統合

Oracle NoSQL Databaseは、Apache HadoopやOracleスタックの製品と統合できます。次の各項では、統合の詳細について説明します。

Oracle Database Mobile Server統合

Oracle Database Mobile Server (Oracle DMS) 12.1リリースでは、Oracle NoSQL DatabaseをOracle Database Mobile Serverと統合できます。Oracle DMSを使用すると、多数のモバイル・ユーザー向けのモバイル・データベース・アプリケーションの開発、デプロイおよび管理が容易になります。

メインの統合機能として、Oracle NoSQLとOracle Berkeley DB/SQLite/Java DBとの同期があります。

Oracle DMSを、Oracle NoSQLと、Oracle Berkeley DB、SQLiteおよびJava DBを含むモバイル・クライアント・データベースとの間のデータ同期エンジンとして使用できます。Oracle NoSQLデータベース内の既存の表は、パブリッシュ/サブスクライブAPIを使用してOracle DMSにパブリッシュできます。Oracle DMSによって対応する表がクライアント側に作成され、データをOracle NoSQLに同期アップロードできるようになります。ローカル・クライアント・データベースとOracle NoSQL DBの間のデータ形式の変換はOracle DMSによって管理されるため、追加のコーディングまたはスクリプトは必要ありません。モバイルからNoSQLへのパラダイムは、クライアント数が多い場合や収集するデータ量が多い場合、サーバー・アプリケーションでNoSQLをデータ・ストレージとして使用する必要がある場合などに最適です。

Oracle NoSQLをデータ・ストレージとして使用することで、モバイルおよび埋込みアプリケーションはOracle DMSを完全で信頼性のあるソリューションとして使用し、拡張性の高いOracle NoSQLデータベースにデータを同期できるようになります。詳細は、Oracle Database Mobile Server開発者ガイドキューとの同期のカスタマイズを参照してください。また、Oracle Mobile Development Kit (Oracle DMSの開発ツールキット)には、Oracle NoSQLをバックエンド・データベースとして使用する方法、およびOracle DMSを介してモバイル・クライアント・データベースとOracle NoSQLとの間でアプリケーション・データを同期する方法を示すFleetControlサンプル・アプリケーションが含まれています。

Hadoop統合

Oracle NoSQL Databaseは、oracle.kv.hadoop.KVInputFormatクラスを使用してApache Hadoopシステムと統合できます。このクラスを使用すると、Oracle NoSQL Databaseからデータを読み取り、それをHadoopシステムへ挿入する準備を行うことができます。データをOracle NoSQL Databaseに戻すには、標準メカニズムを使用してHadoopシステムからデータを読み取り、統合ガイドに記載されているAPIを使用してOracle NoSQL Databaseにレコードを書き込みます。

KVInputFormatを使用し、Map/ReduceジョブでOracle NoSQL Databaseからデータを読み取る例が<KVHOME>/examples/hadoopディレクトリに用意されています。

プロパティ・グラフ統合

Oracle NoSQL Databaseを使用するようOracle Big Data Spatial and Graphを構成し、プロパティ・グラフ機能をサポートすることができます。この機能では、グラフ操作、索引付け、問合せ、検索およびインメモリー分析がサポートされています。

グラフは一般的に、ソーシャル・ネットワーキング、サイバー・セキュリティ、ユーティリティおよび通信、ライフ・サイエンスと臨床データ、ナレッジ・ネットワークで検出される関係のモデル化、格納、および分析に使用されます。標準的なグラフ分析には、グラフのトラバース、推奨、コミュニティおよびインフルエンサの検出、パターン一致などがあります。

詳細は、Oracle Big Data Spatial and Graphユーザーズ・ガイドおよびリファレンスBig Data環境でのプロパティ・グラフの使用を参照してください。

Oracle外部表統合

Oracle NoSQL Databaseデータは、Oracle Databaseの外部表機能を使用してアクセスできます。この機能を使用すると、NoSQL DatabaseデータをOracle Databaseに読み込むことができます。外部表機能を使用してOracle NoSQL Databaseデータを変更することはできません。

これは、Oracle NoSQL Database Enterprise Editionのユーザーのみが使用可能な機能であることに注意してください。

Oracle Databaseの外部表機能を使用してOracle NoSQL Databaseデータを読み取るには、<KVHOME>/exttab/bin/nosql_streamプリプロセッサを使用してOracle表にデータを移入する必要があります。外部表機能を使用するようにOracle Databaseを構成する必要があります。

nosql_streamプリプロセッサの使用方法、および外部表を使用するようにOracle Databaseを構成する方法の詳細は、Javaダイレクト・ドライバAPIリファレンスoracle.kv.exttabパッケージ要約を参照してください。

Coherence統合

Oracle Coherenceは、クラスタ化されたアプリケーションのデータ管理サポートを提供するミドルウェア・アプリケーションです。アプリケーションがOracle Coherenceに委任するデータは、自動的にアプリケーション・クラスタ内のすべてのサーバーで使用可能およびアクセス可能になります。複数のマシンに対してデータを分散することにより、Oracle Coherenceはクラスタ化されたアプリケーションの可用性、信頼性、スケーラビリティ、パフォーマンス、保守性および管理性の実現に関連する問題を解決します。

Oracle Coherenceの詳細は、Oracle Coherenceのドキュメントを参照してください。

これらの解決を実現するために、Oracle Coherenceではキャッシュが実装されています。このキャッシュは、いくつかの異なるデータ・リポジトリを使用してキャッシュ済データを格納するようにカスタマイズできます。このようなデータ・リポジトリの1つが、Oracle NoSQL Databaseです。

これは、Oracle NoSQL Database Enterprise Editionのユーザーのみが使用可能な機能であることに注意してください。

Oracle NoSQL Databaseと統合するには、構成XML、ストックCoherenceコードおよびカスタムOracle NoSQL Databaseコードの組合せを使用して、Oracle Coherenceをカスタマイズする必要があります。Oracle NoSQL Databaseコードは、oracle.kv.coherenceパッケージで提供されるクラスを使用して実装されています。

Oracle NoSQL Databaseを使用して、Oracle Coherenceの2つの異なるキャッシュ・ストラテジをサポートできます。これらの1つ目はoracle.kv.coherence.NoSQLBinaryStoreよって実装されます。Javaダイレクト・ドライバAPIリファレンスを参照してください。このクラスを使用すると、キャッシュベースでないアプリケーションと共有されないキャッシュ・データを実装できるため、かなり不透明なデータ形式を使用できます。これは、効率的で構成しやすいキャッシュ・オプションです。