ストアのパラメータの設定
Oracle NoSQL Databaseの3つのサービス・タイプ(管理、ストレージ・ノードおよびレプリケーション・ノード)には、構成パラメータがあります。サービスをデプロイした後に、一部のパラメータを変更できます。次の管理CLIコマンドを使用して、変更可能なパラメータ値を確認します。
show parameters -service <>
有効な文字列を使用して、管理、ストレージ・ノードまたはレプリケーション・サービスを識別します。show parameters
–service
コマンドは、3つのいずれかのサービスのサービス・パラメータおよび状態を表示します。オプションの-policy
フラグを使用して、グローバル・ポリシー・パラメータを表示します。
パラメータの変更
パラメータを変更するプランの作成に使用されるすべてのCLIコマンドで、同様の構文を使用します。
plan change-parameters -service <id>...
このようなコマンドのすべてで、同一コマンドラインに複数のParameterName=NewValue
割当て引数を使用できます。NewValueに空白が含まれる場合、割当て引数全体を二重引用符で囲む必要があります。たとえば、管理パラメータcollectorPollPeriodを変更するには、次のようなコマンドを発行します。
kv-> plan change-parameters -all-admins -params \
"collectorPollPeriod=20 SECONDS">
すべてのレプリケーション・ノードのconfigPropertiesが次のように設定されている場合:
"configProperties=je.cleaner.minUtilization=40;">
また、configPropertiesの新しい設定を追加するには、次のコマンドを発行します。
kv-> plan change-parameters -all-rns -params \
"configProperties=je.cleaner.minUtilization=40;\
je.env.runVerifier=false;">
なんらかの理由で、異なるレプリケーション・ノードに異なるconfigPropertiesパラメータ値が存在する場合は、change-parametersコマンドをレプリケーション・ノードごとに調整する必要があります。
次のコマンドは、サービス・パラメータの変更に使用されます。
-
plan change-parameters -service <shardId-nodeId> -params [assignments]
このコマンドは、単一のレプリケーション・ノードのパラメータを変更するために使用されます。レプリケーション・ノードは、シャードおよびノード番号を使用して識別される必要があります。
shardId-nodeId
識別子は、ハイフンを1つ埋め込んだ、スペースなしの単一の引数として指定する必要があります。shardId
識別子はrgX
で表されます。X
はシャード番号を指します。 -
plan change-parameters -all-rns -params [assignments]
このコマンドは、ストア内のすべてのレプリケーション・ノードのパラメータの変更に使用されます。このケースでは、レプリケーション・ノード識別子は必要ありません。
-
plan change-parameters -service <storageNodeId> -params [assignments]
このコマンドは、1つのストレージ・ノード・インスタンスのパラメータの変更に使用されます。storageNodeIdは単純整数です。
-
plan change-parameters -all-admins -params [assignments]
このコマンドは、管理パラメータの変更に使用されます。管理の各インスタンスは、レプリケートされた同一サービスの一部であるため、管理のすべてのインスタンスは同時に変更されます。このため、このコマンドには管理識別子は必要ありません。
管理パラメータの変更に管理サービスの再起動が必要な場合、KVAdminとサーバーとの接続は失われます。通常の状況下では、次のコマンドを指定すると、短い休止の後、KVAdminは自動的に再接続されます。この時点で、プランの状態は
INTERRUPTED
で、plan execute
コマンドを発行して手動で完了する必要があります。 -
plan change-parameters -security <id>
このコマンドは、セキュリティ・パラメータの変更に使用されます。パラメータは、すべてのSN、RNおよび管理に対し、暗黙的で一律に適用されます。
いずれの場合も、プランの作成および実行を行うか、planコマンドの-noexecute
オプションを使用してプランの作成と実行を別のステップで行うかを選択できます。
ストア全体ポリシー・パラメータの設定
ストアのデプロイ時、ほとんどの管理、ストレージ・ノードおよびレプリケーション・ノードのパラメータにはデフォルト値が割り当てられます。デプロイ後に調整するのは不便なため、Oracle NoSQL Databaseにはデプロイ時に使用されるデフォルトを設定する方法が用意されています。これらのデフォルトは、ストア全体ポリシー・パラメータと呼ばれます。
