この章では、Oracle Secure Backupによってファイル・システム・データのバックアップを作成する方法について説明します。ファイル・システムのデータは、物理的ストレージまたは論理的記憶域における、ファイルの集合またはファイル管理構造として定義できます。Oracle Secure Backupはファイル・システム上の全種類のファイルをテープにバックアップできます。たとえば、Oracle Secure Backupを使用してホストまたはOracle Databaseホーム上のルート・ディレクトリをバックアップできます。
SBTインタフェースを介して作成されるRecovery Manager(RMAN)のデータベース・バックアップとは異なり、ファイル・システム・バックアップはOracle Secure Backupによって開始され、ファイル・システム上のあらゆるファイルを対象にできます。
バックアップ・スケジュールを設定して、ファイル・システム・バックアップがユーザー定義の間隔で自動的に発生するようにできます。また、1回かぎりのバックアップであるオンデマンド・バックアップを実行することもできます。スケジュール済およびオンデマンドのファイル・システム・バックアップは、Oracle Secure Backup Webツールまたはobtoolのいずれかを使用して作成できます(Oracle Enterprise Managerでファイル・システム・バックアップを作成または管理することはできません)。この章では、Oracle Secure Backup Webツールを使用する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
この項では、Oracle Secure Backupを使用したファイル・システム・バックアップの概要を説明します。
この項の内容は次のとおりです。
全体バックアップでは、前回のバックアップの時期にかかわらず、指定されたすべてのファイルをバックアップします。増分バックアップは、指定されたファイルのサブセット(前回の全体バックアップまたは増分バックアップ以降に変更されたファイル)をバックアップします。
Oracle Secure Backupは9つのレベルの増分バックアップをサポートします。累積増分バックアップでは、数値がより低いバックアップ・レベルによる最新のバックアップ以降に変更されたファイルのみをバックアップします。たとえば、レベル3累積バックアップでは、レベル2以下の最新のバックアップ以降に変更されたデータのみをコピーします。図5-1は、一連の累積バックアップを示しています。
差分増分バックアップでは、同じレベルかより低いレベル(0〜9)による最新の増分バックアップ以降に変更されたファイルをバックアップします。このオプションはレベル10の増分バックアップと同じです。Oracle Secure Backupでは、Network Appliance Filerなどのネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスを含む、一部のプラットフォームにおけるレベル10のバックアップはサポートしていません。
Oracle Secure Backupに含まれるオフサイト・バックアップ・オプションを使用すると、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えることなく全体バックアップを実行できます。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずに、オフサイト保管用のアーカイブを作成する場合に便利です。
データセット・ファイルは、Oracle Secure Backupがバックアップに含める(または除外する)ファイル・システム・データを定義します。データセット・ファイルは軽量言語を採用しているため、バックアップ対象のデータの定義を柔軟に構築および編成できます。Oracle Secure Backupホームのsamplesサブディレクトリに、いくつかのサンプルのデータセット・ファイルがあります。これらをテンプレートとして使用し、データセット・ファイルを設計できます。
例5-1で示されているサンプル・データセット・ファイルは、brhost2上のディレクトリ/usr1/homeのすべて(/usr1/home/tempおよび/usr1/home/oldfilesディレクトリを除く)と、ディレクトリ/usr2/home全体をバックアップするようにOracle Secure Backupに指示しています。
例5-1 サンプル・データセット・ファイル
exclude name *.backup exclude name *~ include host brhost2 { include path /usr1/home { exclude path /usr1/home/temp exclude path /usr1/home/oldfiles } include path /usr2/home }
データセット・ファイルはディレクトリ構造に階層的に編成されています。図5-2では、オペレーティング・システムまたはOracle Secure Backupカタログの視点からこの構造を参照できます。
データセットのファイルとディレクトリは、Oracle Secure Backupホームのadmin/config/datasetサブディレクトリに格納されます。図5-2の左側に示すとおり、NEW_CLIENTSディレクトリがインストール時にadmin/config/datasetに自動的に作成されています。このディレクトリを使用してデータセット・ファイルを保存できます。
obtoolまたはOracle Secure Backup Webツールのコマンドを実行して、データセットのファイルやディレクトリを作成および管理できます。独自のデータセット・ファイルおよびディレクトリを作成して、それをツリーのような構造に編成します。
関連項目:
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スケジュール済バックアップはバックアップ戦略の基盤です。管理ドメインの設定後の最初のタスクは、環境に合ったバックアップ・スケジュールの選択および構成です。
スケジュール済バックアップでは、バックアップ用の各データセットを指定するバックアップ・スケジュールに基づいて、バックアップを行うようにOracle Secure Backupに指示します。スケジュールで定義されたトリガーによって、ジョブを実行する日時が指定されます。異なるタイム・ゾーンでスケジュールされたジョブは互いに同期されます。
たとえば、クライアント・ホストbrhost2上の/homeディレクトリを毎週日曜日にバックアップするようにOracle Secure Backupに指示します。
図5-3に示すとおり、スケジュール済バックアップ・ジョブの処理は、ジョブを実行できる状態のバックアップ・ウィンドウが存在するかどうかで変わります。バックアップ・ウィンドウは、Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップ・ジョブを実行する時間範囲を表します。
1つのバックアップ・ウィンドウを、ある週のすべての曜日、あるいは、特定の曜日または日付のみに適用できます。デフォルトのバックアップ・ウィンドウは毎日00:00〜24:00です。バックアップ・ウィンドウが閉じている、またはバックアップ・ウィンドウが定義されていない場合、スケジュール済バックアップは実行されません。ジョブの実行中にバックアップ・ウィンドウが閉じたときは、ジョブが終了するまで継続されます。
スケジュール済バックアップ・ジョブは、Oracle Secure Backupスケジューラの権限、つまりLinuxおよびUNIXではroot
、WindowsではLocal
System
で実行されます。
オンデマンド・バックアップでは、指定したデータの1回かぎりのバックアップを行うようにOracle Secure Backupに指示します。たとえば、クライアント・ホストbrhost2上のOracleホームをバックアップするようにOracle Secure Backupに指示します。オンデマンド・バックアップでは、バックアップ・ウィンドウが開いている必要はありません。
オンデマンド・バックアップ・ジョブは、特権モードまたは非特権モードで実行できます。特権バックアップは、LinuxおよびUNIXのroot
ユーザーのアイデンティティの下で実行されます。Windowsシステムでは、特権バックアップはWindowsクライアント上のOracle Secure Backupサービスと同じアカウントのアイデンティティの下で実行されます。特権バックアップを実行するには特権ユーザーとしてのバックアップ実行(perform
backups
as
privileged
user
)権限が必要です。
非特権バックアップは、Oracle Secure Backupユーザー・プロファイルに構成されているLinuxまたはUNIXのユーザーのアイデンティティまたはWindowsアカウントのアイデンティティで実行されます。ファイル・システム・データへのアクセスは、LinuxまたはUNIXのユーザーIDまたはWindowsのアカウントのアイデンティティの権限で制御されます。
関連項目:
|
