9.1 Oracle RAC機能の概要
UCP JDBC接続プールは、様々なOracle Real Application Cluster (Oracle RAC)データベース機能と緊密に統合されています。これらの機能には、高速接続フェイルオーバー(FCF)、実行時接続ロード・バランシングおよび接続アフィニティがあります。これらの機能には、Oracle JDBCドライバ、Oracle RACデータベース、Oracle Clientソフトウェアに同梱されているOracle Notification Serviceライブラリ(ons.jar
)を使用する必要があります。
アプリケーションはOracle RAC機能を使用して、接続のパフォーマンスおよび可用性を最大化し、接続の問題による停止時間を軽減します。アプリケーションの可用性およびパフォーマンスの要件は一様ではないため、それに応じてOracle RAC機能を実装する必要があります。
注意:
Oracle Database 11gリリース1(11.2)から、単一インスタンス・データベースのFCFもOracle Restartでサポートされます。Oracle Restartは、単一インスタンスの高可用性(SIHA)としてすでに知られています。
関連項目:
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これらのテクノロジの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
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Oracle Restartの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
一般的な高可用性およびパフォーマンスの機能
UCP APIおよび接続プールのプロパティには、Oracle RACデータベースを必要としない、多くの高可用性およびパフォーマンスの機能があります。これらの機能は、OracleとOracle以外のどちらの接続とも連携して有効に機能します。これらの機能については、このガイド全体を通して説明します。たとえば、流用時の接続の検証、タイムアウト・プロパティの設定、最大再利用プロパティの設定、接続プール・マネージャ操作はすべて、高いレベルの接続の可用性および最適なパフォーマンスを確保するために使用されます。
注意:
一般的な高可用性およびパフォーマンスの機能は、Oracle接続を使用する場合の方がわずかによく機能します。これは、UCPがOracle JDBCの内部APIを利用するためです。
Oracle RACのデータベースのバージョン互換性
次の図では、様々なOracle RAC機能でサポートされているデータベースのバージョンを示します。
表9-1 Oracle RACのバージョン互換性
機能 | サポートされているデータベースのバージョン |
---|---|
高速接続フェイルオーバー |
Oracle Database 10.1.x以上のバージョン |
実行時接続ロード・バランシング |
Oracle Database 10.2.x以上のバージョン |
Webセッション・アフィニティ |
Oracle Database 11.1.x以上のバージョン |
トランザクションベースのアフィニティ |
Oracle Database 10.2.x以上のバージョン(Oracle Database 11.1.xを推奨) |
Oracle RAC用のOracle JDBCドライバのバージョン互換性
Oracle JDBCドライバ10.1.x以上のバージョンがOracle RAC機能でサポートされています。