次のコマンドを使用してCLIでポリシー・パラメータを設定できます。
change-policy -params [name=value]
変更するパラメータは-params
フラグの後に続き、スペースで区切られます。スペースが埋め込まれたパラメータ値は、スペースで区切る必要があります。スペースが埋め込まれたパラメータ値は、引用符で囲む必要があります。たとえば、name = "value with spaces"のようになります。オプションのdry-run
フラグが指定された場合、変更は行われずに新規パラメータが返されます。
管理パラメータ
管理サービスには、次のパラメータを設定できます。
-
adminLogFileCount=<Integer>
保持されるログ・ファイルの数を設定します。この値のデフォルトは"20"です。これは、ロギング履歴専用のディスク領域の量を制御するために使用されます。
-
adminLogFileLimit=<Integer>
ログ・ファイルのサイズを制限します。この制限に達すると、ロギング・サブシステムは新しいログ・ファイルに切り替わります。この値のデフォルトは"4,000,000"バイトです。制限により、1つのファイルに書き込まれる大まかな最大量(バイト)が指定されます。値がゼロの場合、制限はありません。
-
collectorPollPeriod=<Long TimeUnit>
ステータスの更新用に様々なサービスにポーリングする場合の監視サブシステムの遅延を設定します。この値のデフォルトは"20"秒です。単位は
change-parameters
コマンド内の文字列として指定されます。例: -params collectorPollPeriod="2 MINUTES" -
loggingConfigProps=<String>
管理プロセスのロギング・サブシステムのプロパティ設定。形式は、
property=value;property=value...
です。標準のjava.util.loggingプロパティをこのパラメータで設定できます。 -
eventExpiryAge=<Long TimeUnit>
このパラメータを使用して、管理でのクリティカル・イベント履歴の格納期間を調整します。デフォルト値は、"30 DAYS"です。
-
configProperties=<String>
これは、基になるBDB JEサブシステムに対するプロパティを設定する多項目の文字列です。形式は、
property=value;property=value...
です。 -
javaMiscParams=<String>
これは、管理プロセスの起動時にコマンドラインに追加される多項目の文字列です。ヒープ・サイズを制御するために、-Xmx、-XmsなどのJava VMプロパティを設定します。文字列がJVMコマンド・ラインの有効な一連のトークンではない場合、管理プロセスの起動に失敗します。
管理JVMメモリー・パラメータの変更
管理プロセスでメモリーが不足する可能性があります。最も可能性が高い原因の1つは、デフォルト・メモリー設定が、管理サービスにより、ストアに関連付けられたすべてのメタデータを表すのに不十分だったことです。メタデータには、表、ユーザーとロールに関するセキュリティ情報および不完全なプランに関する情報が含まれます。アクティビティ・ログに、管理サービスがOutOfMemoryError
で失敗していることが示された場合、大量のメタデータを含むストアでは、管理サービスに対するメモリー設定の増加が必要になる場合があります。このトピックでは、javaMiscParams
のメモリー設定の増加について説明します。
最初に、管理プロセスのJVMメモリーは、javaMiscParams
パラメータの一部として設定されます。このことは、管理プロセスが開始するとき、Java VMプロパティを設定するために行われます。
javaMiscParams
を変更するには、包括的な徹底した変更が必要です。セット内の個々のパラメータは変更できません。設定を変更するには、次に説明するように、すべてをplan change-parameters
コマンドで宣言します。
javaMiscParams
およびconfigProperties
の現在の設定を確認するには、次のように、管理CLIのshow parameters -service name
コマンドを入力します。 kv-> show parameters -service rg1-rn1;
cacheSize=0
collectEnvStats=true
configProperties=je.cleaner.threads 1;
je.rep.insufficientReplicasTimeout 100 ms;
je.env.runEraser true;
je.erase.deletedDatabases true;
je.erase.extinctRecords true;
je.erase.period 6 days;
je.env.runBackup false;
je.backup.schedule 0 8 * * *;
je.backup.copyClass oracle.nosql.objectstorage.backup.BackupObjectStorageCopy;
