Oracle ASRのCiscoスイッチの構成

このトピックでは、Oracle Auto Service Request (ASR)のCiscoスイッチを構成してアクティブ化する方法について説明します。

Oracle Exadata System Softwareリリース21.2.0以降、パッチ・マネージャ・ユーティリティ(patchmgr)を使用してCiscoスイッチ・ファームウェアをアップグレードすると、新しい監視コンポーネントもCiscoスイッチにインストールされます。新しい監視コンポーネントは、スイッチ・アラートをOracle ASRに伝播し、問題の検出および解決を自動化できます。この機能は、X8M以降のシステムにある管理ネットワーク・スイッチおよびRoCEネットワーク・ファブリック・スイッチを対象としています。また、以前のX8および一部のX7システムに存在する管理ネットワーク・スイッチ・モデル9348も対象です。

インストール後、Oracle ASRマネージャにアラートを送信するようにスイッチ監視コンポーネントを構成する必要があります。スイッチごとに次の構成を実行します。

  1. SSHを使用してスイッチにアクセスし、管理者のパスワードを使用してadminユーザーとしてログインします。

    ノート:

    SSHが構成されていない場合は、Telnetを使用して、adminユーザーとしてスイッチにアクセスします。
  2. 管理ネットワーク・スイッチ・モデル9348スイッチについてのみ、デフォルトで仮想ルーティング(vrf)を使用するようにスイッチを構成します。
    Switch# python bootflash:scripts/asr/bin/asr set vrf=default

    警告:

    このコマンドは、管理ネットワーク・スイッチ・モデル9348以外のスイッチでは実行しないでください。

  3. Oracle ASRマネージャのエンドポイントの場所でHTTPSが使用されている場合は、Oracle ASRマネージャからスイッチに証明書をコピーします。

    証明書は、スイッチのbootflash:scripts/asr/.run/ca.pemにコピーする必要があります。

    たとえば、スイッチおよびOracle ASRマネージャへのSSHアクセスが可能なホストで次のコマンドを使用できます。

    # openssl s_client -showcerts -servername ASR_host -connect ASR_host:port </dev/null 2>/dev/null|openssl x509 -outform PEM > ca.pem 
    # scp ca.pem switch:bootflash:scripts/asr/.run/ca.pem

    このコマンドの内容は次のとおりです。

    • ASR_host - Oracle ASRマネージャのホスト名またはIPアドレスを指定します。

    • port - Oracle ASRマネージャ・エンドポイントのポート番号を指定します。通常、ポート16161が使用されます。

    • switch - スイッチのホスト名またはIPアドレスを指定します。

  4. Oracle ASRマネージャ・エンドポイントの場所を設定します。
    Switch# python bootflash:scripts/asr/bin/asr set endpoint="ASR_endpoint"

    コマンドで、Oracle ASRマネージャ・エンドポイントのURLを指定します。

    例:

    Switch# python bootflash:scripts/asr/bin/asr set endpoint="https://192.0.2.108:16161"
  5. Oracle ASRマネージャ・エンドポイントを有効にします。
    Switch# python bootflash:scripts/asr/bin/asr set state=enabled
  6. 構成を確認します。
    Switch# python bootflash:scripts/asr/bin/asr show

    次に、予想されるコマンド出力の例を示します。

    ...
    ASR Properties:
           status : Registered    
           state : enabled
       send-event :    
           endpoint : http://192.0.2.108:16161
    ...
  7. テスト・イベントをOracle ASRに送信します。
    Switch# python bootflash:scripts/asr/bin/asr set send-event=test

    テスト・イベントがOracle ASRによって受信されたことを確認します。

  8. スイッチのターミナル・セッションを終了します。
    Switch# exit