3.4.3 ロード・バランサの設定

マルチ・マスターKubernetesクラスタの高可用性を有効にするロード・バランサは、次の2つの方法で設定できます。

  • 独自の外部ロード・バランサ・インスタンスを使用する方法。

  • Platform CLIでマスター・ノードにデプロイできるロード・バランサを使用する方法。

独自のロード・バランサの実装を使用する場合は、その実装を設定して使用できるように準備してから、マルチ・マスター・デプロイメントを実行する必要があります。ロード・バランサのホスト名とポートは、Kubernetesモジュールの作成時にオプションとして入力します。独自のロード・バランサの設定の詳細は、Oracle® Linux 7: 管理者ガイドまたはOracle® Linux 8: ロード・バランシングの設定を参照してください。

Platform CLIでデプロイ可能な組込みのロード・バランサを使用する場合は、マスター・ノードの準備のために、次のステップを実行する必要があります。次のステップは、各マスター・ノードで実行する必要があります。

Platform CLIでデプロイしたロード・バランサ用にマスター・ノードを準備するには:

  1. マスター・ノードを設定します。設定手順は、3.4.2「Kubernetesノードの設定」を参照してください。

  2. プライマリ・マスター・ノードに使用できる仮想IPアドレスを指定します。このIPアドレスは、どのノードにも使用されていないものであることが必要で、ロード・バランサによってプライマリ・ロールが割り当てられたマスター・ノードに動的に割り当てられます。プライマリ・ノードに障害が発生すると、ロード・バランサによって、その仮想IPアドレスが別のマスター・ノードに再割当てされます。そのノードがプライマリ・ノードになります。このマニュアルの例で使用する仮想IPアドレスは、192.0.2.100です。

  3. ポート6444を開きます。仮想IPを使用すると、Kubernetes APIサーバーのポートがデフォルトの6443から6444に変更されます。ロード・バランサはポート6443でリスニングして、受信したリクエストをKubernetes APIサーバーに渡します。

    $ sudo firewall-cmd --add-port=6444/tcp
    $ sudo firewall-cmd --add-port=6444/tcp --permanent
  4. 仮想ルーター冗長プロトコル(VRRP)プロトコルを有効にします。

    $ sudo firewall-cmd --add-protocol=vrrp
    $ sudo firewall-cmd --add-protocol=vrrp --permanent
  5. プロキシ・サーバーを使用する場合は、NGINXで構成します。Kubernetesマスター・ノードごとに、NGINX systemd構成ディレクトリを作成します。

    $ sudo mkdir /etc/systemd/system/olcne-nginx.service.d

    そのディレクトリにproxy.confというファイルを作成して、プロキシ・サーバーの情報を追加します。次に例を示します。

    [Service]
    Environment="HTTP_PROXY=proxy.example.com:3128"
    Environment="HTTPS_PROXY=proxy.example.com:3128"
    Environment="NO_PROXY=mydomain.example.com"