dg_configure_fsfo

指定したプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの間でData Guardファスト・スタート・フェイルオーバーを構成します。

ノート:

Enterprise Managerの代替オブザーバ機能は、データベース・バージョン12.2以上ではサポートされていません。かわりに、Data Guard Brokerの複数のオブザーバ機能を使用する必要があります。これらのバージョンに対して代替オブザーバが構成されている場合は、次のEMCLIコマンドを使用して削除する必要があります。
"emcli dg_configure_observers -delete_alternate_observer "

書式

emcli dg_configure_fsfo
      -operation= "enable | disable | edit"
      -primary_target_name=""
      -primary_target_type="oracle_database|rac_database"
      -standby_target_name=""
      -standby_target_type="oracle_database|rac_database"
      [-observer_host_name=""]
      [-observer_oracle_home=""]
      [-observer_host_cred_name=""]
      [-alternate_observer_host_name=""]
      [-alternate_observer_oracle_home=""]
      [-alternate_observer_host_cred_name=""]
      [-failover_threshold=""]
      [-lag_limit=""]
      [-failover_conditions=""]
      [-auto_reinstate_primary="Yes|No"]
      [-auto_shutdown_primary="Yes|No"]
      [-primary_db_creds_name=""]
      [-primary_host_creds_name=""]
      [-standby_db_creds_name=""]
      [-standby_host_creds_name=""]
      [-primary_gi_host_creds_name=""]
      [-standby_gi_host_creds_name=""]
      (
          [-enable_flashback_database="Yes|No"]
          [-primary_fast_recovery_area="<primary database fast recovery area>"]
          [-standby_fast_recovery_area="<standby database fast recovery area>"]
      )	      
[ ]  indicates that the parameter is optional.

オプション

  • operation: ファスト・スタート・フェイルオーバーで実行操作。次のように指定します。
    • enable: ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効にします。
    • disable: ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効にしてオブザーバを停止します。
    • edit: 指定したプライマリ・データベースに対して現在設定されているファスト・スタート・フェイルオーバー構成を変更します。ファスト・スタート・フェイルオーバー指定のスタンバイ・データベースの変更、しきい値の調整、新しいオブザーバ・ホストの指定による新しいオブザーバの構成が可能です。オブザーバ・ホストやOracleホームの場所を変更すると、現在のオブザーバが停止され、新しい場所で新しいオブザーバが起動されます。ただし、オブザーバ・ホストまたはOracleホームの場所を変更していないと、すでに構成されているオブザーバの状態は変更されません。
  • primary_target_name: プライマリ・データベースのEnterprise Managerターゲット名。単一インスタンス・データベースまたはクラスタ・データベースのいずれも可能です。
  • primary_target_type: プライマリ・データベースのターゲット・タイプ。単一インスタンスの場合はoracle_databaseを、クラスタの場合はrac_databaseを指定します。
  • standby_target_name: スタンバイ・データベースのEnterprise Managerターゲット名。単一インスタンス・データベースまたはクラスタ・データベースのいずれも可能です。
  • standby_target_type: スタンバイ・データベースのターゲット・タイプ。単一インスタンスの場合はoracle_databaseを、クラスタの場合はrac_databaseを指定します。
  • primary_db_cred_name: SYSDBAまたはSYSDGロールを持つユーザーのプライマリ・データベースの名前付き資格証明。デフォルトでは優先資格証明が使用されます。
  • primary_host_cred_name: プライマリ・データベースのOracleホームにアクセスできるオペレーティング・システム・ユーザーのプライマリ・データベース・ホストの名前付き資格証明。デフォルトでは優先資格証明が使用されます。
  • standby_db_cred_name: SYSDBAまたはSYSDGロールを持つユーザーのスタンバイ・データベースの名前付き資格証明。デフォルトでは優先資格証明が使用されます。
  • standby_host_cred_name: スタンバイ・データベースのOracleホームにアクセスできるオペレーティング・システム・ユーザーのスタンバイ・データベース・ホストの名前付き資格証明。デフォルトでは優先資格証明が使用されます。
  • observer_host_name: Enterprise Managerがオブザーバを開始する、検出されたホスト。デフォルトはnoneです。
  • observer_oracle_home: オブザーバ・ホストのOracleホーム(指定した場合)。デフォルトはnoneです。
  • observer_host_cred_name: オブザーバのOracleホームにアクセスできるオペレーティング・システム・ユーザーのオブザーバ・ホストの名前付き資格証明。
  • alternate_observer_host_name: メイン・オブザーバがアクセスできず再起動できない場合に、Enterprise Managerが代替オブザーバを開始する、検出されたホスト。デフォルトはnoneです。
  • alternate_observer_oracle_home: Enterprise Managerが必要に応じて代替オブザーバを開始する、代替オブザーバ・ホスト上のOracleホーム(指定した場合)。デフォルトはnoneです。
  • alternate_observer_host_cred_name: 代替オブザーバのOracleホームにアクセスできるオペレーティング・システム・ユーザーの代替オブザーバ・ホストの名前付き資格証明。
  • failover_threshold: ファスト・スタート・フェイルオーバーの開始前に、プライマリ・データベースがオブザーバおよびスタンバイ・データベースとの接続を解除する必要のある時間(秒)。デフォルトは30秒です。
  • lag_limit: スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースより遅れても可能な時間(秒)。この時間を超えるとファスト・スタート・フェイルオーバーを使用できません。デフォルトは30秒です。
  • failover_conditions: フェイルオーバー条件のカンマ区切りリストで、この条件がプライマリ・データベースで検出されると、ファスト・スタート・フェイルオーバーがトリガーされます。
    • 1: 破損した制御ファイル
    • 2: 破損したディクショナリ
    • 3: アクセス不可能なログ・ファイル
    • 4: スタック・アーカイバ
    • 5: データファイル書込みエラー

