2.72 SEND EXTRACT

SEND EXTRACTでは、実行中のExtractプロセスと通信します。このリクエストは、Extractがユーザーからのコマンドを受け入れる準備ができるとすぐに処理されます。

構文

SEND EXTRACT group_name, {
BR {BRINTERVAL interval | 
   BRSTART | 
   BRSTOP | 
   BRCHECKPOINT {IMMEDIATE | IN n{M|H} | AT yyyy-mm-dd hh:mm[:ss]]}} |
BR BRFSOPTION { MS_SYNC | MS_ASYNC }
BR STATS
BR STATUS
CACHEMGR {CACHESTATS | CACHEQUEUES | CACHEPOOL n} |
CACHEMGR CACHEFSOPTION { MS_SYNC | MS_ASYNC } |
FORCESTOP |
FORCETRANS transaction_ID [FORCE] |
GETLAG |
GETPARAMINFO [parameter_name] [FILE output_file] |
GETTCPSTATS |
LOGEND |
LOGSTATS |
REPORT |
RESUME |
ROLLOVER |
SHOWTRANS [transaction_ID] [COUNT n]
    [DURATION duration unit] [TABULAR]
    [FILE file_name [DETAIL]] [ALL]|
SKIPTRANS transaction_ID [FORCE] |
STATUS |
STOP |
TRACE[2] file_name |
TRACE[2] OFF |
TRACE OFF file_name |
TRACEINIT |
TRANSLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS(parameter_specification) |
TRANLOGOPTIONS {TRANLOGOPTIONS {PURGEORPHANEDTRANSACTIONS | NOPURGEORPHANEDTRANSACTIONS} |
TRANLOGOPTIONS TRANSCLEANUPFREQUENCY minutes |
VAMMESSAGE 'Teradata_command' |
VAMMESSAGE {'ARSTATS' | 'INCLUDELIST [filter]' | 'FILELIST [filter]'| 'EXCLUDELIST [filter]'} |
VAMMESSAGE 'OPENTRANS'
}
group_name

1つのExtractグループ名、または複数のグループを指定するワイルドカード(*)。たとえば、「T*」と指定すると、グループ名がTから始まるすべてのExtractプロセスにこのコマンドが送信されます。Extractが実行中でない場合はエラーが返されます。

BR {BRINTERVAL interval | BRSTART | BRSTOP |
BRCHECKPOINT {IMMEDIATE | IN n {H|M} | AT yyyy-mm-dd[ hh:mm[:ss]]}}

ExtractのBounded Recoveryモードに影響を及ぼすコマンドを送信します。

BRINTERVAL interval

Bounded Recoveryチェックポイント間の時間を設定します。有効な値は20分から96時間です。20M2Hのように、分はM、時間はHで指定します。デフォルト間隔は4時間です。

BRSTART

Bounded Recoveryを開始します。このコマンドは、Oracleサポートの指示の下でのみ使用します。

BRSTOP

Bounded Recoveryの実行およびリカバリを停止します。このオプションを使用する前にOracleサポートに連絡してください。通常の場合、Bounded Recoveryに問題があると、Bounded Recoveryは自身を無効化します。

BRCHECKPOINT {IMMEDIATE | IN n{H|M} | AT yyyy-mm-dd[ hh:mm[:ss]]}}

Bounded Recoveryチェックポイントがいつ作成されるかを設定します。IMMEDIATEでは、SEND EXTRACTが発行されるとすぐにチェックポイントが発行されます。INでは、SEND EXTRACTが発行されてから、指定された時間数の経過後にチェックポイントが発行されます。ATでは、指定した厳密な時刻にチェックポイントが発行されます。

BR BRFSOPTION {MS_SYNC | MS_ASYNC}

Bounded Recoveryでマップ済データの同期/非同期書込みを実行します。

MS_SYNC

マップ済データのBounded Recovery書込みは、I/Oデータ整合性が完了するように同期されます。

MS_ASYNC

マップ済データのBounded Recovery書込みは、サービスのために開始または待機されます。

BR STATS
BRによって永続化された各オブジェクト・プールの詳細が表示されます。これには次の詳細が含まれます。
  • Extractグループの存続期間中のオブジェクトのサイズ

