パッチ推奨およびパッチのダウンロード

この項では、使用できる様々なパッチ適用モードについて説明します。

オンライン・モードおよびオフライン・モードでのパッチ適用

オンラインとオフラインのパッチ適用を選択する柔軟性があります。

• オンライン・モード: オンライン・モードは、インターネット接続を使用してEnterprise ManagerがMy Oracle Support (MOS)に接続でき、Enterprise Managerによる最新のOracleパッチ推奨のダウンロードが可能な場合に便利です。このモードを使用して、MOSからパッチを検索してダウンロードし、これらのパッチを含めるゴールド・イメージを作成します。

  さらに、コミュニティ情報、ナレッジ記事、サービス・リクエストにアクセスしたり、直接MOSからマージ・マッチとのパッチ競合を自動的に解決することもできます。

  ノート:

  Cloud Controlは、データをMOSにアップロードしません。MOSを使用するのは、最新の更新をダウンロードする場合のみです。
  オンライン・モードでのパッチ適用については、「パッチ推奨とパッチ・ダウンロードのためのMOS接続の設定」を参照してください
• オフライン・モード: オフライン・モードは、Enterprise ManagerがMy Oracle Supportに接続できない場合に使用します。このモードでは、手動でソフトウェア・ライブラリにアップロードしたパッチを検索できます。オフライン・モードでは、次の操作を実行できません。
  • My Oracle Supportからのパッチの検索およびダウンロード
  • パッチに関する追加情報の表示
  • コミュニティ情報、ナレッジ記事、サービス・リクエストへのアクセス
  • 関連アクティビティ・リージョンの表示

  ノート:

  デフォルトでは、パッチ適用モードはオンラインに設定されています。オフラインに切り替える場合は、「設定」に移動して、「プロビジョニングとパッチ適用」、「オフライン・パッチ」の順に選択します。
  オフライン・モードでのパッチ適用については、「オフライン・モードでパッチを適用するためのインフラストラクチャの設定(MOSに未接続)」を参照してください

ホーム外パッチ適用

ホーム外パッチ適用は、必要なパッチを含むゴールド・イメージが新しいホームにデプロイされるパッチ適用メカニズムです。完了したら、新しいホームから実行するようにデータベース・インスタンスを移行して、停止時間を最小限に抑えます。

ノート:

新しいゴールド・イメージが公開されるまで待たずに、重要な問題に対処するためにパッチを適用する必要がある場合は、パッチ適用フローによって既存のホームがクローニングされ、必要なパッチが適用されます。その後、データベースを新しいホームに移行できます。詳細は、「緊急パッチ適用」を参照してください

セッションごとに少数のインスタンスのみを移行する場合は、その次のセッションでは残りのインスタンスを移行してください。このようにして移行アクティビティを分割することで、データ・センターの停止時間を制御できます。これは、Oracleホームから実行されているデータベース・インスタンスが複数ある場合、特に便利です。

ローリング・モードおよびパラレル・モードでのパッチ適用

Oracle Real Application Cluster (Oracle RAC)ターゲット、Oracle Grid Infrastructureターゲット(Oracle Exadataの一部であるかどうかは無関係)、Oracle Data Guardターゲットにパッチを適用する場合、ローリング・モードとパラレル・モードのどちらでクラスタのインスタンスにパッチを適用するかを選択できます。

ノート:

非ローリング更新は、Enterprise Manager 13cリリース5更新17 (13.5.0.17)以降では非推奨であり、使用できなくなりました。

• ローリング・モード: ローリング・モードでは、クラスタのノードに1つずつ個別にパッチが適用されます。たとえば、パッチ適用の対象が5つのノードがあるOracle Grid Infrastructureターゲットである場合は、1つ目のノードを停止し、パッチを適用してから再起動します。その後、すべてのノードにパッチが正常に適用されるまで、このプロセスが次のノードにロールオーバーされます。

  ノート:

  パッチの適用にローリング・モードを使用できるかどうかは、パッチのReadMeを参照してください。このモードは、ゴールド・イメージ内のすべてのパッチがローリング・モードをサポートしていることを確認した後で使用します。
  次の画像は、ローリング・モードの使用時に、2つのノードがあるOracle RACターゲットにパッチが適用される方法を示しています。

  図17-3 ローリング・モードのパッチ適用

  
  

  

  
  
• パラレル・モード: パラレル・モードでは、すべてのノードに同時にパッチが適用され、すべてのノードを停止し、同時にすべてのノードにパッチを適用します。
  次の画像は、パラレル・モードの使用時に、2つのノードがあるOracle RACターゲットにパッチが適用される方法を示しています。

  図17-4 パラレル・モードのパッチ適用