Web サービスとは

以下のトピックでは、Web サービスとは何か、Web サービスはどのような働きをし、どんな問題を解決するのかなど、Web サービスの背景にある基本的な概念について、技術以外の面から解説します。

既存のアプリケーションの問題

今日の企業は、事業経営においてそれぞれの役割を持つさまざまなソフトウェア アプリケーションに依存しています。いくつか例を挙げてみましょう。データベース アプリケーションには顧客や在庫の情報が格納されています。Web アプリケーションを導入すると、顧客はオンラインで製品を見たり購入したりできます。販売追跡アプリケーションは、企業がトレンドを見極めたり、将来に向けた決定を下すために活用されます。

このような各種のソフトウェア アプリケーションは、さまざまなプラットフォームやオペレーティング システム上で動作し、異なるプログラミング言語で実装されています。その結果、異なるアプリケーション同士が互いに通信して、そのリソースを連携した形で共有するのは非常に困難でした。

たとえば、あるアプリケーションで顧客データを格納し、在庫データは別のアプリケーションで、顧客の購買注文はさらに別のアプリケーションで格納する、という会社があるとします。今までは、この会社がこれらの異なるシステムを統合する場合、開発者を採用してカスタム ブリッジング ソフトウェアを作成し、異なるアプリケーション同士が互いに通信できるようにしなければなりませんでした。ただし、大抵の場合、こうしたソリューションは断片的で時間もかかります。あるアプリケーションを変更すると、それに対応して、関連する他のアプリケーションやアプリケーション同士をつなぐブリッジも変更しなくてはなりません。

Web サービスのソリューション

アプリケーション間通信の問題を解決するために、企業では、アプリケーション同士がその実装方法に関係なく、ネットワーク上で相互に通信するための標準化された方法を必要としています。Web サービスは、ソフトウェア アプリケーション間の標準化された通信方法を備えており、まさにそのソリューションを提供するものです。標準化された通信方法を整えることにより、さまざまなアプリケーションを、以前は不可能だった方法で統合することができます。異なるアプリケーション同士が簡単かつ確実に、他のリソースを互いに呼び出すことができ、アプリケーションが既に提供しているさまざまなリソースを連携して、新しい種類のリソースや機能を実現できます。

Web サービスでは、特定のプラットフォームやプログラミング言語に拘束されない通信方法を提供しているため、アプリケーション統合の柔軟性が非常に高くなります。あるアプリケーションと連携する他のアプリケーションの間の通信チャネルを変更しないでも、アプリケーションの内部実装を変更できます。つまり、Web サービスでは、あらゆるユーザがアプリケーションのリソースを利用できるように、アプリケーションのリソースを外部に公開するための標準的な方法を提供しています。

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