setup

EM CLIを特定の管理サーバーで動作するように構成します。

EM CLIクライアントの設定は、-noautologinオプションを指定してセキュア・モードにするか、または-autologinオプションを指定して非セキュア・モードにすることができます。デフォルトは-noautologinです。したがって、いずれのオプションも指定しない場合は、EM CLIクライアントは自動的にセキュア・モードに設定されます。

構成ディレクトリには、操作中に生成された情報メッセージとエラー・メッセージを記録する、EM CLIによって生成されたログ・ファイルが含まれます。

書式

emcli setup
        -url="http[s]://host:port/em"
        -username=<EM_console_username]
        [-password=<password_of_user>]
        -dir=<local_emcli_config_directory>
        [-localdirans=yes|no]
        [-licans=yes|no]
        [-trustall]
        [-certans=yes|no]
        [-nocertvalidate]
        [-novalidate]
        [-autologin]
        [-noautologin]
        [-noregister]
        [-custom_attrib_file=<custom_attr_file_path>]

[ ]  indicates that the parameter is optional

オプション

  • url

    Oracle Management Server (OMS)のURL。hostはOMSのホストを指定します。portはOMSのリスニング・ポートを指定します。httpおよびhttpsプロトコルの両方がサポートされています(セキュリティ上の理由から、httpsの使用をお薦めします)。

  • username

    OMSへの接続時に、その後のすべてのEM CLIコマンドで使用するEnterprise Managerユーザー名。

    SSOユーザーがEnterprise Managerユーザーでもある場合(LDAP/OIDで認証済)、ssousernameの指定でしかEM CLIを登録できません。SSOをOMSに対して有効にした後は、EM CLIはusernameのみの指定では登録できません。

  • password

    Enterprise Managerユーザーのパスワード。このオプションを指定しない場合、対話形式でパスワードの入力を求められます。

    ノート:

    コマンドラインでのパスワードの入力は、セキュアではないため、避けてください。

  • dir

    EM CLI構成ディレクトリが作成されるディレクトリ。このディレクトリは、ローカルにマウントされたファイル・システムに置く必要があります。ディレクトリがそのように識別されなかった場合(trustallを指定した場合を除く)、HTTPS URLに警告または確認が発行されます。ディレクトリは、setupをコールした作業ディレクトリの相対ディレクトリにすることも絶対ディレクトリにすることもできます。このオプションのデフォルトは、ユーザーのホーム・ディレクトリです。

  • localdirans

    -dirオプション付きで指定された設定ディレクトリがローカル・ディレクトリかどうかを示します。設定ディレクトリがローカルであることを示すには、yesを指定し、設定ディレクトリがローカルでないことを示すにはnoを指定します。

  • licans

    ユーザーがライセンスを受け入れるかどうかを示します。yesを指定してライセンスを受け入れるか、noを指定してライセンスを拒否します。

  • trustall

    OMSから任意のサーバー資格証明を自動的に受け入れます(低セキュリティ)。

  • certans

    ユーザーに入力を要求することなく、証明書が信頼される必要があるかどうかを示します。証明書を信頼する場合はyesを指定し、証明書を信頼しない場合はnoを指定します。

  • nocertvalidate

    OMSが提供するSSL証明書のホスト名を検証しません。

  • novalidate

    OMSに対してEnterprise Managerユーザー名またはSSOユーザー名を認証しません。指定されたユーザー名を有効とみなします。これにより、Enterprise Managerの検証や接続を行わずに、構成を格納できます(Enterprise Manager URLおよびユーザー)。Enterprise Managerが稼働していないシナリオでsetupコマンドを実行すると、便利な場合があります。

  • autologin

    このモードでは、資格証明はEM CLIクライアント・システムに格納されます。自動ログイン・モードは、emcli logoutが実行されるまで維持されます。verbを実行したときにセッションの期限が切れている場合、自動的にログインされ、verbが実行されます。

    emcli logoutを実行後に実行されたverbは、次の内容を示すメッセージを表示して失敗します。「エラー: セッションが期限切れです。emcliログインを実行してセッションを確立してください。」emcli logout後にlogin verbを使用して、EM CLIにログインする必要があります。Enterprise Managerユーザーのパスワードが変更された後は、IDと新しいパスワードでログインする必要があります。新しいパスワードは、その後で格納されます。

    noautologinがデフォルト・モードであることに注意してください。

  • noautologin

    このデフォルト・モードでは、資格証明はEM CLIクライアント・システムに格納されません。verbを実行したときにセッションの期限が切れている場合、明示的にlogin verbを実行し、必要なverbを実行します。

  • noregister

    このEM CLIインスタンスを登録しません。

  • custom_attrib_file

    監査カスタム属性値を含むファイルのパス名。このオプションは、監査カスタム属性用にOMSが構成されている場合に必要です。custom_attrib_fileを指定しない場合、カスタム属性の値を入力するよう求められます。

    ファイルには、最大3行を含めることができます。1行に1つのカスタム属性の説明を含みます。各行の書式は次のとおりです。

    <attr-name>#<attr-displayname>#<isMandatory>#<attr-value>
    
    • # — フィールド・セパレータ。

    • attr-name — 属性の名前。

    • attr-displayname — 属性の表示名。

    • isMandatory — 必須属性の場合は1、それ以外は0。

    • attr-value — カスタム属性の値。

emcli setup -url=http://omsmachine.example.com:7770/em -username=sysman

複数の設定を実装して複数のOMSで動作するようにEM CLIクライアントを構成するには、次の手順を実行してください。

  1. dir1の場所でOMS1のEM CLIクライアントを設定します。

    emcli setup -dir=<dir1> -url=<Url of OMS1> -user=<EM Username for OMS1>
    
  2. dir2の場所でOMS2のEM CLIクライアントを設定します。

    emcli setup -dir=<dir2> -url=<Url of OMS1> -user=<EM Username for OMS2>
    
  3. OMS1の設定ディレクトリを参照するように環境変数EMCLI_STATE_DIRを設定します。

    setenv EMCLI_STATE_DIR <dir1>
    

    この設定により、EM CLIクライアントはOMS1で動作します。

  4. OMS2の設定ディレクトリを参照するように環境変数EMCLI_STATE_DIRを設定します。

    setenv EMCLI_STATE_DIR <dir2>
    

    この設定により、EM CLIクライアントはOMS2で動作します。