プロジェクトのスケジュール計算を実行するとき、プロジェクトのスケジュール計算に影響する複数のクリティカル・フロート・パスの計算(アクティビティの流れ)を行うことができます。複数のクリティカル・フロート・パスを計算することにより、最もクリティカルなフロート・パスの完了に影響を与えるサブクリティカル・パスとともに、プロジェクトのスケジュール計算における最もクリティカルなパスを判断することができます。
合計フロートまたは最長パスに基づいてアクティビティのクリティカル・パスを判断することもできますが、この方法では、プロジェクトのスケジュール計算に影響する可能性があるサブクリティカル・パスまで発見することができません。たとえば、最大合計フロートしきい値に基づいてクリティカル・アクティビティを識別すると、関係のないアクティビティやプロジェクトの終了日に影響しないアクティビティでも、しきい値を超えるすべてのアクティビティが、クリティカル・アクティビティとして識別されます。同様に、最長パスに基づいてクリティカル・アクティビティを識別すると、アクティビティのクリティカル・パスは識別されますが、クリティカル・パスに影響するサブクリティカル・パスが識別されません。
「上級スケジュール計算オプション」ダイアログ・ボックスの「上級」タブで、合計フロートまたはフリー・フロートに基づいて、特定の数のクリティカル・フロート・パスを計算するよう指定できます。また、フロート・パスを終了させるアクティビティを選択することもできます。アクティビティを選択することにより、プロジェクトのスケジュール計算全体、スケジュール計算の一部、またはスケジュール計算のマイルストンに影響する複数のフロート・パスを計算できます。
プロジェクトのスケジュール計算を実行すると、スケジュール計算における最もクリティカルなフロート・パスが識別され、それらのアクティビティに対して「フロート・パス」の値として「1」が割り当てられます。次に、ユーザーが計算用に選択したパスの数に応じて、最もクリティカルなフロート・パスに影響するその他のフロート・パス(サブクリティカル・フロート・パス)が識別され、パスの重要度に応じて昇順(「2」から開始)にパスに番号が割り当てられます。
プロジェクトのスケジュール計算後、「アクティビティ・テーブル」で、「フロート・パス」列および「フロート・パス順序」列を表示できます。「フロート・パス」ごとにグループ化して各クリティカル・フロート・パスのアクティビティを表示してから、「フロート・パス順序」によってアクティビティをソートしてアクティビティの処理順序を表示できます。
注意
- 複数のクリティカル・フロート・パスの計算は、クリティカル・アクティビティの定義方法には影響しません。プロジェクトのスケジュール計算を実行する場合、「上級スケジュール計算オプション」ダイアログ・ボックスの「全般」タブで、最大フロート時間または最長パスによってクリティカル・アクティビティを定義するよう選択する必要があります。スケジュール計算を実行すると、この設定に基づいてアクティビティにクリティカルのフラグが立てられます。複数のクリティカル・フロート・パスも計算するよう選択した場合、プロジェクトのスケジュール計算後にフロート・パスが計算されます。クリティカル・フロート・パスに含まれていないクリティカル・アクティビティも、クリティカルのフラグが付いたままになります。
- ロジック保持を使用した複数フロート・パスの計算には、完了アクティビティを含むすべてのアクティビティで最早日と最遅日が表示される必要があります。ロジック保持を使用したプロジェクトのスケジューリングでは、複数フロート・パスを計算するオプションを選択しない場合でも、常に完了アクティビティで最早日と最遅日を計算します。