フィルタの割当て
フィルタを定義した後、それらのフィルタをユーザーまたはグループに割り当てることができます。それにより、同じフィルタ設定を必要とする複数のユーザーを管理できます。フィルタの定義に対する変更は、フィルタのユーザーによって自動的に継承されます。
フィルタは、管理者ロールを持つユーザーには影響しません。
フィルタの割当ては、MaxLまたはEssbase Webインタフェースで実行できます。
ノート:
フィルタを割り当てるには、アプリケーション・レベルで役割が割り当てられている必要があります。MaxLでは、アプリケーション・レベルのユーザーおよびグループの役割が暗黙的に割り当てられます。Essbase Webインタフェースでは、フィルタの割当て前に、明示的にアプリケーション・レベルの役割を割り当てる必要があります。
MaxLを使用したフィルタの割当て
MaxLでは、MaxL文のgrantを使用することでフィルタを割り当てることができます。
例
- filter1というフィルタを作成します。
MAXL> create filter sample.basic.filter1 read on 'Jan, sales', no_access on '@children(Qtr2)';
- user1にフィルタ・アクセスを許可します。
MAXL> grant filter sample.basic.filter1 to user1;
Essbase Webインタフェースを使用したフィルタの割当て
フィルタの割当てにEssbase Webインタフェースを使用するには、最初にアプリケーション・レベルで役割を割り当ててからフィルタを割り当てます。
例
- アプリケーション・レベルで役割を割り当てます。
- 「アプリケーション」ページで、アプリケーションを開きます。
- 「カスタマイズ」ページを選択します。
- 「権限」タブを選択します。
- 「追加」をクリックします。
ユーザーとグループのリストが表示されます。
- ユーザーの横にある「追加
」をクリックします。
このトピックでは、例を示すためにユーザーの役割を持つユーザーuser1を使用します。
- 右側のパネルを閉じるために、「閉じる
」をクリックします。
- filter1というフィルタを作成します。このフィルタでは、'Jan, sales'に対する読取りアクセスが可能になり、@children(Qtr2)にアクセスできなくなります。
- user1にフィルタ・アクセスを許可します:
- 「アプリケーション」ページで、アプリケーションを開きます。
- キューブを開きます。
- 「カスタマイズ」ページを選択します。
- 「フィルタ」タブを選択します。
- filter1を選択します。
- 「ロール」タブを選択します。
- 「追加」をクリックします。
ユーザーのリストが表示されます。
- user1の横にある「追加
」をクリックします。
- 「閉じる」
をクリックします。
user1は、filter1のメンバーとして表示されます。
- アプリケーション・レベルで役割を割り当てます。
- 「アプリケーション」ページで、アプリケーション名の右側にある「アクション」メニューをクリックします。
- 「検査」をクリックして、「権限」を選択します。
- ダイアログ・ボックスの右側にある「追加
」をクリックします。
ユーザーとグループのリストが表示されます。
- ユーザーの横にある「追加
」をクリックします。
このトピックでは、例を示すためにユーザーの役割を持つユーザーuser1を使用します。
- 右側のパネルを閉じるために、「閉じる
」をクリックします。
- フィルタ割当てを確認するには、フィルタ・エディタ画面にある「ロール」をクリックします。
user1が表示されます。
- filter1というフィルタを作成します。このフィルタでは、'Jan, sales'に対する読取りアクセスが可能になり、@children(Qtr2)にアクセスできなくなります。
- user1にフィルタ・アクセスを許可します:
- 「アプリケーション」ページで、アプリケーションを展開してキューブ名の右側にある「アクション」メニューをクリックします。
- 「検査」を選択してから、「フィルタ」を選択します。
- filter1を選択してから、「ロール」を選択します。
- 「追加
」をクリックします。
ユーザーとグループのリストが表示されます。
- user1の横にある「追加」アイコン
をクリックします。
- 「閉じる」をクリックします。
user1は、filter1のメンバーとして表示されます。
フィルタ定義の重複
メンバー指定が重複している行がフィルタに含まれている場合、優先順にリストされた次のルールに従って、継承されるアクセス権が設定されます。
-
より詳細なディメンションの組合せリストを定義するフィルタは、詳細度の低いフィルタよりも優先されます。
-
