特定の開始ポイントへのExtractの設定

ADD/ALTER EXTRACTコマンドを使用すると、Extractの位置をトランザクション・ログ内の特定の開始ポイントに設定できます。

{ADD | ALTER EXTRACT} group, LOGNUM log_num, LOGPOS log_pos

  • groupは、開始ポイントが必要なOracle GoldenGate Extractのグループ名です。

  • LOGNUMは、ログ・ファイル番号です。たとえば、必要なログ・ファイルの名前がtest.000034である場合、LOGNUM値は34です。Extractでは、このログ・ファイルが検索されます。

    ノート:

    Microservices Architectureでは、LOGNUM値の前にゼロが含まれる場合、ADD EXTRACTが失敗します。たとえば、ADD EXTRACT ext1, TRANLOG, LOGNUM 000001, LOGPOS 0は失敗します。かわりに、LOGNUMを1に設定すると、この例は成功します。
  • LOGPOSは、特定のトランザクション・レコードを識別する、ログ・ファイル内のイベント・オフセット値です。イベント・オフセット値は、ログ・レコードのヘッダー・セクションに格納されます。binlogファイルの先頭に配置するには、LOGPOSを0に設定します。

MySQLログでは、イベント・オフセット値は所定のバイナリ・ファイル内でのみ一意にできます。位置の値とログ番号の組合せにより、トランザクション・レコードが一意に識別されます。ログ番号の最大長は8バイトの符号なし整数です。また、最大ログ・オフセット長は8バイトの符号なし整数です。ログ番号とログ・オフセットはパイプ(|)デリミタで区切ります。指定したログ内でこの位置の後に使用可能なトランザクション・レコードが、Extractによってキャプチャされます。また、タイムスタンプを使用してExtractを配置することもできます。

MySQLのGTIDベースExtractでの初期位置指定のサポート

MySQL Extractでは、タイムスタンプ、EOL、ログ番号またはログ位置による位置指定に加えて、GTIDセットによる初期位置指定がサポートされています。次のMySQLデータベース・バージョンおよびサービスで、この機能がサポートされています:
  • MySQL Server 5.7

  • MySQL Server 8.0

  • MySQL Database Service (MDS)

Oracle GoldenGateでは、64 KBが、位置指定オプションとしてのGTIDセットの、サポートされている最大サイズです。指定されているサイズよりもGTIDセットのサイズが大きい場合は、拡張チェックポイント・ファイルを使用して、GTIDセットによってExtractを追加または変更します。詳細は、を参照してください

位置指定オプションGTIDSETを指定したADD/ALTER EXTRACTコマンドの構文は次のとおりです:

{ADD | ALTER EXTRACT} group, TRANLOG, GTIDSET gtid-set

GTIDベースのExtractの初期位置指定のためのGTIDSETの使用例を次に示します:

{ADD | ALTER EXTRACT} group, TRANLOG, GTIDSET "E11FA47-71CA-11E1-9E33-C80AA9429562:4"
{ADD | ALTER EXTRACT} group, TRANLOG, GTIDSET "3E11FA47-71CA-11E1-9E33-C80AA9429562:1-10"
{ADD | ALTER EXTRACT} group, TRANLOG, GTIDSET "3E11FA47-71CA-11E1-9E33-C80AA9429562:1-3:11:47-49"
{ADD | ALTER EXTRACT} group, TRANLOG, GTIDSET "2174B383-5441-11E8-B90A-C80AA9429562:1-3,24DA167-0C0C-11E8-8442-00059A3C7B00:1-19"