ファイル・システム・バックアップがネットワーク障害、停電、予定外のシステム・シャットダウン、テープ・メディア・エラーなどの予想外の出来事によって失敗した場合、Oracle Secure Backupは通常、バックアップを最初からやりなおします。ただし、障害発生後の中間ポイントから再開が可能なバックアップ・タイプもあります。
バックアップは次の条件に合致した場合に再開が可能です。
バックアップ・クライアントが、Data ONTAP 6.4以上で稼働するNetwork Appliance Filerであること。
バックアップ・イメージが、ネットワーク・データ管理プロトコル(NDMP)バージョン3以上を使用するサーバーで管理されているテープ・ドライブに保存されていること。
operations
クラスのrestartablebackups
ポリシーが有効であること。これはデフォルトの設定です。
バックアップが、再開可能なポイントに達していること。
チェックポイントは、バックアップの中間ポイントとそこからの再開方法を示す状態情報の集合です。各チェックポイントの一部の情報はOracle Secure Backup管理サーバー上に存在しますが、その他の情報はクライアント・ホストに存在します。
注意: バックアップの再開機能を使用する場合は必ず、管理サーバーの/tmpディレクトリが、十分な空き領域を持つパーティション上にあるようにしてください。 |
各バックアップ・ジョブの開始時に、そのバックアップが中間ポイントから再開可能かどうかOracle Secure Backupは自動的に判断します。再開が可能な場合は、バックアップの再開に後で使用できるチェックポイントがOracle Secure Backupによって定期的に確立されます。それぞれの新規チェックポイントが記録された後、前のチェックポイントは破棄されます。
実行するジョブの検討時に、Oracle Secure Backupスケジューラは、終了する前に中断してしまった再開可能なジョブを探します。再開可能なジョブが見つかると、スケジューラはそれを再開し、中断が起こったときに使用中だった同じボリュームと同じテープ・ライブラリのテープ・ドライブを使用します。
管理サーバーは、管理ドメインに対するバックアップおよびリストア操作に関連するメタデータを保存するカタログを保持します。obtoolまたはOracle Secure Backup Webツールを使用してカタログを参照し、バックアップしたものを判断できます。
Oracle Secure BackupカタログはRMANとバックアップ・メタデータを共有するために統合されますが、RMANリカバリ・カタログとは別です。RMANリカバリ・カタログはOracleデータベース・ファイルに格納され、RMANとは別個に保持されます。
Oracle Secure BackupはSBTインタフェースによってファイル・システム・バックアップまたはデータベース・バックアップを実行するとき、バックアップ対象のオブジェクトの名前と属性を記録します。このデータは管理サーバー上に格納されているカタログに書き込まれます。
Oracle Secure Backupは、管理ドメイン内のすべてのクライアントに対して個別のバックアップ・カタログを保持します。各ホストに対するカタログは、クライアント名が付けられたadmin/history/hostのサブディレクトリに保存されます。たとえば、admin/history/host/brhost2には、クライアント・ホストbrhost2というクライアントに対するカタログが保存されます。カタログそのものは、indices.curというバイナリ・ファイルです。
リストアするバックアップを指定するには、必要な権限がある場合は、obtoolまたはOracle Secure Backup Webツールを使用して任意のクライアントのバックアップ・カタログの内容を参照します。Oracle Secure Backupユーザーがメンバーとして属するクラスによって、カタログを参照する権限が定義されます。
カタログを参照する際、Oracle Secure Backupでは、データの保存元のクライアントにおけるファイル・システム・ツリーの形式でデータが表示されます。ファイル・システムのルートには、スーパーディレクトリと呼ばれる架空のディレクトリが現れ、これには頂点のファイル・システム・レベルから保存されたファイルとディレクトリがすべて含まれます。Oracle Secure Backupは、カタログに保存されているすべてのトップ・レベルのファイル・システム・オブジェクトにアクセスできる開始ポイントとして、このディレクトリを使用します。
通常、カタログのスーパーディレクトリにはUNIXおよびLinuxシステムのrootディレクトリのみが含まれます。Windowsシステムでは、バックアップを行った各トップ・レベルのファイル・システム(ドライブ文字とコロンで識別される)が含まれます。
Oracle Secure Backupカタログには、各バックアップに保存されたそれぞれのファイル・システム・オブジェクトの記録が含まれます。ディレクトリの存在は暫定的であり、内容も時間経過とともに変わります。たとえば、昨日ディレクトリとしてバックアップされたオブジェクトの名前が、今日のバックアップではファイルを指し、明日のバックアップではシンボリック・リンクを指す可能性もあります。Oracle Secure Backupではオブジェクト・タイプにおけるこのような変更をすべて適宜追跡します。
Oracle Secure Backupには、バックアップ・カタログの参照時に選択したデータに対する時間の影響を制御するために次の2つの方法が用意されています。
バックアップ・カタログを参照してリストア対象のデータを選択するとき、表5-1に示されているデータ・セレクタの中の1つを使用して、バックアップされたデータの特定のインスタンスを選択できます。データ・セレクタは明示的または暗黙的に、所定のデータを含む各バックアップ・イメージ・セクションの識別情報を示しています。
表5-1 データ・セレクタ
セレクタ | 説明 |
---|---|
|
一番新しいファイル・システム・オブジェクトを示します。 |
|
一番古いファイル・システム・オブジェクトを示します。 |
|
ファイル・システム・オブジェクトのすべてのインスタンスを示します。 |
<バックアップID> |
バックアップIDで識別されるバックアップ・セクションに含まれるインスタンスを示します。 バックアップ・カタログ内で、Oracle Secure Backupは各バックアップ・イメージ・セクションを数字によるバックアップIDで識別します。バックアップIDは、バックアップの時間系列に関係なく割り当てられます。たとえば、バックアップID 25がホスト上のルート・ディレクトリの月曜日のバックアップを表す一方で、バックアップID 6は火曜日のバックアップを表す場合があります。 |
<日付-時間> |
指定した日付および時間までのバックアップで存在したファイル・システム・オブジェクトを示します。 |
<日付-範囲> |
2つの日付-時間の値の間にバックアップされたすべてのオブジェクトを示します。 |
ファイル・システム・オブジェクトに適用する際、データ・セレクタは、そのファイル・システム・オブジェクトが保存されているバックアップ・イメージ・セクションの0以上のアイデンティティを渡します。
関連項目: データ・セレクタの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
バックアップ・データの特定のインスタンスに対するデータ・セレクタの適用方法を示す例として、/numbersというディレクトリを5月の月初の3日間、毎日バックアップすると仮定してください。/numbersの内容は毎日変わります。
表5-2に、バックアップされるファイルと、それが書き込まれるボリュームおよびバックアップ・イメージ・ファイルを示します。5月1日と5月2日のバックアップはボリュームFULL-02
に書き込まれています。5月3日のバックアップでは、file2.datの書込み中にボリュームFULL-03
がいっぱいになりました。Oracle Secure BackupはボリュームFULL-04
で5月3日のバックアップを引き続き行い、file2.datの残りを書き込んでから、file4.datを書き込みます。
表5-2 /numbersディレクトリのバックアップ
日付 | /numbersの内容 | バックアップのボリュームとイメージ | バックアップID |
---|---|---|---|
5/1/05 |
file1.dat file2.dat file3.dat |
ボリュームFULL-02、ファイル5 |
20 |
5/2/05 |
file2.dat file3.dat |
ボリュームFULL-02、ファイル9 |
30 |
5/3/05 |
file1.dat file2.dat |
ボリュームFULL-03、ファイル3、セクション1 |
40 |
file2.dat file4.dat |
ボリュームFULL-04、ファイル3、セクション2 |
46 |
表5-3に、ファイル・システムのオブジェクト参照における各データ・セレクタの影響を示します。
表5-3 /numbersディレクトリのバックアップに対するデータ・セレクタ
データ・セレクタ | オブジェクト参照 | 選択されるバックアップ・イメージ・セクション(バックアップID) |