je.backup.copyConfig /var/lib/andc/config/params/backup.copy.properties;
je.backup.locationClass oracle.nosql.objectstorage.backup.BackupObjectStorageLocation;
je.backup.locationConfig /var/lib/andc/config/params/backup.location.properties;
je.rep.electionsOpenTimeout=2 s;
je.rep.electionsReadTimeout=2 s;
je.rep.feederTimeout=3 s;
je.rep.heartbeatInterval=500;
je.rep.replicaTimeout=3 s;
je.rep.repstreamOpenTimeout=2 s;
disabled=false
hideUserData=true
javaMiscParams=-Xms96M -Xmx128M -XX:ParallelGCThreads=6
latencyCeiling=0
loggingConfigProps=
maxTrackedLatency=1000 MILLISECONDS
repNodeId=rg1-rn1
rnCachePercent=70
rnKVIndexCreationPermitLease=500000 MILLISECONDS
rnKVIndexCreationPermitTimeout=1 MINUTES
rnKVStorageStatsPermitLease=1000000 MILLISECONDS
rnKVStorageStatsPermitTimeout=10 SECONDS
rnLogMountPoint=/RNLOG00
rnLogMountPointSize=0
rnMountPoint=/DATA00
rnMountPointSize=2791728742400
rnStatisticsEnabled=true
rnStatisticsGatherInterval=1 HOURS
rnStatisticsLeaseDuration=10 MINUTES
rnStatisticsSleepWaitDuration=60 SECONDS
rnStatisticsTTL=60 DAYS
storageNodeId=4
throughputFloor=0
javaMiscParams
パラメータのデフォルト値として、初期最小サイズに96MB (-Xms)および最大サイズに128MB (-Xmx)が示されています。 javaMiscParams=-Xms96M -Xmx128M -XX:ParallelGCThreads=6
管理が動作しているときに管理JVMメモリーを増加するには、次のように管理CLIからplan change-parameters
コマンドを使用します。
kv-> plan change-parameters -wait -all-admins -params \
javaMiscParams="-Xms2048m -Xmx2048m\
-XX:ParallelGCThreads=4"
これらの新しい値を指定すると、両方のJavaヒープ・サイズがデフォルト値から2GBに変更されます。
前述のように、管理CLIから既存のjavaMiscParams
を必ず特定し、個々のエントリを更新します。javaMiscParams
設定は、新規フラグだけでなく、すべての目的のフラグを表す必要があるため、以前から存在していた保持するフラグ値をすべて含めてください。
管理で定数が失われた場合は、管理CLIのrepair-admin-quorum
コマンドを使用する必要があります。
ストレージ・ノード・パラメータ
次のストレージ・ノード・パラメータを設定できます。
-
serviceLogFileCount=<Integer>
このストレージ・ノード、およびそのノードがホストするすべてのレプリケーション・ノードで保持するログ・ファイルの数を設定します。このデフォルト値は
20
です。ログ・ファイルの数を制限することで、ロギング履歴専用のディスク領域の量が制御されます。 -
serviceLogFileLimit=<Integer>
各ログ・ファイルのサイズを制限します。このサイズに達すると、ロギング・サブシステムによって新しいログ・ファイルが開始されます。この設定は、ストレージ・ノード、およびそのノードがホストするすべてのレプリケーション・ノードに適用されます。デフォルト値は
2,000,000
バイトです。この制限により、1つのファイルに書き込まれる大まかな最大バイト数が指定されます。serviceLogFileLimit
をゼロに設定すると、サイズは制限されません。 -
haPortRange=<String>
このストレージ・ノードがホストする管理およびレプリケーション・ノードに割り当てることができるポート番号の範囲を定義します。このストレージ・ノードのレプリケーション・ノードまたは管理をデプロイするたびに、指定した範囲からポートが割り当てられます。このパラメータの範囲値をlowport, highportと入力します。
-
haHostname=<String>
HAサブシステムで使用されるネットワーク・インタフェースの名前を設定します。
