4.1 インストールの選択項目の理解
Oracle Application Expressのインストールの選択項目について学習します。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、マルチテナント・アーキテクチャが導入されています。このデータベース・アーキテクチャには、ルート・コンテナCDB$ROOT
、シード・データベースPDB$SEED
および複数のプラガブル・データベース(PDB)を含むマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)が含まれます。各プラガブル・データベースは、Oracle Databaseリリース11gの個別のデータベース・インスタンスに相当します。ルート・コンテナCDB$ROOT
は、メタデータ・リンクまたはオブジェクト・リンクを使用してすべてのPDBにアクセス可能な共通オブジェクトを保持します。シード・データベースPDB$SEED
は、新しいデータベースをシードするために新しいPDBを作成する際に使用されます。Oracle Database 12c以降のマルチテナント・アーキテクチャの主なメリットは、CPUやメモリーなどのデータベース・リソースをすべてのPDBで共有できることです。また、このアーキテクチャでは、アップグレード、パッチ、バックアップなどのタスクにおいて、複数のデータベースを1つのデータベースとして扱うことができます。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、マルチテナント・アーキテクチャを構成している場合、Oracle Application Expressはデフォルトでルート・コンテナ・データベースにインストールされます。デフォルトのインストールでは、ルート・コンテナCDB$ROOT
にAPEX_040200
スキーマが含まれ、Application Expressエンジンの一般的なデータベース・オブジェクト(パッケージ、ファンクション、プロシージャ、ビューなど)を格納するために使用されます。APEX_040200
スキーマは、シード・データベースPDB$SEED
にも含まれ、Application Expressエンジンの一部である表を格納するために使用されます。
新しいPDBを作成するにはPDB$SEED
をコピーします。ここにはAPEX_200200
(Oracle Application Expressリリース20.2が共通的にCDBにインストールされた場合)が含まれています。この方法により、Application Expressエンジンのパッケージ、ファンクション、プロシージャおよびビューの1つのコピーのみで、Application Expressエンジンの表の複数のコピーを作成することができます。各PDBは、APEX_200200
スキーマとともに、Application Expressエンジンの表のコピーを独自に保持するため、そのPDB内で定義されたApplication Expressアプリケーションのメタデータを保持できます。
ヒント:
すべてのプラガブル・データベース(PDB)がOracle Application Expressを使用し、そのすべてが正確に同じリリースとパッチ・セットのOracle Application Expressを実行する必要があるホスティング企業またはインストールを除いて、大部分のユースケースでは、ルート・コンテナ・データベースからOracle Application Expressを削除することをお薦めします。