  • Extractグループの存続期間中のオブジェクトの年齢

  • 最新のBCP時点のExtantオブジェクトのサイズ

  • 最新のBCP時点のExtantオブジェクトの年齢

BR STATUS

ExtractのBounded Recoveryモードのステータスを返します。

これは、次の内容を示しています。

  • BRパラメータの現在の設定。

  • Bounded Recoveryの現在のステータス(実行された場合)、および現在のチェックポイント間隔、次と最後のチェックポイントのタイムスタンプ、およびBRが進行中のオブジェクトおよびサイズの合計と未処理の数。

  • Bounded Recoveryチェックポイント位置(Redoスレッドごと)の開始順序と終了順序、RBA、SCNおよびタイムスタンプ。

CACHEMGR {CACHESTATS | CACHEQUEUES | CACHEPOOL n}

Oracle GoldenGateメモリー・キャッシュ・マネージャについての統計を返します。CACHESTATSは、Oracleサポートから指示が明示的にあった場合にのみ使用します。

CACHESTATS

仮想メモリーの使用量とファイル・キャッシュに関する統計を返します。

CACHEQUEUES

空きキューに関する統計のみを返します。

CACHEPOOL n

指定されたオブジェクト・プールに関する統計のみを返します。

CACHEMGR CACHEFSOPTION {MS_SYNC | MS_ASYNC}

Oracle GoldenGateメモリー・キャッシュ・マネージャでマップ済データの同期または非同期書込みを実行します。

FORCESTOP

すべての通知をバイパスし、Extractを強制的に停止します。このコマンドを発行すると、プロセスは即座に停止します。

FORCETRANS transaction_ID [THREAD n] [FORCE]

MySQL、OracleおよびSQL Serverに有効です。

Extractに、トランザクションID番号で指定したトランザクションをコミット済トランザクションとしてトレイルに書き込ませます。FORCETRANSでは、ソース・データベースに対するトランザクションのコミットは行いません。Replicatが(暗黙的なコミットで)処理できるように、既存データをトレイルのみに書き込ませます。FORCETRANSは、古い順に他のトランザクションに対して繰り返し実行できます。トランザクションがソース・ユーザー・アプリケーションによってロールバックされる場合、トランザクションにトレイル(したがって、ターゲット・データベース)へのコミットを強制すると、データの不整合が生じることがあります。

FORCETRANSを使用した後、SEND EXTRACTコマンドをFORCESTOPとともに発行する場合は、少なくとも5分待機してください。待機しないと、トランザクションはそのまま残ります。

Extractの起動直後にFORCETRANSを使用する場合、待機してからコマンドを再度実行するように求めるエラー・メッセージを受信することがあります。これは、Extractがまだ他のトランザクションを処理していないことを意味しています。他のトランザクションの処理を開始すると、トランザクションをトレイルに書き込ませることができます。

transaction_ID

トランザクションのID。トランザクションID番号は、SHOWTRANSコマンドまたはExtractランタイム・メッセージから取得してください。Extractは、このコマンドの発行後にトランザクションに追加されたデータはすべて無視します。FORCEが使用されていない場合、確認プロンプトに応える必要があります。FORCETRANSを使用するには、SHOWTRANSコマンドで表示されるトランザクション・リスト内の最も古いトランザクションを指定する必要があります。

FORCE

OracleおよびSQL Serverに有効です。MySQLでは無効です。

FORCEでは、確認プロンプトをバイパスします。

GETLAG

Extractとデータ・ソース間の正確なラグ・タイムを確認します。LAG EXTRACTと同じ結果を返します。

GETPARAMINFO [parameter_name] [FILE output_file]

GETPARAMINFOでは、Extract、Replicat、Manageなどの実行中のインスタンスのランタイム・パラメータ値を問い合せます。1つまたはすべてのパラメータを問い合せて、出力をコンソールまたはテキスト・ファイルに送信できます

parameter_name

デフォルト動作では、使用中のすべてのパラメータ、つまりアプリケーションによって問合せされたことがあるパラメータ、パラメータ、およびそれぞれの現在値が表示されます。特定のパラメータを指定した場合、そのパラメータ名で出力がフィルタ処理されます。

FILE output_file

出力のリダイレクト先のテキスト・ファイル名。

GETTCPSTATS

Extractとターゲット・システム間のネットワーク・アクティビティについての統計を表示します。次の統計が含まれます。

  • ローカルおよびリモートIPアドレス

  • インバウンドおよびアウトバウンド・メッセージ(バイトおよびバイト/秒)

