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Oracle Secure Backupインストレーションおよび構成ガイド
リリース10.2
E06040-02
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E Oracle Secure BackupとACSLS

この付録では、Oracle Secure BackupでのStorageTek自動化カートリッジ・システム・ライブラリ・ソフトウェア(ACSLS)のサポートについて説明します。ACSLSは、1つ以上の自動化カートリッジ・システムのテープ・ライブラリを制御するサーバー・ソフトウェアのパッケージです。

この付録の内容は次のとおりです。

ACSLSの概要

図E-1は、クライアント・システム、ライブラリ・ストレージ・モジュール(LSM)および単一のライブラリ管理ユニット(LMU)からなる構成へのACSLSの組込みを示しています。LSMは、カートリッジ・スロット、ロボティック・アーム、パススルー・ポート、カートリッジ・アクセス・ポートおよびテープ・ドライブで構成されるハードウェアです。LMUは、ACSLSとLSM間のハードウェア・インタフェースです。

図E-1 ACSLSサーバーを接続したライブラリ

図E-1の説明が続きます
「図E-1 ACSLSサーバーを接続したライブラリ」の説明

ACSLSには、次の利点があります。

ACSLSとOracle Secure Backup

ACSLSボリュームは、カートリッジと呼ばれます。カートリッジは、カートリッジ・アクセス・ポイントからロードとアンロードが行われます。Oracle Secure Backupのobtoolデバイス・コマンドのmkdevchdevlsdevおよびrmdevは、これらのカートリッジ・アクセス・ポイントを管理するように変更されています。


注意:

ACSLSは、obtoolでのみ制御できます。Oracle Secure Backup WebツールやOracle Enterprise Managerでは、ACSLSはサポートされていません。


関連項目:


ACSLSでは、すべてのボリュームを外部バーコード・ラベルによって参照します。すべてのACSボリュームにはこのラベルが必要です。Oracle Secure Backupでは、引き続きオペレータは、記憶域要素ボリューム・ラベルおよびバーコード・ラベルでこれらのACSボリュームにアクセスできます。


注意:

ACSLSでは、物理的なバーコードが付いていない仮想テープをサポートします。しかし、Oracle Secure Backupでは、ACSシステム内の仮想テープはサポートされません。Oracle Secure Backupでは、ACSシステム内のすべてのカートリッジに読取り可能なバーコードが正しく貼られている必要があります。

ACSLS内のスクラッチ・プールの概念は、まさにブランク・テープです。テープはテープ・ドライブにマウントされると、スクラッチ・プール・アイデンティティが削除され、永続メディア・ファミリを取得して、事前にラベル付けしたボリュームと機能的に同じになります。Oracle Secure Backupでは、メディア・ファミリに対する拡張機能によりスクラッチ・プールをサポートし、既存のメディア・ファミリ機能により、この概念を維持します。また、ボリュームのラベルが解除されると、ボリュームはそのメディア・ファミリに割り当てられたスクラッチ・プールに戻されます。

ACSLSには、コマンドとボリュームに対して、オプションのアクセス制御メカニズムがあります。このオプションのアクセス制御ユーザーIDは、obtoolのmkdevコマンドまたはchdevコマンドで定義できます。

ACSLSシステムは、複数のクライアントでの共有を意図したものであるため、テープ・ドライブのクリーンアップは、ACSLSによって管理およびメンテナンスが行われます。

ACSLSとの通信

Oracle Secure Backupでは、ACSLS以外のテープ・ライブラリとの通信にobrobotdデーモンを使用します。ACSLSテープ・ライブラリとの通信には、obacslibdとobacsssidという2つのデーモンが使用されます。obacslibdデーモンからobacsssidが生成され、ACSLSサーバーとの通信に使用されます。

ドライブのアソシエーション

ACSテープ・ドライブ以外のテープ・ドライブをインストールすると、Oracle Secure Backupではテープ・ドライブをメディア・サーバーに接続し、そのテープ・ドライブ用の適切なオペレーティング・システム・ドライバをインストールして、Oracle Secure Backup内にデバイスを作成し、オペレーティング・システム・デバイスをOracle Secure Backupデバイスにマップする必要があります。ACSLSに対して同じ手順が必要です。他に、mkdevコマンドまたはchdevコマンドを使用して、テープ・ドライブのACSLSマッピングを定義する必要もあります。必要な追加情報は、acslsmpanelおよびdriveです。

