ALTER EXTRACT
ALTER EXTRACT
は、次の目的で使用します。
-
ADD EXTRACT
コマンドで作成したExtractグループの属性を変更する -
次の順序のトレイル・ファイルに切り替える
-
統合キャプチャの構成にアップグレードする
-
統合キャプチャの構成からダウングレードする
-
特定のDb2 for iジャーナルを特定のジャーナル順序番号に配置します。
このコマンドを使用する前に、STOP EXTRACT
group_name
コマンドを使用してExtractを停止します。
GGSCI構文
ALTER EXTRACT group-name
[, BEGIN {NOW | yyyy-mm-ddT[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]Z}]
[, START]
[, EXTSEQNO sequence-number]
[, EXTRBA offset-number]
[, TRANLOG LRI LRI_number
]
[, THREAD number]
[, LSN value]
[, SCN value
]
[, ETROLLOVER]
[, INFO EXTRACT group-name]
次のALTER EXTRACT
オプションは、特定のジャーナルに対してExtractを配置するためにDb2 for iでサポートされています:
ALTER EXTRACT {BEGIN {NOW | yyyy-mm-ddT[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]Z}
[JOURNAL journal_library/journal_name [JRNRCV receiver_library/
receiver_name]] |
, EOF [JOURNAL journal_library/journal_name
[JRNRCV receiver_library/receiver_name]] |
, SEQNO sequence_number [JOURNAL journal_library/journal_name
[JRNRCV receiver_library/receiver_name]]}
-
BEGIN {NOW |
yyyy-mm-ddT[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]Z
[JOURNAL
journal_library/journal_name
[JRNRCV
receiver_library/ receiver_name
]] |
, EOF [JOURNAL
journal_library/journal_name
[JRNRCV
receiver_library/receiver_name
]] |
, SEQNO
sequence_number
[JOURNAL
journal_library/journal_name
[JRNRCV
receiver_library/receiver_name
]]
-
これらのIBM for iオプションでは、グローバル開始位置より後のジャーナル固有のExtract位置が
ADD EXTRACT
で発行されます。ALTER EXTRACT
で設定された特定のジャーナル位置は、ADD EXTRACT
またはALTER EXTRACT
で前に設定されたグローバル位置に影響しません。ただし、ALTER EXTRACT
で設定されたグローバル位置は、同じExtract構成で前に設定された特定の仕訳位置を上書きします。ノート:
SEQNO
は、ALTER EXTRACT
のジャーナルで使用する場合に、ジャーナル全体でグローバルであるシステム順序番号ではなく、特定のジャーナルに相対的なジャーナル順序番号です。
-
group-name
-
変更するExtractグループの名前。
-
{BEGIN {NOW | yyyy-mm-ddT[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]Z}
-
-
NOW
-
Db2 LUW以外のすべてのデータベースで、
NOW
はALTER EXTRACT
コマンドが発行される時刻を指定します。NOW
は、ADD EXTRACT
コマンドを発行する時刻を指定します。Db2 LUWの場合、コミットおよび終了トランザクション・レコードにのみタイムスタンプが含まれるため、Extractの開始位置はそれらのタイムスタンプを基準としてのみ計算できます。これは、Oracle GoldenGateが使用するAPIの制限によるものです。タイムスタンプによる位置設定は正確ではなく、長い時間がかかる可能性があることに注意する必要があります。可能であればLRIまたはEOFオプションを使用することをお薦めします。
データ・ポンプExtractでは、
ADD EXTRACT
文より前にトレイルに取得されたデータをバイパスするときを除き、NOW
を使用しないでください。 -
YYYY-MM-DDThh:mm:ssZ
-
指定された形式の日付と時刻(タイムスタンプ)。たとえば、
2017-07-14T14:54:45Z
です。 -
yyyy-mm-dd[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]
-
指定された形式の日付と時刻(タイムスタンプ)。統合モードのOracle Extractでは、タイムスタンプ値はExtractがデータベースに登録された時点のタイムスタンプよりも大きい必要があります。
SQL Serverトランザクション・ログのタイムスタンプで位置を決定する場合、SQL Serverの次の特性によって影響を受けます。
