このリリースでのこのガイドの変更点
次の変更が、Oracle Graph Server and Clientに付属するプロパティ・グラフ・サポートに適用されます。
Oracle Graph Server and Clientは、Oracle Databaseのプロパティ・グラフ機能を使用するために必要で(1.2項を参照)、1年に4回リリースされます。
新機能
Oracle Graph Server and Client 21.1の重要な新機能
- PgxMLライブラリ: 新しいグラフベースの機械学習アルゴリズムのサポート:
- DeepWalk、Supervised GraphWiseおよびPg2vec
- トレーニングされたモデルおよび埋込みをOracle Databaseに格納する機能
詳細は、グラフ用の機械学習ライブラリ(PgxML)の使用を参照してください。
- Oracle Database表のプロパティ・グラフ・ビューを定義し、PGQLを使用して問い合せます。
詳細は、Oracle Database表のプロパティ・グラフ・ビューを参照してください。
- グラフ・サーバー認証のセキュリティとユーザー・エクスペリエンスの向上:
- グラフ・サーバーの権限マッピングをOracle Databaseに格納することにより、認可変更の監査性が向上
- 更新時の自動再認証を使用した認証トークンの自動更新
- 自動更新の最大数に達したときに簡単に再認証するためのAPIを追加
詳細は、ユーザーの認証および認可を参照してください。
Graph Server and Client 20.4.xから21.1.0に移行する場合、認可ルールの移行の詳細は、Graph Server and Client 20.4.xから21.1.0へのアップグレードを参照してください。
- グラフ・サーバー(PGX)とクライアント間のセキュアな通信はTLSの使用が強制されます。
詳細は、RPMのインストール時に生成されるようになった自己署名TLS証明書を参照してください。
- CREATE PROPERTY GRAPH文を使用して、データベース内の表からグラフを作成し、それをインメモリー・グラフ・サーバー(PGX)で使用できるようにします
- インメモリー・グラフ・サーバー(PGX)用のPythonクライアント
- Zeppelin 0.9 (Zeppelin 0.8はサポートされなくなりました)
- データベース資格証明を使用してグラフ・ビジュアライゼーション・ツールにログインします
以前のOracle Graph Server and Clientリリースでの重要な新機能は次のとおりです。
- グラフ・ビジュアライゼーション・ツール: グラフを視覚化するための、軽量な単一ページのWebアプリケーション。
- メモリー使用量を減らし、パフォーマンスを向上させるためのインメモリー・グラフ表現の最適化。
- カスタム・グラフ・アルゴリズムを作成し、JavaまたはJavaScript構文を使用して製品グラフ・アルゴリズムを拡張するための、ユーザー定義関数(UDF)。
- Autonomous Databaseのサポート
- Oracle Databaseのユーザーおよびロールに基づいたGraphサーバーの認証および認可
- Oracle Databaseでの変更によってパーティション化されたグラフを最新の状態に維持するための新しいシンクロナイザAPI
- PGQLの機能:
- 既存の表からプロパティ・グラフを作成するために、Oracle DatabaseのPGQLとPGXのPGQLの両方に
CREATE PROPERTY GRAPH
文を追加しました - グラフ・サーバー(PGX)上のPGQLへの
CHEAPEST
およびTOP k CHEAPEST
パス問合せのサポートを追加しました。ノート:
このサポートは、Oracle Databaseのグラフに対して直接実行されるPGQL問合せには適用されません。 - PGQL 1.3言語仕様を実装しました。これは、https://pgql-lang.org/にあります
INSERT
、UPDATE
およびDELETE
問合せのサポートを追加しましたFROM
句およびオプションのON
句でのMATCH
のサポートを追加しました- 大文字小文字の区別のサポートを追加しました
- 引用された識別子のサポートを追加しました
GROUP BY
の後の副問合せのサポートを追加しました- SQLcl用のPGQLプラグインを追加しました
- 新規の組込みアルゴリズム:
- 高度な頂点の計算
- 距離索引の作成
- 制限付き最短パス(ホップ距離)
- 到達可能なすべての頂点/エッジ
- Louvain (コミュニティ検出)
- PGX用のPythonクライアント
- 既存の表からプロパティ・グラフを作成するために、Oracle DatabaseのPGQLとPGXのPGQLの両方に
Oracle Database 21cへのプロパティ・グラフ・アプリケーションの移行
リリース21c以降では、Oracle Graph Server and Clientを個別にインストールする必要があります。$ORACLE_HOME
から古いプロパティ・グラフ・ライブラリを削除することをお薦めします。詳細は、プロパティ・グラフ・ライブラリの以前のバージョンのアンインストールを参照してください。
非推奨となった機能
- PL/SQL API OPG_APIS.GET_SCNファンクションPL/SQL API OPG_APIS.GET_SCNファンクションは非推奨となりました。かわりに、現在のSCN (システム変更番号)を取得するには、DBMS_FLASHBACK.GET_SYSTEM_CHANGE_NUMBERファンクションを使用します。
SELECT dbms_flashback.get_system_change_number FROM DUAL;
- 2表サポート
「2表スキーマを使用したプロパティ・グラフの処理」で説明されている2表形式のサポートは19cで非推奨となり、将来のリリースで削除される予定です。
- Apache Tinkerpop APIのサポート
Oracle DatabaseのApache Tinkerpop APIサポートは19cで非推奨となり、将来のリリースで削除される予定です。
- OraclePgqlResultSet
oracle.pg.rdbms.OraclePgqlResultSet
インタフェースは19cで非推奨となり、将来のリリースで削除される予定です。かわりに、標準化されたインタフェースoracle.pgql.lang.ResultSet
を使用してPGQL結果セットから値を取得します。
サポート対象外となった機能
- Apache Solr/Luceneに基づくグラフ・プロパティ・テキスト検索はサポートが終了しました。かわりに、Oracle TextまたはPGQL問合せ式を使用します。
- PGXプロパティ・タイプDATEはサポーが終了しました。かわりに、LOCAL_DATEまたはTIMESTAMPを使用します。
- Apache Groovyベースのシェルのサポートは19cで非推奨となり、現在はサポートされていません。