ドキュメントのアクセシビリティについて

Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWeb サイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc)を参照してください。

Oracle Supportへのアクセス

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概要

Oracle NoSQL Databaseは拡張性のある分散型NoSQLデータベースです。信頼性、柔軟性および可用性の高いデータ管理を、構成可能なストレージ・ノードのセットにわたって実施できます。これは、NoSQL DBドライバとKVStoreと呼ばれるストレージ・ノードのコレクションの2つの部分で構成されます。NoSQL DBドライバはOracle NoSQL Databaseのすべてのコア操作を透過的に処理するインテリジェントなドライバで、KVStoreはストレージ・ノードで構成されます。

KVLiteは、簡易版のOracle NoSQL Databaseです。レプリケートされない単一のストレージ・ノード、単一のシャード・ストアを提供します。単一プロセスで実行され、管理インタフェースを必要としません。KVLiteは、コマンドライン・インタフェースを使用して構成、起動および停止します。

KVLiteのアーキテクチャ

注意: KVLiteは、Oracle NoSQL Databaseアプリケーションの開発および単体テストを行う必要のあるアプリケーション開発者が使用するためのものです。これをOracle NoSQL APIを理解するための開発プラットフォームとして使用し、APIとの様々な相互作用方法をテストできます。KVLiteは単一マシン上で実行されます。本番デプロイメントやパフォーマンス測定のためのものではありません。

また、KVLiteはデフォルトでセキュアです。KVLiteを非セキュア・モードで起動するには、このガイドで示す手順に従ってKVLiteをインストールするときにセキュリティを無効化するパラメータを明示的に指定する必要があります。

このクイック・スタート・ガイドでは、次のタスクの実行方法を説明します。

  1. KVLiteのインストール
  2. KVLiteの起動
  3. インストールの確認
  4. KVLiteの停止と再起動

KVLiteのインストール

KVLiteは、Oracle NoSQL Databaseソフトウェアにバンドルされています。KVLiteをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Technology Networkからtar.gzまたは.zipファイルをダウンロードします。
  2. .tar .gzパッケージをGunzipして解凍します(.zipパッケージをダウンロードした場合はunzipします)。この例では、Oracle NoSQL Databaseバージョン4.4.6 Enterprise Editionを使用します。実際のパッケージ名とディレクトリ名は、使用しているリリース・バージョン、およびCommunity Edition (CE)、Enterprise Edition (EE)、Basic Edition (BE)のどれを使用しているかによって異なります。

    このドキュメントで使用する例は、ダウンロードとは別に解凍する必要がある点に注意してください。

    また、KVLiteを実行するには、次の要件が満たされていることを確認してください。

    • Javaバージョン8をマシンにインストールします。

    • Oracle NoSQL Databaseリリース4.5以上で作業する場合は、最低5GBのディスク領域を確保してください。

    例のダウンロード・パッケージ(このチュートリアルではkv-examples-4.4.6.tar.gz)は、サーバー・ダウンロード・パッケージと同じ場所から入手できます。

    $ gunzip kv-ce-4.4.6.tar.gz
    $ tar xvf kv-ce-4.4.6.tar  
    
    // To extract the examples package: 
    $ gunzip kv-examples-4.4.6.tar.gz
    $ tar xvf kv-examples-4.4.6.tar
この場合、kv-ce-4.4.6.tar.gzの内容はkv-4.4.6というディレクトリに解凍され、 kv-examples-4.4.6.tar.gzの内容はkv-4.4.6/examplesという名前のディレクトリに解凍されます。