-
SQL Serverトランザクション・ログに記録されているタイムスタンプは、3.3333マイクロ秒(ms)の粒度を使用します。このレベルの粒度では、2つのトランザクションが同じ3.3333ミリ秒の時間間隔で開始する場合、2つのトランザクションの時間差に基づいて開始位置を決定できないことがあります。
-
タイムスタンプは、すべてのSQL Serverログ・レコードではなく、トランザクションを開始してコミットしたレコード、およびデータが含まれないその他の一部のレコードのみに記録されます。
-
SQL Serverのタイムスタンプは、システム・クロックではなく、使用中の各プロセッサ固有の内部クロックに基づいています。このクロックは1秒間に数回更新されますが、更新から更新までの間にシステム・クロックとの同期が外れることがあります。その場合、時刻で決定する開始位置の正確さがさらに低下します。
-
ログ・バックアップ・ファイルに記録されるタイムスタンプは、バックアップ内に記録された時刻と正確に一致しない可能性があります(ただし、不正確さは1秒未満です)。
LSNを使用した位置決めのほうが正確です。
PostgreSQLのタイムスタンプによる位置決めには、次のシナリオがあります。-
シナリオ1
track_commit_timestamp
がoff
の場合、Extractプロセスが開始されると、使用する位置指定方法に関係なく、次の出力が表示されます。2020-04-29 02:15:54 INFO OGG-01517 Position of first record processed LSN: 0/2222C20, Jan 1, 1970 12:00:00 PM.
-
シナリオ2
Extractが登録される前にtrack_commit_timestamp
が有効になっている場合、次の例に示すように、レコードがソース・データベースでプッシュされると、正しいタイムスタンプが表示されます。2020-04-29 02:19:07 INFO OGG-01515 Positioning to begin time Apr 29,2020 2:18:38 AM.
-
シナリオ3
Extractの登録後にtrack_commit_timestamp
が有効になっている場合、関連付けられたtransaction ID
でコミット・タイムスタンプが構成されていないログに古いレコードが存在する可能性があります。その場合、Extractでタイムスタンプが取得されないと、シナリオ1で示したデフォルトのタイムスタンプを使用してフォールバックされます。出力は、次のようになります。020-04-29 01:55:07 INFO OGG-01517 Position of first record processed LSN: 0/221D028, Jan 1, 1970 12:00:00 PM.
-
レプリケーション・スロットが移動していない場合、過去のタイムスタンプは指定できません。
-
-
-
START
-
PostgreSQLに有効です。
BEGIN NOW
またはLSN
を指定せずにExtractを追加します。Extractは、レプリケーション・スロットの再開位置から自動的に開始されます。 -
ADD_EXTRACT_
attribute
-
次の例外を除き、
ADD EXTRACT
コマンドで指定した任意の属性を変更できます。-
EXTTRAILSOURCE
オプションで指定したExtractの変更。 -
THREADS
オプションで指定したRACスレッド数の変更。
このような例外に該当する場合は、対象のExtractグループを削除し、このグループをもう一度追加してください。
BEGIN
オプションを使用している場合は、同じ文に他のオプションを指定しないでください。別の文を発行してください。たとえば:ALTER EXTRACT exte, BEGIN 2019-01-01 ALTER EXTRACT exte, ETROLLOVER ALTER EXTRACT exte, SCN 789000
統合Extractに対して
SCN
またはBEGIN
オプションを使用する場合は、DBLOGIN
が必要であり、指定されたSCNまたはタイムスタンプ値はアウトバウンド・サーバーの最初のSCNまたはタイムスタンプ未満にできません。アウトバウンド・サーバーの最初のSCNを検索するには、次のコマンドを発行します。INFO EXTRACT
group_name
, SHOWCH DETAIL次の例に示すように、最初のSCN値がリストされます。
Integrated Extract outbound server first scn: 0.665884 (665884)
-
-
EXTSEQNO
sequence_number
-
Oracleのクラシック・キャプチャ・モードのプライマリExtract、およびデータ・ポンプExtractに有効です。統合モードのExtractではサポートされません。
次のいずれかを指定します。
-
Oracle REDOログの順序番号と、そのログ内のデータ取得開始位置のRBA。
-
データ取得を開始するファイル内の相対バイト・アドレス。この2つの要素によって、TMFマスター監査証跡(MAT)の位置を指定します。
-
(データ・ポンプの場合)トレイル内のデータ取得開始ファイル。順序番号を指定しますが、埋込みのために0を使用しないでください。たとえば、証跡ファイルが
\aa000026
の場合は、EXTSEQNO 26
と指定します。このオプションを使用しない場合、処理はデフォルトで証跡の最初から開始されます。
このオプションを使用する前に、Oracleサポートに連絡してください。詳細は、
http://support.oracle.com.
