4 クラウド管理

この章では、Enterprise Managerによって提供されるクラウド管理パックについて説明します。

ライセンスが定義されている既存のターゲットにはあらかじめクラウド・ライセンスが付与され、新しいターゲットが検出されるたびにパックのライセンスが自動的に付与されます。「設定」「Management Pack」「Management Packのアクセス権」の順にクリックして、ライセンスのアクセス情報を確認します。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseでは、データベース・クラウドを設定し、Database as a Service (DBaaS)モデルを操作できます。次の表で、Enterprise Managerによって提供されるこの管理パックについて説明します。

管理パック ライセンス情報のタイプ ライセンス情報

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

前提条件

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseを使用する場合は、Oracle Database Lifecycle Management Packが必要です。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

機能のサマリー

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseでは、次の機能が提供されます。

  • すぐに使用可能なセルフ・サービス・ポータルを使用して、ユーザーがIT担当者の手を借りずにクラウド・サービス(プロビジョニング・アプリケーション)にアクセスできます。

  • 物理インフラストラクチャ、仮想インフラストラクチャ、Engineered SystemインフラストラクチャおよびOracle Compute Cloud Service上へのセルフサービス・データベース・プロビジョニング。

  • 共有サーバー(VMベース)、共有クラスタ、共有データベース(Schema-as-a-Service)およびPluggable Database-as-a-Service (PDBaaS)のデプロイメント・モデルをサポートする包括的なデプロイメント・モデル。

  • スナップ・クローン - Oracle Databaseを高速かつストレージに依存しない、ストレージ効率のよい方法でクローニングする方法。

    この機能は、Oracle Database (プラガブル・データベース(PDB)を含む)をサポートします。Exadataスパース・クローン、CloneDB、マルチテナントのACFSスナップショット・ベースのシン・クローニング、およびZFSストレージ・アプライアンスのシン・クローニングに対するEnterprise Managerサポートは、スナップ・クローン機能に含まれています。

  • フル・クローンのデータ・リフレッシュ - 新しいRMANバックアップおよびRMAN複製を使用して、フル・クローンに含まれるデータを本番環境の最新データでリフレッシュする機能。この機能により、DBAの時間と労力を大幅に削減できます。

    ノート: 新しいフル・クローンを作成する機能はOracle Database Lifecycle Management Packのライセンスを必要としますが、追加のリフレッシュ機能はCloud Management Pack for Oracle Databaseのライセンスを必要とします。

  • 管理フロー(非セルフサービス)は、ソース・データベースのスナップ・クローンを作成します。これには名前および構成パラメータを保持してデータベースをリフレッシュする機能を含みます。

  • テストマスター・スナップショットを使用したスナップ・クローン - テストマスター・スナップショットは、本番データベースからのRMANイメージ・バックアップのストレージ・スナップショットを表します。これは、定期的なデータ・リフレッシュ機能を持つストレージ効率のよいクローンを作成するために使用されます。

  • 'PaaS Zone'配下のクラウド・インフラストラクチャのグループ化および同種クラウド・プールの作成。

  • ガバナンス - 割当てとリタイア・ポリシーによるロールベースのアクセス制御およびリソース制御。

  • チャージバックおよび測定では、ITコストを固定費や使用状況、構成といったメトリックに基づいてビジネスに配賦できます。また、各ターゲットのピークと傾向も確認できます。

  • REST APIおよびEMCLIを介したセルフ・サービス・ポータルへのプログラムによるアクセス。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

プロビジョニング

DBaaSを使用して、新しいデータベース、スキーマおよびPDBをプロビジョニングします。

  • サービス・カタログにあるデータベース・テンプレートを使用してデータベースを作成します。

  • 空のPDBを作成します。

  • 空のPDBをプロファイルに基づいて作成します。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

ハイブリッドPluggable-Database-as-a-Service

OCI Computeで動作するプラガブル・データベース(PDB)をプロビジョニングします。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

フル・クローン

プロファイルを使用して、またはライブ・データベースからフル・クローンを作成します。

  • セルフ・サービス・ポータルでRMANバックアップを使用してフル・データベース・クローンを作成します。

  • セルフ・サービス・ポータルでRMAN複製を使用してフル・データベース・クローンを作成します。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

スナップ・クローン

プロファイルを使用して、またはライブ・データベースからスナップ・クローンを作成します。

ストレージの種別を問わないアプローチを通じ、大規模データベースでも高速でスペース効率のよいクローンを作成できます。テストや開発目的で本番データベースのクローン作成が必要になることは多々ありますが、大規模データベースのクローン作成は困難と時間を要します。

