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Oracle TimesTen In-Memory Database APIおよびSQLリファレンス・ガイド
リリース6.0
B25770-02
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ttBackup

説明

データ・ストアのバックアップ・コピーを作成します。このバックアップ・コピーは、後でttRestoreユーティリティを使用してリストアできます。バックアップ時にデータ・ストアが使用中の場合にttBackupを有効にするには、共有モードにする必要があります。TimesTenのバックアップとリストア機能の概要は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のデータ・ストアのバックアップとリストアに関する項を参照してください。データ・ストア内の表の所有者名を変更するには、ttMigrateユーティリティを使用します。表のリストア時に-renameオプションを使用して表の所有者名を変更できます。

アクセス制御

アクセス制御がTimesTenのインスタンスに対して有効である場合、このユーティリティではADMIN権限またはデータ・ストア・オブジェクトの所有権が必要です。接続文字列またはDSNに認証情報が指定されない場合、続行する前にユーザーIDおよびパスワードの入力が求められます。

構文
ttBackup [-h | -help | -?] 
ttBackup [-V | -version] 
ttBackup [-type backupType] 
[-dir directory] [-fname fileprefix] [-force]
{-connStr connection_string | DSN}  
オプション

ttBackupには次のオプションがあります。

-connStr 
connection_string 
データ・ストア名、サーバー名とDSN(必要に応じて)および関連する接続属性を含むODBC接続文字列。
DSN 
バックアップするデータ・ストアのODBCデータソース名を指定します。
-dir directory 
バックアップ・ファイルが格納されるディレクトリを指定します。
-fname fileprefix 
バックアップ・ディレクトリのバックアップ・ファイルのファイル接頭辞を指定します。このオプションのデフォルト値は、データ・ストアのODBC定義のDataStoreパラメータのファイル名の部分です。
-force 
指定したディレクトリにバックアップを強制的に作成します。そのディレクトリにバックアップがすでに存在している場合は、ttBackupによって上書きされます。このオプションが指定されていない場合、ttBackupは既存のファイルを上書きせずに終了メッセージを返して終了します。
-h
-help 
-? 
使用方法のメッセージを出力して終了します。
-type
backupType 
実行するバックアップの種類を指定します。指定可能な値は次のとおりです。
fileFull: directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスで、ファイルの全体バックアップを実行します(デフォルト)。作成されたバックアップは、増分バックアップでは使用できません。
fileFullEnable: directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスでファイルの全体バックアップを実行します。作成されたバックアップは、増分バックアップで使用できます。
fileIncremental : directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスにデータ・ストアの増分可能バックアップが含まれている場合は、そのバックアップ・パスでファイルの増分バックアップを実行します。それ以外の場合は、エラーが返されます。
fileIncrOrFull: directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスにデータ・ストアの増分可能バックアップが含まれている場合は、そのバックアップ・パスでファイルの増分バックアップを実行します。それ以外の場合は、データ・ストアのファイルの完全バックアップを実行し、増分可能のマークを付けます。
streamFull: 標準出力するストリーム・バックアップを実行します。
incrementalStop: バックアップを実行しません。directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスに対して、増分バックアップを無効にします。これにより、増分バックアップでログ・ファイルが蓄積することを回避します。
-V | -version  
ttBackupのリリース番号を出力し、終了します。

FastInsデータ・ストアのファイルの完全バックアップをバックアップ・ディレクトリusers/pat/TimesTen/backupsに対して実行するには、次のコマンドを使用します。

ttBackup -type fileFullEnable
         -dir /users/pat/TimesTen/backups FastIns 
 

FastInsデータ・ストアをFastIns.backファイルにコピーするには、次のコマンドを実行します。

ttBackup -type streamFull FastIns > FastIns.back

UNIXでFastInsデータ・ストアをバックアップ・テープに保存するには、次のコマンドを実行します。

ttBackup -type streamFull FastIns | dd bs=64k of=/dev/rmt0

origDSNというデータ・ストアをディレクトリ/users/rob/tmpにバックアップし、それをrestoredDSNというデータ・ストアにリストアするには、次のコマンドを実行します。

ttBackup -type fileFull          -dir /users/rob/tmp -fname restored origDSN ttRestore -dir /users/rob/tmp -fname restored restoredDSN
注意

増分バックアップが有効になっている場合、TimesTenではログ・ファイルにバックアップ保持が作成されます。この保持は、ttLogHolds組込みプロシージャを使用して参照できます。バックアップ保持は、後続の増分バックアップでバックアップするログ・レコードを判断する場合に使用されます。前回の増分バックアップ以降の変更内容のみが更新されます。ただし、バックアップ保持を作成すると、その保持が別の増分バックアップの実行によって進められるまで、または増分バックアップを無効にすることによって削除されるまで、チェックポイント処理時にログ・ファイルを消去できなくなります。

ttBackupが、ディスクレス・ロギングを使用したり、ロギングをオフにしているデータ・ストアのバックアップに使用される場合、バックアップ・ファイルには、最新のチェックポイントの前にコミットされたトランザクションのみが反映されます。最新のチェックポイントの後にコミットされたトランザクションは、バックアップに反映されません。

このユーティリティは、TimesTen Data Managerがインストールされている場合にのみサポートされます。

一時データ・ストアはバックアップできません。

関連項目

ttBulkCp
ttMigrate
ttRestore