ADD REPLICAT

ADD REPLICATでは、Replicatグループを作成します。SPECIALRUNが指定されている場合を除き、ADD REPLICATは実行間の処理の継続性を維持するためにチェックポイントを作成するオンライン・プロセス・グループを作成します。

このコマンドでは、DESCオプションに入力するテキストを含む、すべてのキーワードおよび入力のサイズは、500バイトを超えることはできません。

Oracle GoldenGateは、Oracle GoldenGate Managerインスタンス当たり、最大で5,000の同時ExtractおよびReplicatグループをサポートします。サポートされているレベルで、INFOSTATUSなどのGGSCIコマンドですべてのグループを完全に制御および表示できます。Oracle GoldenGateでは、環境を効果的に管理するために、ExtractおよびReplicatグループの数(合計)をデフォルト・レベルの300以下に保つことが推奨されます。

(Oracle)INTEGRATEDオプションが使用されている場合を除き、このコマンドはReplicatグループを非統合モードで作成します。

GGSCI構文

ADD REPLICAT group_name 
ADD REPLICAT group_name
[, PARALLEL [, INTEGRATED] | INTEGRATED | COORDINATED [MAXTHREADS number]]
{, SPECIALRUN |
    , EXTFILE file_name |
    , EXTTRAIL trail_name}
[, BEGIN {NOW | yyyy-mm-ddT[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]Z}]
[, EXTSEQNO sequence_number, EXTRBA rba]
{, CHECKPOINTTABLE owner.table | NODBCHECKPOINT} 
[, PARAMS file_name]
[, REPORT file_name]
group_name

Replicatグループ名。オプションを指定しないと、クラシックReplicatが作成されます。調整およびパラレルReplicatグループ名は最大5文字を使用できます。通常のReplicatグループ名は最大8文字まで使用できます。「プロセスおよびファイルの名前の選択」を参照してください。

INTEGRATED

(Oracle)Replicatを統合モードで作成します。このオプションがない場合、ADD REPLICATはReplicatを非統合(クラシック)モードで作成します。このオプションはパラレルReplicatでも機能します。このモードでは、ReplicatプロセスはOracle Databaseで使用可能な適用プロセス機能を利用します。このモードでは、Replicatは次のように動作します。

  • Oracle GoldenGate証跡を読み取ります。

  • データのフィルタリング、マッピング、および変換を実行します。

  • ソース・データベースDMLまたはDDLトランザクションを(コミットされた順序で)表す論理変更レコード(LCR)を作成します。

  • データベース・インバウンド・サーバーと呼ばれるターゲット・データベースのバックグラウンド・プロセスに、軽いストリーミング・インタフェースを介してアタッチします。

  • データがターゲット・データベースに適用されるインバウンド・サーバーにLCRを転送します。

  • 次の機能のいずれかを使用する場合は、統合モードのReplicat (通常統合またはパラレル統合)を使用する必要があります。
    • 自動競合検出および解決

    • プロシージャ・レプリケーション

    • DMLハンドラまたはDDLハンドラ

INTEGRATEDSPECIALRUNまたはEXTFILEオプションとともに使用しないでください。INTEGRATEDはローカルEXTTRAILが指定されたトレイルから読み取るオンライン変更同期Replicatに対して使用する必要があります。

統合モードの統合ReplicatとパラレルReplicatの両方にチェックポイント表が存在する場合は、その表が維持されます。「ADD CHECKPOINTTABLE」を参照してください。

TRACETABLEは、統合モードの統合ReplicatまたはパラレルReplicatでは維持されません。

統合モードでは、Replicatは次のパラメータをサポートしません。

  • BULKLOAD (初期ロードReplicatとして統合Replicatを使用しないでください)

  • SPECIALRUN

  • GENLOADFILES

  • SHOWSYNTAX

  • MAXTRANSOPS (無視されます)

PARALLEL

Oracle、SQL Server、MySQL、Db2、TimesTen、PostgreSQLおよびTeradataに有効です。

パラレル・モードでReplicatを追加します。このモードでは、Replicatはトランザクションをパラレルに適用するため、パフォーマンスが向上します。トランザクション間の依存関係が考慮されます。PARALLEL INTEGRATED ReplicatはOracleでのみ有効です。これは、Oracle Database内で使用できる適用処理機能を利用する統合Replicatと同様に、統合モードでパラレルReplicatを追加します。

COORDINATED [MAXTHREADS number]

Replicatを調整モードで作成します。調整Replicatは並列処理できるようにマルチスレッド化されます。このオプションはコーディネータ(グループ名で識別)と、デフォルトまたはMAXTHREADSで指定した最大数の処理スレッドを追加します。依存関係がコーディネータにより計算されて調整され、SQL処理がスレッドにより実行されます。

COORDINATED Replicatを作成するには、チェックポイント表が必要です。

COORDINATEDSPECIALRUNまたはEXTFILEオプションとともに使用しないでください。COORDINATEDはローカルEXTTRAILが指定されたトレイルから読み取るオンライン変更同期Replicatに対して使用する必要があります。

ノート:

調整Replicatのグループ名には5文字のみ使用できます。
MAXTHREADS number

このReplicatグループが生成できる処理スレッドの最大数を指定します。これらのスレッドはすべて起動時に作成されますが、パラメータ・ファイルのMAP文に指定した内容により、これらのスレッドの一部またはすべては、指定した時間でワークロードを処理します。一般的なルールとして、ワークロードを分割するときに、MAP文で指定するスレッド数の2倍を指定します。これにより、ワークロードが増加した場合に、Replicatグループを削除して再作成する必要なくスレッドを追加できます。スレッド間にワークロードを分割する方法の詳細は、「TABLE | MAP」 を参照してください。

MAXTHREADSを省略した場合、スレッドのデフォルト数は25です。スレッドの最大数は500です。

MAXTHREADSにはMAXGROUPSパラメータとの関連性があります。MAXGROUPSは、Oracle GoldenGateのインスタンスごとに使用できるプロセス・グループ(ExtractおよびReplicat)の最大数を制御します。各Replicatスレッドは、MAXGROUPSのコンテキストでは1つのReplicatグループと想定されます。したがって、Oracle GoldenGateインスタンス内のExtractおよびReplicatグループの数、プラスMAXTHREADSの値は、MAXGROUPSの値を超えることはできません。「MAXGROUPS」を参照してください

SPECIALRUN

Replicat特別実行をタスクとして作成します。SPECIALRUNEXTFILEまたはEXTTRAILを指定する必要があります。ExtractがSPECIALRUNモードの場合は、START REPLICATコマンドでReplicatを起動しないでください。このオプションはINTEGRATEDまたはCOORDINATEDオプションとともに使用しないでください。

EXTFILE file_name

Extractパラメータ・ファイルのRMTFILEで指定されている抽出ファイルの相対名または完全修飾名を指定します。このオプションをINTEGRATEDオプションとともに使用しないでください。

EXTTRAIL trail_name

ADD RMTTRAILまたはADD EXTTRAILコマンドで作成されたトレイルの相対名または完全修飾名を指定します。

BEGIN {NOW | yyyy-mm-ddT[ hh:mm[:ss[.cccccc]]]Z}

証跡の初期チェックポイントを定義します。

NOW

グループが作成されたときから変更のレプリケートを開始します。

Tyyyy-mm-dd[ hh:mm[:ss[.cccccc]]]Z

特定の時刻から変更の抽出を開始します。

EXTSEQNO sequence_number

トレイル内のデータ処理開始ファイルの順序番号を指定します。順序番号を指定しますが、埋込みのために0を使用しないでください。たとえば、証跡ファイルが\aa000000026の場合は、EXTSEQNO 26と指定します。指定しない場合、デフォルト値は0です。

このオプションを使用しない場合、処理はデフォルトで証跡の最初から開始されます。EXTSEQNOを使用するには、EXTRBAも使用する必要があります。このオプションを使用する前に、Oracleサポートに連絡してください。

EXTRBA rba

EXTSEQNOで指定したトレイル・ファイル内の相対バイト・アドレスを指定します。このオプションを使用する前に、Oracleサポートに連絡してください。

CHECKPOINTTABLE owner.table

Oracle GoldenGate Applications AdapterまたはOracle GoldenGate Big Dataには無効です。

チェックポイント表の使用をお薦めします。統合および非統合モードのパラレルおよび調整Replicatにはチェックポイント表が必要です。

このReplicatグループが、データベース内の指定した表にチェックポイントを書き込むように指定します。ggadmin.ggs_checkpointのように、所有者と表名を含めます。この引数は、GLOBALSファイルのすべてのデフォルトのCHECKPOINTTABLE指定よりも優先されます。ADD CHECKPOINTTABLEコマンドを使用して、最初にこの表を追加する必要があります。

NODBCHECKPOINTを指定すると、このReplicatグループはチェックポイント表にチェックポイントを書き込まなくなります。この引数は、GLOBALSファイルのすべてのデフォルトのCHECKPOINTTABLE指定よりも優先されます。この引数は、作成中のReplicatグループとともにチェックポイントを使用しないときに指定する必要があります。

PARAMS file_name

(Classic Architectureのみ)パラメータ・ファイルの保管場所を、Oracle GoldenGateディレクトリ内のデフォルトのdirprm以外に指定します。完全修飾パス名を指定します。

REPORT file_name

処理レポート・ファイルの保管場所の完全パス名を、Oracle GoldenGateディレクトリ内のデフォルトのdirrpt以外に指定します。

DESC 'description'

グループの説明('Loads account_tab on Serv2'など)を指定します。説明は引用符で囲みます。短縮キーワードDESCまたは完全なキーワードDESCRIPTIONを使用できます。

ENCRYPTIONPROFILE
Replicatの暗号化プロファイルの名前を指定します。

例: GGSCI

ADD REPLICAT repe, INTEGRATED, EXTTRAIL north/ea

次の例では、Replicatを調整モードで作成します。任意の時点で並列処理に最大100スレッドまで使用できることを示しています。

ADD REPLICAT repe, COORDINATED MAXTHREADS 100, EXTTRAIL north/ea