---|---|---|
latest |
|
FULL-04、ファイル3、セクション2(46) |
latest |
|
FULL-03、ファイル3、セクション1(40)とFULL-04、ファイル3、セクション2(46) |
latest |
|
FULL-03、ファイル3、セクション1(40)とFULL-04、ファイル3、セクション2(46) |
earliest |
|
FULL-02、ファイル5(20) |
earliest |
|
FULL-02、ファイル5(20) |
all |
|
FULL-02、ファイル5(20)とFULL-02、ファイル9(30)とFULL-03、ファイル3、セクション1(40)とFULL-03、ファイル3、セクション2(46) |
all |
|
FULL-02、ファイル5(20)とFULL-03、ファイル3、セクション1(40) |
20,30 |
|
FULL-02、ファイル5、セクション1(20) |
20, 30 |
|
FULL-02、ファイル5(20)とFULL-02、ファイル9(30) |
05/05 |
|
(なし) |
05/05 |
|
FULL-02、ファイル9(30) |
05/04-05/05 |
|
(なし) |
05/04-05/05 |
|
FULL-02、ファイル5(20) |
05/04-05/05 |
|
FULL-02、ファイル5(20)とFULL-02、ファイル9(30) |
カタログ表示モードはデータ・セレクタから独立しています。Oracle Secure Backupは、カタログ・ディレクトリを検索または表示するたびに、表示モードを参照します。表示モードの設定は、Oracle Secure BackupのWebツールまたはコマンドライン・インタフェースから管理します。次の2つの表示モードがあります。
包括的
ディレクトリを包括的モードで参照すると、そのディレクトリからバックアップされたすべてのファイル・システム・オブジェクトの名前が表示されます。データ・セレクタは無視されます。たとえば、表5-2の/numbersディレクトリの一覧には、包括的モードではfile1.dat、file2.dat、file3.datおよびfile4.datが表示されます。
この表示動作は、ユーザーが次の処理を行っていないことが前提です。
いずれかのバックアップ・イメージの上書き
バックアップ・カタログの手動によるクリーンアップ
いずれかのバックアップ・カタログ・データを廃棄することのOracle Secure Backupへの明示的な指示
完全一致
ディレクトリを完全一致モードで参照すると、データ・セレクタで識別されたディレクトリの内容のみが表示されます。表示モードを完全一致モードに設定すると、表5-3のlatest
設定では、file1.dat、file2.datおよびfile4.datのみが表示されます。
一部のネットワーク・データ管理プロトコル(NDMP)のデータ・サービスは、ディレクトリとそのコンテンツのバックアップのみを提供します。つまり、明示的に個々のファイルをバックアップできません。個々のファイルおよびディレクトリ・ツリーは、いずれもリストアできます。この状況は、Network ApplianceのData ONTAPに当てはまります。
バックアップ管理には、すべてのサイトに対して有効で単一の最良な方法はないため、Oracle Secure Backupでは、バックアップの実行方法に柔軟性を持たせています。サイトでバックアップを実行する最良の方法を決定する際には、次のような複数の要因を考慮する必要があります。
バックアップする必要があるデータの量
大量のデータをバックアップする必要があるときは、通常、全体バックアップと増分バックアップのなんらかの組合せを検討します。増分バックアップは、バックアップするデータ量を制御できるため、バックアップ・イメージに必要なボリューム数だけでなく、バックアップの実行に必要な時間も減らすことができます。各データセット・ファイルに、バックアップの対象にする必要があるパス名しか含まれていないことを確認してください。
管理側またはユーザーが全体バックアップを要求する頻度
データのリストアが必要になる頻度
リストア操作を1日に何回も必要になる場合や、まれにしか必要でない場合があります。データのリストアが頻繁に必要な場合は、リストアに必要な時間を削減するために、全体バックアップを頻繁に実行することもあります。しかし、リストア操作をまれにしか実行しない場合は、全体バックアップをより少ない頻度で実行して、時間、メディアおよびディスク領域を節約することがあります。
バックアップおよびリストア操作の実行に費やす時間
スケジュールに全体バックアップが組み込まれる頻度が高いときは、通常、バックアップの実行に費やす時間はより多く、データのリストアに費やす時間はより少なくなります。スケジュールに全体バックアップが組み込まれる頻度がより低いときは、通常、バックアップの実行に費やす時間はより少なく、データのリストアに費やす時間はより多くなります。
使用可能なディスク領域の量
Oracle Secure Backupカタログ・ファイルは、管理サーバーのOracle Secure Backupホームに格納されます。1つの管理サーバーで使用可能なディスク領域より多くのディスク領域が必要な場合、複数の管理ドメインを使用することがあります。
全体バックアップを作成する場合、Oracle Secure Backupは、前回のバックアップ後にデータが変更されたかどうかに関係なくすべてのデータをコピーします。全体バックアップは、レベル0の増分バックアップに相当します。
増分バックアップを作成する場合、Oracle Secure Backupは、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。累積増分バックアップは、より下位のレベルで、増分バックアップ後に変更があったデータのみをコピーします。たとえば、レベル3の増分バックアップは、レベル2のバックアップ後に変更があったデータのみをコピーします。差分増分バックアップは、レベル10の増分バックアップに相当し、同位またはより下位のレベルで、増分バックアップ後に変更があったデータをコピーします。
増分バックアップは、時間およびメディア領域を節約する効果がありますが、データのリストアに要するメディアの使用および時間は増大します。全体バックアップのみを実行した場合は、最新のバックアップ・イメージのコンテンツをリストアしさえすれば特定のツリーを完全にリストアできます。しかし、増分バックアップを使用した場合は、複数のバックアップ・イメージのリストアが必要になることがあります。
典型的な計画では、累積バックアップを使用します。たとえば、レベル0のバックアップを作成した後、連日レベル3のバックアップを繰り返します。選択するレベル番号は任意です。重要なのは、番号が1〜9のいずれかで、毎夜同じ値であることです。累積バックアップ計画のメリットは、ディレクトリをリストアするのに必要なものが、レベル0のバックアップと必要な日付のレベル3のバックアップが1つのみということです。
差分増分バックアップは、同位またはより下位のレベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルをバックアップします。差分バックアップ計画を使用するメリットは、より少ないデータが毎夜バックアップされるため、要する時間とテープの使用がより少なくなることです。デメリットは、ディレクトリのリストアにより多くのバックアップが必要になることです。
データの使用方法およびデータのリストアが必要なタイミングを分析することによって、バックアップに対するコストとリストアに対するコストの間のトレードオフが考慮されたバックアップ・スケジュールを作成できます。次の例に、累積バックアップ・スケジュールを作成する1つの方法を示します。
クライアントc_host上の/dataファイル・システム・ツリーに対するほとんどの変更が、ある週に発生するとします。週末には、変更はたとえあったとしてもほんの少ししか発生しません。この状況で、次のスケジュールを使用するとします。
日曜日の夜に全体バックアップ(レベル0)を実行
日曜日のバックアップ後に行われた変更を取得するために、月曜日、火曜日、水曜日および木曜日の夜にレベル1の増分バックアップを実行
木曜日のバックアップ後に行われた変更を取得するために、金曜日の夜にレベル2の増分バックアップを実行
このバックアップ・スケジュールの場合、月曜日に/dataをリストアするには、日曜日の全体バックアップ時に書き込まれたボリュームのみが必要になります。火曜日〜金曜日に/dataをリストアするには、日曜日に作成された全体バックアップと最新の増分バックアップのボリュームが必要になります。土曜日または日曜日に/dataをリストアするには、日曜日に作成された全体バックアップ、木曜日に作成された増分バックアップ、および金曜日に作成された増分バックアップのボリュームが必要です。
この項では、Oracle Secure Backupのバックアップ対象となるファイル・システム・データを記述するデータセット・ファイルの作成方法について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
