E RMANメディア管理パラメータ

この付録では、RMANバックアップ・ジョブおよびリストア・ジョブに指定できるOracle Secure Backup固有のメディア管理パラメータについて説明しています。RMANバックアップ・ジョブにメディア管理パラメータを指定する方法は、次のとおりです。

環境変数。環境変数を設定するには、CONFIGUREコマンドまたはALLOCATE CHANNELコマンドのPARMSオプションのENVパラメータを使用します。
RMAN SENDコマンド。

この項では、RMANジョブで有効なOracle Secure Backupパラメータについて説明します。

次のトピックについて説明します。

データベース・バックアップ記憶域セレクタおよびRMANメディア管理パラメータ
OB_DEVICE[_n]
OB_MEDIA_FAMILY[_n]
OB_RESOURCE_WAIT_TIME

データベース・バックアップ記憶域セレクタおよびRMANメディア管理パラメータ

mksselコマンドで作成するデータベース・バックアップ記憶域セレクタと、OB_DEVICEとOB_MEDIA_FAMILY RMANメディア管理パラメータのいずれを使用しても、デバイスおよびメディア・ファミリの制限を構成できます。表E-1では、Oracle Secure BackupがRMANバックアップ・ジョブ用にメディア・ファミリおよびデバイスを選択する際に使用する基準について説明しています。

表E-1 メディア・ファミリおよびデバイスの設定の決定

一致するセレクタ	セレクタでのデバイスの設定	ジョブでのOB_DEVICEの設定	ジョブでのOB_MEDIA_FAMILYの設定	結果
○	○	×	×	Oracle Secure Backupは、バックアップ記憶域セレクタでのデバイス設定、およびメディア・ファミリの設定を使用します。
○	○または×	○	○	Oracle Secure Backupは、RMANチャネル・パラメータでのデバイスおよびメディア・ファミリの設定を使用します。
○	○または×	○	×	Oracle Secure Backupは、`OB_DEVICE`の設定、およびセレクタで指定したメディア・ファミリを使用します。
○	○	×	○	Oracle Secure Backupは、セレクタでのデバイス設定、およびRMANチャネル・パラメータでのメディア・ファミリ設定を使用します。
○	×	×	○	Oracle Secure Backupは、デバイスを制限せず（すなわち、ドメインで任意のデバイスを選択して）、RMANチャネル・パラメータでのメディア・ファミリ設定を使用します。
×	N/A	○	×	Oracle Secure Backupは、`OB_DEVICE`の設定、および`RMAN-DEFAULT`メディア・ファミリを使用します。
×	N/A	×	×	Oracle Secure Backupは、デバイスを制限せず（すなわち、ドメインで任意のデバイスを選択して）、`RMAN-DEFAULT`メディア・ファミリを使用します。

OB_DEVICE[_n]

OB_DEVICE[_n]パラメータを使用して、どのテープ・デバイスがバックアップに使用できるかを定義します。

制限と使用方法

RMANジョブにOB_DEVICE[_n]を指定するに当たり、次の点に留意してください。

このパラメータはリストア・ジョブに影響しません。
チャネルはテープ・ドライブのみに制限でき、テープ・ライブラリには制限できません。
表E-1では、Oracle Secure BackupがRMANバックアップ・ジョブ用にメディア・ファミリおよびデバイスを選択する際に使用する基準について説明しています。

構文

OB_DEVICE::=

OB_DEVICE[_n][=]drive_name

意味

_n: 二重化バックアップのコピー番号を指定します。二重化バックアップでは、最初のコピーにはOB_DEVICE_1、2番目のコピーにはOB_DEVICE_2、というように指定します。
drive_name: バックアップの制限先となるテープ・ドライブの名前を指定します。

例

例E-1では、SENDコマンドを使用して、テープ・ドライブを指定しています。パラメータOB_DEVICEとテープ・ドライブ名の間に等号が挿入されていないことに注意してください。

例E-1 SENDコマンドを使用したSBTバックアップ

RUN
{
  ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt;
  SEND 'OB_DEVICE tape2';
  BACKUP TABLESPACE users;
}