KVLiteの起動

次の手順を実行して、KVLiteインスタンスを起動します。

KVLiteをセキュア・モードで起動するには、次の手順を実行します。

  1. ターミナルを開き、cdを実行してkv-4.4.6ディレクトリに移動し、NoSQL Databaseサーバーを起動します。

    $ cd kv-4.4.6
    $ java -Xmx64m -Xms64m -jar lib/kvstore.jar kvlite

    予想される出力は次のとおりです。

    Generated password for user admin: password
    User login file: ./kvroot/security/user.security
    Created new kvlite store with args:
    -root ./kvroot -store kvstore -host localhost -port 5000 -secure-config enable

    kvstoreはストアの名前、localhostはローカル・ホストの名前、kvrootはOracle NoSQL Databaseデータが格納されるディレクトリです。マシンの速度によって異なりますが、このメッセージが出力されるまでに約10秒から60秒かかります。

    KVLiteを停止するまで、コマンドライン・プロンプトは戻らないことに注意してください。

  2. 2つ目のシェルで、cdを実行してkv-4.4.6ディレクトリに移動し、KVLiteインスタンスにpingを実行して生存を確認します。出力の詳細は異なりますが、実行中のストアが表示されます。

    $ cd kv-4.4.6
    $ java -Xmx64m -Xms64m -jar lib/kvstore.jar ping -host localhost -port 5000 -security kvroot/security/user.security

    予想される出力は次のとおりです。

    Pinging components of store kvstore based upon topology sequence #14
    10 partitions and 1 storage nodes
    Time: 2017-05-02 09:34:43 UTC   Version: 12.2.4.4.6
    Shard Status: healthy:1 writable-degraded:0 read-only:0 offline:0
    Admin Status: healthy
    Zone [name=KVLite id=zn1 type=PRIMARY allowArbiters=false]   RN Status: online:1 offline:0
    Storage Node [sn1] on localhost:5000    Zone: [name=KVLite id=zn1 type=PRIMARY allowArbiters=false]    
    	Status: RUNNING   Ver: 12cR2.4.4.6 2017-04-13 06:54:25 UTC  Build id: d6a9b947763f
    	Admin [admin1]		Status: RUNNING,MASTER
    	Rep Node [rg1-rn1]	Status: RUNNING,MASTER sequenceNumber:204 haPort:5006

    このステータスは、KVLiteが起動され、実行中であることを示します。

KVLiteを非セキュア・モードで起動するには、次の手順を実行します。

  1. ターミナルを開き、cdを実行してkv-4.4.6ディレクトリに移動します。

    $ cd kv-4.4.6
  2. -enable-secure disableフラグを使用してkvstore.jarファイルを実行しセキュリティを無効化して、KVLiteを非セキュア・モードで起動します。

    $   java -jar lib/kvstore.jar kvlite -secure-config disable
  3. 2つ目のシェルで、cdを実行してkv-4.4.6ディレクトリに移動し、KVLiteインスタンスにpingを実行して生存を確認します。実行中のストアが表示されます。

    $ cd kv-4.4.6
    $ java -jar lib/kvstore.jar ping -host localhost -port 5000 

インストールの確認

インストールを確認したり、KVLiteが稼働していることを確認するために行えることがいくつかあります。次のいずれかの手順を実行して、インストールを確認します。

  • 新しいシェルを起動し、次のコマンドを実行します。
    $ jps -m

    マシンで実行されているKVLite (場合によっては別のものを含む)が、次のような出力で表示されます。

    2674 kvstore.jar kvlite
    3118 Jps -m
  • または、cdを実行してkv-4.4.6ディレクトリに移動し、KVLiteインスタンスにpingを実行します。出力の詳細は異なりますが、実行中のストアが表示されます。
    $ cd kv-4.4.6
    $ java -Xmx64m -Xms64m -jar lib/kvstore.jar ping -host localhost -port 5000 -security kvroot/security/user.security

