2 ソフトウェア・モニタリング
Oracle NoSQL Databaseは分散システムであるため、複数のソフトウェア・コンポーネントで構成され、それぞれが公開している一意のメトリックをモニタリング、解釈、活用することにより、NoSQL Databaseクラスタの一般的な状態、パフォーマンスおよび操作性を理解できます。
この項では、Oracle NoSQLソフトウェア・コンポーネントをモニタリングする際のベスト・プラクティスを中心に説明します。Oracle NoSQL Database自体にいくつかのソフトウェア依存関係(Java仮想マシン、オペレーティング・システム、NTPなど)が存在しますが、この項ではNoSQLのコンポーネントにのみ注目します。
NoSQL Databaseの状態をモニタリングするための4つの基本的なメカニズムがあります。
-
システム・ログ・ファイル・モニタリング – Oracle NoSQL Databaseは、java.util.loggingパッケージを使用して、すべての追跡、情報、およびエラー・メッセージをストアの各コンポーネントのログ・ファイルに書き込みます。これらのファイルは、主要なシステム管理ソリューションでサポートされている標準的なログ・ファイル・プローブ・メカニズムを使用して解析できます。
-
システム・モニタリング・エージェント – Oracle NoSQL Databaseは、JMXベースのモニタリング・ソリューションとの統合のためのJava Management Extensions (JMX)管理Beansとの統合のためのMIBを公開しています。
-
アプリケーション・モニタリング – NoSQL Databaseの「状態」を正確に表す指標は、アプリケーション・レベルのメトリックの値です。平均レスポンス時間や90番目のパーセンタイルのレスポンス時間、平均スループットや90番目のパーセンタイルのスループット、NoSQL APIコールから発生したタイムアウト例外平均数といったメトリックはいずれも、NoSQLクラスタ内のコンポーネントに問題がある可能性を示しています。実際に、これらのメトリックのサンプルを取得して平均値からの偏差を調べると、環境で何が問題になっているかを正確に把握できます。
-
Oracle Enterprise Manager (OEM) – Oracle NoSQL DatabaseとOEMを統合すると、最初にEMプラグインとなります。このプラグインでは、Enterprise Managerを介してストア・コンポーネント、その可用性、パフォーマンス・メトリックおよび操作パラメータをモニタリングできます。OEMの詳細は、Oracle NoSQL Database管理者ガイドのOracle Enterprise Manager (OEM)とOracle NoSQL Databaseの統合を参照してください。
次の各項では、これらの各モニタリング手法(OEMを除く)について詳しく説明し、それぞれを利用してNoSQL Databaseコンポーネントの障害を検出する方法を示します。