にアクセスしてください -
-
EXTRBA
offset_number
-
Oracle Databaseに有効です。トランザクション・ログ内のデータ取得開始位置の相対バイト・アドレスを指定します。
必要な書式は
0X
nnn
で、nnn
は1 - 20桁の16進数(最初の文字は桁を表すゼロで、2番目の文字は大文字または小文字x
)です。 -
EOF
-
Db2 for i、Db2 LUW、MySQL、PostgreSQLおよびSQL Serverの場合に有効です。
ログ・ファイル(またはジャーナル)の末尾(次のレコードの書込み位置)から処理を開始するように構成します。アクティブなトランザクションは取得されません。
Db2 LUWの場合、ログ・ファイル内のアクティブな
LRI
値から開始するように処理を構成します。アクティブLRI
は、ログ・ファイルの末尾位置(次のレコードの書込み位置)です。アクティブなトランザクションは取得されません。PostgreSQLの場合、
EOF
による位置にはDBLOGIN
が必要です。MySQLの場合は、ファイルの末尾に対応する位置が検出され、そこからトランザクションの読取りが開始されます。データがバイナリ・ログに継続的に書き込まれている場合は、EOFの位置が正確ではありません。
-
TRANLOG LRI
LRI_number
-
(Db2 LUW)このオプションをDb2 LUWシステムに使用して、LRIレコード値をチェックポイント・トランザクション・ログに指定できます。
PostgreSQLの場合、
EOF
による位置にはDBLOGIN
が必要です。 -
REPORT
file_name
-
Extractレポート・ファイルの保管場所の完全パス名を、Oracle GoldenGateディレクトリ内のデフォルトの
dirrpt
以外に指定します。 -
SCN
value
-
Oracleに有効です。
指定されたOracleシステム変更番号(SCN)を持つREDOログ内のトランザクションからExtractを開始します。このオプションはクラシック・キャプチャおよび統合モードのExtractに有効です。統合モードのExtractでは、SCN値はExtractがデータベースに登録された時点のSCNよりも大きい必要があります。統合Extractに対してSCNまたは
BEGIN
オプションを使用する場合は、DBLOGIN
が必要であり、指定されたSCNまたはタイムスタンプ値はアウトバウンド・サーバーの最初のSCNまたはタイムスタンプ未満にできません。 -
LSN value
- SQL Server、Db2 z/OSおよびPostgreSQLに有効です。
-
LOGNUM
-
MySQLに有効です。
これはログ・ファイル番号です。たとえば、必要なログ・ファイルの名前がtest.000034である場合、LOGNUM
値は34です。Extractでは、このログ・ファイルが検索されます。ノート:
Microservices Architectureでは、LOGNUM
値の前にゼロが含まれる場合、ADD EXTRACT
が失敗します。たとえば、ADD EXTRACT ext1, TRANLOG, LOGNUM 000001, LOGPOS 0
は失敗します。かわりに、LOGNUM
を1に設定すると、この例は成功します。 -
LOGPOS
-
MySQLに有効です。
これは、特定のトランザクション・レコードを識別する、ログ・ファイル内のイベント・オフセット値です。イベント・オフセット値は、ログ・レコードのヘッダー・セクションに格納されます。
binlog
ファイルの先頭に配置するには、LOGPOS
を0に設定します。 -
ETROLLOVER
-
手動リカバリでプライマリExtractの証跡ファイルの再配置および再生成が必要な場合、および以前のバージョンからOracle GoldenGateをアップグレードする場合に使用します。
Extractで証跡ファイルのインカネーションが新規作成され、再起動時に次の証跡順序のファイルに切り替えられます。ポンプまたはReplicatなどのリーダーをその新しい証跡順序番号に手動で再配置する必要があります。
19c以降、分散サービスの処理中は次のようになります。-
ソース・プライマリExtractがターゲット証跡ファイル
ETROLLOVER