セルフサービス主導のアプローチでは、ユーザーがデータベースのクローンを必要なときに自分で作成できます。

Enterprise Managerには、スナップ・クローンに対する次のソリューションが用意されています。

  • ソフトウェア・ソリューション: ZFSファイル・システム・クローン・データベース

  • ハードウェア・ソリューション: Sun ZFS Storage ApplianceおよびExadataスパース・クローン

次の手順を実行して、スナップ・クローン・データベースを作成および管理できます。

  • スナップ・クローン・データベースを作成します。

  • テスト・マスター・データベースを作成します。

  • テスト・マスターPDBを作成します。

  • ストレージ・テスト・マスターを作成します。

  • クローン・データベースをリフレッシュします。

  • 個別に同期されたテスト・マスターからスナップ・クローンを作成します。

  • ストレージ・テスト・マスターからスナップ・クローンを作成します。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

DBaaSセルフ・サービス・ポータル

データベース・セルフ・サービス・ポータルでは、ユーザーがゾーンを選択してデータベースを表示、監視およびデプロイできる他、実行中のデータベースにスキーマを作成できます。

  • 選択したサービス・テンプレートに基づくデータベースをリクエストします。

  • 選択したサービス・テンプレートに基づくPDBをリクエストします。

  • データベースのリフレッシュ: データベースを定期的にリフレッシュすることで、データを最新の状態に保ち、本番データベースと整合させます。

  • 1つ以上のスキーマを持つデータベース・サービスを作成し、スキーマに必要なデータを移入します。

  • Data Guardの切替え: プライマリ・データベースとそのスタンバイ・データベースの1つとの間でロールをリバースします。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

データベースの保守とカスタマイズ

データベース・プールの保守およびデータベースのカスタマイズ方法に関するサポート。

PDBaaS

EMCLIコマンドを使用して、次に示すようなPDBaaSフリート操作を実行します。

  • ソフトウェア・イメージの準備およびサブスクライブ

  • SSA管理者によって実行されるPDBaaSプール操作

  • CDBの更新

  • PDBaaSプールのクリーン・アップ操作

DBaaSのカスタマイズ

スクリプトのリクエスト作成/削除の前処理および後処理: サービス・インスタンスの作成前と作成後にカスタム・スクリプトを実行します。

DBaaS Cloudでのデータベース・オンボーディング

  • データベースの作成と削除、起動と停止、バックアップとリストア、パッチ適用といったDatabase Lifecycle Management操作を、セルフ・サービス・ポータルを使用して実行します。

  • EMCLIコマンドを使用して、DBaaSクラウドでオンボーディングを実施します。

データベースの再配置

  • 既存のデータベースを新しいデータベース・ソフトウェア・プールに移行します。

  • EMCLIコマンドを使用して、DBaaSクラウドで再配置を実施します。

DBaaS CloudでのPDBオンボーディング

  • PDBの作成と削除、起動と停止、バックアップとリストア、パッチ適用といったDatabase Lifecycle Management操作を、セルフ・サービス・ポータルを使用して実行します。

  • EMCLIコマンドを使用して、DBaaSクラウドでPDBオンボーディングを実施します。

PDBの再配置

  • 既存のPDBを新しいPDBソフトウェア・プールに移行します。

  • EMCLIコマンドを使用して、DBaaSクラウドでPDB再配置を実施します。

PDBインスタンスのサイズ変更

  • OEM DBaaS PDBインスタンスのサイズを変更します。サイズ変更操作を開始し、対応するサービス・テンプレートで定義されているワークロード・サイズに変更します。

  • EMCLIコマンドを使用して、PDBインスタンスのサイズを変更します。

フリート・メンテナンスを使用したPDBのアップグレード

  • Enterprise Manager DBaaSクラウドにプロビジョニングされたPDBをアップグレードします。

  • EMCLIコマンドを使用して、PDBをアップグレードします。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

Cloud API

  • REST APIおよびEMCLIを介したセルフ・サービス・ポータルへのプログラムによるアクセス。

  • 自動化用のクラウドAPIおよびRESTful APIの完全サポート。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

ライセンスが必要なリンク

次に示すページおよびリンクを使用するにはOracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseのライセンスが必要です。

  • ライセンスが必要なアクション

    データベースのホームページで、「データベース」ターゲット・メニューを選択します。「クローニング」「クローンの管理」の順に選択します。このページにある次のアクションは、ライセンスを必要とします。

    クローン・データベースの作成

    スナップ・クローン・データベースの作成

    スナップショット・クローンの作成

    テスト・マスターとして昇格

    テスト・マスターから削除

    リフレッシュ

  • 「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」ページ

    「Enterprise」メニューで、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・ホーム」の順に選択します。