例E-2は、PARMSを使用してOracle Secure Backupメディア・ファミリ・パラメータを設定している点以外は、例E-1と同じバックアップを行っています。パラメータOB_DEVICEと値my_full_backupsの間に等号が挿入されていることに注意してください。

例E-2 ENVパラメータを使用したSBTバックアップ

RUN
{
   ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt
     PARMS 'ENV=(OB_DEVICE=tape2)';
   BACKUP TABLESPACE users;
}

OB_MEDIA_FAMILY[_n]

OB_MEDIA_FAMILY[_n]パラメータを使用して、どのメディアがバックアップ・ジョブに使用できるかを定義します。

制限と使用方法

RMANジョブにOB_MEDIA_FAMILY[_n]を指定するに当たり、次の点に留意してください。

このパラメータはリストア・ジョブに影響しません。
コンテンツ管理されたメディア・ファミリのみを指定できます。デフォルトでは、RMANはRMAN-DEFAULTメディア・ファミリを使用します。
表E-1では、Oracle Secure BackupがRMANバックアップ・ジョブ用にメディア・ファミリおよびデバイスを選択する際に使用する基準について説明しています。

構文

OB_MEDIA_FAMILY::=

OB_MEDIA_FAMILY[_n][=]media_family_name

意味

_n: 二重化バックアップのコピー番号を指定します。二重化バックアップでは、最初のコピーにはOB_MEDIA_FAMILY_1、2番目のコピーにはOB_MEDIA_FAMILY_2、というように指定します。
media_family_name: メディア・ファミリの名前を指定します。

例

例E-3では、SENDコマンドを使用して、RMANデータベース・バックアップでmy_full_backupsメディア・ファミリを指定しています。パラメータOB_MEDIA_FAMILYと値datafile_mfの間に等号が挿入されていないことに注意してください。

例E-3 SENDコマンドを使用したSBTバックアップ

SEND 'OB_MEDIA_FAMILY datafile_mf';
BACKUP TABLESPACE users;

例E-4は、PARMSを使用してOracle Secure Backupメディア・ファミリ・パラメータを設定している点以外は、例E-3と同じバックアップを行っています。パラメータOB_MEDIA_FAMILYと値datafile_mfの間に等号が挿入されていることに注意してください。

例E-4 ENVパラメータを使用したSBTバックアップ

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt PARMS
  'ENV=(OB_MEDIA_FAMILY=datafile_mf)';
BACKUP TABLESPACE users;

OB_RESOURCE_WAIT_TIME

OB_RESOURCE_WAIT_TIMEパラメータを使用すると、必要なリソースが使用可能になるまでに、バックアップ・ジョブまたはリストア・ジョブが待機する時間を指定できます。

制限と使用方法

RMANリソース待機時間は次の各場所で指定できますが、このリストにおいて、先行する指定よりも後続の指定の方が優先されますので注意してください。

rmanresourcewaittimeポリシー
RMANバックアップ・ジョブに対応するデータベース・バックアップ記憶域セレクタのwaittime属性
RMANチャネル構成パラメータOB_RESOURCE_WAIT_TIME

構文

OB_RESOURCE_WAIT_TIME::=

OB_RESOURCE_WAIT_TIME=duration

意味

duration: リソースとしてのテープが使用可能になるまでOracle Secure Backupが待機する時間を指定します。durationプレースホルダの有効な値の詳細は、「duration」を参照してください。

例

例E-5では、SENDコマンドを使用して、リソースとしてのテープが使用可能になるまで、リストア・ジョブが最大10分間待機するように指定しています。パラメータOB_RESOURCE_WAIT_TIMEと値の間に等号が挿入されていないことに注意してください。

例E-5 SENDコマンドを使用したSBTリストア

RUN
{
  ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt;
  SEND 'OB_RESOURCE_WAIT_TIME 1minute';
  RESTORE ARCHIVELOG ALL;
}

例E-6では、ENVパラメータを使用して、構成されたチャネルでの待機時間を指定しています。パラメータOB_RESOURCE_WAIT_TIMEと値の間に等号が挿入されていることに注意してください。

例E-6 ENVパラメータを使用したSBTリストア

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt PARMS
  'ENV=(OB_RESOURCE_WAIT_TIME=1minute)';
RESTORE ARCHIVELOG ALL;