TimesTenのインスタンスは、メモリー・ウィンドウで実行できます。各メモリー・ウィンドウには、TimesTenのインスタンスがそれぞれ必要です。インストール中、TimesTenのインストーラによって、このインスタンスをメモリー・ウィンドウで実行するかどうかを指定するように求められます。
メモリー・ウィンドウのインストールでは、インストーラによって、デーモンのインスタンス名およびポート番号が/etc/services.windowに追加され、getmemwindow(1M)コマンドに対するキーとしてそのインスタンス名を使用することが可能になります。getmemwindow <instance>コマンドを使用すると、インスタンスが使用しているポートを特定できます。
メモリー・ウィンドウで実行中のTimesTenインスタンスを使用するには、HP-UXのsetmemwindow(1M)コマンドを使用してアプリケーションを起動する必要があります。
たとえば、インスタンスがtt_ins1の場合は、次のように使用します。
% setmemwindow -j -i`getmemwindow tt_ins1` <prog>
TimesTenのユーティリティでは、setmemwindowコマンドを使用しません。次に例を示します。
% ttBackup ...
単一のデータ・ストアの最大サイズは、32-bitのTimesTenでは1GBです。
TimesTenは、データ・ストアごとに単一の共有メモリー・セグメントを割り当てます。また、TimesTenは、クライアント/サーバーに共有メモリーIPCメカニズムを使用するように構成されても、共有メモリー・セグメントを割り当てることができます。
TimesTenによって提供されるデーモンおよびユーティリティ・プログラム(プログラム)は、EXEC_MAGIC(ld(1)に-Nオプションを使用)とリンクしています。TimesTenのプログラムを、SHMEM_MAGICとマーク付けするように変更できます。これによって、ウィンドウ内の共有メモリーを2GBにすることができます。ただし、単一のデータ・ストアの制限は1GBのままです。
たとえば、SHMEM_MAGICを使用するには、rootとしてログインし、次のコマンドを使用します。
# chatr -M
tt_instance/bin/timesten* tt_instance/bin/ *Cmd tt_instance/bin/ttcserverEXEC_MAGICに戻すには、次のコマンドを使用します。
# chatr -N
tt_instance/bin/timesten* tt_instance/ bin/ *Cmd tt_instance/bin/ttcserverプログラムがSHMEM_MAGICであるか、またはEXEC_MAGICであるかを確認するには、次のコマンドを使用します。
# chatr
binarychatr(1M)コマンドによって、EXEC MAGICプログラムの場合は、「normal executable」と出力され、SHMEM_MAGICとマーク付けされているプログラムの場合は、「SHMEM_MAGIC」と出力されます。
メモリー・ウィンドウの使用時における問題を診断するために、次の情報が必要になる場合があります。
memwin_statsツールは、HP(ftp://contrib:9unsupp8@hprc.external.hp.com/)からダウンロードできます。
次に示すリストは、すべてが網羅されているわけではありませんが、問題の解決に役立つ場合があります。