前述のルールによって重複の競合が解決しない場合は、重複するフィルタ行の中で最も高いアクセス・レベルが適用されます。
たとえば、次のフィルタには重複の競合が含まれます。
-
アクセス: 書込み。メンバー指定: Actual。
-
アクセス: なし。メンバー指定: Actual。
-
アクセス: 読取り。メンバー指定: Actual、@IDESCENDANTS (New York)。
3番目の指定では、他の2つよりもより詳細なレベルでセキュリティを定義します。そのため、New York支店のメンバーの実績データすべてに対する読取りアクセス権が付与されます。
書込みアクセス権はなしよりもアクセス・レベルが高いため、実績の残りのデータ値に書込みアクセス権が付与されます。
予算などのその他すべてのセルには、最小限のデータベース権限に従ってアクセスできます。
書込みアクセス権がある場合は、読取りアクセス権もあります。
ノート:
データベース・アウトラインのメンバーに対する変更は、フィルタに自動的には反映されません。変更するメンバー参照を手動で更新する必要があります。
メタデータのフィルタ定義の重複
任意の行内の影響を受けるメンバー・セット(メタ読取りメンバーとその祖先)が、他の行のメタ読取りメンバーと重複していない場合にのみ、複数行を使用したメタ読取りフィルタを定義する必要があります。複数行にメタ読取りを含むフィルタでは、1行につき1つのディメンションを指定することをお薦めします。ただし、祖先とメタ読取りメンバーが重複していないかぎり、引き続き1つのディメンションの異なるメンバー・セットを複数のメタ読取り行に指定できます。
たとえば、Sample Basicでは、次のフィルタ定義に重複の競合があります。
-
アクセス: メタ読取り。メンバー指定: California。
-
アクセス: メタ読取り。メンバー指定: West。
最初の行で、Californiaにメタ読取りを適用すると、Californiaにアクセスできるようになりますが、その祖先へのアクセスはブロックされます。そのため、Westに対するメタ読取りアクセスは無視され、このフィルタを割り当てられたユーザーはWestにアクセスできません。
CaliforniaだけでなくWestにもメタ読取りを割り当てるには、これらを次の1行にまとめます。アクセス: メタ読取り。メンバー指定: California、West。
アクセス定義の重複
ユーザーおよびグループのアクセス権の定義が重複している場合は、優先順にリストされている次のルールが適用されます。
-
より詳細なディメンションの組合せリストを定義するアクセス・レベルは、詳細度の低いレベルよりも優先される。
-
前述のルールによって重複の競合が解決しない場合は、最も高いアクセス・レベルが適用される。
例1:
ユーザーのFredには、次のデータベース・アクセス権が定義されています。
FINPLAN R
CAPPLAN W
PRODPLAN N
彼はGroup Marketingに割り当てられており、Group Marketingには次のデータベース・アクセス権があります。
FINPLAN N
CAPPLAN N
PRODPLAN W
彼の有効な権限は次のように設定されています。
FINPLAN R
CAPPLAN W
PRODPLAN W
例2:
ユーザーのMaryには、次のデータベース・アクセス権が定義されています。
FINPLAN R
PRODPLAN N
彼女はGroup Marketingに割り当てられており、Group Marketingには次のデータベース・アクセス権があります。
FINPLAN N
PRODPLAN W
彼女の有効な権限は次のように設定されています。
FINPLAN R
PRODPLAN W
さらに、Maryは(データベースFINPLANの)フィルタ・アーティファクトREDも使用します。フィルタには、次の2つのフィルタ行があります。
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アクセス: 読取り。メンバー指定: Actual。
-
アクセス: 書込み。メンバー指定: Budget、@IDESCENDANTS (New York)。
Group Marketingでは、(データベースFINPLANの)フィルタ・アーティファクトBLUEも使用します。フィルタには、次の2つのフィルタ行があります。
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アクセス: 読取り。メンバー指定: Actual、Sales。
-
アクセス: 書込み。メンバー指定: Budget、Sales。
重複しているフィルタから、Maryの有効な権限、彼女やグループに割り当てられる権限は次のとおりです。
-
R: FINPLANデータベース全体。
-
W: New York支店のすべての予算データに対して。
-
W: 予算と売上に関連するデータ値に対して。