hostname
の有効な文字列は、DNS名またはIPアドレスになります。 -
capacity=<Integer>
このストレージ・ノードがホストできるレプリケーション・ノードの数を設定します。この値は、新しいレプリケーション・ノードを配置する場所に関する決定を示します。デフォルト値は
1
です。ストレージ・ノードに複数のレプリケーション・ノードをサポートするための十分なディスク、CPUおよびメモリー・リソースがある場合は、容量レベルを1
より大きく設定できます。ストレージ・ノードの容量を0に設定することは、このストレージ・ノードをアービタ・ノードのホストに使用できることを示します。アービタ・ノードをホストするように構成されたゾーン内のストレージ・ノードのプールは、アービタ・ノードの割当てに使用されます。アービタ・ノードが有効なトポロジのデプロイを参照してください。
-
memoryMB=<Integer>
このストレージ・ノードで使用可能なメモリー量(MB)を設定します。デフォルト値は
0
で、メモリー量がunknown
であることを示します。ストアでは、マシンで使用可能なRAMの合計量としてメモリー量が自動的に決定されます。このパラメータを変更する必要はありません。マシンで他のアプリケーションが実行されている場合、それらのアプリケーション用に一部のメモリーを予約し、
memoryMB
パラメータ値にアプリケーションのニーズに応じたメモリー許容量を設定します。ストレージ・ノードで他のアプリケーションを実行する構成はお薦めしません。 -
numCPUs=<Integer>
このストレージ・ノードで使用可能とされるCPUの数を設定します。デフォルト値は1です。
-
rnHeapPercent=<Integer>
SNがホストするすべてのRNプロセスに対して、ヒープ領域に予約されているストレージ・ノードのメモリーの割合を設定します。デフォルト値は
68
です。 -
jvmOverheadPercent=<Integer>
JVMオーバーヘッドによって使用される追加メモリー用の、Javaヒープ・サイズの割合を設定します。デフォルト値は25です。標準のメモリー割当てでは、SNのメモリーの85%はJavaヒープとJVMオーバーヘッドを対象としています。つまり、68% (
rnHeapPercent
)がJavaヒープ用、25% (jvmOverheadPercent
) * 68 (rnHeapPercent
) = 17%がJVMオーバーヘッド用、68% + 17% = 85%となります。 -
rnHeapMaxMB=<Integer>
レプリケーション・ノードのVMヒープの最大サイズの強い制限を設定します。デフォルト値は
0
で、VM固有の制限が使用されることを意味します。デフォルトはおよそ約32GBです。これは、圧縮オブジェクト参照を利用できる最大ヒープ・サイズを表します。これは32GBよりも大きい値に設定しないでください。そうすると、レプリケーション・ノードのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。
圧縮オブジェクト参照をサポートする最大サイズを超える設定では、圧縮されていないオブジェクト参照用のメモリー要件が増加された場合、ヒープ・サイズがより多くのオブジェクトを参照できる十分な大きさでないかぎり、デフォルトの制限が維持されます。より大きいヒープ・サイズの使用はお薦めしません。
-
systemPercent=<Integer>
オペレーティング・システム用に使用される、ストレージ・ノードのメモリーの割合を設定します。このメモリーは、ファイル・システム・キャッシュ、ページ・マッピング表、ファイル・システム・ハンドル、スレッド・スタックなどのためにオペレーティング・システムによって使用されます。
このパラメータが
10
未満の値に設定されている場合、ヒープおよびシステムによる使用を許可した後にメモリーが残っていると、オフヒープ・キャッシュが使用されることがあります。オフヒープ・キャッシュの管理を参照してください。デフォルト値は10
です。 -
mgmtClass=<String>
管理エージェントの実装を提供するクラスの名前。標準化されたインタフェース監視を参照してください。ポートを特権的なポート番号(<1024)にすることはできません。
-
servicePortRange=<String>
ストレージ・ノードおよびその管理対象サービスで実行されている管理サービス間の通信に使用されるポートの範囲を設定します。このパラメータはオプションです。デフォルトでは、サービスは匿名ポートを使用します。値の文字列の形式は、
startPort,endPort
です。範囲は、ストレージ・ノード、すべてのレプリケーション・ノード(capacityパラメータで定義)、マシンでホストされている管理サービスとアービタ・サービスおよびJMX (有効になっている場合)に対応できる十分な大きさにする必要があります。必要なポートの数は、システムがセキュリティ用に構成されている(デフォルト)かどうかによっても異なります。非セキュアなシステムの場合、ストレージ・ノードは1つのポートを使用し(サービス・ポート範囲が重複する場合にはレジストリ・サービスに個別に割り当てられたポートと共有)、各レプリケーション・ノードは範囲内の1つのポートを使用します。管理は、構成されている場合、1つのポートを使用します。アービタは、それぞれ1つのポートを使用します。JMXが有効になっている場合は、1つの追加ポートを使用します。セキュアなシステムでは、ストレージ・ノード用に2つの追加ポートと、管理用に2つのポートが必要です。一般的に、範囲は最小よりも大幅に多く指定することをお薦めします。使用可能なポートを増やすことで、ストレージ・ノードの容量が増加した場合や、ネットワークの問題によってポートが一時的に使用できなくなった場合に対応できます。