データセット・ファイルを構成する際に、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリのsamplesサブディレクトリにあるデータセット・ファイルを詳しく調べておくと参考になる場合があります。サンプル・データセット・ファイルには、*.ds拡張子が使用されています。
典型的な計画では、バックアップするホストごとにデータセット・ファイルを1つ作成します。たとえば、管理ドメインにクライアント・ホストbrhost2、brhost3およびbrhost4があるとします。次の例に示すように、データセット・ファイルbrhost2.ds、brhost3.dsおよびwinhost1.dsを作成します。各例では、コア・ダンプおよびエディタのバックアップ・ファイルが除外されています。
例5-2には、ホストbrhost2上の/、/usrおよび/homeファイル・システム内のすべてのファイルが含まれています。ただし、コア・ダンプおよびエディタのバックアップ・ファイルは除外されています。
例5-2 brhost2.ds
include host brhost2 { exclude name core exclude name *.bak exclude name *~ include path / include path /usr include path /home }
例5-3には、ホストbrhost3上の/および/usrファイル・システム内のすべてのファイルが含まれています。ただし、コア・ダンプおよびエディタのバックアップ・ファイルは除外されています。
例5-3 brhost3.ds
include host brhost3 { exclude name core exclude name *.bak exclude name *~ include path / include path /usr }
例5-4には、ホストwinhost1上のC:\Documents and Settingsフォルダ内のすべてのファイルが含まれています。ただし、ログ・ファイルは除外されています。
例5-4 winhost1.ds
include host winhost1 include path "C:\Documents and Settings" { exclude name *.log }
注意: "C:\Documents and Settings" のように空白を含むパス名は、一重引用符または二重引用符で囲んでください。 |
Oracle Secure Backupでデータをバックアップする際は、バックアップのコンテンツを記述するデータセット・ファイルの名前を指定します。例5-5では、obtoolを使用して3つのバックアップ・ジョブを土曜日の朝にスケジュールしています。
例5-5 3つのバックアップのスケジュール
ob> mksched --dataset brhost2.ds --day saturday --time 08:00 brhost2.sch ob> mksched --dataset brhost3.ds --day saturday --time 09:00 brhost3.sch ob> mksched --dataset winhost1.ds --day saturday --time 10:00 winhost1.sch
別の方法として、データセット・ディレクトリを作成し、データセット・ファイルをそのディレクトリに保存します。次に、そのデータセット・ディレクトリを指定するバックアップをスケジュールします。これは、ディレクトリ・ツリー内に格納されているすべてのデータセット・ファイルを指定することに相当します。たとえば、brhost2.ds、brhost3.dsおよびwinhost1.dsを含むデータセット・ディレクトリbrhostを作成すると、次のようにバックアップをスケジュールできます。
ob> mksched --dataset brhost --day saturday --time 08:00 brhost.sch
同じファイル・システム構造を使用するホストが多数ある場合、すべてのホストを指定するデータセット・ファイルを1つ作成できます。例5-6のbrhosts.dsデータセット・ファイルでは、ホストbrhost2、brhost3およびbrhost4上の/および/homeファイル・システムのバックアップを指定しています。
例5-6 brhosts.ds
include host brhost2 include host brhost3 include host brhost4 include path / include path /home
次のようにバックアップをスケジュールできます。
ob> mksched --dataset brhosts.ds --day saturday --time 08:00 brhosts.sch
テープ・デバイス障害やクライアント・ホストが使用不可など、異常なイベントが発生しないかぎり、Oracle Secure Backupは、データセット・ファイルにリストされた順にホストを、同じメディア・サーバー上の同じボリューム・セットにバックアップしようとします。
関連項目: データセット構文およびデータセットの例は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
「バックアップ」ページで、「データセット」をクリックすると、図5-4に示すページが表示されます。このページには、すべてのデータセット・ファイルおよびデータセット・ディレクトリがリスト表示されます。データセット・ディレクトリは、スラッシュが名前の最後の文字として付き、「パス」リストに表示されます。すべてのデータセット構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してデータセット・ファイルを追加するには、次のようにします。
「「データセット」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: データセット」ページが表示されます。
「追加」をクリックします。
「バックアップ: データセット > 新規データセット」ページが表示されます。
データセット・タイプ・リストで「ファイル」または「ディレクトリ」を選択します。
「名前」フィールドにデータセット・ファイルの名前を入力します。
新規データセット・ファイルを作成する際、データセットの初期コンテンツは、データセット・テンプレートによって定義されます。テンプレート・ファイルに表示されるデータセット文を更新して、バックアップ・データを定義します。
WindowsやUNIXファイル・システムと同様、Oracle Secure Backupのデータセット・ファイルはネーミング・ツリーに編成されます。データセット・ファイルを整理しやすいように、必要に応じてデータセット・ディレクトリを作成することができます。データセット・ディレクトリは、10レベルの深さまでネストできます。
Oracle Secure Backupでデータをバックアップする際は、データを定義するデータセット・ファイルの名前を指定します。データセット・ディレクトリの名前を指定すると、データセット・ディレクトリ・ツリー内に格納されているすべてのデータセット・ファイルを指定することに相当します。
関連項目: データセット構文およびデータセットの例は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
注意: 一部のNDMPデータ・サービスは、ディレクトリとそのコンテンツのバックアップのみを提供します。つまり、明示的に個々のファイルをバックアップできません。個々のファイルおよびディレクトリ・ツリーは、いずれもリストアできます。この状況は、Network ApplianceのData ONTAPに当てはまります。 |
「保存」をクリックします。
「バックアップ: データセット」ページに正常終了のメッセージが表示され、データセット・ファイルが「データセット」リストに表示されます。
この項では、データセット・ファイルにエラーがないかをチェックする方法について説明します。データセット・ファイルをチェックする際、構文チェックを実行し、データセット言語の使用が正しいかどうかデータセット・パーサーに問い合せます。データセット・ファイルは、編集中いつでもチェックできます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してデータセット・ファイルのエラーをチェックするには、次のようにします。
「「データセット」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: データセット」ページが表示されます。
「パス」リストでデータセット・ファイルを選択し、「データセットのチェック」をクリックします。
注意: データセット・ディレクトリではなく、データセット・ファイルのみチェックできます。 |
データセット構文にエラーがない場合は、確認を示すメッセージが表示されます。
表示されるエラーをすべて修正し、データセット構文を再チェックします。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して既存のデータセット・ファイルのパラメータを編集するには、次のようにします。
