第1章 Oracle Linux Cloud Native Environmentの概要

Oracle Linux Cloud Native Environmentは、クラウドネイティブ・アプリケーションのデプロイメントと管理のための完全統合型スイートです。Open Container Initiative (OCI)およびCloud Native Computing Foundation (CNCF)の標準に基づいて、Oracle Linux Cloud Native Environmentは、マイクロサービスのオーケストレーションのための主要な機能のインストール、更新、アップグレードおよび構成に対応する簡易化されたフレームワークを提供します。

Kubernetesは、コンテナのデプロイと管理のために使用されます。Kubernetesマスター・ノードとワーカー・ノードに加えて、Oracle Linux Cloud Native Environment Platform API Server (Platform API Server)もインストールする必要があります。このサーバーは、モジュールのデプロイメントと管理を実行するために必要です。このドキュメントでは、モジュールという用語は、クラスタ全体のコア機能とオプション機能の両方を提供するためにデプロイできるパッケージ化されたソフトウェア・コンポーネントを表します。Oracle Linux Cloud Native EnvironmentのKubernetesモジュールは、コア・モジュールです。CRI-O、runCおよびKata Containersは、このモジュールによって自動的にインストールされます。

Kubernetesのマスター・ノードとワーカー・ノードでは、Oracle Linux Cloud Native Environment Platform Agent (Platform Agent)を実行します。Platform Agentは、Platform API Serverと通信してデプロイメントを管理します。

Oracle Linux Cloud Native Environment Platformコマンドライン・インタフェース(Platform CLI)では、モジュールの検証とノードへのデプロイを実行します。これにより、Kubernetesモジュールなどのモジュールのデプロイメントが簡単になります。モジュールに必須のソフトウェア(CRI-O、runC、Kata Containers、CoreDNSとFlannelなど)は、Platform CLIで構成します。

この章では、Oracle Linux Cloud Native Environmentの概要情報を示します。

1.1 Oracle Linux Cloud Native Environmentについて

Oracle Linux Cloud Native Environmentは、すぐに本番稼働できるクラウド・ネイティブなアプリケーション環境を提供する精選されたアプリケーションのセットです。このセットには、デプロイメントと管理のツールも含まれています。