servicePortRange
で指定するポートは、管理ポートまたはhaPortRange
と重複しないようにしてください。サービス・ポートの範囲にはレジストリ・ポートを含めることができるため、レジストリとストレージ・ノードはポートを共有します。セキュアなOracle NoSQL Databaseをデプロイするには、次の式を使用して、ポート範囲サイズの数値を見積もり、ストレージ・ノード、レプリケーション・ノードまたは管理(構成されている場合)ごとに、ポートをさらに追加します。
3 (Storage Nodes) + capacity (the number of Replication Nodes) + Arbiters (the number of Arbiter Nodes) + 3 (if the Storage Node is hosting an admin) + 1 (if the Storage node is running JMX)
Oracle NoSQL Databaseを安全に構成する方法の詳細は、セキュリティ・ガイドを参照してください。
非セキュアなシステムの場合は、次の式を使用して、ポート範囲サイズの数値を見積もります。
1 (Storage Node) + capacity (the number of Replication Nodes) + Arbiters (the number of Arbiter Nodes) + 1 (if the Storage Node is hosting an admin) + 1 (if the Storage Node is running JMX)
たとえば、ストレージ・ノードの容量が1で、管理プロセスをホストしており、アービタとJMXのどちらも使用中でない場合、範囲サイズは3以上にする必要があります。安全およびストレージ・ノードの拡張のために、範囲サイズをこの最小値よりも増加できます。その後、ストレージ・ノードを拡張する場合、このパラメータを変更する必要はありません。容量が
2
の場合、範囲サイズは4以上にする必要があります。 -
rootDirPath=<path>
ストレージ・ノードのルート・ディレクトリへのパス。
-
rootDirSize=<Long Unit_String>
ルート・ディレクトリの記憶域サイズを設定します。ただし、実際のディレクトリ・サイズが指定したサイズ以上であることを検証するためにランタイム・チェックは実行されません。この設定は、一部のストレージ・ノードに他のストレージ・ノードより多くのディスク容量が存在する異機種間インストール環境で使用します。次に、ルート・ディレクトリにデータを格納するストレージ・ノードについてのみ(非推奨)、このパラメータを使用します。
- このパラメータに指定する値はlongとし、その後にオプションで単位文字列を続ける必要があります。許容される単位文字列は、1024、1024^2、1024^3、1024^4に対応してそれぞれKB、MB、GBおよびTBです。指定可能な文字列では大/小文字は区別されません。long値と単位文字列の間の有効なデリミタは、「 」、「-」または「_」です。
注意:
rootDirSize
パラメータは、-storagedir
パラメータを指定せずに作成された古いインストールとの下位互換性を確保するためのものです。ルート・ディレクトリには、データを格納しないことをお薦めします。ストレージ・ディレクトリ・サイズの管理を参照してください。ただし、-rootDirPath
パラメータを指定する場合は、-rootDirSize
も指定する必要があります。パラメータ設定を変更しようとしているが(plan change-parameters
)、両方のパラメータを指定しない場合、警告が表示されます。 - ストレージ・ノードで他の一部のディレクトリを使用する場合(
plan change-storagedir
を使用して指定できるなど)は、rootDir
パラメータを使用しないでください。
レプリケーション・ノード・パラメータ
次のパラメータをレプリケーション・ノードに対して設定できます。
-
collectEnvStats=<Boolean>
trueの場合、基になるBDB JEサブシステムで統計が.statファイルにダンプされます。この情報は、JEパフォーマンスのチューニングに役立ちます。Oracleサポートでは、チューニングのサポートまたは問題の調査のためにこれらの統計を要求する場合があります。
-
maxTrackedLatency=<Long TimeUnit>
レイテンシ・パーセンタイルの計算に含める最大レイテンシ。
-
configProperties=<String>
基になるBDB JEサブシステムのプロパティ設定を含みます。形式は、
property=value;property=value...