「「データセット」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: データセット」ページが表示されます。
「パス」リストでデータセット・ファイルを選択し、「オープン」をクリックします。
「バックアップ: データセット > dataset_name」ページが表示されます。
必要に応じてデータセット・テンプレートを変更し、「保存」をクリックします。
このページではデータセット・ファイルの名前は変更できません。データセット・ファイルの名前を変更する場合は、「データセットの名前の変更」を参照してください。
Oracle Secure Backupによって、データセット・ファイルにエラーがないか自動的にチェックされます。エラーが見つからない場合は、「バックアップ: データセット」ページに正常終了のメッセージが表示されます。エラーが見つかった場合は、「データセット・ファイルのチェック」を参照してください。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してデータセット・ファイルまたはデータセット・ディレクトリの名前を変更するには、次のようにします。
「「データセット」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: データセット」ページが表示されます。
「パス」リストでデータセット・ファイルまたはディレクトリを選択し、「名前の変更」をクリックします。
新しいページが表示されます。
dataset_nameの変更フィールドにデータセット・ファイルまたはディレクトリの新しい名前を入力し、「はい」をクリックします。
「バックアップ: データセット」ページに正常終了のメッセージが表示され、データセット・ファイルまたはディレクトリが「パス」リストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してデータセット・ファイルまたはデータセット・ディレクトリを削除するには、次のようにします。
「「データセット」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: データセット」ページが表示されます。
「パス」リストでデータセット・ファイルまたはディレクトリを選択し、「削除」をクリックします。
「削除」をクリックします。
確認ページが表示されます。
「はい」をクリックし、データセット・ファイルまたはディレクトリを削除します。
「バックアップ: データセット」ページに正常終了のメッセージが表示され、選択したデータセット・ファイルまたはディレクトリが「パス」リストに表示されなくなります。
この項では、バックアップ・ウィンドウについて説明します。バックアップ・ウィンドウとは、Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップ・ジョブを実行できる、ユーザー指定の時間範囲です。デフォルトのバックアップ・ウィンドウは毎日00:00〜24:00ですが、使用している環境で必要な場合のみ変更してください。
この項の内容は次のとおりです。
「構成」ページで「拡張」セクションの「バックアップ・ウィンドウ」をクリックすると、図5-5のようなページが表示されます。すべてのバックアップ・ウィンドウの作成および構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してバックアップ・ウィンドウを追加するには、次のようにします。
「バックアップ・ウィンドウ・ページの表示」の手順を実行します。
「構成: バックアップ・ウィンドウ」ページが表示されます。
「追加」をクリックします。
「タイプ」リストで、バックアップ・ウィンドウのタイプを選択します。選択肢は次のとおりです。
日の範囲
日付
手順3で日の範囲を選択した場合は、バックアップ・ウィンドウに設定する日を選択します。選択肢は次のとおりです。
毎日
このオプションは、バックアップ・ウィンドウを週の各日に設定する場合に選択します。
平日
このオプションは、バックアップ・ウィンドウを月曜日〜金曜日に設定する場合に選択します。
週末
このオプションは、バックアップ・ウィンドウを土曜日および日曜日に設定する場合に選択します。
手順3で「日付」を選択した場合は、バックアップを実行する日付を「月」、「日」および「年」フィールドに指定します。
「時間範囲」フィールドに、バックアップ・ジョブを実行する日のローカル時間範囲を入力します。この時間は24時間形式で表されます。
Oracle Secure Backupは、この時間範囲内に各スケジュール済バックアップを開始します。
「時間範囲」オプションは、hour:minute:secondという書式の時刻指定子または4桁の時間/分指定子です。たとえば、4桁の指定子1430は午後2:30を表します。時間範囲は24時間形式で表されます。時間範囲はローカル時間に基づきます。サマータイムは、ロケールに適用される場合に考慮されます。
バックアップ・ウィンドウのクローズ時間になると、Oracle Secure Backupはすでに開始しているすべてのバックアップを完了します。ウィンドウが再度オープンされないかぎり、バックアップは開始されません。
クローズ時間がオープン時間より前になる場合、Oracle Secure Backupでは、クローズ時間が次の日を指していると想定します。たとえば、20:00-11:00は、オープン時間は午後8:00、クローズ時間は翌日の午前11:00であることを示しています。
「OK」をクリックし、新しいバックアップ・ウィンドウを追加します。
「構成: バックアップ・ウィンドウ」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいバックアップ・ウィンドウがリストに表示されます。追加したバックアップ・ウィンドウと既存のバックアップ・ウィンドウで時間範囲のみが異なる場合、新しいバックアップ・ウィンドウはリストに個別のエントリとして表示されません。既存のバックアップ・ウィンドウの2つ目の時間範囲値として表示されます。
たとえば、時間範囲が12:00-12:30の毎日のバックアップ・ウィンドウが存在しているときに、時間範囲が14:00-14:30の毎日のバックアップ・ウィンドウを追加すると、「構成: バックアップ・ウィンドウ」ページの表示は次のようになります。
daily 12:00-12:30, 14:00-14:30
Oracle Secure Backup Webツールを使用して既存のバックアップ・ウィンドウを削除するには、次のようにします。
「バックアップ・ウィンドウ・ページの表示」の手順を実行します。
「構成: バックアップ・ウィンドウ」ページが表示されます。
削除するバックアップ・ウィンドウを選択します。
「削除」をクリックします。
確認ページが表示されます。
「はい」をクリックし、バックアップ・ウィンドウを削除します。
「構成: バックアップ・ウィンドウ」ページに正常終了のメッセージが表示され、選択したバックアップ・ウィンドウがリストに表示されなくなります。
1つのバックアップ・ウィンドウ・タイプに対して複数の時間範囲がある場合、それらすべてが削除されます。1つまたは複数の時間範囲を残しておく場合は、追加しなおす必要があります。
この項では、バックアップ・スケジュールを作成および構成する方法について説明します。バックアップ・スケジュールは、どのデータをいつバックアップするかをOracle Secure Backupに指示します。バックアップ・スケジュールには、次の内容を指定します。
バックアップ・ジョブを実行する週、月、四半期または年単位の日。
バックアップを開始する(各日の)時間。
使用するメディア・ファミリの名前。
Oracle Secure Backupは、メディア・ファミリ名からバックアップに使用するのに適当なボリューム・セットの特性を使用します。
この項の内容は次のとおりです。
バックアップ・スケジュールを構成する基本手順は次のとおりです。
admin
または管理ドメインの構成の変更(modify
administrative
domain's
configuration
)権限を持つOracle Secure Backupユーザーとして管理ドメインにログインします。
関連項目: 管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration )権限の詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
実行するバックアップごとにデータセット・ファイルを作成します。
データセット・ファイルとは、バックアップのコンテンツ、すなわちバックアップの対象となるファイルおよびディレクトリを記述するテキスト・ファイルです。管理ドメイン内のホスト用にデータセット・ファイルを作成し、各ホストのバックアップの対象となるパスを指定できます。
少なくとも1つのバックアップ・ウィンドウを作成します。
この手順はオプションです。バックアップ・ウィンドウとは、Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップを実行できる時間範囲です。バックアップ・ウィンドウが存在しない場合、スケジュール済バックアップは実行されません。デフォルトのバックアップ・ウィンドウは毎日00:00〜24:00ですが、使用している環境で必要な場合のみ変更してください。
