと、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。
表2-3に、Windows(32-bit)におけるNTFSでのディスク領域要件を示します。
表2-4に、Windows x64におけるNTFSでのディスク領域要件を示します。
表2-3 NTFSのWindows(32-bit)のディスク領域要件
インストール・タイプ | TEMP領域 | SYSTEM_DRIVE:\Program Files\Oracle\Inventory | Oracleホーム | 合計 |
---|---|---|---|---|
100MB |
1.1MB |
160MB |
261MB |
|
100MB |
1.1MB |
700MB |
801MB |
|
100MB |
1.1MB |
450MB |
551MB |
|
カスタム(全コンポーネントがインストールされる) |
100MB |
1.1MB * |
580MB * |
681MB * |
* ディスク領域の要件は、選択されたコンポーネントによって変わります。
注意: Instant ClientのInstant Client Lightコンポーネントのみを構成する場合、関連ファイルを格納するために30〜32MBのディスク領域が必要です。詳細は、「Instant Client Lightの構成」を参照してください。 |
関連項目: 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「NTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限」 |
表2-4 NTFSのWindows x64のディスク領域要件
インストール・タイプ | TEMP領域 | SYSTEM_DRIVE:\Program Files\Oracle\Inventory | Oracleホーム | 合計 |
---|---|---|---|---|
100MB |
1.1MB |
175MB |
276MB |
|
100MB |
1.1MB |
760MB |
861MB |
|
100MB |
1.1MB |
500MB |
600MB |
|
カスタム(全コンポーネントがインストールされる) |
100MB |
1.1MB * |
650MB * |
750MB * |
* ディスク領域の要件は、選択されたコンポーネントによって変わります。
注意: Instant ClientのInstant Client Lightコンポーネントのみを構成する場合、関連ファイルを格納するために30〜32MBのディスク領域が必要です。詳細は、「Instant Client Lightの構成」を参照してください。 |
関連項目: 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「NTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限」 |
システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次のようにします。
物理RAMサイズを確認します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、Windowsの「コントロール パネル」で「システム」を開き、「全般」タブを選択します。システムにインストールされている物理RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。
構成済の仮想メモリーのサイズ(ページング・ファイル・サイズ)を確認します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「システム」を開き、「詳細設定」タブを選択し、「パフォーマンス」セクションで「設定」をクリックします。次に、「詳細設定」タブを選択します。「仮想メモリ」セクションに仮想メモリーが示されます。
システムの空きディスク領域量を確認します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」を開き、Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
temp
ディレクトリ内の使用可能なディスク領域の量を確認します。これは、空きディスク領域の合計量から、インストールするOracleソフトウェアに必要な領域量を引いた量に相当します。
temp
ディレクトリで使用可能なディスク領域が100MB未満の場合は、不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が100MB未満である場合は、TEMP
またはTMP
環境変数が別のハード・ドライブの場所を指すように設定します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータで環境変数を変更するには、「システム」を開き、「詳細設定」タブを選択して、「環境変数」をクリックします。
この項の内容は、次のとおりです。
表2-5に、Windows(32-bit)でのOracle Database Clientのソフトウェア要件を示します。
表2-5 Windows(32-bit)のソフトウェア要件
要件 | 説明 |
---|---|
システム・アーキテクチャ |
プロセッサ: Intel(x86)、AMD64、Intel EM64T 注意: Oracle Database Client for Windowsには、32ビット(x86)および64ビット(x64)のバージョンが用意されています。このマニュアルで説明している32ビットのOracle Database Clientバージョンは、x86またはx64ハードウェアの32ビット・バージョンのWindowsで実行されます。64ビットWindows(x64)上の32ビットのOracle Database Clientは、制限付きで動作保証されています。詳細は、次のURLのOracleMetaLinkにアクセスしてください。
|
オペレーティング・システム |
Oracle Database Client for Windowsは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。
Windows NTはサポートされていません。 Windows Multilingual User Interface Packは、Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2、Windows XP ProfessionalおよびWindows Vistaでサポートされています。 |