  • 受信(インバウンド)および送信(アウトバウンド)数。受信は、インバウンド・メッセージ当たり少なくとも2つ(長さについて1つ、データについて1つ以上)あります。

  • 送信および受信当たりの平均バイト数

  • 送信および受信の待機時間: 送信の待機時間とは、TCPへの書込み完了にかかる時間です。送信の待機時間が短いほど、ネットワークのパフォーマンスが優れています。受信の待機時間とは、読取り完了にかかる時間です。送信および受信の待機時間によって、おおよそのネットワークのラウンド・トリップ時間を把握できます。これらの値は、マイクロ秒で表されます。

  • データ圧縮のステータス(有効または無効)

  • 圧縮前バイト数と圧縮後バイト数: 圧縮前と圧縮後を比較すると圧縮率(圧縮前と圧縮後のバイトの差)を把握できます。この圧縮率と、1秒当たりの圧縮バイト数を比較することで、リソースおよびネットワーク消費の観点から圧縮率がコストに見合うかどうか判断できます。

RMTHOSTおよびRMTHOSTOPTIONSTCPBUFSIZEオプションでは、圧縮前データのTCPバッファ・サイズを制御します。圧縮が有効の場合、ネットワークに送信されるデータはこのサイズよりも小さくなります。GETTCPSTATSでは、圧縮後のスループットを表示します。

LOGEND

Extractがデータ・ソース内のすべてのレコードを処理したかどうかを確認します。

LOGSTATS

Oracleにのみ有効です。

Extractに、Oracle REDOログ・ファイルからのデータの処理に関連する統計についてのレポートを発行するように指示します。ログ・ファイル上で追加のI/Oなしにデータが使用できるように、Extractは、Extractが処理中の現在のレコードの先を読み取る非同期ログ・リーダーを使用します。処理は、一連の読取り/書込みキューで行われます。データは、追加データがリーダー・スレッドによってログ・ファイルから読み取られるのと同時にプロデューサ・スレッドによって解析されます。これが統計の「先読み」という用語の理由です。

次の統計があります。

  • AsyncReader.Buffersn: キャプチャされたREDOデータを含む各バッファ・キューに対して、このようなフィールドがあります。サイズ、その中のレコード数、データを処理するまでの待機時間の長さを示します。これらの統計は、キューでの書込み操作および読取り操作に対して指定されます。

  • REDO read ahead buffers: 非同期で先読みするのに使用されているバッファの数。

  • REDO read ahead buffer size: 各バッファのサイズ。

  • REDO bytes read ahead for current redo: 現在のREDOログ・ファイルに対して先読みモードがオンかオフかどうか(値はONまたはOFF)。

  • REDO bytes read: このExtractのインスタンスに関連付けられているすべてのREDOログ・ファイルから読み取られたバイト数。

  • REDO bytes read ahead: 先読みメカニズムによって処理されたバイト数。

  • REDO bytes unused: Extract位置変更や失効読取りの結果、その後に削除された先読みバイト数。

  • REDO bytes parsed: 有効なログ・データとして処理されたバイト数。

  • REDO bytes output: トレイル・ファイルに書き込まれたバイト数(内部Oracle GoldenGateのオーバーヘッドは含まない)。

REPORT

Extractレポート・ファイルに一時的な統計レポートを生成します。RESETREPORTSTATS | NORESETREPORTSTATSオプションとともに使用する場合、表示される統計は、STATOPTIONSパラメータの構成によって異なります。

RESUME

EVENTACTIONS SUSPENDイベントによって一時停止されたプロセスを再開(アクティブに)します。プロセスは、一時停止された位置から通常の処理を再開します。

ROLLOVER

Extractの再起動時に、順序の次のトレイル・ファイルに切り替えさせます。たとえば、現在のファイルがET000002の場合、このコマンドの実行後、現在のファイルはET000003になります。トレイルは000001から999999まで増やすことが可能で、順序番号は000000から再開始します。

SHOWTRANS [transaction_ID] [THREAD n] [COUNT n]
[DURATION duration unit] [TABULAR] | [FILE file_name [DETAIL]] [ALL]