バックアップ・スケジュールを作成します。
バックアップ・スケジュールは、データセット、メディア・ファミリ、バックアップ優先度などを指定します。
少なくとも1つのトリガーを作成します。
トリガーとは、スケジュール済バックアップが実行される日時です。バックアップ・スケジュールを作成し、そのスケジュールに対してトリガーを構成しない場合、バックアップは発生しません。
「バックアップ」ページで「スケジュール」をクリックすると、図5-6に示すページが表示されます。すべてのバックアップ・スケジュールの作成および構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してバックアップ・スケジュールを追加するには、次のようにします。
「「スケジュール」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール」ページが表示されます。
「追加」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール > 新規スケジュール」ページが表示されます。
「スケジュール」フィールドにスケジュールの名前を入力します。
入力する名前は、英数字で始める必要があります。使用できる文字は英数字、ダッシュ、アンダースコアまたはピリオドです。空白は使用できません。最大文字数は127文字です。
「優先度」フィールドにバックアップ・ジョブの優先度の数値を入力します。
ジョブの優先度は正の整数値です。値が低ければ低いほど、スケジューラによってジョブに割り当てられる重要性は高くなります。スケジューラは、重要性が低いジョブより重要性が高いジョブのディスパッチを優先します。デフォルトの優先度は100です。
「データセット」リストで、バックアップ・ジョブに含めるデータセット・ファイルまたはデータセット・ディレクトリを選択します。
制限フィールドに制限を入力します。
この手順はオプションです。スケジュール済バックアップを特定のテープ・デバイスに制限できます。制限を選択しない場合は、スケジュールによって定義されたバックアップは、Oracle Secure Backupのスケジュール・システムの判断でメディア・サーバー上の使用可能なあらゆるテープ・デバイスを使用できます。
バックアップ・スケジュールと一緒に格納する情報があれば「コメント」フィールドに入力します。
この手順はオプションです。
「OK」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいバックアップ・スケジュールがスケジュールのリストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して既存のバックアップ・スケジュールのプロパティを編集または表示するには、次のようにします。
「「スケジュール」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール」ページが表示されます。
「スケジュール」ページで、編集または表示するスケジュールを選択し、「編集」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name」ページが表示されます。
必要に応じて変更します。
このページではバックアップ・スケジュールの名前は変更できません。バックアップ・スケジュールの名前を変更するには、「バックアップ・スケジュールの名前の変更」を参照してください。
「適用」をクリックして、変更を適用します。「バックアップ: スケジュール > schedule_name」ページは閉じません。
「OK」をクリックして、変更した内容を確定します。
「バックアップ: スケジュール」ページに正常終了のメッセージが表示され、編集したスケジュールがスケジュールのリストに表示されます。
「トリガー」をクリックし、バックアップ・スケジュールにトリガーを定義します。
トリガーとは、スケジュール済バックアップが実行対象となるカレンダベースの時間です。1つ以上のトリガーがないと、スケジュールしたバックアップは実行されません。
変更を行わずに「バックアップ: スケジュール」ページに戻るには、「取消」をクリックします。
「適用」をすでにクリックした場合は、「取消」をクリックしても、要求した変更内容は元に戻りません。「適用」をクリックした後で考えが変わった場合は、必要な値を再び入力してから適用」または「OK」をクリックしてください。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して既存のバックアップ・スケジュールを削除するには、次のようにします。
「「スケジュール」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール」ページが表示されます。
削除するバックアップ・スケジュールをスケジュールのリストから選択し、「削除」をクリックします。
新しいページに確認メッセージが表示されます。
「はい」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール」ページに正常終了のメッセージが表示され、選択したバックアップ・スケジュールがスケジュールのリストに表示されなくなります。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してバックアップ・スケジュールの名前を変更するには、次のようにします。
「「スケジュール」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール」ページが表示されます。
名前を変更するバックアップ・スケジュールをスケジュールのリストから選択し、「名前の変更」をクリックします。
新しいページが表示されます。
schedule_nameの変更フィールドにバックアップ・スケジュールの新しい名前を入力し、「はい」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しい名前のバックアップ・スケジュールがスケジュールのリストに表示されます。
この項では、バックアップ・トリガーを作成および構成する方法について説明します。トリガーとは、スケジュール済バックアップが実行対象となるカレンダベースの時間です。たとえば、月の第1および第3日曜日にバックアップが実行対象となるように指定できます。複数のトリガーを1つのバックアップ・スケジュールに追加できます。1つ以上のトリガーがないと、スケジュールしたバックアップは実行されません。
1回かぎりのバックアップや日次から年次まで様々な間隔のバックアップを実行するトリガーを作成できます。
この項の内容は次のとおりです。
Oracle Secure Backup Webツールの「トリガー」ページを表示するには、次のようにします。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してワンタイム・バックアップ・トリガーを作成するには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」リストから「1回限り」を選択します。
「バックアップ・レベル」リストからバックアップ・レベルを選択します。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、「増分」バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、「増分」オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト保管用のバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
バックアップ開始時間の時と分のリストで、バックアップを開始する時間を選択します。
時間は24時間形式です。
「メディア・ファミリ」リストで、このスケジュール済バックアップのデータが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
「有効期限」フィールドにバックアップ・ジョブの有効期限を入力します。
「月」、「日」および「年」の各リストで、ワンタイム・バックアップを実行する日付を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいトリガーがトリガーのリストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して日次バックアップ・トリガーを作成するには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」リストから「日」を選択します。
「バックアップ・レベル」リストからバックアップ・レベルを選択します。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、「増分」バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、「増分」オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト保管用のバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