です。 -
javaMiscParams=<String>
レプリケーション・ノード・プロセスの起動時にコマンドラインに追加される文字列。ヒープ・サイズを制御するために、-Xmx、-XmsなどのJava VMプロパティを設定します。文字列がJVMコマンド・ラインの有効な一連のトークンではない場合、管理プロセスの起動に失敗します。
-
loggingConfigProps=<String>
ロギング・サブシステムのプロパティ設定を含みます。この文字列の形式は、前述のconfigPropertiesと同様のものです。標準のjava.util.loggingプロパティをこのパラメータで設定できます。
-
cacheSize=<Long>
基になるBDB JEサブシステムのキャッシュ・サイズを設定します。単位はバイトです。サイズはjavaヒープ・サイズによって制限され、javaヒープ・サイズはマシンで使用可能なメモリーの量によって制限されます。この下位レベルのパラメータは、Oracleサポートから明示的に指示された場合にのみ変更してください。
-
latencyCeiling=<Integer>
レプリケーション・ノードの平均レイテンシがこのミリ秒値を超えると、アラート対象のイベントとみなされます。JMXの監視が有効な場合、このイベントによって該当する通知も送信されます。
-
throughputFloor=<Integer>
latencyCeiling同様、throughputFloorは、レプリケーション・ノードのスループットの下限を設定します。スループットの低下のレポートはアラート対象とみなされます。この値は1秒当たりの操作で示されます。
-
rnCachePercent=<Integer>
JE環境キャッシュのために保持されるRNメモリーの一部分。
グローバル・パラメータ
次のストア全体の非セキュリティ・パラメータは、すべてのストレージ・ノード、レプリケーション・ノードおよび管理に対し、暗黙的で一律に設定されます。
collectorInterval =<Long TimeUnit>
レイテンシ統計の収集期間を各コンポーネントで設定します。この値のデフォルトは"20"秒です。平均的な間隔レイテンシやスループットのような値は、この期間の平均になります。
セキュリティ・パラメータ
次のストア全体のセキュリティ・パラメータは、すべてのストレージ・ノード、レプリケーション・ノードおよび管理に対し、暗黙的で一律に設定されます。
-
sessionTimeout=<Long TimeUnit>
ログイン・セッションが(延長されなかった場合の)有効となる時間の長さを指定します。デフォルト値は24時間です。
-
sessionExtendAllowed=<Boolean>
セッション延長を許可するかどうかを示します。デフォルト値はtrueです。
-
accountErrorLockoutThresholdInterval=<Long TimeUnit>
アカウント・ロックアウトのモニタリング用にログイン・エラー件数が追跡される期間を指定します。デフォルト値は10分です。
-
accountErrorLockoutThresholdCount=<Integer>
ホストに対して自動アカウント・ロックアウトをトリガーするために必要な、追跡期間における特定のホスト・アドレスからのユーザー・アカウントに対する無効なログイン試行回数。デフォルト値は10回の試行です。
-
accountErrorLockoutTimeout=<Long TimeUnit>
ロックアウトのトリガー後にアカウントがロックアウトされる期間。デフォルト値は30分です。
-
loginCacheTimeout=<Long TimeUnit>
リクエストごとにログイン検証のため他のサーバーに問い合せる必要がなくなるよう、KVStoreコンポーネントがログイン情報をローカル・キャッシュに格納する期間。デフォルト値は5分です。
次のパスワード・セキュリティ・パラメータを設定できます。
パラメータ名 | 値の範囲および型 | 説明 |
---|---|---|
passwordAllowedSpecial | #$%&'()*+,-./:; <=>?@[]^_`{|} (string)~のサブセットまたはフルセット | 許可される特殊文字をリストします。 |
passwordComplexityCheck | [true | false ] (ブール) | パスワード複雑度チェックを有効にするかどうか。デフォルト値はtrueです。 |
passwordMaxLength | 1 - 2048 (整数) | パスワードの最大長です。デフォルト値は256です。 |