  • 「Oracle VMインフラストラクチャ・リクエスト・ダッシュボード」ページ

    「Enterprise」メニューで、「クラウド」「Oracle VMインフラストラクチャ・リクエスト・ダッシュボード」の順に選択します。

  • 「ポリシー」ページ

    「Enterprise」メニューで、「クラウド」「ポリシー」の順に選択します。

  • 「クラウド・ホーム」ページ

    「Enterprise」メニューで、「クラウド」「クラウド・ホーム」の順に選択します。

  • 「セルフ・サービス・ポータル」ページ

    「Enterprise」メニューで、「クラウド」「セルフ・サービス・ポータル」の順に選択します。

  • 「チャージバック」ページ

    「Enterprise」メニューで、「チャージバック」を選択します。

  • 「インフラストラクチャ」ページ

    「設定」メニューで、「クラウド」「インフラストラクチャ」の順に選択します。

  • 「データベース」ページ

    「設定」メニューで、「クラウド」「データベース」の順に選択します。

  • 「ストレージ登録」ページ

    「設定」メニューで、「プロビジョニングとパッチ適用」「ストレージ登録」の順に選択します。

スナップ・クローン

「Enterprise」メニューで、次を実行します。

  • 「プロビジョニングとパッチ適用」「データベースのプロビジョニング」の順に選択します。

  • 「データベースのプロビジョニング」ページの左側にあるメニュー・ページの「関連リンク」セクションで、「プラガブル・データベースのプロビジョニング」を選択します。

  • 「PDB操作」セクションから、「新規プラガブル・データベースの作成」を選択します。「起動」をクリックします。

  • 「プラガブル・データベースの作成オプション」から、「既存のPDBのクローニング、「スナップ・クローン」の順に選択します。

マルチテナントCDBのホームページで、次を実行します。

  • 「Oracleデータベース」メニューから、「プロビジョニング」「プラガブル・データベースのプロビジョニング」の順に選択します。

  • 「PDB操作」セクションから、「新規プラガブル・データベースの作成」を選択します。「起動」をクリックします。

  • 「プラガブル・データベースの作成オプション」から「既存のPDBのクローニング」「スナップ・クローン」の順に選択します。

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

ライセンスが必要なRESTful API

次のRESTful APIは、ライセンスを必要とします。

  • アセンブリ操作

    リソース・アセンブリ・テンプレートおよびアセンブリ・インスタンス用の/em/cloud/iaas URI空間でのPOST/GET/PUT/DELETE

  • データベース操作およびスキーマ操作

    /em/cloud/dbaas/ URI空間でのPOST/GET/PUT/DELETE

  • DBaaS設定操作

    /em/websvcs/restful/extws/cloudservices/admin/cfw/v1 URI空間でのPOST/GET/PUT/DELETE

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

ライセンスが必要なEMCLI動詞

次のEMCLI動詞は、Oracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseのライセンスが必要です。

add_pool_members
cancel_cloud_service_requests
create_charge_item
create_dbaas_quota
create_pool
create_service_template
db_cloud_maintenance 
db_software_maintenance
delete_charge_item
delete_cloud_service_instances
delete_cloud_user_objects
delete_dbaas_quota
delete_pool
delete_service_template
deploy_rac_software
deploy_db_software
get_cloud_service_requests
get_cloud_user_objects
get_cloud_service_instances
get_dbaas_quota
get_dbaas_request_settings
get_metering_data
get_pool_capacity_data
get_pool_capacity_summary_data
get_pool_detail
get_service_template
get_pool_constraints
get_pool_criteria
get_pool_instance_data
get_pool_target_type
get_pools
list_charge_item_candidates
refresh_database
remove_pool_members
update_dbaas_request_settings
update_dbaas_quota
update_pool

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

ライセンスが必要なビューおよび表

リポジトリ・スキーマ内の次のオブジェクトは、Oracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseのライセンスが必要です。

  • EMCT_CBAで始まる表。

  • EMCT$CBAで始まるビュー。

  • 次のビューがあります。

    GP_EMCT_CBA_TARGET_CHARGE
    MGMT$EMCT_CBA_CHARGE_HOURLY
    MGMT$EMCT_CBA_CHARGE_DAILY

Oracle Cloud Management Pack for Oracle Database

ライセンスが必要なチャージバック・レポート

次のOracle Analytics Serverレポートは、Oracle Cloud Management Pack for Oracle Databaseのライセンスが必要です。また、次のレポートを参照し、Oracle Analytics Serverのcreate-like機能を使用して作成されたレポートには、このライセンスが適用されます。

  • チャージ傾向レポート

  • チャージ・サマリー・レポート

  • 使用状況の傾向レポート

  • 使用状況サマリー・レポート