バックアップ開始時間の時と分のリストで、バックアップを開始する時間を選択します。
時間は24時間形式です。
「メディア・ファミリ」リストで、このスケジュール済バックアップのデータが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
「有効期限」フィールドにバックアップ・ジョブの有効期限を入力します。
Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップを実行する日を選択します。
毎日を選択
このオプションは、バックアップを週7日すべて実行するようにトリガーする場合に選択します。
平日を選択
このオプションは、バックアップを月曜日〜金曜日に実行するようにトリガーする場合に選択します。
週末を選択
このオプションは、バックアップを土曜日と日曜日に実行するようにトリガーする場合に選択します。
あるいは、「平日を選択」と「週末を選択」の両オプションから、実行するスケジュール済バックアップをトリガーできる曜日を任意の組合せで選択できます。たとえば、月曜日、火曜日および土曜日にバックアップをトリガーすることができます。
「月の週」グループから、バックアップ・スケジュールを月のどの週に実行するかを限定するオプションを選択します。次のいずれかを選択します。
すべて
このオプションは、すべての週を対象にする場合に選択します。
選択済
このオプションは、対象となる週を指定する場合に選択します。たとえば、月の第1週にバックアップをトリガーするには、「第1」を選択します。
除外リストで、平日の例外を指定します。
例外を指定すると、指定した日にデータのバックアップは実行されなくなります。選択肢は次のとおりです。
なし(デフォルト)
このオプションは、例外がないことを指定する場合に選択します。
除外
このオプションは、例外を認める場合に選択します。
「時間」リストで、例外の時間を選択します。選択肢は次のとおりです。
次より前
このオプションは、特定の日より前に例外を指定する場合に選択します。
次より後
このオプションは、特定の日より後に例外を指定する場合に選択します。
日の指定リストで、例外の日を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいトリガーがトリガーのリストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して月次バックアップ・トリガーをスケジュールするには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」リストから「月」を選択します。
「バックアップ・レベル」リストからバックアップ・レベルを選択します。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、「増分」バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、「増分」オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト保管用のバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
バックアップ開始時間の時と分のリストで、バックアップを開始する時間を選択します。
時間は24時間形式です。
「メディア・ファミリ」リストで、このスケジュール済バックアップのデータが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
「有効期限」フィールドにバックアップ・ジョブの有効期限を入力します。
「月単位の日」グループで、月単位の日を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいトリガーがトリガーのリストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して四半期バックアップ・トリガーをスケジュールするには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」リストから「四半期」を選択します。
「バックアップ・レベル」リストからバックアップ・レベルを選択します。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、「増分」バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、「増分」オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト保管用のバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
バックアップ開始時間の時と分のリストで、バックアップを開始する時間を選択します。
時間は24時間形式です。
「メディア・ファミリ」リストで、このスケジュール済バックアップのデータが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
「有効期限」フィールドにバックアップ・ジョブの有効期限を入力します。
次のオプションのいずれかを選択します。
四半期単位の日(日01〜92)
このオプションは、四半期単位の日を指定する場合に選択します。日92は、四半期に92日ない場合でも最終日として処理されます。
四半期単位の月日
四半期単位の月(01、02、03)および月単位の日を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいトリガーがトリガーのリストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して年次バックアップ・トリガーを作成するには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」リストから「年」を選択します。
「バックアップ・レベル」リストからバックアップ・レベルを選択します。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、「増分」バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、「増分」オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト保管用のバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
バックアップ開始時間の時と分のリストで、バックアップを開始する時間を選択します。
時間は24時間形式です。
「メディア・ファミリ」リストで、このスケジュール済バックアップのデータが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
「有効期限」フィールドにバックアップ・ジョブの有効期限を入力します。
次のオプションのいずれかを選択します。
年単位の日
このオプションは、年単位の日(1〜366)を指定する場合に選択します。
毎年の日付
このオプションは、月(1〜12)および日(1〜31)を指定する場合に選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいトリガーがトリガーのリストに表示されます。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してトリガーを編集するには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
編集するトリガーをトリガーのリストで選択し、「編集」をクリックします。
必要に応じて変更します。
「適用」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、編集したトリガーがトリガーのリストに表示されます。
注意: 既存のトリガーとわずかに異なる新しいトリガーを簡単に追加するには、既存のトリガーを編集してから「追加」をクリックします。 |
Oracle Secure Backup Webツールを使用してトリガーを削除するには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
削除するトリガーを選択し、「削除」をクリックします。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページに正常終了のメッセージが表示され、該当のトリガーがトリガーのリストに表示されなくなります。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してトリガー・スケジュールを表示するには、次のようにします。
「「トリガー」ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ: スケジュール > schedule_name > トリガー」ページが表示されます。
表示するトリガーを選択し、「プレビュー」をクリックします。
この項の内容は次のとおりです。
オンデマンド・バックアップは、データセット内のデータの非定型または1回かぎりのバックアップです。オンデマンド・バックアップは、スケジュール済バックアップを補完する以外に、管理ドメインが正しく構成されているかどうかをテストするのに役立ちます。