    予想される出力は次のとおりです。

    Pinging components of store kvstore based upon topology sequence #14
    10 partitions and 1 storage nodes
    Time: 2017-05-02 09:34:43 UTC   Version: 12.2.4.4.6
    Shard Status: healthy:1 writable-degraded:0 read-only:0 offline:0
    Admin Status: healthy
    Zone [name=KVLite id=zn1 type=PRIMARY allowArbiters=false]   RN Status: online:1 offline:0
    Storage Node [sn1] on localhost:5000    Zone: [name=KVLite id=zn1 type=PRIMARY allowArbiters=false]    
    	Status: RUNNING   Ver: 12cR2.4.4.6 2017-04-13 06:54:25 UTC  Build id: d6a9b947763f
    	Admin [admin1]		Status: RUNNING,MASTER
    	Rep Node [rg1-rn1]	Status: RUNNING,MASTER sequenceNumber:204 haPort:5006
    KVLiteを非セキュア・モードで起動した場合は、-securityパラメータを使用せずにKVLiteインスタンスにpingを実行します。
    $ cd kv-4.4.6
    $ java -Xmx64m -Xms64m -jar lib/kvstore.jar ping -host localhost -port 5000
  • または、次のコマンドを使用してkvclientテスト・アプリケーションを実行します。
    $ cd kv-4.4.6
    $ java -Xmx64m -Xms64m -jar lib/kvclient.jar

    これにより、次のようなリリース出力が標準出力に書き込まれます。

    12cR2.4.4.6 2017-04-13 06:54:25 UTC  Build id: d6a9b947763f
  • または、examplesのパッケージをダウンロードおよび解凍し(未実施の場合)、examplesディレクトリがKVHOME内に含まれるようにします。このチュートリアルでは、examplesパッケージをすでにダウンロードし、展開しています。
    1. Helloという例のプログラムをコンパイルします。
      $ export KVHOME=<the directory where you have unzipped the CE package> 
      $ javac -cp lib/kvclient.jar:examples examples/hello/HelloBigDataWorld.java
      
    2. すべてデフォルト・パラメータを使用してサンプルを実行します。
      $ cd $KVHOME
      $ java -Xmx64m -Xms64m -Doracle.kv.security=./kvroot/security/user.security \
      	-cp lib/kvclient.jar:examples hello.HelloBigDataWorld \
      	-port 5000 -store kvstore -host localhost
      • 注意: 非セキュアのインストールの場合は、セキュリティ・パラメータを指定せずに例を実行してください。

        $ java -Xmx64m -Xms64m -cp lib/kvclient.jar:examples hello.HelloBigDataWorld \
        	-port 5000 -store kvstore -host localhost

      あるいは、デフォルト以外の値を使用してKVLiteを起動した場合は、デフォルト以外のパラメータを使用して実行します。

      $ java -Xmx64m -Xms64m -cp lib/kvclient.jar:examples hello.HelloBigDataWorld \
      	-port <hostport> -store <kvstore name> -host <hostname>

      予想される出力は次のとおりです。

      Hello Big Data World!

KVLiteの停止と再起動

KVLiteを停止して再起動するには、次の手順を実行します。

KVLiteを停止するには、KVLiteを実行しているシェルでCtrl C (^C)を使用します。

プロセスを再起動するには、単にコマンドライン・オプションを使用せずにKVLiteユーティリティを実行します。最初にKVLiteを起動したときに標準以外のオプションを指定した場合でも、このようにします。これは、KVLiteで、ポート値やストア名などの情報が実行間も保持されるためです。これらの値は、コマンドライン・オプションを使用して変更できません。

$ java -Xmx64m -Xms64m -jar KVHOME/lib/kvstore.jar kvlite

最初に指定したものとは異なるオプションで起動する必要がある場合、KVROOTディレクトリ(デフォルトでは./kvroot)を削除し、必要なオプションを使用してkvliteユーティリティを再実行します。KVLiteの起動を参照してください。

あるいは、-rootコマンドライン・オプションを指定して元のKVROOTディレクトリ以外の場所を必ず指定し、変更する必要のある他のオプションも指定します。

注意: 最初からやり直すことを選択した場合、前のデータはすべて失われます。