    ノート:

    デフォルトは1, 2, 5です
  • auto_reinstate_primary: 以前のプライマリ・データベースが再起動された後に接続が再度確立されたときに、オブザーバが以前のプライマリ・データベースを自動的に回復するかどうかを制御します。このプロパティは、エラー条件により発生したフェイルオーバーの動作の回復を制御しません。デフォルトはyesです。
  • auto_shutdown_primary: ファスト・スタート・フェイルオーバーが発生したことを自立的に認識したときに、オブザーバおよびスタンバイ・データベースからのネットワーク分離が原因かどうか検証できない場合、プライマリ・データベースが自動的に停止するかどうかを制御します。このプロパティは、エラー条件により発生したフェイルオーバーの停止動作を制御しません。デフォルトはyesです。
  • primary_gi_host_creds_name: プライマリ・データベースのグリッド・インフラストラクチャOracleホームにアクセスできるオペレーティング・システム・ユーザーのグリッド・インフラストラクチャの名前付き資格証明。
  • standby_gi_host_creds_name: スタンバイ・データベースのグリッド・インフラストラクチャのOracleホームにアクセスできるオペレーティング・システム・ユーザーのグリッド・インフラストラクチャの名前付き資格証明。
  • enable_flashback_database: フラッシュバック・ロギングは、プライマリおよびスタンバイ・データベースで有効になります。フェイルオーバー後に古いプライマリ・データベースを回復するには、フラッシュバック・データベースが必要です。

    ファスト・スタート・フェイルオーバーの構成中にデータベース・バージョン12.2以降のフラッシュバックを有効にするかどうかはオプションです。

    このオプションは、"enable"|"edit"操作でのみサポートされています。

    デフォルト値: 12.2より前のデータベース・バージョンの場合は"Yes"、12.2以降のデータベース・バージョンの場合は"No"。

    使用可能な値: YesまたはNo

  • primary_database_fast_recovery_area: プライマリ・データベースにアーカイブREDOログ・ファイル(およびその他のリカバリ関連ファイル)を格納するデフォルト記憶域を指定します。

    この入力が考慮されるのは、高速リカバリ領域がまだ設定されておらず、フラッシュバックを有効化する必要がある場合のみです。

    このオプションは、"enable"|"edit"操作でのみサポートされています。

    デフォルト値: <oracle_base>/fast_recovery_area

    高速リカバリ領域サイズのデフォルト値は、データベース・サイズの2倍に設定されます。

  • standby_database_fast_recovery_area: スタンバイ・データベースにアーカイブREDOログ・ファイル(およびその他のリカバリ関連ファイル)を格納するデフォルト記憶域を指定します。

    この入力が考慮されるのは、高速リカバリ領域がまだ設定されておらず、フラッシュバックを有効化する必要がある場合のみです。

    このオプションは、"enable"|"edit"操作でのみサポートされています。

    デフォルト値: <oracle_base>/fast_recovery_area

    高速リカバリ領域サイズのデフォルト値は、データベース・サイズの2倍に設定されます。

例1

次の例では、プライマリ・ターゲットがdbprimaryという名前の単一インスタンス・データベースで、スタンバイ・ターゲットがdbstandbyという名前の単一インスタンス・データベースであるファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化します(接続が再度確立された場合に以前のプライマリ・データベースを自動的に回復することはありません)。

emcli dg_configure_fsfo
      -operation="enable"
      -primary_target_name="dbprimary"
      -primary_target_type="oracle_database"
      -standby_target_name="dbstandby"
      -standby_target_type="oracle_database"
      -auto_reinstate_primary="no"

例2

次の例では、"database"という名前のプライマリ単一インスタンス・データベースおよび"database1"という名前のスタンバイ単一インスタンス・データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

emcli dg_configure_fsfo
      -operation="disable"
      -primary_target_name="database"
      -primary_target_type="oracle_database"
      -standby_target_name="database1"
      -standby_target_type="oracle_database"

例3

次の例では、プライマリ・ターゲットがdbprimaryという名前の単一インスタンス・データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを編集して、スタンバイ・ターゲットをdbalternateという名前の単一インスタンス・データベースに変更します。また、ラグ制限を60秒に、フェイルオーバーしきい値を40秒に変更します。

emcli dg_configure_fsfo
      -operation="edit"
      -primary_target_name="dbprimary"
      -primary_target_type="oracle_database"
      -standby_target_name="dbalternate"
      -standby_target_type="oracle_database"
      -lag_limit="60"
      -failover_threshold="40"

例4

次の例では、"database"という名前のプライマリ単一インスタンス・データベースおよび"database1"という名前のスタンバイ単一インスタンス・データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化します。また、指定したホストおよびOracleホームにオブザーバを作成します。また、プライマリが自動的に回復および停止しないように指定します。"

emcli dg_configure_fsfo
      -operation="enable"
      -primary_target_name="database"
      -primary_target_type="oracle_database"
      -standby_target_name="database1"
      -standby_target_type="oracle_database"
      -observer_host_name="observer_host_name"
      -observer_oracle_home="observer_oracle_home"
      -observer_host_cred_name="observer_host_cred_name"
      -auto_reinstate_primary="No"
      -auto_shutdown_primary="No"
      -failover_conditions="1,2,5"
      -failover_threshold="90"