オンデマンド・バックアップを作成する基本手順は次のとおりです。
データセットを作成し、バックアップするファイルを指定します。
データセット・ファイルを作成するには、管理ドメインの構成の変更(modify
administrative
domain's
configuration
)権限が必要です。
バックアップを実行する権限およびバックアップ対象データへのアクセスに必要なUNIX/LinuxまたはWindowsアカウントを持つOracle Secure Backupユーザーとして、管理ドメインにログインします。
非特権バックアップを実行するには自分によるバックアップ実行(perform
backups
as
self
)権限が、特権バックアップを実行するには特権ユーザーとしてのバックアップ実行(perform
backups
as
privileged
user
)権限が必要です。
少なくとも1つのバックアップ・リクエストを作成します。
Oracle Secure Backupは、各バックアップ・リクエストがスケジューラに送信されるまで、Oracle Secure Backup Webツールまたはobtoolのセッションでローカルに保存します。この状態では、バックアップは実行対象となりません。
バックアップ・リクエストのリストで、確認、削除または追加を行います。
この手順はオプションです。
キューに入れられたバックアップ・リクエストをすべてOracle Secure Backupのスケジューラに送信します。
スケジューラに送信すると、リクエストはジョブとなり実行対象となります。
Oracle Secure Backup Webツールの「バックアップ」ページで「すぐにバックアップ」をクリックすると、図5-8に示すページが表示されます。このページには、スケジューラにまだ送信していない作成済の各バックアップ・リクエストが表示されます。バックアップ・リクエストは、バックアップ名および番号によって識別されます。
すべてのオンデマンド・バックアップの作成および構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
関連項目: obtoolのバックアップ・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
Oracle Secure Backup Webツールを使用してオンデマンド・バックアップ・リクエストを追加するには、次のようにします。
「すぐにバックアップ・ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ:すぐにバックアップ」ページが表示されます。
「追加」をクリックします。
「バックアップ:すぐにバックアップ > オプション」ページが表示されます。
「データセット」リストでデータセット・ファイルまたはデータセット・ディレクトリを選択します。
「バックアップ日」および「バックアップ時間」のリストで、バックアップを実行する未来の日時を選択します。
これらのフィールドを変更しないままにすると、バックアップ・ジョブは即時実行の対象としてみなされます。
「有効期限」フィールドと単位のリストを使用して時間間隔を入力します。
このオプションは、先に「バックアップ日」および「バックアップ時間」のリストに定義した日時の後、指定された有効期間内に開始されなければ自動的にこのバックアップ・ジョブを期限切れにするようにOracle Secure Backupに指示します。
デフォルトでは、有効期限は「無効」(失効しない)に設定されます。
関連項目: 詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
「バックアップ・レベル」リストからバックアップ・レベルを選択します。選択肢は次のとおりです。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、「増分」バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、「増分」オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト保管用のバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
「メディア・ファミリ」リストで、このバックアップが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
制限フィールドにこのバックアップの制限を入力します。特定のテープ・デバイスを選択できます。[Shift]を押しながらクリックして一連のテープ・デバイスを選択したり、[Ctrl]を押しながらクリックしてテープ・デバイスを1つずつ追加選択したりすることもできます。制限には、次の書式を使用します。
<デバイス>
このフォームで、特定のテープ・デバイスを指定します。
@<ホスト名>
このフォームで、指定のホストに接続されたすべてのテープ・ドライブを指定します。
<デバイス>@<ホスト名>
このフォームで、ドライブとホストの接続を指定します。
テープ・デバイスを選択しないと、Oracle Secure Backupはテープ・デバイス・ポーリングを使用して、バックアップおよびリストア操作で使用できるテープ・デバイスを検出します。
「優先度」リストにバックアップ・ジョブの優先度を入力します。
ジョブの優先度は正の整数値です。この値が低ければ低いほど、スケジューラによってジョブに割り当てられる優先度は高くなります。たとえば、優先度20のジョブは、優先度100のジョブより重要であるとみなされます。スケジューラは、常に優先度が低いジョブより優先度が高いジョブのディスパッチを優先します。デフォルト値は100です。
バックアップを非特権モードと特権モードのどちらで操作するかを選択します。非特権モードがデフォルトです。
次の暗号化オプションのいずれかを選択します。
はい
このオプションは、バックアップが暗号化されることを指定します。
いいえ
このオプションは、バックアップが暗号化されないことを指定します。これはデフォルトです。
強制オフ
このオプションは、バックアップが暗号化されないことを指定し、ホストで必要な暗号化設定を上書きします。
一時
このオプションは、ユーザー指定の1回かぎりのパスフレーズを使用してOracle Secure Backupによってバックアップが暗号化されることを指定します。このオプションを選択した場合は、暗号化アルゴリズムのオプションを選択し、パスフレーズの指定フィールドにパスフレーズを入力することも必要です。
「OK」をクリックします。
「バックアップ:すぐにバックアップ」ページに正常終了のメッセージが表示され、新しいバックアップ・リクエストがリクエストのリストに表示されます。
この項では、スケジューラにまだ送信していない作成済のバックアップ・リクエストをOracle Secure Backup Webツールを使用して削除する方法について説明します。
Oracle Secure Backup Webツールを使用してバックアップ・リクエストを削除するには、次のようにします。
「すぐにバックアップ・ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ:すぐにバックアップ」ページが表示されます。
リストからバックアップ・リクエストを選択し、「削除」をクリックします。
「バックアップ:すぐにバックアップ」ページに正常終了のメッセージが表示され、選択したバックアップ・リクエストがバックアップ・リクエストのリストに表示されなくなります。
Oracle Secure Backup Webツールを使用して、すべての保留中バックアップ・リクエストをスケジューラに送信するには、次のようにします。
「すぐにバックアップ・ページの表示」の手順を実行します。
「バックアップ:すぐにバックアップ」ページが表示されます。
「実行」をクリックします。
ページの中央に表示される各バックアップ・リクエストがOracle Secure Backupのスケジューラに送信されます。
「バックアップ:すぐにバックアップ」ページに、スケジューラで認識されたリクエストごとにメッセージが表示されます。次に例を示します。
backup request 1 (dataset datadir.ds) submitted; job id is admin/6.
各バックアップ・リクエストは、スケジューラが受け入れた時点でOracle Secure Backupよって削除されます。そのため、「実行」操作が完了すると、ページにはリクエストが表示されなくなります。
「管理ドメイン、カタログ・データおよび構成ファイル」では、管理ドメインの管理データの重要性について説明しています。管理サーバー上に格納されたクリティカル・データを失うと、管理ドメインの構成データだけでなくすべてのバックアップおよびボリュームの記録も失います。
Oracle Secure Backupは、定期的な自動カタログ・バックアップ・ジョブを実行するようにインストール時に構成されます。構成は必要ではありませんが、バックアップ管理者は、Oracle Secure Backupカタログ・リカバリを拡張してカスタマイズできます。