ローリング・アップグレードの前提条件
ローリング・アップグレードを試行する前に、次の項目を考慮する必要があります。
-
Enterprise Manager Cloud Controlは、データベース・バージョン11.2以上のローリング・アップグレードをサポートします。Active Data Guardのライセンスは、ローリング・アップグレードを実行するために選択したプライマリ・データベースおよびフィジカル・スタンバイ・データベースで必要です。
-
ローリング・アップグレードを実行する前に、アップグレード・バージョンのソフトウェアがすでにインストールされており、新しいOracleホームがすでに存在している必要があります。Enterprise Manager Cloud Controlのローリング・アップグレード・プロセスには、次のステップは含まれていません。
-
自動ストレージ管理(ASM)を使用するデータベースの場合は、すでに必要なバージョンでないかぎり、ローリング・アップグレードの実行前にASMを個別にアップグレードする必要があります。11.2のReal Application Cluster (RAC)または単一インスタンスのOracle Restartデータベースの場合、ASMおよびグリッド・インフラストラクチャが同じOracleホームを共有するため、ASMはグリッド・インフラストラクチャ・ホームをアップグレードするときにアップグレードされます。(グリッド・インフラストラクチャのバージョンは、ターゲット・データベースのアップグレードのバージョン以上である必要があります。)
-
Data Guard構成内のデータベースは、Enterprise Managerターゲットとして検出する必要があります。
-
ローリング・アップグレードのワークフローでは、プライマリ・データベースのバックアップを実行することをお薦めしますが、バックアップは、ローリング・アップグレード・プロセス中は実行されません。
-
失敗したローリング・アップグレードの自動ロールバックはサポートされていません。ただし、障害が発生した場合にそれぞれのデータベースをこの保証付きリストア・ポイントにリストアできるように、保証付きリストア・ポイントはすべてのデータベース上で作成されます。
-
保証付きリストア・ポイントは、アップグレード・プロセス中に適切なポイントで作成され、ローリング・アップグレード・プロセスが正常に完了すると削除されます。
-
既存のData Guard構成のローリング・アップグレードを続行するには、少なくとも1つのフィジカル・スタンバイ・データベースがData Guard構成に存在し、Enterprise Managerターゲットとして検出する必要があります。
-
明示的に指定しないかぎり、必要なすべてのロール変更がローリング・アップグレード中に自動的に実行され、ローリング・アップグレードが正常に完了した後にデータベースの元のロールがリストアされます。最初のスイッチオーバーの前に一時停止するオプションを使用できます。その他のスタンバイ・データベースが構成に存在せず、データベースを元のロールに戻さないように指定する場合は、最初のスイッチオーバーの後に停止するオプションを使用できます。
-
サポートされていないデータ型のオブジェクトへの変更は、ローリング・アップグレード・プロセス中に、一時ロジカル・スタンバイ・データベースで一時停止されます。
-
特定のデータベース・バージョンへのローリング・アップグレードを続行するには、構成内のその他すべてのロジカル・スタンバイ・データベースをそのバージョンに最初にアップグレードする必要があります。