ボリュームのロードおよびアンロード

マウントおよびディスマウント用のドライブ識別は、テープ・ドライブ名によって行われます。

ACSLSでは常に、ボリュームをそのバーコードによって識別します。Oracle Secure BackupではこのバーコードをボリュームIDに関連付けるため、どちからを指定できます。マッピングができないと、リクエストは対応するロギングによって拒否されます。

インポートおよびエクスポート

exportvolコマンドは、ACSLSの使用に適合するように変更されました。つまり、個々のACSカートリッジ・アクセス・ポート(CAP)のスロットは指定できませんが、CAP名に基づいてCAP全体を選択できます。

テープを取り出すリクエストが作成されると、CAPをオープンし、カートリッジ・ローダーを空にして、その空の状態でカートリッジ・ローダーが再び挿入されるまで、リクエストは戻りません。各ACSテープ・ライブラリを制御するobacslibdデーモンは1つしかないので、CAPがクリアされるまで、他のテープ・ライブラリ操作は許可されません。CAPがクリアされるまで未処理のリクエストが待機する時間は、maxacsejectwaittimeポリシーで制御できます。

Oracle Secure Backupでは、ACSLSテープ・ライブラリ用のimportvolコマンドはサポートされていません。ACSLS cmd_procユーティリティを使用して、ボリュームをテープ・ライブラリに挿入できます。

アクセス制御

ACSLSではオプションで、ユーザーが発行できるコマンドや、アクセスできるボリュームに対するファイングレイン・アクセス制御を使用できます。ACSLSアクセス制御の設定は、ACSLSコンソールで行われます。Oracle Secure Backupでは、ACSLSのアクセス制御の設定、変更または表示はサポートされていません。

ACSLSアクセス制御を有効にすると、ユーザーはACSデバイスにアクセスするための正しいacsls_access_idを持つ必要があります。Oracle Secure Backupは、このacsls_access_idobtoolmkdevコマンドまたはchdevコマンドで定義)をOracle Secure Backupデバイス・オブジェクトにマップします。

スクラッチ・プールの管理

ACSLSを使用することで1つ以上のスクラッチ・プールを定義し、そこに空またはリサイクルされるボリュームを割り当てることができます。その後のスクラッチ・マウント・リクエストは、リクエストで指定されたプール内のボリュームに制限されます。Oracle Secure Backupには、メディア・ファミリ・オブジェクトのスクラッチ・プールID(オプション)による同様の機能があります。

スクラッチ・プールからボリュームが引き出されると、Oracle Secure Backupでは、ボリューム・ヘッダーが書き込まれた時点で、ボリュームに永続メディア・ファミリのラベルが自動的に付けられます。事前にlabelvolコマンドでボリュームにラベルを付ける必要はありません。これにより、テープ・ライブラリ内のテープの区別が永続的になります。

unlabelvol操作が実行されると、テープは、メディア・ファミリの現行定義内で定義されているスクラッチ・プールに戻されます。

Oracle Secure Backupでは、スクラッチ・プールの作成、スクラッチ・プールへのカートリッジの挿入、またはスクラッチ・プールからのカートリッジの取出しはサポートされていません。これらの操作は、ACSLSコンソールで実行する必要があります。

変更されたOracle Secure Backupコマンド

次のOracle Secure Backupコマンドは、ACSLSテープ・ライブラリ用に変更されています。


関連項目:

デバイス、ライブラリおよびメディア・ファミリobtoolコマンドの構文およびセマンティックスは、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。

サポートされていないOracle Secure Backupコマンド

次のOracle Secure Backupコマンドは、ACSLSテープ・ライブラリではサポートされていません。

インストールおよび構成

ACSLSサーバーに関連付けられたOracle Secure Backupメディア・サーバーも、Linux 32ビット・メディア・サーバーである必要があります。

Oracle Secure Backupインストールでは、ACSLSハードウェアおよびソフトウェアが正しくインストールされ、構成されているものと想定します。Oracle Secure Backupのインストール手順では、ACSLS構成ファイルの作成や変更は行われません。

Oracle Secure Backupは、ACSテープ・デバイスを他のデバイスと区別なく処理します。Oracle Secure Backupデバイス・ドライバが(ある場合は)インストールされ、特殊デバイス・ファイルが作成されます。データ・パスは、Oracle Secure Backupによってのみ制御されます。ACSLSは関係ありません。

ACSLSデバイス用のOracle Secure Backupオブジェクトの作成は、obtoolmkdevコマンドで次の変更により実行されます。


関連項目:

mkdevの構文およびセマンティックスは、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。