TimesTenでは、次のアップグレードを実行できます。
TimesTenの新しいパッチ・リリースに移行するために、インプレース・アップグレードを使用することができます。TimesTenデータ・ストアをTimesTenインストール・ディレクトリに格納していないかぎり、以前のリリースのTimesTenを削除した後、TimesTenの新しいパッチ・リリースをインストールして、新しいリリースの既存のデータ・ストアに接続することができます。既存のデータ・ストアに関しては、特別な処理は不要です。
インプレース・アップグレード: アップグレード処理中、すべてのアプリケーションをデータ・ストアから切断する必要があります。インプレース・アップグレードでは、TimesTenのバックアップおよび移行ユーティリティを使用しなくても、既存のデータ・ストアを維持できます。
オフライン・アップグレードの実行中、アプリケーションはデータ・ストアを使用できません。通常、オフライン・アップグレード処理には、アップグレードしたデータ・ストアをコピーするための十分なディスク領域が必要となります。
オフライン・アップグレードは、次の目的に使用します。
アプリケーションによるデータ・ストアへの継続的なアクセスが不要であれば、オフライン・アップグレードを実行します。たとえば、週末に保守作業が予定されている場合は、その時にアップグレードを実行します。
オフライン・アップグレード: アップグレード処理中、すべてのアプリケーションをデータ・ストアから切断する必要があります。共有メモリー上のデータ・ストアをアンロードする必要もあります。オフライン・アップグレードでは、TimesTenのttMigrateまたはttBackupユーティリティを使用する必要があります。(TimesTenのリファレンス・ガイドのttMigrateおよびttBackupに関する項を参照してください。)
TimesTenの新しいメジャー・リリースにアップグレードする場合、レプリケーションを使用するオンライン・アップグレードを実行して、データ・ストアを継続して使用することができます。
オンライン・アップグレード: TimesTenレプリケーションを使用すると、アプリケーションではアップグレード処理中にデータ・ストアとの接続を維持することができます。
アップグレード時のデータ・ストアへの変更は、アップグレード処理の終了時に更新されたデータ・ストアに転送されます。オンライン・アップグレードでは、オフライン・アップグレードより多くのリソースが必要となります。オンライン・アップグレードを実行するには、データ・ストアを別のデータ・ストアにレプリケーションする必要があるため、オフライン・アップグレードの2倍のメモリーとディスク領域が必要となります。
データ・ストアを継続して使用する必要のあるアプリケーションでは、オンライン・アップグレードは有効です。オンライン・アップグレードは、処理の空き時間に実行しますが、データ・ストアおよびアプリケーションは常時有効で稼働します。
オンライン・アップグレード処理は、アップグレード実行中のユーザー表への更新のみをサポートします。CREATE TABLEやCREATE INDEXなどのデータ定義への変更はレプリケートされません。また、レプリケートする表には、PRIMARY KEYまたは一意索引(NULLを指定できない列に対する)が含まれている必要があります。