E Kerberos管理ユーティリティの構成

kadminを使用する前に、まず、KDCに対する権限を構成する必要があります。Kerberosでは、アクセス制御リスト(ACL)ファイルを使用して、Kerberosデータベースとそのアクセス・レベルに対する管理アクセス権を持つプリンシパルを決定します。

Kerberos ACLファイルのデフォルトの場所は<LOCALSTATEDIR>/krb5kdc/kadm5.aclで、LOCALSTATEDIRは、KDCデータベースが配置されているディレクトリ接頭辞です。この場所は、kdc.confacl_file変数で変更できます。

ACLエントリが含まれている行は、次の形式です。

principal  permissions  [target_principal  [restrictions] ]

注意:

ACLファイル内での行の順序は重要です。最初に一致したエントリは、ターゲット・プリンシパルのアクター・プリンシパルに対するアクセスを制御します。

kadminを構成するには、次のステップを実行します。

  1. アクセス制御リスト・ファイルを作成し、少なくともいずれかの管理者のKerberosプリンシパルをこのファイルに配置します。次に例を示します。

    */admin@EXAMPLE.COM  *

    この場合、adminインスタンスを含むEXAMPLE.COMレルム内のすべてのプリンシパルには、KDCに対するすべての管理権限があります。

    たとえば、joe/admin@EXAMPLE.comには、このレルムのKerberosデータベースに対するすべての権限があります。

  2. KDCにリモートでアクセスする前に、最初のプリンシパルを作成します。

    kadmin.local: addprinc -randkey admin/admin
    kadmin.local: ktadd –k kadm5.keytab admin/admin 

注意:

パスワードなしの認証を有効にするには、kadm5.keytabを任意のクライアント・マシンにコピーします。

Kadminを使用して、セキュリティ保守を実行することもできます。詳細は、Kerberosパスワードの更新ガイドラインを参照してください。