Pro*Cobolは、Net Express 5.0でテストおよび動作保証されています。 Object Oriented COBOL(OOCOBOL)の仕様はサポートされていません。 注意: このバージョンのPro*Cobolは、Windows x64上においてNet Express 5.0でテストおよび動作保証されています。 次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ .NET 2002 7.0およびMicrosoft Visual C++ .NET 2003 7.1の各コンパイラでサポートされています。
Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。
|
|
ネットワーク・プロトコル |
Oracle Net Foundationレイヤーでは、Oracleプロトコル・サポートを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。
|
表2-6に、Windows x64でのOracle Database Clientのソフトウェア要件を示します。
表2-6 Windows x64のソフトウェア要件
要件 | 説明 |
---|---|
システム・アーキテクチャ |
プロセッサ: AMD64またはIntel(EM64T) 注意: Oracle Database Client for Windowsには、32ビット(x86)および64ビット(x64)のバージョンが用意されています。このマニュアルで説明している64ビットのOracle Database Clientバージョンは、AMD64およびEM64Tハードウェアの64ビット・バージョンのWindowsで実行されます。64ビットWindows(x64)上の32ビットのOracle Database Clientは、制限付きで動作保証されています。詳細は、次のURLのOracle MetaLinkにアクセスしてください。
|
オペレーティング・システム |
Oracle Database Client for Windows x64は、次のオペレーティング・システムでサポートされています。
Windows Multilingual User Interface Packは、Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2、Windows XPおよびWindows Vistaでサポートされています。 |
コンパイラ |
Pro*CobolはNet Express 5.0でサポートされています。 次のコンポーネントは、Windows 2003 Microsoft Platform SDK(またはこれ以上)およびIntelコンパイラ・バージョン8.1でサポートされています。
Microsoft Visual C++ 8(Visual Studio 2005)がOracle C++ Call Interfaceに対してサポートされています。GNU Compiler Collection(GCC)およびObject Oriented COBOL(OOCOBOL)の仕様はサポートされていません。 OCCIライブラリは |
ネットワーク・プロトコル |
Oracle Net Foundationレイヤーでは、Oracleプロトコル・サポートを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。
|
Instant Client Lightを使用する場合は、前の項で説明した要件の他に、アプリケーションで次の言語とキャラクタ・セットを使用する必要があります。
言語: Oracleでサポートされている任意の言語。ただし、クライアント側で発生したエラーには、アメリカ英語のエラー・メッセージのみが返されます。
地域: Oracleでサポートされる地域。
キャラクタ・セット:
シングルバイト
US7ASCII
WE8DEC
WE8ISO8859P1
WE8MSWIN1252
Unicode
UTF8
AL16UTF16
AL32UTF8
Instant Client Lightは、次のデータベース・キャラクタ・セットのいずれかを備えるデータベースに接続できます。クライアントまたはデータベースのキャラクタ・セットとしてリスト以外のキャラクタ・セットが使用されると、エラーが返されます。
US7ASCII
WE8DEC
WE8MSWIN1252
WE8ISO8859P1
WE8EBCDIC37C
WE8EBCDIC1047
UTF8
AL32UTF8
Instant Client Lightは、OCI_UTF16モードで作成されたOCI環境ハンドルでも操作できます。
言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANG
パラメータによって決まります。このパラメータは、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\
KEY_HomeName
\NLS_LANG
サブキーの下のレジストリに格納されています。HomeName
は、Oracleホームを識別する一意の名前です。
このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新バージョンの動作が保証されている場合があるため、動作保証済ハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システム・バージョンの最新リストは、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリクスを確認してください。このWebサイトでは、互換性のあるクライアントおよびデータベースのバージョン、不具合の回避策情報も提供しています。OracleMetaLinkのWebサイトは、次のURLで参照できます。
OracleMetaLinkを使用する前に、オンラインでの登録が必要です。ログイン後、左側の列から「Certify & Availability」を選択します。「Product Lifecycle」ページで、「Certifications」ボタンを選択します。その他の「Product Lifecycle」オプションには、「Product Availability」、「Desupport Notices」および「Alerts」があります。
次の項では、動作保証情報を示しています。
Windows 2000、Windows 2003、Windows Server 2003 R2およびWindows XPにはTelnetサービスが含まれており、これによってリモート・ユーザーは、UNIXの場合と同様にオペレーティング・システムにログインし、コマンドラインを使用してコンソール・プログラムを実行できます。Oracleでは、この機能を使用してSQL*Plus、Export、ImportおよびSQL*Loaderなどのデータベース・コマンドライン・ユーティリティの使用をサポートしていますが、それぞれのGUIツール(Oracle Universal Installer、Database Configuration AssistantおよびOracle Net Configuration Assistantなど)はサポートしていません。
注意: Windowsの「サービス」ユーティリティでTelnetサービスが開始されていることを確認してください。 |