passwordMinDigit | 0 - 2048 (整数) | 最小限必要な数字の数。デフォルト値は2です。 |
passwordMinLength | 1 - 2048 (整数) | パスワードの最小長です。デフォルト値は9です。 |
passwordMinLower | 0 - 2048 (整数) | 最小限必要な小文字の数。デフォルト値は2です。 |
passwordMinSpecial | 0 - 2048 (整数) | 最小限必要な特殊文字の数。デフォルト値は2です。 |
passwordMinUpper | 0 - 2048 (整数) | 最小限必要な大文字の数。デフォルト値は2です。 |
passwordNotStoreName | [true | false ] (ブール) | trueの場合、パスワードを現在のストア名と同じにすることも、綴りを逆にしたストア名にすることも、1–100の数字を付加することもできません。デフォルト値はtrueです。 |
passwordNotUserName | [true | false ] (ブール) | trueの場合、パスワードを現在のユーザー名と同じにすることも、綴りを逆にしたユーザー名にすることも、1-100の数字を付加することもできません。デフォルト値はtrueです。 |
passwordProhibited | カンマで区切られた文字列のリスト(文字列) | パスワードとして使用できない単語の単純なリスト。デフォルトの予約語は、oracle、password、user、nosqlです。 |
passwordRemember | 0 - 256 (整数) | 新しいパスワードの設定時に再使用できない記憶するパスワードの最大数。デフォルト値は3です。 |
最上位レベル、トランスポートおよびパスワード・セキュリティの各パラメータの詳細は、セキュリティ・ガイドを参照してください。
管理再起動
Oracle NoSQL Databaseパラメータを変更すると、ストレージ・ノード・エージェントによって管理が再起動されます。
管理パラメータ:
-
adminLogFileCount
-
adminLogFileLimit
-
configProperties
-
javaMiscParams
-
loggingConfigProps
-
adminHttpPort
次に例を示します。
kv-> plan change-parameters -all-admins
-params adminLogFileCount=10
Started plan 14. Use show plan -id 14 to check status.
To wait for completion, use plan wait -id 14
kv-> show plan -id 14
Plan Change Admin Params (14)
Owner: null
State: INTERRUPTED
Attempt number: 1
Started: 2013-08-26 20:12:06 UTC
Ended: 2013-08-26 20:12:06 UTC
Total tasks: 4
Successful: 1
Interrupted: 1
Not started: 2
Tasks not started
Task StartAdmin start admin1
Task WaitForAdminState waits for Admin admin1 to reach RUNNING state
kv-> plan execute -id 14
Started plan 14. Use show plan -id 14 to check status.
To wait for completion, use plan wait -id 14
kv-> show plan -id 14
Plan Change Admin Params (14)
State: SUCCEEDED
Attempt number: 1
Started: 2013-08-26 20:20:18 UTC
Ended: 2013-08-26 20:20:18 UTC
Total tasks: 2
Successful: 2
注意:
plan change-parameters
コマンドを使用して管理再起動を必要とするパラメータを変更すると、プランはINTERRUPTED
状態になります。SUCCESSFUL
状態に移行するには、plan execute -id <id>
コマンドを使用してプランを2回再発行します。