MySQL、OracleおよびSQL Serverに有効です。

オープンしているトランザクションに関する情報を表示します。SHOWTRANSは、データベース・タイプに応じて次のいずれかを表示します。

  • プロセス・チェックポイント(Extractが再起動する場合に、トランザクション処理を継続する必要がある最も古いログを示します)。

  • トランザクションID

  • Extractグループ名

  • REDOスレッド番号

  • (トランザクションの実際の開始時刻でなく)Oracle GoldenGateがトランザクションから抽出した最初の操作のタイムスタンプ

  • システム変更番号(SCN)

  • REDOログ番号とRBA

  • ステータス(Pending COMMITまたはRunning)。Pending COMMITは、FORCETRANS発行後のトランザクション書込み中に表示されます。

オプションを指定しない場合SHOWTRANSでは、使用可能なバッファに収まるオープンしているすべてのトランザクションが表示されます。ただし、オープンしているアクティブなトランザクションについては、出力ユーザー名が表示されないことがあります。これは、そのユーザー名がトランザクション・ログの開始レコードには示されていないためです。

SHOWTRANSのサンプル出力の例を参照してください。出力をさらに制御するには、次のオプションを参照してください。

transaction_ID

コマンド出力を特定のトランザクションに制限します。

THREAD n

Oracleにのみ有効です。

コマンド出力を特定のOracle RACスレッドに対してオープンしているトランザクションに制限します。nには、Extractに認識されているRACスレッド番号を指定します。

COUNT n

コマンド出力を指定した数のオープンしているトランザクションに制限します(最も古いトランザクションから開始します)。有効な値は1から1000です。

DURATION duration unit

コマンド出力を指定した時間より長くオープンしているトランザクションに制限します。

durationには、時間の長さを整数で指定します。

unitは、secondsminuteshoursまたはdaysを表す次のいずれかです。

S|SEC|SECS|SECOND|SECONDS
M|MIN|MINS|MINUTE|MINUTES
H|HOUR|HOURS
D|DAY|DAYS
TABULAR

Oracleにのみ有効です。

SQL*Plusのデフォルトの表出力のような表フォーマットで出力を生成します。デフォルトはfield-per-rowです。

FILE file_name [DETAIL]

OracleおよびSQL Serverにのみ有効です。MySQLでは無効です。

Extractに、指定したファイルにトランザクション情報を書き込ませます。コンソールへの出力はありません。

Oracleの場合、DETAILを指定したFILEを使用して、16進数およびプレーン文字のデータ・ダンプを書き込むことができます。これにより、メモリーからファイルにトランザクション全体がダンプされます。このデータを確認することにより、トランザクションをスキップするかトレイルに強制的に書き込むかを判別できます。

ノート:

基本の詳細情報は、WARNLONGTRANS CHECKINTERVALパラメータに指定されている間隔でレポート・ファイルに自動的に書き込まれます。
[ALL]

このオプションを使用すると、COM内のすべてのトランザクションを表示できます。これは、COMに残されているコミット済トランザクションの潜在的な問題を検出するときに役立ちます。

SKIPTRANS transaction_ID [THREAD n] [FORCE]

MySQL、OracleおよびSQL Serverに有効です。

Extractに、指定したトランザクションをスキップさせます。これにより、メモリーから現在のすべてのデータが削除され、後続のすべてのデータが無視されます。FORCEが使用されていない場合、確認プロンプトに応える必要があります。SKIPTRANSを使用した後、SEND EXTRACTFORCESTOPとともに発行する場合は、少なくとも5分待機してください。そうしていないと、トランザクションは存続します。トランザクションをスキップすると、ターゲット・データベースでデータが失われることがあります。

ノート:

SKIPTRANSを使用するには、SHOWTRANSコマンドで表示されるトランザクション・リスト内の最も古いトランザクションを指定する必要があります。このコマンドは、古い順に他のトランザクションに対して繰り返し実行できます。
transaction_ID

トランザクションID番号です。ID番号は、SHOWTRANSコマンドまたはExtractランタイム・メッセージから取得してください。

THREAD n

Oracleにのみ有効です。

THREAD nでは、重複するトランザクションIDがある場合に、Oracle RAC環境でこのトランザクションを生成したスレッドを指定します。SKIPTRANSは、実際のスレッド番号ではなく、チェックポイント索引番号を指定します。正しいスレッドを指定するには、INFO EXTRACT group_name SHOWCHコマンドを発行してから、スキップするスレッド番号に対応するREADチェックポイント索引番号を指定します。

