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WebLogic Server 6.1 の互換性について

BEA では、永続的データ、生成されるクラス、および API 互換性について、WebLogic Server 6.1 と WebLogic Server 6.0SP2 間の、バイナリおよびソース レベルでの互換性をサポートしようと考えています。しかしながら、完全な互換性を維持することができない場合もあります。そうした場合について、この互換性情報で詳しく説明します。

注意 : WebLogic Server の従来バージョンからアプリケーションを移行する場合は、移行ガイド を参照してください。

永続的データの互換性

WebLogic Server 6.1 では、コンフィグレーション ファイル、デプロイメント記述子、JMS メッセージなどの WLS 6.0 永続データ ストレージを変更する必要はありませんが、以下の例外があります。
  • WebLogic Server 6.0 では、JMS のマニュアルで JMSDestinationMBean の StoreEnabled 属性について「default」、「true」、および「false」が正しく指定されていますが、ソフトウェアでは大文字/小文字の混在が可能です。しかし、WebLogic Server 6.1 では、StoreEnabled 設定はすべて小文字で指定する必要があります。
  • WLS 6.0 では、EJB 2.0 の実装は EJB 2.0 仕様最終草案(PFD) 1 に基づいていました。WLS 6.1 の EJB 2.0 実装は、EJB 2.0 仕様 PFD 2 に基づいています。一部の仕様が変更されているため、WLS 6.0 の EJB 2.0 実装に基づくアプリケーションでは、コードの変更が必要になる場合があります。

生成されるクラスの互換性

WebLogic Server 6.1 では、アプリケーションを再コンパイルしてクラスを新しく生成する必要はありませんが、以下の例外があります。
  • 従来バージョンの WLS 上にデプロイされた EJB は、EJBC コンパイラを使って再コンパイルする必要があります。従来バージョンでコンパイルした EJB をデプロイしようとすると、サーバは自動的に EJB を再コンパイルし、新規に生成されたクラスのキャッシュされたコピーをディスクに保存します。アプリケーションが新しいマシン上にデプロイされるたびにサーバが EJB を再コンパイルするのを避けるには、EJBC コンパイラを使って手動で EJB を再コンパイルする必要があります。
  • 前バージョンの WLS でコンパイルした JSP は、WLS 6.1 で再コンパイルされます。

API 互換性

API メソッドの動作は、仕様への適合や不具合の修正を目的として変更されたために、従来と異なるものがあります。特定の状況では、これらの変更によってアプリケーションの動作が変わる可能性があります。WebLogic Server 6.1 にデプロイされる WLS 6.0 アプリケーションは変更しないでも動作しますが、以下の例外があります。
  • WLS 6.0 では、EJB 2.0 の実装は EJB 2.0 仕様 PFD 1 に基づいていました。WLS 6.1 の EJB 2.0 実装は、EJB 2.0 仕様 PFD 2 に基づいています。一部の仕様が変更されているため、WLS 6.0 の EJB 2.0 実装に基づくアプリケーションでは、コードの変更が必要になる場合があります。
  • WLS 6.0 では、サーブレット コンテナは、RequestDispatcher.forward() メソッドによって別の場所に転送されると、自動的にユーザを認証します。サーブレット 2.3 仕様では、転送時の認証を防ぐための条項がが追加されています。WLS 6.1 は、サーブレット 2.3 仕様に準拠するように更新されています。Web アプリケーション デプロイメント記述子の weblogic.xml で check-auth-on-forward プロパティを 設定して、この動作を WLS 6.0 の動作に戻すことができます。詳細については、「weblogic.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
  • WLS Management Beans (MBeans)へのアクセスが ACL によって制御されるようになりました。この ACL は、サーバまたは「system」ユーザの MBean へのアクセスには影響しません。ACL の設定の詳細については、『管理者ガイド』の「ACL の定義」を参照してください。
  • WLS 6.1 では、デフォルトの XML パーサが更新されており、現在は Apache Xerces 1.3.1 パーサに基づいています。このパーサは、SAX および DOM インタフェースのバージョン 2 を実装しています。以前のバージョンに付属していた古いパーサを使用すると、旧式であることを示すメッセージが表示される場合があります。外部のパーサを使用する場合は、JAXP を使用する必要があります。非 JAXP コードを JAXP コードに移行するにはコードの調整が必要になる場合があります。
  • WLS では、Apache の Xalan コードを変更しているため、Xerces と Xalan を組み合わせることができます。 このようなコードの変更がないため、Apache の Xalan を使用すると問題が生じることがあります。
  • WLS のデフォルト パーサの検証は、以前のバージョンよりも厳密になっています。このため、XML コーディングの変更が必要になります。
  • ServletRuntime MBean (weblogic.management.descriptors.webapp.ServletMBean)には、getName() メソッドが含まれています。WSL 6.0 では、このメソッドはサーブレットの名前を返しました。これ以外のすべての MBean では、getName() メソッドは MBean の名前を返しました。一貫性を保つため、WebLogic Server 6.1 では、ServletRuntime MBean の getName() メソッドも MBean の名前を返すように変更されています。サーブレットの名前を返す新しいメソッド getServletName() が ServletRuntime MBean に追加されています。

プロコトルの互換性

WebLogic Server 6.1 は、通信プロコトルのレベルで従来バージョンの WebLogic Server と共同運用することはできません。以下の制限があります。
  • WebLogic Server 6.1 は、前バージョンのサーバが含まれるクラスタのメンバにはなれません。
  • WebLogic Server 6.1 は、前バージョンのサーバの管理サーバまたは管理対象サーバにはなれません。
  • 6.1 より前のバージョンの Web サーバのプラグインを、WebLogic Server 6.1 へのプロキシとしてコンフィグレーションすることはできません。
  • WebLogic Server 6.1 と前バージョンのサーバ間の双方向通信はサポートされていません。