Oracle LinuxのOCIコンピュート・インスタンスでのOracle GraalVM

このガイドでは、Oracle Linux 7、8および9を使用するOracle Cloud Infrastructure (OCI)コンピュート・インスタンスにOracle GraalVMをインストールする方法について説明します。初心者の方は、このチュートリアルから始めて、最初のLinuxインスタンスを作成して起動します

ノート: Oracle GraalVMライセンスとサポートは、追加コストなしでOracle Cloud Infrastructureサブスクリプションに含まれています。

前提条件

このガイドのステップをレプリケートするには、コンピュート・インスタンスを作成してそれに接続します。

Oracle GraalVMのインストール

利便性のために、Oracle GraalVM RPMはOracle YUMリポジトリにあります。Oracle GraalVM for JDK 17のRPMとOracle GraalVM for JDK 20のRPMは、それぞれgraalvm-17-native-imagegraalvm-20-native-imageというパッケージ名で利用できます。これらのOracle GraalVMディストリビューションには、JDKおよびネイティブ・イメージが含まれています。各Oracle GraalVM RPMは自己完結型であり、インストール時に必要なすべての依存関係が自動的に解決されます。

つまり、OCIの顧客は、Oracle Linuxのバージョンに応じてyumdnfまたはmicrodnfのデフォルト・パッケージ・マネージャを使用してインストールすることで、他のJava Development Kitと同様に、コンピュート・インスタンスでOracle GraalVMを使用できます。

次のコマンドを使用して、UNIX形式のシステムからOCIコンピュート・インスタンスに接続します:

   ssh -i .ssh/id_rsa opc@INSTANCE_PUBLIC_IP

.ssh/id_rsaは秘密SSHキーを含むファイルのフルパスと名前、opcはOracle Linuxイメージのデフォルト名、INSTANCE_PUBLIC_IPはコンソールからプロビジョニングされたインスタンスIPアドレスです。詳細は、SSHを使用したLinuxインスタンスへの接続のチュートリアルを参照してください。

インストール手順は、Oracle Linuxのバージョンまたはパッケージ・マネージャごとに異なる場合があります。

Oracle Linux 7

  1. GCCバージョン10の新しいdevtoolsetをインストールします(Oracle GraalVMネイティブ・イメージで必要):
    sudo yum -y install oracle-softwarecollection-release-el7
    
    sudo yum install devtoolset-10
    
  2. 新しいdevtoolsetをデフォルトで有効にします:
    echo 'source scl_source enable devtoolset-10' >> ~/.bashrc
    
  3. 新しいdevtoolsetが有効な新しいbashセッションを開始します:
    bash
    
  4. たとえば、JDK 20用のOracle GraalVMをインストールします:
    sudo yum install graalvm-20-native-image
    

    プロンプトでyesを入力して、インストールされているパッケージ・サイズが正しいことを確認します。

Oracle Linux 8および9

yumパッケージ・マネージャを使用するOracle Linux 8および9で、次のコマンドを1つずつ実行します:

sudo yum update -y oraclelinux-release-el8
sudo yum config-manager --set-enabled ol8_codeready_builder
sudo yum install graalvm-20-native-image

プロンプトでyesを入力して、インストールされているパッケージ・サイズが正しいことを確認します。

dnfまたはmicrodnfのデフォルト・パッケージ・マネージャを使用するOracle Linux 8および9で、次のコマンドを1つずつ実行します:

dnf update -y oraclelinux-release-el8
dnf config-manager --set-enabled ol8_codeready_builder
dnf install graalvm-20-native-image

プロンプトでyesを入力して、インストールされているパッケージ・サイズが正しいことを確認します。

環境変数の構成

このSSHセッションのOracle GraalVMインストールを指すように環境変数を構成します。インストール後、パッケージ・ファイルは/usr/lib64/graalvmディレクトリに置かれ、それに応じてbinにバイナリが配置されます。

  1. 次のコマンドを使用して、bash構成のPATHおよびJAVA_HOME環境変数を、Oracle GraalVMを指すように設定します:
    echo "export JAVA_HOME=/usr/lib64/graalvm/graalvm-java20" >> ~/.bashrc
    
    echo 'export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH' >> ~/.bashrc
    
  2. この変更をアクティブ化します:
    source ~/.bashrc
    
  3. PATHおよびJAVA_HOMEの値とJavaバージョンをチェックして、インストールが成功したことを確認します:
    echo $JAVA_HOME
    
    echo $PATH
    
    java -version
    

これで、Oracle GraalVMがインストールされたOCIコンピュート・インスタンスの準備ができました。

追加機能のインストール

Oracle GraalVMでは、Javascriptランタイム、Java on Truffleなどのさらなるテクノロジが提供されており、それぞれをアドオンとしてインストールできます。詳細は、機能サポート・リストを参照してください。

  1. 現在のOracle GraalVMインストールで使用可能な追加機能を確認します:

    sudo yum list graalvm-20*
    
    dnf list graalvm-20*
    

    出力されるリストは大きい場合があります。特定の機能(Pythonランタイムなど)が必要な場合は、正確なパッケージ名を指定して検索を絞り込みます:

    sudo yum list graalvm-20-python*
    
    dnf list graalvm-20-python*
    
  2. <package_name>を使用してOracle GraalVMに機能をインストールします。たとえば、yumを使用してPythonランタイムをインストールするには、次を実行します:

    sudo yum install graalvm-20-python
    

    dnfの場合:

    dnf install graalvm-20-python
    

    プロンプトでyesを入力して、インストールされているパッケージ・サイズが正しいことを確認します。

お疲れ様でした。Oracle Linuxイメージを使用するコンピュート・インスタンスにOracle GraalVMをインストールし、他のJava Development Kitとして使用できます。