FORCE

OracleおよびSQL Serverに有効です。MySQLでは無効です。

FORCEを使用して、トランザクションをスキップする意図を確認するプロンプトをバイパスします。

STATUS

処理状況の詳細なステータス(現在の位置およびアクティビティを含む)を返します。Current status行には、次のような処理ステータス・メッセージが表示されます。

  • Delaying – 追加のデータを待機中

  • Suspended – 再開を待機中

  • Processing data – データを処理中

  • Starting initial load – 初期ロード・タスクを開始中

  • Processing source tables – 初期ロード・タスクのデータを処理中

  • Reading from data source – データ・ソース(ソース表、トランザクション・ログなど)から読取り中

  • Adding record to transaction list – ファイル・メモリー・トランザクション・リストにレコードを追加中

  • At EOF (end of file) – 処理するレコードなし

異常終了イベント後のExtractリカバリ中は、前述のステータスに加え、次のようなステータスの注釈が表示されます。Extractはリカバリ中にログ読取り位置を継続的に変更するので、リカバリの進捗状況を追跡できます。

  • In recovery[1] – Extractは、トランザクション・ログのチェックポイントにリカバリ中です。

  • In recovery[2] – Extractは、チェックポイントから証跡の末尾にリカバリ中です。

  • Recovery complete – リカバリは終了し、通常の処理が再開されます。

STOP

Extractを停止します。(WARNLONGTRANSパラメータに基づいて)長時間に及ぶトランザクションがある場合は、次のメッセージが表示されます。

Sending STOP request to EXTRACT JC108XT...
There are open, long-running transactions. Before you stop Extract, make the archives containing data for those transactions available for when Extract restarts. To force Extract to stop, use the SEND EXTRACT group, FORCESTOP command.
Oldest redo log file necessary to restart Extract is:
Redo Thread 1, Redo Log Sequence Number 150, SCN 31248005, RBA 2912272.
TRACE[2] {file_name | OFF}

トレースの有効化と無効化を切り替えます。トレースは、処理のボトルネックを明らかにする情報を、指定したファイルに取得します。トレースによって重大な処理のボトルネックが明らかになった場合は、Oracleサポートに連絡してください。

TRACE

ステップバイステップの処理情報を取得します。

TRACE2

具体的なステップでなく、コード・セグメントを特定します。

file_name

トレース情報が書き込まれるファイルの名前を指定します。TRACEを指定してSEND EXTRACTを発行したときにトレースがすでに実行中の場合は、既存のトレース・ファイルが閉じ、file_nameで指定した新しいファイルにトレースが再開されます。

OFF

トレースを無効にします。

TRACE OFF file_name

指定したトレース・ファイルに対してのみ、トレースをオフにします。

TRACEINIT

トレースの統計を0にリセットし、統計の累積をもう一度開始します。このオプションは、履歴でなく現在の処理動作をトレースするときに使用します。

TRANLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS(parameter_specification)

(Oracle) 統合Extractをサポートします。Extractが統合モードで実行している間に、パラメータ指定をデータベース・インバウンド・サーバーに送信します。このコマンドでは一度に1つのパラメータ指定のみを送信できます。複数のパラメータの変更は、複数のSEND EXTRACTコマンドを発行することで送信できます。

処理の連続性を維持するには、パラメータ変更をトランザクション境界で行います。

TRANLOGOPTIONS {PURGEORPHANEDTRANSACTIONS | NOPURGEORPHANEDTRANSACTIONS}

Oracle RACに有効です。ノードに障害が発生し、Extractがロールバックを取得できないときに発生する孤立トランザクションのパージを有効化または無効化します。

TRANLOGOPTIONS TRANSCLEANUPFREQUENCY minutes

Oracle RACに有効です。Oracle GoldenGateが、孤立トランザクションのスキャン、再スキャンによる確認、および削除の一連の動作を実行する間隔(分)を指定します。有効な値は1から43200分です。デフォルトは10分です。

VAMMESSAGE 'Teradata_command'
VAMMESSAGE { 'ARSTATS' | 'INCLUDELIST [filter]' | 'EXCLUDELIST [filter]' }
VAMMESSAGE 'OPENTRANS'

Extractが使用している取得APIにコマンドを送信します。

Teradataコマンドには、次のいずれかを指定できます。

'control:terminate'

