この章では、Oracle SQL Developer(SQL Developer)について説明します。内容は次のとおりです。
SQL Developerは、Microsoft SQL Server環境からOracle Databaseへのデータおよびアプリケーションの移行を簡略化するツールです。 SQL Developerを使用すると、統合されたビジュアル環境にアプリケーション・システム全体(トリガーおよびストアド・プロシージャを含むデータベース・スキーマ)を迅速かつ簡単に移行できます。
注意: このマニュアルでは、特に指定がないかぎり、Microsoft SQL ServerはMicrosoft SQL Server 6.5、Microsoft SQL Server 7.0およびMicrosoft SQL Server 2000を示します。 |
SQL Developerを使用すると、Microsoft SQL ServerデータベースをOracle Databaseに移行できます。 SQL Developerでは、移行プロセスを簡略化するため、直観的で有益なユーザー・インタフェースを使用しています。
SQL Developerは、リポジトリを使用して、移行情報を格納します。これによって、移行前のアプリケーションの元の状態を問い合せることができます。最初にアプリケーション・システムの移行可能なコンポーネントをリポジトリにロードしておくことによって、本番アプリケーションから切り離して作業できます。
また、SQL Developerは、変換中のコンポーネントの依存性に関する有効な情報を保存します。 たとえば、SQL Developerは、ストアド・プロシージャによってアクセスされたすべての表の記録を保存します。この情報を使用して、指定した表を変更した場合の影響を把握できます。
SQL Developerリリース1.2には、主要となる機能およびMicrosoft SQL Serverの移行固有の機能が含まれています。 SQL Developerを使用すると、次のことができます。
Oracle DatabaseへのMicrosoft SQL Serverデータベース全体の移行
Oracleへのグループ、ユーザー、表、主キー、外部キー、一意制約、索引、規則、チェック制約、ビュー、トリガー、ストアド・プロシージャ、ユーザー定義型および権限の移行
単一のOracle DatabaseへのMicrosoft SQL Serverの複数のソース・データベースの移行
ストアド・プロシージャ、トリガーまたはビューのパーサーのカスタマイズ
オフラインでのデータ・ロードのためのOracle SQL*LoaderおよびSQL ServerのBCPスクリプトの生成
ソース・データベースおよび移行先のOracle Databaseの説明の表示
移行の概要レポートの生成および表示
ユーザー、表、索引および表領域のカスタマイズ
デフォルトのデータ型のマッピング・ルールのカスタマイズ
ANSI準拠の名前の作成
Oracleの予約語などの競合の自動解消
Oracleモデルのオブジェクトの削除およびオブジェクト名の変更
SQL Developerの説明では、次の用語が使用されます。
Oracleモデル(Oracle Model): ソース・モデルの情報から作成される一連のOracle表。Oracle環境で生成された際にソース・データベースがどのようになるかを視覚的に表す。
Software Development Kit(SDK)(Software Development Kit(SDK)): ソフトウェア開発者が使用可能なサービスを提供する、正しく定義された一連のアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)。
移行エンティティ(Migration Entity): 移行コンポーネントのインスタンス。EMP表は、移行コンポーネント表に属する移行エンティティ。
移行コンポーネント(Migration Component): アプリケーション・システムのOracle Databaseへ移行可能な部分。移行コンポーネントの例には、表およびストアド・プロシージャがある。
移行先データベース(Destination Database): SQL Developerがソース・データベースのデータ・ディクショナリを移行する場合の宛先となるOracle Database。
移行リポジトリ(Migration Repository): SQL Developerがソース・データベースの移行で必要とする永続情報の格納に使用されるOracle Databaseの領域。
依存性(Dependency): 2つの移行エンティティ間の関係を定義するために使用される。たとえば、データベース・ビューは、そのビューが参照する表に依存する。
ソース・データベース(Source Database): SQL Developerによって移行されるアプリケーション・システムのデータ・ディクショナリを含むデータベース。 ソース・データベースは、Oracle以外のデータベース(Microsoft SQL Serverなど)。
ソース・モデル(Source Model): ソース・データベースのデータ・ディクショナリのレプリカ。 Oracle SQL Developer Repositoryに格納され、SQL Developerによってソース・データベースのデータ・ディクショナリの内容とともにロードされる。
ナビゲータ・ペイン(Navigator Pane): SQL Developerユーザー・インタフェースの一部で、ソース・モデルおよびOracleモデルを表すツリー・ビューを含む。
プログレス・ウィンドウ(Progress Window): SQL Developerユーザー・インタフェースの一部で、移行プロセスの進捗を示す情報メッセージ、エラー・メッセージまたは警告メッセージを含む。
プロパティ・ペイン(Properties Pane): SQL Developerユーザー・インタフェースの一部で、ナビゲータ・ペインのいずれかのツリー・ビューで選択された移行エンティティのプロパティを表示する。