でアップグレードされた場合、分散サービスはソース証跡ファイルETROLLOVER
を自動的に検出し、次の入力証跡ファイルからの読取りを開始します。これは、データ・ポンプのALTER EXTRACT groupname EXTSEQNO seqno+1 EXTRBA 0
と同じコマンドです。 -
分散サービスのアップグレード後、再起動時に出力証跡ファイルのETROLLOVERが自動的に実行され、次の証跡ファイルが正しく書き込まれます。これは、データ・ポンプの
ALTER EXTRACT groupname ETROLLOVER
と同じです。
-
-
DESC '
description
'
-
グループの説明(
'Extracts account_tab on Serv1'
など)を指定します。説明を一重引用符で囲みます。短縮キーワードDESC
または完全なキーワードDESCRIPTION
を使用できます。 -
ENCRYPTIONPROFILE
- Extractの暗号化プロファイルの名前を指定します。この名前は大/小文字が区別されるため、
ADD EXTRACT
で入力した名前と完全に一致するものを使用する必要があります。 -
CRITICAL
-
プロセスがデプロイメントにとって重要かどうかを示します。
-
PROFILE
- 自動開始プロファイルの名前。この名前は大/小文字が区別されるため、
ADD EXTRACT
で入力した名前と完全に一致するものを使用する必要があります。 -
AUTOSTART
- 管理サービスの起動時に、管理対象のプロセスを自動的に開始する必要があるかどうかを指定します。デフォルト値は
YES
。 -
RETRIES
-
再試行を中止するまでにタスクを再開する最大試行数。これはオプションです。
-
WAITSECONDS
-
再試行をカウントする期間(秒単位)。
-
RESETSECONDS
- 再試行をカウントする期間をリセットします。
-
DISABLEONFAILURE
-
TRUE
に設定すると、再試行回数の上限に達した時点でタスクは無効になります。 -
INFO EXTRACT group-name, SHOWCH DETAIL
-
次の例に示すように、最初のSCN値がリストされます。
Integrated Extract outbound server first scn: 0.665884 (665884)
例
-
次の例では、2011年1月1日からのデータの処理を開始するようにExtractの設定を変更します。
ALTER EXTRACT exte, BEGIN 2019-01-01
-
次の例では、トレイル内の特定の場所から処理を開始するようにExtractの設定を変更します。
ALTER EXTRACT exte, EXTSEQNO 26, EXTRBA 338
-
次の例では、特定のLSNから処理を開始するようにSQL Server環境のExtractの設定を変更します。
ALTER EXTRACT exte, LSN 3454:875:445
-
次の例では、Extractの設定を変更して、順序の次のトレイル・ファイルに切り替えさせます。
ALTER EXTRACT exte, ETROLLOVER
-
次の例では、統合キャプチャにアップグレードするようにExtractの設定を変更します。
ALTER EXTRACT exte, UPGRADE INTEGRATED TRANLOG
-
次の例では、ソース・データベースSCN 778899からデータ処理を開始するようにOracle環境のExtractの設定を変更します。
ALTER EXTRACT exte, SCN 778899
-
次の例は、IBM for iジャーナル開始位置の
ALTER EXTRACT
を示します。ALTER EXTRACT exte, SEQNO 1234 JOURNAL accts/acctsjrn
-
次の例は、IBM for iジャーナルおよび受信者開始位置の
ALTER EXTRACT
を示します。ALTER EXTRACT exte, SEQNO 1234 JOURNAL accts/acctsjrn JRNRCV accts/jrnrcv0005
-
次の例は、Db2 LUWシステム上のExtractを変更します。
ALTER EXTRACT exte, TRANLOG LRI 8066.322711