レプリケーション・グループを停止します。Teradataのレプリケーション・グループを削除または変更する前に実行する必要があります。

'control:suspend'

レプリケーション・グループを一時停止します。Oracle GoldenGateをアップグレードするときに使用できます。

'control:resume'

一時停止したレプリケーション・グループを再開します。

'control:copy database.table'

ソース・データベースからターゲット・データベースに表をコピーします。

'ARSTATS'

TMF監査読取り統計を表示します。

'FILELIST [filter]'

Extractが監査証跡内でデータ・レコードを検出した、TABLEパラメータの選択基準に一致する表のリストを表示します。filterオプションでは、ワイルドカード・パターンを使用して返される表のリストをフィルタできます。GETFILELISTも同様に使用できます。

'EXCLUDELIST [filter]'

Extractが監査証跡内でデータ・レコードを検出した、TABLEパラメータの選択基準に一致しない表のリストを表示します。filterオプションでは、ワイルドカード・パターンを使用して返される表のリストをフィルタできます。暗黙的に除外されている特定のシステム表は、常に除外表のリストに含まれます。

SQL Serverコマンドには、次のいずれかを指定できます。

'OPENTRANS'

オープンしているトランザクションのリスト(トランザクションID、開始時刻、最初のLSN、含まれている操作数を含む)を出力します。

SEND EXTRACT finance, ROLLOVER
SEND EXTRACT finance, STOP
SEND EXTRACT finance, VAMMESSAGE 'control:suspend'
SEND EXTRACT finance, TRANLOGOPTIONS TRANSCLEANUPFREQUENCY 20

次の例では、SKIPTRANSを説明します。スレッド2がRead Checkpoint #3にあることを示す、次のSHOWCH出力から開始します。

INFO extract SHOWCH
Read Checkpoint #3
Oracle RAC Redo Log
Startup Checkpoint (starting position in the data source):
Thread #: 2
Sequence #: 17560
RBA: 65070096
Timestamp: 2011-07-30 20:04:47.000000
SCN: 1461.3499051750 (6278446271206)
Redo File: RAC4REDO/sss11g/onlinelog/group_4.292.716481937

そのため、SKIPTRANSSKIPTRANS xid THREAD 3にする必要があります。

SEND EXTRACT finance, SHOWTRANS COUNT 2

次にSHOWTRANSのデフォルト出力を示します。

Oldest redo log file necessary to restart Extract is:
Redo Thread 1, Redo Log Sequence Number 148, SCN 30816254, RBA 17319664
------------------------------------------------------------
XID                 : 5.15.52582
Items               : 30000
Extract             : JC108XT
Redo Thread         : 1
Start Time          : 2011-01-18:12:51:27
SCN                 : 20634955
Redo Seq            : 103
Redo RBA            : 18616848
Status              : Running
------------------------------------------------------------
XID                 : 7.14.48657
Items               : 30000
Extract             : JC108XT
Redo Thread         : 1
Start Time          : 2011-01-18:12:52:14
SCN                 : 20635145
Redo Seq            : 103
Redo RBA            : 26499088
Status              : Running

次の例は、TABULARが有効化されたSHOWTRANS出力です(ビューは右側で切り捨てられています)。

XID         Items  Extract   Redo Thread  Start Time
5.15.52582  30000  JC108XT       1            2011-01-18:12:52:14

Dumping transaction memory at 2011-01-21 13:36:54.
Record #1:
Header (140 bytes):
       0: 0000 0A4A 0000 FFFF 0000 0000 0057 6C10        ...J.........Wl.
      16: 02FF 3F50 FF38 7C40 0303 4141 414E 5A77        ..?P.8|@..AAANZw
      32: 4141 4641 4141 4B6F 4941 4144 0041 4141        AAFAAAKoIAAD.AAA
      48: 4E5A 7741 4146 4141 414B 6F49 4141 4400        NZwAAFAAAKoIAAD.
      64: 4141 414E 5A77 414A 2F41 4142 7A31 7741        AAANZwAJ/AABz1wA
      80: 4141 0041 4141 4141 4141 4141 4141 4141        AA.AAAAAAAAAAAAA
      96: 4141 4141 4100 0000 0140 FF08 0003 0000        AAAAA....@......
     112: 0000 0000 0000 70FF 0108 FFFF 0001 4A53        ......p.......JS
     128: 554E 2E54 4355 5354 4D45 5200                  UN.TCUSTMER.