Oracleでは、Windows 2000、Windows 2003、Windows Server 2003 R2、Windows XPおよびWindows Vista上でのターミナル・サービスを介したOracle Databaseのインストール、構成および実行がサポートされます。Oracle Databaseをインストールする場合、あらゆる構成ツールをサーバーのTerminal Serverコンソール・セッションから(mstsc/console
を使用して)開始することをお薦めします。
Windows 2000の場合、Oracleでは、リモートのターミナル・サービス・クライアントからのOracle Database Clientのインストール、構成および実行がサポートされます。管理者モードまたはターミナル・サーバー・モードのリモート・デスクトップでターミナル・サービスを使用するようにWindows 2003を構成できます。Windows XPおよびWindows Vistaの場合、リモート・デスクトップを使用できるのはシングル・ユーザー・モードの場合のみです。
関連項目:
|
次のものを除くすべてのOracle Database Clientコンポーネントは、Windows XPおよびWindows Vistaでサポートされています。
Oracle Services for Microsoft Transaction Serverは、Windows Vistaではサポートされていません。このため、Windows Vista上では、Oracle Services for Microsoft Transaction Serverを使用してMicrosoft Distributed Transaction Coordinator(MSDTC)調整済トランザクションに関与するすべてのOracle Windowsデータ・アクセス・ドライバは、これらの調整済トランザクションに関与できません。このようなデータ・アクセス・ドライバには、Oracle Data Provider for .NET、Oracle Provider for OLE DB、Oracle Objects for OLEおよびODBCなどがあります。Oracle Services for Microsoft Transaction ServerのWindows Vistaでの動作要件の情報は、OracleMetaLinkで確認してください。
Oracle Fail Safe Manager Consoleは、Windows XPではサポートされていますが、Windows Vistaではサポートされていません。
Windows Vista(32-bit)をサポートしているその他のコンポーネント
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET 10.2.0.2.20以上は、Oracle Data Access Components(ODAC)10.2.0.2.21からMicrosoft Vistaに対して動作保証されています。Oracle Data Access Componentsでは、これらの製品が単一のインストールにまとめられており、Oracle Technology Networkからダウンロードできます。
http://www.oracle.com/technology/software/tech/windows/odpnet/index.html
これらのツールは、Microsoft Visual Studio 2005およびMicrosoft Visual Studio .NET 2003のユーザーに対するサポートを提供しています。
次のものを除くすべてのOracle Database Clientコンポーネントは、Windows x64でサポートされています。
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET
Oracle Services for Microsoft Transaction Serverは、Windows Vistaではサポートされていません。このため、Windows Vista上では、Oracle Services for Microsoft Transaction Serverを使用してMicrosoft Distributed Transaction Coordinator(MSDTC)調整済トランザクションに関与するすべてのOracle Windowsデータ・アクセス・ドライバは、これらの調整済トランザクションに関与できません。このようなデータ・アクセス・ドライバには、Oracle Data Provider for .NET、Oracle Provider for OLE DB、Oracle Objects for OLEおよびODBCなどがあります。Oracle Services for Microsoft Transaction ServerのWindows Vistaでの動作要件の情報は、OracleMetaLinkで確認してください。
Oracle Fail Safe Manager Console
SQL Developerを使用して、複数のOracle以外のデータベースのメタデータおよびデータを表示できます。次の表に、サード・パーティ・データベースの動作保証を示します。
データベース | リリース | 注意 |
---|---|---|
Microsoft Access | Access 97
Access 2000 Access 2003 |
任意のAccessリリース: JDBCドライバは必要ありませんが、.mdb ファイルのシステム表に対する読取り権限があることを確認する必要があります。 |
Microsoft SQL Server | SQL Server 7
SQL Server 2000 SQL Server 2005 |
任意のMicrosoft SQL Serverリリース: JDBCドライバjtds-1.2.2.jar が必要です。これは、sourceforge.net から入手できるjtds-1.2-dist.zip に含まれています。 |
MySQL | MySQL 3.x
MySQL 4.x MySQL 5.x |
任意のMySQLリリース: JDBCドライバが必要です。
MySQL 5.x: |
SQL Developerがサポートされるシステムでの推奨CPU、メモリーおよびディスプレイ要件を次に示します。
リソース | 推奨 |
---|---|
オペレーティング・システム | Windows 2000(Service Pack 4)(32-bitのみ)
Windows Server 2003 R2 Windows XP(Service Pack 2) |
CPUタイプおよび速度 | Pentium IV 2GHz以上 |
メモリー | 1GBのRAM(推奨)、256MBのRAM(最低) |
ディスプレイ | 65536色、1024x768以上の解像度 |
Java SDK | JDK 5.0 Update 6以上 |