Linuxのカーネル・パラメータの構成

別の方法で指定されていないかぎり、次の表に示すカーネル・パラメータおよびシェル制限の値は、単なる最小値です。本番Enterprise Managerシステムでは、これらの値をチューニングしてシステムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

インストールのための最小パラメータ設定

次の表を確認して、手動で値を設定します。

パラメータ ファイル

ip_local_port_range

最小値: 11000

最大値: 65000

「UDPおよびTCPカーネル・パラメータの手動設定」を参照してください。

/proc/sys/net/ipv4ip_local_port_range

nproc

4098以上

/etc/security/limits.conf

カーネル・パラメータの値の表示および変更

次の表に示すコマンドを入力して、カーネル・パラメータの現行の値を表示します。これらの値をメモし、変更が必要な値を特定します。

パラメータ コマンド

ip_local_port_range

# /sbin/sysctl -a | grep ip_local_port_range

このコマンドでは、ポート番号の範囲が表示されます。

このコマンドでは、ポート番号の範囲が表示されます。

カーネル・パラメータの値が最小値と異なる場合は、次のステップを実行します。

  1. テキスト・エディタを使用して/etc/sysctl.confファイルを作成または編集し、次のような行を追加または編集します。

    ノート:

    変更するカーネル・パラメータ値の行のみを含めます。セマフォ・パラメータ(kernel.sem)の場合は、4つの値をすべて指定する必要があります。現行の値のいずれかが最小値より大きい場合は、大きい方の値を指定してください。

    次に例を示します。

    net.ipv4.ip_local_port_range = 11000 65000

    /etc/sysctl.confファイルに指定した値は、システムの再起動時にも保持されます。SUSE Linux Enterprise Serverシステムでは、次のコマンドを入力して、システムの再起動時に必ず/etc/sysctl.confファイルが読み取られるようにします。

    # /sbin/chkconfig boot.sysctl on

  2. カーネル・パラメータの現行の値を変更するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/sysctl -p

    このコマンドの出力結果を確認し、値が正しいかどうかを検証します。値が適切でない場合、/etc/sysctl.confファイルを編集し、このコマンドを再び入力します。

  3. コマンド/sbin/sysctl -aを入力して、値が正しく設定されていることを確認します。

  4. /etc/sysctl.confファイルのカーネル・パラメータの値を更新したら、コンピュータを再起動するか、コマンドsysctl -pを実行して、アクティブなカーネル・メモリーで使用可能な/etc/sysctl.confファイルを変更します。