Data (93 bytes):
       0: 2C00 0400 0400 0000 0100 0200 0300 0000        ,...............
      16: 0000 0000 0800 0000 1800 0000 2000 0400        ............ ...
      32: 1000 0600 0200 0000 284A 414E 456C 6C6F        ........(JANEllo
      48: 6352 4F43 4B59 2046 4C59 4552 2049 4E43        cROCKY FLYER INC
      64: 2E44 454E 5645 5220 6E43 4F20 7365 7400        .DENVER nCO set.
      80: 0000 0000 0000 0C00 0000 0000 00              ..............

SHOWTRANSの出力のサマリーを分析するときは、データベース上で現在実行中の(事前定義済バッファに収まる)すべてのトランザクションが表示されることを理解してください。Extractでは、Oracle GoldenGate用に構成された表に対する操作を含むトランザクションのみでなく、すべてのオープン・トランザクションを追跡する必要があります。

SHOWTRANSItemsフィールドの出力は、トランザクション内の操作数の合計ではなく、これまでにOracle GoldenGateによって取得されたトランザクション内の操作数です。取得された操作に、構成に含まれる表への操作が含まれていない、またはその一部しか含まれていない場合は、Itemsの値は0、または操作数の合計よりも少ない値になります。

Start Timeフィールドには、トランザクション自体の実際の開始時刻ではなく、Oracle GoldenGateがトランザクションから抽出した最初の操作のタイムスタンプが表示されます。

ノート:

Oracle GoldenGateは継続的に拡張されるため、実際のコマンド出力はこの例とは若干異なる場合があります。
次の例は、EORADB2を抽出するためのBRリクエストの送信を示しています。
send eoradb2 BR BRSTATUS
Bounded Recovery Parameter:
Options    = _BRDEBUG _NOBRCLEANUP _BRFORCE_ASSERT
BRINTERVAL = 40SECONDS
BRDIR      = /home/mpopeang/ogg_test/
Bounded Recovery Status: IN PROGRESS
Checkpoint interval = 40SECONDS
Next checkpoint  = 2020-01-15 21:10:47
Last checkpoint# = 49
Last checkpoint  = 2020-01-15 21:10:07
Total objects    = 65
Total size       = 426 MB
Outstanding objects = 58
Outstanding size    = 384 MB
Object pool 1: p12733_extr:RECOVERY: COMPLETE: start:SeqNo: 1580, 
RBA: 793460, SCN: 0.664178312(664178312), Timestamp: 2020-01-15 20:35:45.000000, 
Thread: 1, end=SeqNo:1580, 
RBA: 793460, SCN: 0.664178312 (664178312), Timestamp: 2020-01-15 20:35:45.000000, 
Thread: 1, complete=SeqNo: 1580, RBA: 793460, 
SCN:0.664178312 (664178312), Timestamp: 2020-01-15 20:35:45.000000, Thread: 1 at 2020-01-15 20:38:52.435830
CHECKPOINT: start=SeqNo: 1637, RBA: 10182312, SCN: 0.669567539 (669567539),
Timestamp: 2020-01-15 21:09:59.000000, Thread: 1, end=SeqNo: 1637, 
RBA:10182312, SCN: 0.669567539 (669567539), Timestamp: 2020-01-15 21:09:59.000000, 
Thread: 1

次の例は、BRによって永続化された各オブジェクト・プールの詳細を示しています。

Send EORADB2 BR BRSTATS
Object pool #0, instance: 1, id: p12733_extr 
Extractグループの存続期間中のオブジェクトのサイズ:
Sizes in bytes            :         POs
  512K      to        1M-1         :         13
    1M      to        2M-1         :         37
    4M      to        8M-1         :        398
    8M      to       16M-1         :          2
   16M      to       32M-1         :         10
Extractグループの存続期間中のオブジェクトの年齢:
duration: BCP intervals in the life of the PO
  duration                        0:        230
  duration         30 to         39:        230
最新のBCP時点のExtantオブジェクトのサイズ:
Sizes in bytes                   :        POs
          512K      to        1M-1        :          8
            1M      to        2M-1        :         17
            4M      to        8M-1        :        200
           16M      to       32M-1        :          5
最新のBCP時点のExtantオブジェクトの年齢:
duration: BCP intervals in the life of the PO
  duration         30 to            39:        230