Oracle Blockchain Platformの利点
Oracle Blockchain Platformを使用してブロックチェーン・ネットワークを作成および管理すると、使用可能な他のブロックチェーン製品よりも多くの利点があります。
組込み済みプラットフォームであるOracle Blockchain Platformには、ブロックチェーン・ネットワークのサポートに必要なすべての依存関係(コンピュート、ストレージ、コンテナ、アイデンティティ・サービス、イベント・サービスおよび管理サービス)が含まれています。Oracle Blockchain Platformには、統合操作をサポートするためのブロックチェーン・ネットワーク・コンソールが含まれています。これにより、アプリケーション開発を短時間のうちに開始したり、数か月ではなく数日または数週間で概念実証を完了できます。
Oracle Blockchain PlatformによるHyperledger Fabricへの価値の付加
Oracle Blockchain Platformは、Linux FoundationのHyperledger Fabricプロジェクトに基づいており、オープン・ソース・バージョンのHyperledger Fabricを様々な点で拡張しています。
セキュリティの強化
- TLS 1.2に基づいて転送中のデータの暗号化を使用し、TLS暗号スイートの前方秘匿暗号を優先します。
- すべての構成および台帳データに対して保存データの暗号化を使用します。
- ブロックチェーン・リソースへのすべてのAPIコールの監査ロギングが提供されます。レコードは、認証済のフィルタ可能な問合せAPIを介して取得できます。
RESTプロキシの追加
- RESTコールを介して豊富なFabric APIをサポートし、トランザクション統合を容易にします。『Oracle Blockchain Platform REST API』を参照してください。
- 同期および非同期の呼出しを可能にします。イベントおよびコールバックとDevOpsの操作を可能にします。
- 統合を簡略化し、トランザクション・フローの根本的な変更からアプリケーションを保護します。
管理および操作コンソールの提供
- 多数の管理タスクを自動化する、包括的で直感的なWebユーザー・インタフェースおよびウィザードを提供します。たとえば、組織のネットワークへの追加、新しいノードの追加、新しいチャネルの作成、チェーンコードのデプロイおよびインスタンス化、台帳の参照などです。
- ブロックチェーンの管理と監視のために、REST APIを介してDevOpsを有効にします。
- ノードを再起動することなく、動的に構成の更新を処理します。
- 監視およびトラブルシューティングを行うためのダッシュボード、台帳ブラウザおよびログ・ビューアが含まれます。
台帳DBのワールド・ステート・ストアのOracle Berkeley DBへの置換
- LevelDBのパフォーマンスでのCouch DBのリッチ問合せのサポートを提供します。
- SQLベースのリッチ問合せのサポートを提供します。「状態データベースとは」を参照してください。
- 問合せ結果をコミット時に検証して、台帳の整合性を確保し、ファントム読取りを回避します。
リッチ履歴データベースの統合
- Autonomous Data WarehouseまたはDatabase as a Serviceに対するトランザクション履歴の透過的なシャドウイング、およびブロックチェーン・トランザクション履歴およびワールド・ステート・データに対するアナリティクスやビジネス・インテリジェンス(Oracle Analytics Cloudやサードパーティ・ツールなど)の使用を可能にします。「リッチ履歴データベースの作成」を参照してください。
- リッチ履歴を格納するための標準表およびブロックチェーン表をサポートしています。ブロックチェーン表は改ざん防止された追加専用の表で、セキュアな台帳として他の表とのトランザクションおよび問合せにも使用できます。
高可用性アーキテクチャとレジリエントなインフラストラクチャ
Oracle Blockchain Platformはビジネスクリティカルなエンタープライズ・アプリケーション向けに構築されているため、非常に安全でレジリエントかつスケーラブルなプラットフォームとして継続的運用を実現するように設計されています。このプラットフォームは、台帳ブロックおよび構成情報の継続的なバックアップを基礎とし、すべてのネットワーク・コンポーネントの継続的な監視および自律型リカバリを提供します。
各カスタマ・インスタンスで複数の管理対象VMおよびコンテナのフレームワークが使用され、高可用性が保証されます。このフレームワークには、次のものが含まれます:
- VMの1つが使用できないかパッチを適用中の場合のレジリエンスを確保するために複数のVMに分散されたピア・ノード・コンテナ。
- 透過的なテイクオーバーによって停止を回避できるよう、オーダラ、Fabric CA、コンソールおよびRESTプロキシのノードが、すべてのVMでレプリケートされます。
- 複数VMデプロイメント・トポロジを強化する、可用性の高いRaft/Zookeeperクラスタ。
- セキュリティと安定性を高めるために分離されたカスタマ・チェーンコード実行コンテナ用のVM環境。