多ディメンション計算の概念について
簡略化されたデータベースに基づく次の概要は、多ディメンション計算の性質を示しています:
図17-3 マルチディメンション・データベースの計算

データベースには、勘定科目、時間およびシナリオの3つのディメンションがあります。
勘定科目ディメンションには、次の4つのメンバーがあります:
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販売および売上原価は入力パラメータです
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マージン=販売 - COGS
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Margin% = Margin % Sales (販売に対するマージンの割合)
時間ディメンションには4つの四半期があります。 この例では、Qtr1-Jan、FebおよびMarのメンバーのみを表示します。
Scenarioディメンションには、予算値の場合はBudget、実績値の場合はActualという2つの子メンバーがあります。
アウトラインは、3ディメンション・キューブとして示されています:
図17-4 3ディメンション・データベースの図

メンバーの交差(ディメンションごとに1つのメンバー)はデータ値を表し、データ値はデータベース内の1つのセルに格納されます。 マルチディメンショナル・データベースの特定のデータ値を参照するには、各ディメンションの各メンバーを指定する必要があります。 Essbaseでは、メンバーの組合せはディメンション間演算子(->)で示されます。 ハイフン(-)と大なり記号(>)を使用してディメンション間演算子を作成します。 ディメンション間演算子とメンバーの間にスペースを入れないでください。
次の図に示すように、Sales、Jan、Actualのデータ値を含む単一セルはSales -> Jan -> Actualと記述されます。
図17-5 データベースの販売、Jan、実績スライス

Salesを参照する場合、上の図に示すように、8つの値を含むデータベースのスライスを参照します:
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Sales -> Jan -> Actual
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Sales -> Feb -> Actual
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Sales -> Mar -> Actual
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Sales -> Qtr1 -> Actual
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Sales -> Jan -> Budget
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Sales -> Feb -> Budget
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Sales -> Mar -> Budget
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Sales -> Qtr1 -> Budget
図17-6 データベースの販売、実績、予算スライス

Actual Salesを参照すると、次の図に示すように4つの値が表示されます:
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Sales -> Jan -> Actual
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Sales -> Feb -> Actual
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Sales -> Mar -> Actual
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Sales -> Qtr1 -> Actual
図17-7 データベースの実績、販売スライス

Essbaseでは、式"Margin% = Margin % Sales"が計算されると、各Margin値が取得され、対応するSales値のパーセンテージとして計算されます。
Essbaseは、データベースを循環し、次のようにマージン%を計算します:
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Margin -> Jan -> ActualのパーセンテージとしてのMargin -> Jan -> Actual。
結果は、Margin% -> Jan -> Actualに配置されます。
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Sales -> Feb -> ActualのパーセンテージとしてのMargin -> Feb -> Actual
結果は、Margin% -> Feb -> Actualに配置されます。
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Sales -> Mar -> ActualのパーセンテージとしてのMargin -> Mar -> Actual。
結果は、Margin% -> Mar -> Actualに置かれます。
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Sales -> Qtr1 -> ActualのパーセンテージとしてのMargin -> Qtr1 -> Actual。
結果は、Margin% -> Qtr1 -> Actualに配置されます。
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Sales -> Jan -> ActualのパーセンテージとしてのMargin -> Jan -> Actual。
結果は、Margin% -> Jan -> Budgetに配置されます。
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Essbaseでは、データベース内のメンバーの組合せごとにマージン%が計算されるまで、データベースの循環が続行されます。
「計算順序の定義」を参照してください。